52 / 87
斎藤福寿、守咲窓華と台湾旅行する。
7 本当は怖いんだ
しおりを挟む
窓の近くのベンチに座って夜景を見ている僕に窓華さんは話しかけてきた。窓華さんはお酒を飲んでも動けるらしく、お風呂にはいいったりしている。僕は明日の朝に入ろうなどと考えていた。
「呪って将来の夢ってあった?」
「僕は医者になるって夢がありました」
夢を語ることは今の日本では恥ずかしいことだ。でも、僕らはホテルの食事でお酒に酔っているから恥ずかしくもない。
「その後のことは?」
「考えたことがありませんね」
「彼女さんも居るんでしょ?普通は一生をどう過ごしたいか考えるんだよ」
窓華さんは僕より追加でお酒を飲んでいるため気が大きくなっている。僕はそれについて指摘されてとても悔しかった。だって、今の僕は寿管士として生活するなら、いつ詩乃と結婚できるかも分からないから。
「窓華さんは幼稚園の先生でしたけど、どういう思いでした?」
「私は幼稚園の先生になりたかったから、夢は叶ったよ」
「前も言いましたが、夢が叶うって羨ましいです」
「それでも、喜代也が効かないから死ぬまで呪と居るんだよなぁ」
なんだかいつもより悲しそうに言う。こんな弱い人間を僕という存在が追い詰めているのだろうか。僕は酷いことをしている。
「でも僕は窓華さんを見殺しにするみたいなもんですね」
「私は死にたくないよ。それに呪が殺すだなんて。そんな根性もないくせに強がりを言っちゃ駄目」
そういう窓華さんは涙声だ。前に死を身近に感じないと生きている実感がないと言った。窓華さんは今、死を感じている。なら生きている実感があるということか。それってなんだか寂しいじゃないか。
「僕だって人の死を受け入れることは辛いです」
「でも、私は喜代也のせいで死ぬしかないんだよ?呪の心に残ると思うとやっぱり辛いところもあるよ」
「それを僕に言ってどうしろって言うんですか?」
「どうにもできないって分かっている。やっぱり私は死にたくないよ……」
何も言うことができない。あれだけ死は怖くないみたいなことを言う窓華さんだけど、本当のところ死に怯えている。そしてそれと同時に生きることを実感しているのだろう。あの詩人の言う言葉を真に受けるなら。それに僕も仕事と言っても、マザーが選んだだけの仕事で苦労している。この仕事で人と出会い失うだけの生活なんて嫌だ。やっぱりこの世の中には僕らが居ても良い世界はないかもしれない。
「旦那さんと桜ちゃんも、窓華さんには死んで欲しくないと思いますよ」
「それは分かるよ?呪と暮らすことになった日に楓が隠れて泣いていたの。桜にはどう説明したんだろうな。まだ小学校二年生だよ」
「僕は職業柄、窓華さんをどうすることもできません」
「呪はマザーによって私と最期まで生活するって決められているからね」
窓華さんはベッドの中でもごもご動いている。僕はしばらくガラス越しの夜景を見て考え事をしていた。夜中だと言うのに地上鉄は動いているようだ。うっすらとしか見えないけれど、それは確実に夜景を邪魔している。明るい窓華さんがこんな風に僕に弱みを見せるなんて思わなかった。もっと強い人だと勘違いしていた。
窓華さんはマザーに選ばれて夢も家族も手に入れた。それならば僕よりも満たされていたはず。なのに喜代也が効かないせいで家族と離されて生活している。僕はやっとマザーに選ばれて寿管士になった。そして窓華さんが死ぬまで一緒に暮らすだけだ。こんな僕の仕事ってどういう意味があるのだろう。世の中に意味のないものはないらしいが、寿管士って意味があるのだろうか。こんな仕事は日本だけじゃないだろうか。
「窓華さん、寝てないで夜景見ませんか?綺麗ですよ」
「仕方ないなぁ……」
窓華さんはベッドから出て僕の隣のベンチに座る。そして窓ガラス越しにものすごく綺麗な夜景を見た。僕だってびっくりしたし、窓華さんだって驚いていた。
「日本には私の住む世界はなかったけど、ここなら生きれるかもね」
「どういうことです?」
「台湾なら私も平和に生きていたかもって言いたいの。この空の下ならまともな人生が送れる気がする。だから現実から逃げたいちゃいかなって」
「なんでそうなるんですか……」
僕は呆れてしまう。僕は窓華さんを失いたくない。でも、それで逃げるとかはまた話が違ってくると思う。この台湾という世界の夜空で、僕らは地上鉄によって邪魔されているような気がする。大昔に来ていたのなら、もっと綺麗な夜景だったはずなのだし。どこで生きるにしろ僕らには障害がある。
「だって、呪は私を失いたくないでしょ。なら逃げようよ」
「首輪の存在もお金の問題もありますし」
「そっか、やっぱり呪は私を励ましても救ってもくれないんだね」
失いたくない気持ちは会ってからどんどん深まる。そして、失った後の生活がどうなるか想像もできない。窓華さんと暮らす日々が平和だったから。
「僕が掬えるものなんて、金魚ぐらいですよ」
「お祭りの屋台のことぉ?」
「そうです」
「地上鉄があって夜空がすごく綺麗だよね。日本とは違う場所で育ったら、喜代也を打たない世界で違う人生があったかもしれないのにな」
窓華さんが日本に産まれなかったら、もしかしたら違う未来もあったかも。窓華さんだって僕だって違う出会い方をしていたかもしれない。
「僕は寝ますから」
「私はもう少し夜景眺めたら寝るよ」
「そうですか」
「なんだかんだで、私は弱いから死にたくないんだと思うよ」
窓華さんは泣きながら夜景を眺めていた。僕よりもマザーの決める未来に思うところがあるのだと思う。僕だってないわけではない。でも、まだ、窓華さんよりはましな人生だと感じるから。僕は窓華さんをどうすることもできない。逃がすこともできないし、死んで首輪が外れるまで一緒に過ごすしかないのだ。
「ねぇ、この世界から逃げるって意味で私と心中する気はないの?」
「どうしてそこまで飛躍するんですか……」
「いや、心中したらこの首輪はどう反応するんだろうなって」
それは僕も疑問ではある。例えば窓華さんの自殺の予防のためにある首輪なのだから、窓華さんを殺してから、その次に僕が自殺するならばきっと首輪は反応しないだろう。なんでこんなことを真面目に考えているんだ。
「大昔のドラマみたいなことを言いますね」
「だって、一人で死ぬのって寂しいよ」
「僕はそこまで面倒は見切れません」
正直なことを口にする。だって、失いたくない事実で、この生活に終わりがあるってことも事実。でも僕はこの世界で死にたくない。多分、死ぬことが怖いだけかもしれない。ちょっとした勇気で消えることができるなら、それを選ぶ。
「呪はケチだなぁ……」
「そりゃあ、ケチになりますよ。自殺されたら減給なんですから」
「あぁ、それは前も言ってたよね。この仕事はシビアだよねぇ」
なんだか僕の仕事を同情するように言う。僕の仕事についてどこまで分かっているのだろうか。僕の窓華さんの死に対する悩みをどこまで理解しているのか確かめたいと思ったから聞いてみる。
「窓華さんだって、僕が窓華さんと居る意味を分かっているでしょう」
「呪は仕事で私と居て、死ぬまで一緒に暮らす人!」
「分かっているなら無理言わないでください」
窓華さんは地頭は良いのだし、こんなことは理解しているのだ。それでいて僕を困らせることも楽しむし、実際死にたくないのだろう。
「人は一つしか道を選べないからさ、選んだ道を正しいと思うしかないんだよね。私は正しい選択肢を選んできたのかな?」
「ゲームだと、バッドエンドもコンプとかしますもんねぇ」
「いや、そんなオタクの話はしてないけど……」
確かに人生はゲームと違ってセーブ地点を作ってやり直すことができない。僕には戻りたい過去がない。それを窓華さんに驚かれた、僕は今まで生きていて良かったと思えることがないから、そう思うだけだ。
「私は今まで選択してきたことを正しいと思うことにするよ。だって神様が与えてくれたたった一つの道なんだよ。きっと正しいよ」
「それは立派な考え方ですね」
「うん、神様でも仏様でも八百万の神でも誰でも良いけどさ、私が与えられた選択肢はこれしか結末がないのだから」
そう言うと窓華さんは笑った。ティラミスと同じで誰かの言った言葉なのだろうかと思って、眼鏡の辞書で検索するが該当する人物などは居ない。あぁ、これは窓華さんの生きる上での考え方なのか。
「でもさ、最期ぐらいは夢をみたいじゃん」
「夢を見るのはご勝手に。僕は寝るので」
「良い夢見るんだよ?」
ベッドの方へ向かった。いつもの布団とは違ってふかふかだ。いつものマンションだって良いところだけれど、ここは段違いだ。
「呪って将来の夢ってあった?」
「僕は医者になるって夢がありました」
夢を語ることは今の日本では恥ずかしいことだ。でも、僕らはホテルの食事でお酒に酔っているから恥ずかしくもない。
「その後のことは?」
「考えたことがありませんね」
「彼女さんも居るんでしょ?普通は一生をどう過ごしたいか考えるんだよ」
窓華さんは僕より追加でお酒を飲んでいるため気が大きくなっている。僕はそれについて指摘されてとても悔しかった。だって、今の僕は寿管士として生活するなら、いつ詩乃と結婚できるかも分からないから。
「窓華さんは幼稚園の先生でしたけど、どういう思いでした?」
「私は幼稚園の先生になりたかったから、夢は叶ったよ」
「前も言いましたが、夢が叶うって羨ましいです」
「それでも、喜代也が効かないから死ぬまで呪と居るんだよなぁ」
なんだかいつもより悲しそうに言う。こんな弱い人間を僕という存在が追い詰めているのだろうか。僕は酷いことをしている。
「でも僕は窓華さんを見殺しにするみたいなもんですね」
「私は死にたくないよ。それに呪が殺すだなんて。そんな根性もないくせに強がりを言っちゃ駄目」
そういう窓華さんは涙声だ。前に死を身近に感じないと生きている実感がないと言った。窓華さんは今、死を感じている。なら生きている実感があるということか。それってなんだか寂しいじゃないか。
「僕だって人の死を受け入れることは辛いです」
「でも、私は喜代也のせいで死ぬしかないんだよ?呪の心に残ると思うとやっぱり辛いところもあるよ」
「それを僕に言ってどうしろって言うんですか?」
「どうにもできないって分かっている。やっぱり私は死にたくないよ……」
何も言うことができない。あれだけ死は怖くないみたいなことを言う窓華さんだけど、本当のところ死に怯えている。そしてそれと同時に生きることを実感しているのだろう。あの詩人の言う言葉を真に受けるなら。それに僕も仕事と言っても、マザーが選んだだけの仕事で苦労している。この仕事で人と出会い失うだけの生活なんて嫌だ。やっぱりこの世の中には僕らが居ても良い世界はないかもしれない。
「旦那さんと桜ちゃんも、窓華さんには死んで欲しくないと思いますよ」
「それは分かるよ?呪と暮らすことになった日に楓が隠れて泣いていたの。桜にはどう説明したんだろうな。まだ小学校二年生だよ」
「僕は職業柄、窓華さんをどうすることもできません」
「呪はマザーによって私と最期まで生活するって決められているからね」
窓華さんはベッドの中でもごもご動いている。僕はしばらくガラス越しの夜景を見て考え事をしていた。夜中だと言うのに地上鉄は動いているようだ。うっすらとしか見えないけれど、それは確実に夜景を邪魔している。明るい窓華さんがこんな風に僕に弱みを見せるなんて思わなかった。もっと強い人だと勘違いしていた。
窓華さんはマザーに選ばれて夢も家族も手に入れた。それならば僕よりも満たされていたはず。なのに喜代也が効かないせいで家族と離されて生活している。僕はやっとマザーに選ばれて寿管士になった。そして窓華さんが死ぬまで一緒に暮らすだけだ。こんな僕の仕事ってどういう意味があるのだろう。世の中に意味のないものはないらしいが、寿管士って意味があるのだろうか。こんな仕事は日本だけじゃないだろうか。
「窓華さん、寝てないで夜景見ませんか?綺麗ですよ」
「仕方ないなぁ……」
窓華さんはベッドから出て僕の隣のベンチに座る。そして窓ガラス越しにものすごく綺麗な夜景を見た。僕だってびっくりしたし、窓華さんだって驚いていた。
「日本には私の住む世界はなかったけど、ここなら生きれるかもね」
「どういうことです?」
「台湾なら私も平和に生きていたかもって言いたいの。この空の下ならまともな人生が送れる気がする。だから現実から逃げたいちゃいかなって」
「なんでそうなるんですか……」
僕は呆れてしまう。僕は窓華さんを失いたくない。でも、それで逃げるとかはまた話が違ってくると思う。この台湾という世界の夜空で、僕らは地上鉄によって邪魔されているような気がする。大昔に来ていたのなら、もっと綺麗な夜景だったはずなのだし。どこで生きるにしろ僕らには障害がある。
「だって、呪は私を失いたくないでしょ。なら逃げようよ」
「首輪の存在もお金の問題もありますし」
「そっか、やっぱり呪は私を励ましても救ってもくれないんだね」
失いたくない気持ちは会ってからどんどん深まる。そして、失った後の生活がどうなるか想像もできない。窓華さんと暮らす日々が平和だったから。
「僕が掬えるものなんて、金魚ぐらいですよ」
「お祭りの屋台のことぉ?」
「そうです」
「地上鉄があって夜空がすごく綺麗だよね。日本とは違う場所で育ったら、喜代也を打たない世界で違う人生があったかもしれないのにな」
窓華さんが日本に産まれなかったら、もしかしたら違う未来もあったかも。窓華さんだって僕だって違う出会い方をしていたかもしれない。
「僕は寝ますから」
「私はもう少し夜景眺めたら寝るよ」
「そうですか」
「なんだかんだで、私は弱いから死にたくないんだと思うよ」
窓華さんは泣きながら夜景を眺めていた。僕よりもマザーの決める未来に思うところがあるのだと思う。僕だってないわけではない。でも、まだ、窓華さんよりはましな人生だと感じるから。僕は窓華さんをどうすることもできない。逃がすこともできないし、死んで首輪が外れるまで一緒に過ごすしかないのだ。
「ねぇ、この世界から逃げるって意味で私と心中する気はないの?」
「どうしてそこまで飛躍するんですか……」
「いや、心中したらこの首輪はどう反応するんだろうなって」
それは僕も疑問ではある。例えば窓華さんの自殺の予防のためにある首輪なのだから、窓華さんを殺してから、その次に僕が自殺するならばきっと首輪は反応しないだろう。なんでこんなことを真面目に考えているんだ。
「大昔のドラマみたいなことを言いますね」
「だって、一人で死ぬのって寂しいよ」
「僕はそこまで面倒は見切れません」
正直なことを口にする。だって、失いたくない事実で、この生活に終わりがあるってことも事実。でも僕はこの世界で死にたくない。多分、死ぬことが怖いだけかもしれない。ちょっとした勇気で消えることができるなら、それを選ぶ。
「呪はケチだなぁ……」
「そりゃあ、ケチになりますよ。自殺されたら減給なんですから」
「あぁ、それは前も言ってたよね。この仕事はシビアだよねぇ」
なんだか僕の仕事を同情するように言う。僕の仕事についてどこまで分かっているのだろうか。僕の窓華さんの死に対する悩みをどこまで理解しているのか確かめたいと思ったから聞いてみる。
「窓華さんだって、僕が窓華さんと居る意味を分かっているでしょう」
「呪は仕事で私と居て、死ぬまで一緒に暮らす人!」
「分かっているなら無理言わないでください」
窓華さんは地頭は良いのだし、こんなことは理解しているのだ。それでいて僕を困らせることも楽しむし、実際死にたくないのだろう。
「人は一つしか道を選べないからさ、選んだ道を正しいと思うしかないんだよね。私は正しい選択肢を選んできたのかな?」
「ゲームだと、バッドエンドもコンプとかしますもんねぇ」
「いや、そんなオタクの話はしてないけど……」
確かに人生はゲームと違ってセーブ地点を作ってやり直すことができない。僕には戻りたい過去がない。それを窓華さんに驚かれた、僕は今まで生きていて良かったと思えることがないから、そう思うだけだ。
「私は今まで選択してきたことを正しいと思うことにするよ。だって神様が与えてくれたたった一つの道なんだよ。きっと正しいよ」
「それは立派な考え方ですね」
「うん、神様でも仏様でも八百万の神でも誰でも良いけどさ、私が与えられた選択肢はこれしか結末がないのだから」
そう言うと窓華さんは笑った。ティラミスと同じで誰かの言った言葉なのだろうかと思って、眼鏡の辞書で検索するが該当する人物などは居ない。あぁ、これは窓華さんの生きる上での考え方なのか。
「でもさ、最期ぐらいは夢をみたいじゃん」
「夢を見るのはご勝手に。僕は寝るので」
「良い夢見るんだよ?」
ベッドの方へ向かった。いつもの布団とは違ってふかふかだ。いつものマンションだって良いところだけれど、ここは段違いだ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
Tactical name: Living dead. “ Fairies never die――. ”
されど電波おやぢは妄想を騙る
SF
遠い昔の記憶なのでやや曖昧だが、その中でも鮮明に残っている光景がある。
企業が作った最先端のロボット達が織りなす、イベントショーのことだった。
まだ小学生だった頃の俺は両親に連れられて、とある博物館へと遊びに来ていた。
そこには色々な目的で作られた、当時の様々な工業機械や実験機などが、解説と一緒に展示されていた。
ラジコンや機械弄りが大好きだった俺は、見たこともない機械の物珍しさに、凄く喜んでいたのを朧げに覚えている。
その中でも人間のように二足歩行し、指や関節の各部を滑らかに動かして、コミカルなショーを演じていたロボットに、一際、興味を惹かれた。
それは目や鼻と言った特徴はない無機質さで、まるで宇宙服を着込んだ小さな人? そんな感じだった。
司会の女性が質問を投げ掛けると、人の仕草を真似て答える。
首を傾げて悩む仕草や、大袈裟に身振り手振りを加えたりと、仰々しくも滑稽に答えていた。
またノリの良い音楽に合わせて、ロボットだけにロボットダンスを披露したりもして、観客らを大いに楽しませていた。
声は声優さんがアテレコしていたのをあとから知るが、当時の俺は中に人が入ってるんじゃね? とか、本気で思っていたりもしていたくらいだ。
結局は人が別室で操作して動かす、正しくロボットに違いはなかった。
だがしかし、今現在は違う。
この僅か数十年でテクノロジーが飛躍的に進歩した現代科学。
それが生み出したロボットに変わるアンドロイドが、一般家庭や職場にも普及し、人と共に生活している時代だからだ。
外皮を覆う素材も数十年の間に切磋琢磨され、今では人間の肌の質感に近くなり、何がどうと言うわけではないが、僅かばかりの作り物臭さが残る程度。
またA.I.の発達により、より本物の人間らしい動き、表情の動きや感情表現までもを見事に再現している。
パッと見ただけでは、直ぐに人間と見分けがつかないくらい、精巧な仕上がりだ。
そんな昔のことを思い出している俺は、なんの因果か今現在、そのアンドロイドらと絶賛交戦中ってわけで――。

乾坤一擲
響 恭也
SF
織田信長には片腕と頼む弟がいた。喜六郎秀隆である。事故死したはずの弟が目覚めたとき、この世にありえぬ知識も同時によみがえっていたのである。
これは兄弟二人が手を取り合って戦国の世を綱渡りのように歩いてゆく物語である。
思い付きのため不定期連載です。
すべて実話
さつきのいろどり
ホラー
タイトル通り全て実話のホラー体験です。
友人から聞いたものや著者本人の実体験を書かせていただきます。
長編として登録していますが、短編をいつくか載せていこうと思っていますので、追加配信しましたら覗きに来て下さいね^^*
サドガシマ作戦、2025年初冬、ロシア共和国は突如として佐渡ヶ島に侵攻した。
セキトネリ
ライト文芸
2025年初冬、ウクライナ戦役が膠着状態の中、ロシア連邦東部軍管区(旧極東軍管区)は突如北海道北部と佐渡ヶ島に侵攻。総責任者は東部軍管区ジトコ大将だった。北海道はダミーで狙いは佐渡ヶ島のガメラレーダーであった。これは中国の南西諸島侵攻と台湾侵攻を援助するための密約のためだった。同時に北朝鮮は38度線を越え、ソウルを占拠した。在韓米軍に対しては戦術核の電磁パルス攻撃で米軍を朝鮮半島から駆逐、日本に退避させた。
その中、欧州ロシアに対して、東部軍管区ジトコ大将はロシア連邦からの離脱を決断、中央軍管区と図ってオビ川以東の領土を東ロシア共和国として独立を宣言、日本との相互安保条約を結んだ。
佐渡ヶ島侵攻(通称サドガシマ作戦、Operation Sadogashima)の副指揮官はジトコ大将の娘エレーナ少佐だ。エレーナ少佐率いる東ロシア共和国軍女性部隊二千人は、北朝鮮のホバークラフトによる上陸作戦を陸自水陸機動団と阻止する。
※このシリーズはカクヨム版「サドガシマ作戦(https://kakuyomu.jp/works/16818093092605918428)」と重複しています。ただし、カクヨムではできない説明用の軍事地図、武器詳細はこちらで掲載しております。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。

【完結】空戦ドラゴン・バスターズ ~世界中に現れたドラゴンを倒すべく、のちに最強パイロットと呼ばれる少年は戦闘機に乗って空を駆ける~
岡崎 剛柔
SF
西暦1999年。
航空自衛隊所属の香取二等空尉は、戦闘機T‐2を名古屋の整備工場へ運ぶ最中に嵐に遭遇し、ファンタジー世界から現れたようなドラゴンこと翼竜に襲撃される。
それから約30年後。
世界中に現れた人類をおびやかす翼竜を倒すべく日本各地に航空戦闘学校が設立され、白樺天馬は戦闘パイロット候補生として四鳥島の航空戦闘学校に入学する。
その航空戦闘学校でパイロットの訓練や講義を受ける中で、天馬は仲間たちと絆を深めていくと同時に天才パイロットとしての才能を開花させていく。
一方、島に非常着陸する航空自衛軍の戦闘機や、傷ついた翼竜の幼体を保護する少女――向日葵との出会いが、天馬の運命を大きく変えることになる。
これは空と大地を舞台に繰り広げられる、のちに最強の戦闘パイロットと呼ばれる1人の少年の物語――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる