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斎藤福寿、守咲窓華との初めての夜。
3 坊主めくり
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「百人一首には恋と秋の歌が多いの知ってた?」
「選んだ人、確か藤原定家が好きだったんだっけ」
僕は百人一首を一から順番に覚えたわけじゃない。面白いなと思った歌から覚えたから、恋の歌が最後の方に残ってしまった。僕には愛とか恋とか昔から分からないもので、今だって分からない。
「恋の歌なんて四三首もあるんだよ。ほぼ半分だよねぇ」
「窓華さん詳しいですね。秋の歌はどらくらいあるんですか」
四0首以上の恋の歌があるなんて知らなかった。だから僕は惹かれた歌というのが少なかったのだろうか。百人一首の時代はスマホもパソコンもなくて、不自由な恋だったと思う。今だと簡単に連絡を取れる相手にも連絡できない。僕が家族や詩乃に連絡を控えるように言われていることと同じようで、そう思うと一気に平安貴族を身近に感じることができた。
「秋かぁ、私は秋まで生きられるのかな」
「それが言いたかっただけですか?僕は死亡日時は言いませんからね」
「違うよ。そんな意味はないよ。秋の歌は二0首ぐらいあるかな」
そりゃあ、自分が死ぬ日時と時刻を知っている人が居るのなら、聞きたくなることは当たり前だと思う。でも怖くないのだろうか。そして僕は秋の歌が二0首もあるなんてことに驚いていた。だってそんなに多いとは思わなかったから。
「ほぼ半分、恋と秋の歌なんて審査ガバガバですね」
「そんなこと言うなよぉ」
「で、坊主めくりするんです?」
窓華さんは絵札をシャッフルしている。見たところ、やる気は満々にあるようで僕は眠い目を擦りながらその様子を見ていた。そしてソファーの近くにあるテーブルに裏側にして置いた。
「そうだなぁ、なんか罰ゲーム作ろうよ」
「嫌な言い方しますね」
「季節の歌ならどの四季のどれが良い?」
僕のことをにやにやと見てくる窓華さんは良い罰ゲームなんて考えないだろう。だから僕は少しでも危険を回避したかった。百人一首の説明書の用紙を見ると坊主めくりのルールが書いてある。なるほど、男は六七枚、女は二一枚、坊主は一二枚なのか。こんなこと初めて知った。特殊ルールについて、僕は蝉丸しか知らないけれど天皇がどうとかいろいろあるようだ。難しくなりそうだから、窓華さんには言うことをやめる。
「罰ゲームの内容にもよりますが……」
「そうだなぁ、坊主めくりしてその歌は坊主の役割をするってどう?」
「それなら少ない方が良いですね」
坊主が百人一首で一二枚って思ったより少ないと感じたけど、そこから秋の歌を冷やしたら二0首も増えるわけだ。僕はそれは嫌だった。
「うん、それだけではつまらえないな。お互いの秘密を暴露しよう」
「もっと少ないほうが良いと思いました。それに暴露するような秘密を僕は持ち合わせていませんが」
「じゃあ、私が質問するから答えて。個人的に夏の歌でも良いんだけどねぇ」
僕は小さい頃から悪いこともしてないし、その分良いことをしていたわけでもないがつまらない人生を送っている。だから、窓華さんの思うような答えをすることができるか不安だ。
「で、一番数が少ないのは?」
「春は九首、夏は四首、冬は六首だね。さっき言った通り秋は多いよ」
「じゃあ、夏で」
四首しかない夏の歌を僕は選んだ。坊主と合わせても一六枚になるだけ。これならそこまで苦痛にはならないだろう。
「そっか私だって夏ぐらいまでは生きれるよね」
「そういう意味で言ったわけじゃないんですけど……」
窓華さんは自分があと半年以内に死ぬとしか伝えられていない。八月二六日に死ぬなんて未来は知らない。でも夏までは生きられる。花火大会だって行くことができるかもしれない。何も悲観することはない。
「私は夏の歌で好きなのはね、女で天皇になった持統天皇が……」
「まだやるとは言ってませんけど?」
「えぇ、私は死ぬんだよ。死ぬまで楽しく生きたいよ」
死ぬという言葉に僕は敏感になっていた。窓華さんと暮らして数日。このアパートから窓華さんが消えた生活を想像できなかったから。しかしあの日は確実に来るわけで窓華さんは死ぬ。
「分かりました、やりましょう」
「ちなみに坊主の歌は実は一三首しかないからさ」
「それはさっき説明書で見ました」
この人は百人一首に詳しいのだなと僕は感じた。だって、僕みたいな人間は百人一首の知識はあっても、どれが何枚なんて知識は持ち合わせていない。窓華さんはオプションで覚えていないのだから、これは努力の結晶だ。
窓華さんがソファーから離れ、冷蔵庫に向かった。僕はどうしたのだろうと思ったけど、持ってきたのは缶チューハイだった。僕はお酒にそこまで強くないから嫌なんだけど、ここ数日で窓華さんもお酒に弱いことは知っている。お酒が好きと言っても窓華さんのように弱い人も居るなんて、僕は初めて知ったぐらいだ。
「どうしてここでお酒を持ってくるんです?」
「いやぁ、酔っ払った方が喋りやすいじゃん」
「まぁ、そうですけど」
僕の前に置かれた九パーセントのレモンのチューハイ。これは苦いからあまり好きじゃないし、次の日に頭がガンガンするのだけれども。まぁ、僕も酔いに任せてこのゲームを楽しむしかないのか。
「出会ったばかりなんだよ。仲良くしたいし」
「分かりました。やりましょう」
缶チューハイを開けて二人で乾杯する。僕は大学時代に飲み会なんてあまり誘われなかったから、こんなことを自宅のような場所でするなんて信じられない。僕は缶に口をつける。やはり苦い。
「二人で坊主めくりってのも寂しいね。呪には同僚は居ないの?」
「霞さんという女性が居ますね」
「へぇ、どんな人?」
やっぱり窓華さんにとっては、二人で乾杯というのは寂しいのか。僕にとっては楽しいことなんだけど。僕は霞さんの話をする。霞さんは今頃何をしているのか僕は分からない。霞さんの担当する保護人は結婚詐欺師だと、初めて会ってファイルを渡されたときに愚痴っていたな。でも霞さんは強い女の人だから、僕よりうまく保護人と暮らせているのかも。マザーさんは同僚と言うより、きっと上司の立場なわけだしここでは言わなかった。
「僕のことを根暗眼鏡って呼ぶ、ちょっと怖い人です」
「私の担当がへなちょこ男で良かったぁ」
やはり僕は霞さんだけでなく、窓華さんにもそんな弱い男に見えるのか。確かに特定の運動はしてこなかったし、趣味も読書とかインドア派のオタクだからそこまで活発には思われないだろう。僕らは坊主が出たとか、姫が出たとかわいわいしつつ坊主めくりを続けていた。
「選んだ人、確か藤原定家が好きだったんだっけ」
僕は百人一首を一から順番に覚えたわけじゃない。面白いなと思った歌から覚えたから、恋の歌が最後の方に残ってしまった。僕には愛とか恋とか昔から分からないもので、今だって分からない。
「恋の歌なんて四三首もあるんだよ。ほぼ半分だよねぇ」
「窓華さん詳しいですね。秋の歌はどらくらいあるんですか」
四0首以上の恋の歌があるなんて知らなかった。だから僕は惹かれた歌というのが少なかったのだろうか。百人一首の時代はスマホもパソコンもなくて、不自由な恋だったと思う。今だと簡単に連絡を取れる相手にも連絡できない。僕が家族や詩乃に連絡を控えるように言われていることと同じようで、そう思うと一気に平安貴族を身近に感じることができた。
「秋かぁ、私は秋まで生きられるのかな」
「それが言いたかっただけですか?僕は死亡日時は言いませんからね」
「違うよ。そんな意味はないよ。秋の歌は二0首ぐらいあるかな」
そりゃあ、自分が死ぬ日時と時刻を知っている人が居るのなら、聞きたくなることは当たり前だと思う。でも怖くないのだろうか。そして僕は秋の歌が二0首もあるなんてことに驚いていた。だってそんなに多いとは思わなかったから。
「ほぼ半分、恋と秋の歌なんて審査ガバガバですね」
「そんなこと言うなよぉ」
「で、坊主めくりするんです?」
窓華さんは絵札をシャッフルしている。見たところ、やる気は満々にあるようで僕は眠い目を擦りながらその様子を見ていた。そしてソファーの近くにあるテーブルに裏側にして置いた。
「そうだなぁ、なんか罰ゲーム作ろうよ」
「嫌な言い方しますね」
「季節の歌ならどの四季のどれが良い?」
僕のことをにやにやと見てくる窓華さんは良い罰ゲームなんて考えないだろう。だから僕は少しでも危険を回避したかった。百人一首の説明書の用紙を見ると坊主めくりのルールが書いてある。なるほど、男は六七枚、女は二一枚、坊主は一二枚なのか。こんなこと初めて知った。特殊ルールについて、僕は蝉丸しか知らないけれど天皇がどうとかいろいろあるようだ。難しくなりそうだから、窓華さんには言うことをやめる。
「罰ゲームの内容にもよりますが……」
「そうだなぁ、坊主めくりしてその歌は坊主の役割をするってどう?」
「それなら少ない方が良いですね」
坊主が百人一首で一二枚って思ったより少ないと感じたけど、そこから秋の歌を冷やしたら二0首も増えるわけだ。僕はそれは嫌だった。
「うん、それだけではつまらえないな。お互いの秘密を暴露しよう」
「もっと少ないほうが良いと思いました。それに暴露するような秘密を僕は持ち合わせていませんが」
「じゃあ、私が質問するから答えて。個人的に夏の歌でも良いんだけどねぇ」
僕は小さい頃から悪いこともしてないし、その分良いことをしていたわけでもないがつまらない人生を送っている。だから、窓華さんの思うような答えをすることができるか不安だ。
「で、一番数が少ないのは?」
「春は九首、夏は四首、冬は六首だね。さっき言った通り秋は多いよ」
「じゃあ、夏で」
四首しかない夏の歌を僕は選んだ。坊主と合わせても一六枚になるだけ。これならそこまで苦痛にはならないだろう。
「そっか私だって夏ぐらいまでは生きれるよね」
「そういう意味で言ったわけじゃないんですけど……」
窓華さんは自分があと半年以内に死ぬとしか伝えられていない。八月二六日に死ぬなんて未来は知らない。でも夏までは生きられる。花火大会だって行くことができるかもしれない。何も悲観することはない。
「私は夏の歌で好きなのはね、女で天皇になった持統天皇が……」
「まだやるとは言ってませんけど?」
「えぇ、私は死ぬんだよ。死ぬまで楽しく生きたいよ」
死ぬという言葉に僕は敏感になっていた。窓華さんと暮らして数日。このアパートから窓華さんが消えた生活を想像できなかったから。しかしあの日は確実に来るわけで窓華さんは死ぬ。
「分かりました、やりましょう」
「ちなみに坊主の歌は実は一三首しかないからさ」
「それはさっき説明書で見ました」
この人は百人一首に詳しいのだなと僕は感じた。だって、僕みたいな人間は百人一首の知識はあっても、どれが何枚なんて知識は持ち合わせていない。窓華さんはオプションで覚えていないのだから、これは努力の結晶だ。
窓華さんがソファーから離れ、冷蔵庫に向かった。僕はどうしたのだろうと思ったけど、持ってきたのは缶チューハイだった。僕はお酒にそこまで強くないから嫌なんだけど、ここ数日で窓華さんもお酒に弱いことは知っている。お酒が好きと言っても窓華さんのように弱い人も居るなんて、僕は初めて知ったぐらいだ。
「どうしてここでお酒を持ってくるんです?」
「いやぁ、酔っ払った方が喋りやすいじゃん」
「まぁ、そうですけど」
僕の前に置かれた九パーセントのレモンのチューハイ。これは苦いからあまり好きじゃないし、次の日に頭がガンガンするのだけれども。まぁ、僕も酔いに任せてこのゲームを楽しむしかないのか。
「出会ったばかりなんだよ。仲良くしたいし」
「分かりました。やりましょう」
缶チューハイを開けて二人で乾杯する。僕は大学時代に飲み会なんてあまり誘われなかったから、こんなことを自宅のような場所でするなんて信じられない。僕は缶に口をつける。やはり苦い。
「二人で坊主めくりってのも寂しいね。呪には同僚は居ないの?」
「霞さんという女性が居ますね」
「へぇ、どんな人?」
やっぱり窓華さんにとっては、二人で乾杯というのは寂しいのか。僕にとっては楽しいことなんだけど。僕は霞さんの話をする。霞さんは今頃何をしているのか僕は分からない。霞さんの担当する保護人は結婚詐欺師だと、初めて会ってファイルを渡されたときに愚痴っていたな。でも霞さんは強い女の人だから、僕よりうまく保護人と暮らせているのかも。マザーさんは同僚と言うより、きっと上司の立場なわけだしここでは言わなかった。
「僕のことを根暗眼鏡って呼ぶ、ちょっと怖い人です」
「私の担当がへなちょこ男で良かったぁ」
やはり僕は霞さんだけでなく、窓華さんにもそんな弱い男に見えるのか。確かに特定の運動はしてこなかったし、趣味も読書とかインドア派のオタクだからそこまで活発には思われないだろう。僕らは坊主が出たとか、姫が出たとかわいわいしつつ坊主めくりを続けていた。
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