25 / 87
斎藤福寿、寿管士としての生活が始まる。
4 喜代也が作ったジェネレーション
しおりを挟む
「アパートにはコントロールベーカリーってあるの?」
「最新型がありますよ」
僕は李さんの用意した三階建のアパートに引っ越してから、コントロールベーカリーの食事しかしていない。僕の両親はヘルパーで忙しい生活を送っていた。それでもたまには母さんが普通の食事を作ってくれた。父さんは庭いじりが好きで、その野菜などを母さんが料理したのだ。だから僕はアパートに来て一週間、コントロールベーカリーの食事だけで飽きていた。コンベは確かに寒天とサプリメントだけだから、体には良いのだろうけど、普通の食事と比べて味気ない。コンベしか食べてこなかった人は分からないかもしれないが、僕みたいに普通の食事を知っている人間は、たまにはコンベ以外の食事を食べたいと感じる。
「私、コンベの食事は好きじゃない」
「じゃあ、出前でも良いですよ」
「私はこれでも子持ちの主婦だぞ?」
「もしかして手料理ができるとか?」
周りにはコンベの食事をする知り合いしか居なかった。コンベだとカロリー計算もしてくれるし、飲食店からレシピを買えば期間限定メニューだって家で食べることができる。だから今の世の中で手料理はあまり良い趣味と思われていない。コンベと違って生ゴミも出るし、食器も洗わなきゃいけないからなおさら。
「簡単なものしか作れないけどね。帰りにスーパーに寄ろうよ」
「スーパーマーケットですか?そんな危険な地区に行くとかありえません」
「でもスーパーじゃないと食材は手に入らないじゃん」
「そういう店がある地域はオールドジェネレーションの住処でしょう」
喜代也ができてできた日本人の区別。僕はネクストジェネレーションでオールドが怖い。ネクストジェネレーションは喜代也を打って遺書を書いた人、セカンドは喜代也を打たなかった人。オールドは喜代也も打たず今のマザーの支配する日本を批判的に思っている人。オールドは過激派だった。一種の宗教や暴力団の類だと思ってもらっても良い。日本の平和を脅かす存在だった。オールドは日本を変えたいと思っているが、マザーは国会議員に選ばない。なのでオールドが日本を変えるには、実力行使しかないのだ。
「呪はオールドが嫌いなの?」
「嫌いってわけじゃないです」
「なら良いじゃん。ただの喜代也を打ってない人だよ」
「言葉を正すなら、嫌いというか怖いです」
ただの喜代也を打っていない人だと言える窓華さんは強い。僕らは会議室から出て廊下を歩いていた。廊下やそこから見える室内にはスーツの人がたくさん居て、なんだか忙しそうだ。きっと僕はその人ほど忙しくない。
「オールドって過激派だけど、私はその生き方は強いと思うよ」
「マザーと喜代也に頼らないところですか?」
「それにコンベにも頼ってないでしょ」
喜代也ができて人の寿命がなくなった。そしてそのせいで海外から批判されて日本は鎖国した。それまでの日本は食料を海外の輸入に依存していたから、コントロールベーカリーができるまでは食糧難の時期だってある。今はマザーの指示で作られたヘルスメーターとコントロールベーカリーのおかげで日本は平和だった。オールドはこれを良いとは思わず、今でも毎日手料理をしている。
「僕はオールドが治療すれば完治する病を放置するところが嫌いです」
「お、さすが医者になりたかった人だ」
「治る病気なら治療するべきですよ」
オールドは喜代也を打たないだけにとどまらず、医療行為も受けない。オールドジェネレーションはコンベを使わないから、昔みたいな高血圧などの生活習慣病の人口が多い。日本全体で見たらコンベを使うから肥満の子どもも減って、そういった自堕落な生活からくる病気も少なくなった。だから、僕はオールドジェネレーションの防げる病気で死ぬなんて馬鹿馬鹿しいと思うのだ。オールド以外はマザーが受精卵を決める。そのため、生まれ持っての糖尿病の患者はオールドにしか居ないし、それも一部だ。しかしオールドは子どもの治療は基本的にしない。だから小さな命が簡単に奪われる。僕はそれが嘆かわしかった。
「過激なところは駄目だと思うよ。でも、喜代也を打っていない人の人権も守られるべきよ」
「まぁ、任意接種になったのに喜代也を打つ人が八割ですからね」
「そうだよ、義務みたいなものって感じちゃう」
成人は一六歳で、成人すると同時に接種するかを選ぶ権利が与えられる。八割の新成人は喜代也を打って遺書を書く。一割は打たない。そしてもう最後の一割はオールドジェネレーションという過激派になる。
「喜代也のせいで三世代あるけど、マザーがまとめるから平和じゃないですか。そんなに喜代也は敵視すべきものじゃないと感じますよ」
「その馬鹿な薬ができなかったら、マザーはできなかったの。喜代也のせいでマザーができて日本人は決められた人生を選ぶしかなくなった」
「そう言われると否定はできませんが」
窓華さんは喜代也とマザーに批判的でまるでオールドみたいだ。僕は隣で歩く小さな窓華さんの様子を見ていた。窓華さんはスマホでスーパーの広告を見ている。いつもスーパーに通っているようで、アプリが入っていたのだ。
「だから私の存在はマザーに対する反逆なんだよ。これはちょっと自慢に感じちゃうかもしれないな」
「変なところを気にするんですね」
「だって、私は計り知れない可能性があるから」
「自分で言うのはちょっと」
窓華さんはスマホを触りながら、自分の可能性を口にする。喜代也が効かない人なんて僕はこの仕事で初めて知った。喜代也とマザーには密接な関係がある。だから喜代也が効かないということは、マザーに反すると言いたいのだろうか。
「サンマルってスーパーがたまご九九円だって」
「良かったですね」
「呪も行くんだよ?」
「やっぱりそうですか……」
そう言ってスマホの画面を見せてきた。でも一000円以上でたまご九九円と書いてある。まぁ、二人分の食事を買いに行くのだから、この注意書きはそこまで気にする必要はないだろう。
「だってそうじゃない。私は普通の日本国民より特別なの。そういう意味では一緒にくらす呪だって日本に重要な人だよ」
「曲りなりにも国家公務員です」
「でも、寿管士なんて初めて知ったなぁ」
僕らは庁舎を出る。春なのに夏のように温かい日で、スーツでは暑いなと思っていた。窓華さんの涼しそうな水色のワンピースが羨ましい。こんな仕事を初めて知ったことは僕だって同じだ。喜代也が効かない人が居るなんて知らなかった。
「寿管士は極秘の仕事で、普通に生きていたら関わりません」
「ほら、やっぱり私って特別なんだよ。いや、私達が?」
「どっちでも良いですよ」
僕は呆れながら言葉を放った。特別という言葉は僕は好きじゃない。僕は普通に友達と遊んだりしたかった。いつも僕はひとりぼっちで、そのことを親や担任の先生に心配される特別な生徒だった。
「最新型がありますよ」
僕は李さんの用意した三階建のアパートに引っ越してから、コントロールベーカリーの食事しかしていない。僕の両親はヘルパーで忙しい生活を送っていた。それでもたまには母さんが普通の食事を作ってくれた。父さんは庭いじりが好きで、その野菜などを母さんが料理したのだ。だから僕はアパートに来て一週間、コントロールベーカリーの食事だけで飽きていた。コンベは確かに寒天とサプリメントだけだから、体には良いのだろうけど、普通の食事と比べて味気ない。コンベしか食べてこなかった人は分からないかもしれないが、僕みたいに普通の食事を知っている人間は、たまにはコンベ以外の食事を食べたいと感じる。
「私、コンベの食事は好きじゃない」
「じゃあ、出前でも良いですよ」
「私はこれでも子持ちの主婦だぞ?」
「もしかして手料理ができるとか?」
周りにはコンベの食事をする知り合いしか居なかった。コンベだとカロリー計算もしてくれるし、飲食店からレシピを買えば期間限定メニューだって家で食べることができる。だから今の世の中で手料理はあまり良い趣味と思われていない。コンベと違って生ゴミも出るし、食器も洗わなきゃいけないからなおさら。
「簡単なものしか作れないけどね。帰りにスーパーに寄ろうよ」
「スーパーマーケットですか?そんな危険な地区に行くとかありえません」
「でもスーパーじゃないと食材は手に入らないじゃん」
「そういう店がある地域はオールドジェネレーションの住処でしょう」
喜代也ができてできた日本人の区別。僕はネクストジェネレーションでオールドが怖い。ネクストジェネレーションは喜代也を打って遺書を書いた人、セカンドは喜代也を打たなかった人。オールドは喜代也も打たず今のマザーの支配する日本を批判的に思っている人。オールドは過激派だった。一種の宗教や暴力団の類だと思ってもらっても良い。日本の平和を脅かす存在だった。オールドは日本を変えたいと思っているが、マザーは国会議員に選ばない。なのでオールドが日本を変えるには、実力行使しかないのだ。
「呪はオールドが嫌いなの?」
「嫌いってわけじゃないです」
「なら良いじゃん。ただの喜代也を打ってない人だよ」
「言葉を正すなら、嫌いというか怖いです」
ただの喜代也を打っていない人だと言える窓華さんは強い。僕らは会議室から出て廊下を歩いていた。廊下やそこから見える室内にはスーツの人がたくさん居て、なんだか忙しそうだ。きっと僕はその人ほど忙しくない。
「オールドって過激派だけど、私はその生き方は強いと思うよ」
「マザーと喜代也に頼らないところですか?」
「それにコンベにも頼ってないでしょ」
喜代也ができて人の寿命がなくなった。そしてそのせいで海外から批判されて日本は鎖国した。それまでの日本は食料を海外の輸入に依存していたから、コントロールベーカリーができるまでは食糧難の時期だってある。今はマザーの指示で作られたヘルスメーターとコントロールベーカリーのおかげで日本は平和だった。オールドはこれを良いとは思わず、今でも毎日手料理をしている。
「僕はオールドが治療すれば完治する病を放置するところが嫌いです」
「お、さすが医者になりたかった人だ」
「治る病気なら治療するべきですよ」
オールドは喜代也を打たないだけにとどまらず、医療行為も受けない。オールドジェネレーションはコンベを使わないから、昔みたいな高血圧などの生活習慣病の人口が多い。日本全体で見たらコンベを使うから肥満の子どもも減って、そういった自堕落な生活からくる病気も少なくなった。だから、僕はオールドジェネレーションの防げる病気で死ぬなんて馬鹿馬鹿しいと思うのだ。オールド以外はマザーが受精卵を決める。そのため、生まれ持っての糖尿病の患者はオールドにしか居ないし、それも一部だ。しかしオールドは子どもの治療は基本的にしない。だから小さな命が簡単に奪われる。僕はそれが嘆かわしかった。
「過激なところは駄目だと思うよ。でも、喜代也を打っていない人の人権も守られるべきよ」
「まぁ、任意接種になったのに喜代也を打つ人が八割ですからね」
「そうだよ、義務みたいなものって感じちゃう」
成人は一六歳で、成人すると同時に接種するかを選ぶ権利が与えられる。八割の新成人は喜代也を打って遺書を書く。一割は打たない。そしてもう最後の一割はオールドジェネレーションという過激派になる。
「喜代也のせいで三世代あるけど、マザーがまとめるから平和じゃないですか。そんなに喜代也は敵視すべきものじゃないと感じますよ」
「その馬鹿な薬ができなかったら、マザーはできなかったの。喜代也のせいでマザーができて日本人は決められた人生を選ぶしかなくなった」
「そう言われると否定はできませんが」
窓華さんは喜代也とマザーに批判的でまるでオールドみたいだ。僕は隣で歩く小さな窓華さんの様子を見ていた。窓華さんはスマホでスーパーの広告を見ている。いつもスーパーに通っているようで、アプリが入っていたのだ。
「だから私の存在はマザーに対する反逆なんだよ。これはちょっと自慢に感じちゃうかもしれないな」
「変なところを気にするんですね」
「だって、私は計り知れない可能性があるから」
「自分で言うのはちょっと」
窓華さんはスマホを触りながら、自分の可能性を口にする。喜代也が効かない人なんて僕はこの仕事で初めて知った。喜代也とマザーには密接な関係がある。だから喜代也が効かないということは、マザーに反すると言いたいのだろうか。
「サンマルってスーパーがたまご九九円だって」
「良かったですね」
「呪も行くんだよ?」
「やっぱりそうですか……」
そう言ってスマホの画面を見せてきた。でも一000円以上でたまご九九円と書いてある。まぁ、二人分の食事を買いに行くのだから、この注意書きはそこまで気にする必要はないだろう。
「だってそうじゃない。私は普通の日本国民より特別なの。そういう意味では一緒にくらす呪だって日本に重要な人だよ」
「曲りなりにも国家公務員です」
「でも、寿管士なんて初めて知ったなぁ」
僕らは庁舎を出る。春なのに夏のように温かい日で、スーツでは暑いなと思っていた。窓華さんの涼しそうな水色のワンピースが羨ましい。こんな仕事を初めて知ったことは僕だって同じだ。喜代也が効かない人が居るなんて知らなかった。
「寿管士は極秘の仕事で、普通に生きていたら関わりません」
「ほら、やっぱり私って特別なんだよ。いや、私達が?」
「どっちでも良いですよ」
僕は呆れながら言葉を放った。特別という言葉は僕は好きじゃない。僕は普通に友達と遊んだりしたかった。いつも僕はひとりぼっちで、そのことを親や担任の先生に心配される特別な生徒だった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
日本国転生
北乃大空
SF
女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。
或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。
ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。
その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。
ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。
その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。
すべて実話
さつきのいろどり
ホラー
タイトル通り全て実話のホラー体験です。
友人から聞いたものや著者本人の実体験を書かせていただきます。
長編として登録していますが、短編をいつくか載せていこうと思っていますので、追加配信しましたら覗きに来て下さいね^^*
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】空戦ドラゴン・バスターズ ~世界中に現れたドラゴンを倒すべく、のちに最強パイロットと呼ばれる少年は戦闘機に乗って空を駆ける~
岡崎 剛柔
SF
西暦1999年。
航空自衛隊所属の香取二等空尉は、戦闘機T‐2を名古屋の整備工場へ運ぶ最中に嵐に遭遇し、ファンタジー世界から現れたようなドラゴンこと翼竜に襲撃される。
それから約30年後。
世界中に現れた人類をおびやかす翼竜を倒すべく日本各地に航空戦闘学校が設立され、白樺天馬は戦闘パイロット候補生として四鳥島の航空戦闘学校に入学する。
その航空戦闘学校でパイロットの訓練や講義を受ける中で、天馬は仲間たちと絆を深めていくと同時に天才パイロットとしての才能を開花させていく。
一方、島に非常着陸する航空自衛軍の戦闘機や、傷ついた翼竜の幼体を保護する少女――向日葵との出会いが、天馬の運命を大きく変えることになる。
これは空と大地を舞台に繰り広げられる、のちに最強の戦闘パイロットと呼ばれる1人の少年の物語――。
アルケミスト・スタートオーバー ~誰にも愛されず孤独に死んだ天才錬金術師は幼女に転生して人生をやりなおす~
エルトリア
ファンタジー
孤児からストリートチルドレンとなり、その後も養父に殺害されかけたりと不幸な人生を歩んでいた天才錬金術師グラス=ディメリア。
若くして病魔に蝕まれ、死に抗おうと最後の研究を進める彼は、禁忌に触れたとして女神の代行者――神人から処刑を言い渡される。
抗うことさえ出来ずに断罪されたグラスだったが、女神アウローラから生前の錬金術による功績を讃えられ『転生』の機会を与えられた。
本来であれば全ての記憶を抹消し、新たな生命として生まれ変わるはずのグラスは、別の女神フォルトナの独断により、記憶を保有したまま転生させられる。
グラスが転生したのは、彼の死から三百年後。
赤ちゃん(♀)として生を受けたグラスは、両親によってリーフと名付けられ、新たな人生を歩むことになった。
これは幸福が何かを知らない孤独な錬金術師が、愛を知り、自らの手で幸福を掴むまでの物語。
著者:藤本透
原案:エルトリア
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる