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斎藤福寿、寿管士としての生活が始まる。
8 ペットにも植物にも効く喜代也
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先を行く窓華さんが振り返って僕に言う。
「優しいところあるね。呪は女性にはモテそう」
「モテるというか、一応彼女が居ます」
「え、彼女さんは他の女と生活するって何も思わないの?」
彼女の詩乃は更生施設の職員だ。これも僕と同じ国家公務員で、そしてマザーが選んだ受精卵を扱う育児科で働いている。僕が院卒でこの仕事になったが、詩乃は大学卒で仕事を斡旋された。
「僕の彼女もマザーを信じてるから」
「信じてる?平和な言い方するね」
「だって、僕らはマザージェネレーションですよ」
マザージェネレーションというのは、喜代也を打った国民の九割を示す世代の呼び方だ。今はオールドでも子どもに苦労はさせたくないと、マザーに受精卵を選んでもらう人も居る。それくらい僕らにとってマザーは身近な存在だ。しかし僕らはマザーというパソコンの実態は知らない。
「マザーは信じても、呪は信用されてないかもしれないのに。だって好きな男をどうでも良い死にゆく女に取られるんだよ。良い気持ちはしないよ」
「僕も彼女も平和な人間なので」
確かに詩乃は心穏やかな人とは言えない。趣味のことになると、後先考えずにお金も使うし、僕とは違ってのめり込むタイプだ。この仕事の内容を詩乃に話したときに、詩乃は大変な仕事だねと言った。それ以上の気持ちを持っていたのだろうかと僕は不安になる。
「だから、そう感じるのは呪だけだよ。私はきっと呪の彼女にずっと恨まれて死ぬまで暮らすんだろうな」
「窓華さんが死ぬまで彼女とは会えない決まりなんですよ。彼女というか友達とも家族とも会えないです」
「なおさら、彼女さんは私に早く死ねって思ってるね」
少し悲しそうな顔をしている。窓華さんの表情はにこにこが標準装備だけど、後は差分のようにコロコロと変わる。この仕事で説明されてびっくりしたことは、担当の保護人が死ぬまで家族とも連絡を取れないと言うことだ。もちろん詩乃とも連絡なんて取れっこない。家族はそこを気にしていたが、詩乃は話しても特に気にする様子もなかった。そう思うと基本的に無表情な詩乃とは大違いだ。まぁ、詩乃も趣味のことになると叫んだりうるさいことも多いが……
「それはどうですかね。僕の彼女は趣味に生きる人なので、そっちに集中して僕なんてほったらかしですよ」
「趣味って?もしかしてアイドルのおっかけ?」
「そんな可愛い彼女ができると思います?彼女の趣味はゲームです」
そう、僕らの趣味はスマホのゲーム。詩乃が叫ぶときはピックアップのキャラが出たときか、駄目だったときのどちらかだ。嬉しいときも悲しいときも、詩乃はゲームのことなら表情が豊かだ。
「なら呪もゲーム好きなの?そのラバーストラップがエンドザワールドのキャラクターってことは私でも分かるよ」
「僕の趣味もゲームですが、窓華さんが死ぬまで取り上げられています」
「あ、呪も彼女さんも私に早く死ねって思ってるわけだ」
この仕事をするにあたって、李さんから言われたことの一つがスマホでゲームをするなだった。霞さんの場合はSNSが禁止らしい。僕はSNSにはガチャ結果やゲームの育成状況しか出さないから、禁止されても特に気にはならなかった。しかし友達の多い霞さんはかなりショックそうな様子だった。
「どうしてそうなるんです?」
「好きなことを制限されるって嫌でしょ」
そう言われると、ゲームのストーリー更新は気になるしイベントだってできないことは嫌だ。イベント限定のキャラや装備などが手に入らない。今まで続けていたゲームだから、そこはコンプリートしていたのに。
「ログイン禁止が辛いですね。ログインボーナスが配れるのが四時で、その時間に今日も起きたのに、明日からゲームできないなんて」
「おじいちゃんみたいに早起きだね」
今日はエンドザワールドにログインした。窓華さんが死んでまたログインするときには、フレンドはどれけ減るのだろうと寂しく思ったぐらいだ。明日からは何時に起きれば良いか分からない。もう、窓華さんと会った今からスマホゲームのエンドザワールドとは距離を置くことになる。僕の人生でもあるゲームとは慣れることは、家族や詩乃と会えなくなることより悲しい。
「もう中学生から一0年近く四時に起きていたので、ゲームがない生活だと何時に起きれば良いか分からないですね」
「無駄な時間を犠牲にするゲームを辞めるきっかけじゃん」
「意味のない時間ほど楽しいんですよ。さっき窓華さんも友達との雑談がとか言ってたのに……」
「それもそうだね」
ゲームについて無駄な時間と言われたことに僕は腹を立てて言い返した。僕にとってのスマホゲームは人生において大切な時間だ。テスト期間でも体力は消費できなくてもログインは欠かさなかった。その日常が終わってしまう。これから窓華さんと暮らす非日常が、これからの普通の生活になる。
「中学一年生から毎日ログインを欠かさなかったんです。それが窓華さんのせいで途切れるんです」
「何?私のせいって言いたいの?マザーのせいだよ」
「窓華さんもマザーも責めるつもりはないですから」
ログインボーナスが途切れることはマザーのせいだ。マザーがこの仕事に選んだから僕はログインできない。詩乃が選ばれた育児科の職員はゲームも許されている。僕ははずれを引いたのかもしれない。
オールドの地区に入ったため、桜の花などは散っていた。平屋のベランダの鉢植えにチューリップの花が咲いている。喜代也は遺伝しない。だから、球根に喜代也を打っても、新しくできた球根にはその力は受け継がれない。他の生き物も同じで人間も遺伝しないから派閥ができる。
「ふぅ、呪に彼女が居たとはなぁ」
「そんなに驚くことですか?」
「呪は今も人生楽しんでるし、これからもきっと楽しいと思うよ」
これからがない窓華さんに言われると心が痛い。それでも僕はそう言う明るい窓華さんは人の良い人間だなと思っていた。僕や詩乃とは大違いだ。
「僕も人生で苦労したくないですからね」
「あと半年以内に死ぬって分かって、棺桶が待つだけの私に対して言う?」
「そんなつもりはなくて」
「分かっているよ、これから死ぬまでよろしくね」
窓華さんは僕の前に右手を出してきた。握手をしろということらしい。僕らは喜代也の打ってない植物に囲まれながら、町中で握手をした。そうして僕と窓華さんの奇妙な生活は始まった。
「優しいところあるね。呪は女性にはモテそう」
「モテるというか、一応彼女が居ます」
「え、彼女さんは他の女と生活するって何も思わないの?」
彼女の詩乃は更生施設の職員だ。これも僕と同じ国家公務員で、そしてマザーが選んだ受精卵を扱う育児科で働いている。僕が院卒でこの仕事になったが、詩乃は大学卒で仕事を斡旋された。
「僕の彼女もマザーを信じてるから」
「信じてる?平和な言い方するね」
「だって、僕らはマザージェネレーションですよ」
マザージェネレーションというのは、喜代也を打った国民の九割を示す世代の呼び方だ。今はオールドでも子どもに苦労はさせたくないと、マザーに受精卵を選んでもらう人も居る。それくらい僕らにとってマザーは身近な存在だ。しかし僕らはマザーというパソコンの実態は知らない。
「マザーは信じても、呪は信用されてないかもしれないのに。だって好きな男をどうでも良い死にゆく女に取られるんだよ。良い気持ちはしないよ」
「僕も彼女も平和な人間なので」
確かに詩乃は心穏やかな人とは言えない。趣味のことになると、後先考えずにお金も使うし、僕とは違ってのめり込むタイプだ。この仕事の内容を詩乃に話したときに、詩乃は大変な仕事だねと言った。それ以上の気持ちを持っていたのだろうかと僕は不安になる。
「だから、そう感じるのは呪だけだよ。私はきっと呪の彼女にずっと恨まれて死ぬまで暮らすんだろうな」
「窓華さんが死ぬまで彼女とは会えない決まりなんですよ。彼女というか友達とも家族とも会えないです」
「なおさら、彼女さんは私に早く死ねって思ってるね」
少し悲しそうな顔をしている。窓華さんの表情はにこにこが標準装備だけど、後は差分のようにコロコロと変わる。この仕事で説明されてびっくりしたことは、担当の保護人が死ぬまで家族とも連絡を取れないと言うことだ。もちろん詩乃とも連絡なんて取れっこない。家族はそこを気にしていたが、詩乃は話しても特に気にする様子もなかった。そう思うと基本的に無表情な詩乃とは大違いだ。まぁ、詩乃も趣味のことになると叫んだりうるさいことも多いが……
「それはどうですかね。僕の彼女は趣味に生きる人なので、そっちに集中して僕なんてほったらかしですよ」
「趣味って?もしかしてアイドルのおっかけ?」
「そんな可愛い彼女ができると思います?彼女の趣味はゲームです」
そう、僕らの趣味はスマホのゲーム。詩乃が叫ぶときはピックアップのキャラが出たときか、駄目だったときのどちらかだ。嬉しいときも悲しいときも、詩乃はゲームのことなら表情が豊かだ。
「なら呪もゲーム好きなの?そのラバーストラップがエンドザワールドのキャラクターってことは私でも分かるよ」
「僕の趣味もゲームですが、窓華さんが死ぬまで取り上げられています」
「あ、呪も彼女さんも私に早く死ねって思ってるわけだ」
この仕事をするにあたって、李さんから言われたことの一つがスマホでゲームをするなだった。霞さんの場合はSNSが禁止らしい。僕はSNSにはガチャ結果やゲームの育成状況しか出さないから、禁止されても特に気にはならなかった。しかし友達の多い霞さんはかなりショックそうな様子だった。
「どうしてそうなるんです?」
「好きなことを制限されるって嫌でしょ」
そう言われると、ゲームのストーリー更新は気になるしイベントだってできないことは嫌だ。イベント限定のキャラや装備などが手に入らない。今まで続けていたゲームだから、そこはコンプリートしていたのに。
「ログイン禁止が辛いですね。ログインボーナスが配れるのが四時で、その時間に今日も起きたのに、明日からゲームできないなんて」
「おじいちゃんみたいに早起きだね」
今日はエンドザワールドにログインした。窓華さんが死んでまたログインするときには、フレンドはどれけ減るのだろうと寂しく思ったぐらいだ。明日からは何時に起きれば良いか分からない。もう、窓華さんと会った今からスマホゲームのエンドザワールドとは距離を置くことになる。僕の人生でもあるゲームとは慣れることは、家族や詩乃と会えなくなることより悲しい。
「もう中学生から一0年近く四時に起きていたので、ゲームがない生活だと何時に起きれば良いか分からないですね」
「無駄な時間を犠牲にするゲームを辞めるきっかけじゃん」
「意味のない時間ほど楽しいんですよ。さっき窓華さんも友達との雑談がとか言ってたのに……」
「それもそうだね」
ゲームについて無駄な時間と言われたことに僕は腹を立てて言い返した。僕にとってのスマホゲームは人生において大切な時間だ。テスト期間でも体力は消費できなくてもログインは欠かさなかった。その日常が終わってしまう。これから窓華さんと暮らす非日常が、これからの普通の生活になる。
「中学一年生から毎日ログインを欠かさなかったんです。それが窓華さんのせいで途切れるんです」
「何?私のせいって言いたいの?マザーのせいだよ」
「窓華さんもマザーも責めるつもりはないですから」
ログインボーナスが途切れることはマザーのせいだ。マザーがこの仕事に選んだから僕はログインできない。詩乃が選ばれた育児科の職員はゲームも許されている。僕ははずれを引いたのかもしれない。
オールドの地区に入ったため、桜の花などは散っていた。平屋のベランダの鉢植えにチューリップの花が咲いている。喜代也は遺伝しない。だから、球根に喜代也を打っても、新しくできた球根にはその力は受け継がれない。他の生き物も同じで人間も遺伝しないから派閥ができる。
「ふぅ、呪に彼女が居たとはなぁ」
「そんなに驚くことですか?」
「呪は今も人生楽しんでるし、これからもきっと楽しいと思うよ」
これからがない窓華さんに言われると心が痛い。それでも僕はそう言う明るい窓華さんは人の良い人間だなと思っていた。僕や詩乃とは大違いだ。
「僕も人生で苦労したくないですからね」
「あと半年以内に死ぬって分かって、棺桶が待つだけの私に対して言う?」
「そんなつもりはなくて」
「分かっているよ、これから死ぬまでよろしくね」
窓華さんは僕の前に右手を出してきた。握手をしろということらしい。僕らは喜代也の打ってない植物に囲まれながら、町中で握手をした。そうして僕と窓華さんの奇妙な生活は始まった。
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