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斎藤福寿、寿管士としての生活が始まる。
9 ティラミス
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「呪の好きな食べ物は何?」
「嫌いな食べ物も好きな食べ物もありませんね」
隣で歩き出した窓華さんは言う。僕は好き嫌いも特になく生きている。マザーのオプションのおかげでアレルギーなんてものもない。生きていて美味しいと感じる食べ物はたくさんある。でも、どれが好きとかはない。
「私はティラミスが好き」
「そうですか。デザートならプリンが好きな方です」
僕は幼稚園のとき、お出かけでのデパートのレストランで頼む生クリームが乗ったプリンが好きだったことを思い出す。なんだか、いつものプリンなのに、さくらんぼと生クリームだけで特別感があった。
「じゃあ、帰りに買って帰ろう。私は死ぬまで毎日ティラミスでも良いって思うぐらい好きだよ。好きな理由は後で教えてあげる」
「死ぬまで食べたいものですか……」
そう言われると、僕は死ぬ前に何が食べたいだろう。詩乃は料理をしない人間だから詩乃の手料理だろうか。
「あ、日替わり定食は卑怯だからなしだよ」
「それは考えつきませんでしたね」
日替わり定食なんて卑怯だなと僕も笑ってしまった。でも、今度からこれは使えるなと思った。この人は面白い人だ。僕と違って人生を楽しんできたのだろうと感じていた。
アパートに戻って僕は二つの鍵をかける。一つは普通の鍵で、もう一つは窓華さんが逃げないようにするための鍵。あぁ、これから本当に保護人との生活が始まってしまうのか。
「玄関広いねぇ」
「二人で住むには贅沢なぐらいですよね」
「でも、そのくらいしてもらわないと割に合わないよなぁ」
何が割に合わないのだろう。僕は不思議に思いながらキッチンにスーパーで買った野菜やたまごを持っていく。アニメショップの青い袋が嫌いだから、僕はエコバックを持つ習慣があったけど、こんなときにも役立つとは。僕はゲームのキャラクターのプリントされた景品のエコバックを畳んでいた。
「お、キッチンも広いね」
「窓華さんの部屋はこっちですよ」
そう僕が言うと窓華さんは荷物を持って来た。僕の向かいの部屋が窓華さんの部屋で、造りは僕の部屋と同じだ。机にディスクトップ型の最新パソコンがあって、ベッドがあって、何も置かれていない本棚とこたつがある。この時期はこたつは使わないだろうけど、こういうテーブルは何かと役に立つ。
「わぁ、すごいね。でもテレビはリビングにしかないの?」
「そうなりますね。でもテレビなんて見ないでしょう」
「そうかな、私はスマホで済ませるからパソコンの方がいらないけどな」
僕とは全く違う世界で生きてきた人間だと僕は思った。僕の場合はゲームの攻略でもアニメの配信でもだいたいはパソコンを使う。スマホでもできないわけじゃないだろうけれど、小さい画面は僕は嫌いだ。
「でも、渡されたスマホって無意味よねぇ」
「あ、僕と同じスマホです」
窓華さんのスマホはカバーをしているものの、僕と同じ機種だ。最新機種で一括で買うと高額だから、プランを組んで買う高いもの。
「呪と同じなのか。私のスマホにはすももさんと呪しか連絡先入っていない。それに家族の電話番号なんて覚えないじゃん?ひとりぼっち」
「僕は家族の電話番号も入っていますね。それにあってはいけないことだと思いますが、財布にもしものとき用の連絡先のメモは入れています」
僕は理系だったけど、数字には弱い。父さんと母さんの持つスマホの九桁の番号を覚えることもできない。それに詩乃の番号も覚えられない。だから僕はメモをして保管しており、これは李さんに見つからなかったから持っている。
「はぁ、私もそうすれば良かった。このスマホはSNSもできないんだよ。検索とか配給とか専門ってすももさん言ってたし」
「僕もゲームできないですからね」
「ゲームと同じにしないでくれる?ちょっと部屋片付けるから」
「じゃあ、また」
隔離されているということは、窓華さんも同じらしい。僕はリビングに行って今日窓華さんが買った食材を見ていた。豚肉の細切れ半額、玉ねぎ、糸こんにゃくに一000円以上買うと九九円になる一0パックの生たまご。冷蔵庫には窓華さんはティラミス、僕のプリンが入っている。そして、朝食用だと思われる食パンとベーコンは冷蔵庫に入っている。三割り引きの牛乳も買ってきた。
「わぁ、オタクだ。テレビ台に美少女フィギュアかよ」
「悪いですか?彼女からの贈り物ですよ」
「そんなものもらって嬉しいの?」
普通の人には分からないだろうけど、これはフェスの限定カラーで三万近くする高額なものだ。ゲームセンターや一番くじの景品などとは違う。
「嬉しいですよ。オタクはそんなもんです」
「へぇ、結構高かったりするんだ?」
綺麗なグラデーションと繊細な造形のフィギュアの髪の毛をちょんちょんと触りながら、興味深そうに見ている。あぁ、オタクじゃない人でも、この髪の造りの良さは分かるのかと僕は納得していた。この造形美はなかなか良いものだ。
「壊さないでくださいよ」
「いや、転売したら高いかなって思っただけ」
「それもやめてください。これは限定カラーでして……」
僕の説明など聞こうともせず、窓華さんはキッチンに向かっていた。オタクじゃない人間にはやっぱり良さは分からないのかと僕は落胆した。しかし、キッチンに雑に置かれたあの食材から何を作るのか僕は考えていた。
「それで何を作るんです?」
「玉ねぎのすき焼きだよ」
「ネギがないすき焼きですか?」
僕はネギのないすき焼きなんて考えられない。それにすき焼きと言ったら、木綿豆腐とかしいたけとかもっと入れるものがあるだろう。
「それって美味しいんですか?」
「騙されたと思って大船に乗りなさいよ」
「牛じゃなくて豚肉でしょ?泥舟です」
その言葉を聞くと、窓華さんは笑っていた。窓華さんは自室で部屋着に着替えていたから、僕もスーツから部屋着に着替えるために部屋へ行く。なんだか、今日はもうこれだけで疲れてしまった。僕は配給袋に入っている、三本線の入ったジャージを着てリビングに向かう。するとリズムの良い包丁の音が聞こえる。実家で母さんが料理を作っていたときと同じ音だ。僕はテレビを付けて料理の音を聞きながら、これはこれで良い生活になるかもしれないと感じていた。
「嫌いな食べ物も好きな食べ物もありませんね」
隣で歩き出した窓華さんは言う。僕は好き嫌いも特になく生きている。マザーのオプションのおかげでアレルギーなんてものもない。生きていて美味しいと感じる食べ物はたくさんある。でも、どれが好きとかはない。
「私はティラミスが好き」
「そうですか。デザートならプリンが好きな方です」
僕は幼稚園のとき、お出かけでのデパートのレストランで頼む生クリームが乗ったプリンが好きだったことを思い出す。なんだか、いつものプリンなのに、さくらんぼと生クリームだけで特別感があった。
「じゃあ、帰りに買って帰ろう。私は死ぬまで毎日ティラミスでも良いって思うぐらい好きだよ。好きな理由は後で教えてあげる」
「死ぬまで食べたいものですか……」
そう言われると、僕は死ぬ前に何が食べたいだろう。詩乃は料理をしない人間だから詩乃の手料理だろうか。
「あ、日替わり定食は卑怯だからなしだよ」
「それは考えつきませんでしたね」
日替わり定食なんて卑怯だなと僕も笑ってしまった。でも、今度からこれは使えるなと思った。この人は面白い人だ。僕と違って人生を楽しんできたのだろうと感じていた。
アパートに戻って僕は二つの鍵をかける。一つは普通の鍵で、もう一つは窓華さんが逃げないようにするための鍵。あぁ、これから本当に保護人との生活が始まってしまうのか。
「玄関広いねぇ」
「二人で住むには贅沢なぐらいですよね」
「でも、そのくらいしてもらわないと割に合わないよなぁ」
何が割に合わないのだろう。僕は不思議に思いながらキッチンにスーパーで買った野菜やたまごを持っていく。アニメショップの青い袋が嫌いだから、僕はエコバックを持つ習慣があったけど、こんなときにも役立つとは。僕はゲームのキャラクターのプリントされた景品のエコバックを畳んでいた。
「お、キッチンも広いね」
「窓華さんの部屋はこっちですよ」
そう僕が言うと窓華さんは荷物を持って来た。僕の向かいの部屋が窓華さんの部屋で、造りは僕の部屋と同じだ。机にディスクトップ型の最新パソコンがあって、ベッドがあって、何も置かれていない本棚とこたつがある。この時期はこたつは使わないだろうけど、こういうテーブルは何かと役に立つ。
「わぁ、すごいね。でもテレビはリビングにしかないの?」
「そうなりますね。でもテレビなんて見ないでしょう」
「そうかな、私はスマホで済ませるからパソコンの方がいらないけどな」
僕とは全く違う世界で生きてきた人間だと僕は思った。僕の場合はゲームの攻略でもアニメの配信でもだいたいはパソコンを使う。スマホでもできないわけじゃないだろうけれど、小さい画面は僕は嫌いだ。
「でも、渡されたスマホって無意味よねぇ」
「あ、僕と同じスマホです」
窓華さんのスマホはカバーをしているものの、僕と同じ機種だ。最新機種で一括で買うと高額だから、プランを組んで買う高いもの。
「呪と同じなのか。私のスマホにはすももさんと呪しか連絡先入っていない。それに家族の電話番号なんて覚えないじゃん?ひとりぼっち」
「僕は家族の電話番号も入っていますね。それにあってはいけないことだと思いますが、財布にもしものとき用の連絡先のメモは入れています」
僕は理系だったけど、数字には弱い。父さんと母さんの持つスマホの九桁の番号を覚えることもできない。それに詩乃の番号も覚えられない。だから僕はメモをして保管しており、これは李さんに見つからなかったから持っている。
「はぁ、私もそうすれば良かった。このスマホはSNSもできないんだよ。検索とか配給とか専門ってすももさん言ってたし」
「僕もゲームできないですからね」
「ゲームと同じにしないでくれる?ちょっと部屋片付けるから」
「じゃあ、また」
隔離されているということは、窓華さんも同じらしい。僕はリビングに行って今日窓華さんが買った食材を見ていた。豚肉の細切れ半額、玉ねぎ、糸こんにゃくに一000円以上買うと九九円になる一0パックの生たまご。冷蔵庫には窓華さんはティラミス、僕のプリンが入っている。そして、朝食用だと思われる食パンとベーコンは冷蔵庫に入っている。三割り引きの牛乳も買ってきた。
「わぁ、オタクだ。テレビ台に美少女フィギュアかよ」
「悪いですか?彼女からの贈り物ですよ」
「そんなものもらって嬉しいの?」
普通の人には分からないだろうけど、これはフェスの限定カラーで三万近くする高額なものだ。ゲームセンターや一番くじの景品などとは違う。
「嬉しいですよ。オタクはそんなもんです」
「へぇ、結構高かったりするんだ?」
綺麗なグラデーションと繊細な造形のフィギュアの髪の毛をちょんちょんと触りながら、興味深そうに見ている。あぁ、オタクじゃない人でも、この髪の造りの良さは分かるのかと僕は納得していた。この造形美はなかなか良いものだ。
「壊さないでくださいよ」
「いや、転売したら高いかなって思っただけ」
「それもやめてください。これは限定カラーでして……」
僕の説明など聞こうともせず、窓華さんはキッチンに向かっていた。オタクじゃない人間にはやっぱり良さは分からないのかと僕は落胆した。しかし、キッチンに雑に置かれたあの食材から何を作るのか僕は考えていた。
「それで何を作るんです?」
「玉ねぎのすき焼きだよ」
「ネギがないすき焼きですか?」
僕はネギのないすき焼きなんて考えられない。それにすき焼きと言ったら、木綿豆腐とかしいたけとかもっと入れるものがあるだろう。
「それって美味しいんですか?」
「騙されたと思って大船に乗りなさいよ」
「牛じゃなくて豚肉でしょ?泥舟です」
その言葉を聞くと、窓華さんは笑っていた。窓華さんは自室で部屋着に着替えていたから、僕もスーツから部屋着に着替えるために部屋へ行く。なんだか、今日はもうこれだけで疲れてしまった。僕は配給袋に入っている、三本線の入ったジャージを着てリビングに向かう。するとリズムの良い包丁の音が聞こえる。実家で母さんが料理を作っていたときと同じ音だ。僕はテレビを付けて料理の音を聞きながら、これはこれで良い生活になるかもしれないと感じていた。
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