245 / 261
CCⅩⅩⅩⅩⅤ 星々の膨張と爆縮編 後編(3)
しおりを挟む
第1章。交流
聖画に描かれる暗黒の妖精は、3つの醜い顔、
6枚の漆黒の羽、4本の尻尾、8本の腕を持ち、
人々は、その絵からでも、強烈な瘴気というものを感じよう。
そして、その暗黒の妖精に、
致命の一撃を下そうとする白光の妖精聖ラファイスの御姿、
そのような、ふたりの姿を同時に描いた、それらの聖画は、
ここ、ミカルにも数多く存在している。
・・・・・・・・・
交流式は場所をかえ、ミカル・ウルブス(公都)の闘技場で行われている。
闘技場は、地面をくり抜いて造ってあり、周りを石壁で正方形に囲まれ
底面(地面)が闘技会場、正面(北面)が貴賓・来賓席、
残り三面が普通の席の、巨大な階段状の石造りだ。
本日は、貴賓・来賓席の左、東面は学院生の席に、
西面は貴族席・騎士の席に、
南面は一般の人たち、市民の席に割り当てられている。
ただ、西面の上側は貴族階級用で、下側は騎士階級用らしい。
アマトとラファイアは、来賓席の一番上、周りを細く低い石壁に囲まれた席に
着席させらせられていたが、
最初から、レリウス公とトリハ宰相も、同席していて、周囲の耳目を集めていた。
・・・・・・・・
エリースとミサール・テクト・フレルらが、ルティア学生会長に指示された、
聴講生のセイトに案内され、来賓用の席に到着した時、
会場には、鉄馬に乗り、模擬槍を持つヨクスに、
公都にいた騎士たち・戦士たちが、
レリウス大公が来席していることで、(天覧試合の様相も呈してきて、)
「一手、お願いしたい!」と、次々と挑んできている状態。
だが、一合あわせただけで、ある者は鉄馬から落とされ、
ある者は模擬槍を叩き落とされ、会場から悲嘆の声を浴びていた。
ヨクス自身は、始めに鉄馬を止めた位置から、少しも動いておらず、
戦士の業というべきものか、涼やかで薄い笑いが、表情に浮かんでいる。
その時、会場からひときわ大きい歓声が上がった。
それは、ミカルの誇る、4人の最上級妖精契約者の騎士が、鉄馬にまたがり、
早足で、ヨクスの前に進んで行ったからである。
接近してくる、淡く緑・青・赤・黄の四つの背光を放つ騎士たちに、
ヨスク自身も緑金に淡く輝く背光を纏い、
そして、4人の騎士とレリウス公と観衆に、声と精神波で話かける。
≪「この場の主役の学生の諸君も、到着したようです。
この辺で切り上げたいので、4人同時にお願いしたい。」≫ と。
その不謹慎な言葉に対しても、深々と頷く4人の騎士。
刹那、激しく凄まじい光の交差と輝きが炸裂し、大気が震える。
そこにいる観衆は、騎士たちが、渾身の高速移動状態に入ったのを感じる。
だが、合わせたように、ヨスクの姿も蜃気楼のように歪んだ、次の瞬間、
彼ら4人の戦士は、地面の上に叩きつけられていた。
〖ディウ・インクリナの伝説は、事実に相違ない〗と、
そこにいる全員に想起された時、静まり返っていた会場から、
手合わせをした騎士たちからも、凄い喝さいが起こった・・・。
・・・・・・・・
一礼をし、席に戻ってくるヨスクを見つめながら、エリースは、
この場にいる全員に、レリウス公に、聞こえるように、ハッキリとつぶやく。
「わたしも、出場するから、許可をだしてくれませんか・・・。」
「エリース!?」
その言葉に驚くアマト、自分で淹れた香茶の香りに全集中して
無反応なラファイアを横に見ながら、レリウス公自身が返答する。
「なに、エリースの嬢ちゃん。
会談の際に、うちの学院の奴らが不義理でもしたかい・・・?」
「・・・・・・・。」
「ふう~。親・貴族主義者とかいう輩だろ。」
それでも、沈黙を守るエリース、気まずい表情のレリウス公に気を遣って、
トリハ宰相が言葉でこの場をつなぐ。
「わがミカル大公国は、先々代の大公陛下より、
調略で領域を拡大した歴史があります。
ですので、その臣の考えがどうであろうと、形上臣従があればと、
統制を緩めていたことが・・・、
それが、今のミカルの状況の原因のひとつでもありますが・・・、
その辺のことも、エリースさまに、得心いただければ・・・。」
その、トリハ宰相の言葉に、レリウス大公も言葉を続ける。
「よせやい、トリハ・・・!いいぜ、エリースさんよ・・・。
あいつらの鼻を、どれだけへし折ってくれても構わねぇ。
ただし、心までへし折ってくれるなよ!」と。
エリースは、同意したのか、不同意なのか、態度をハッキリさせずに、
席から立ち上がり、先に席を外した、ミサールらのあとを追いかけてゆく。
第2章。ラファイスの禁呪(改)
ギリウス学院の学生による、模範試合が行われた後、
ギリウス学院の学生とアバウト学院の学生の、模擬試合への形に移ってゆく。
第1試合のテクト、第2試合のフレルの兄妹は、模擬剣を選択し試合に臨んだが、
ふたりとも、ギリウス学院の学生に対して善戦するものの、
最終的には、剣を弾き飛ばされての敗北になっている。
第3試合、アバウト学院側はミサール、ギリウス学院側はルティア学生会長が、
闘技場の両端に立つ。
魔力剣での試合だ。監視員たちの魔力障壁が闘技面に張り巡らされ、
完成と同時に、開始の声がかかる。
お互いに、相手の隙をうかがい合う両人・・・。
先に動いたのは、ミサールのほうだった。
それを牽制すべく、またその牽制を破るべく、双方の剣から、
いくつもの赤白色・青白色の炎弾が発射される。
それも互いに、誘いの隙だったらしく、
次の瞬間、ほぼ同時に高速移動体勢に移行する。
激しい剣光が、互いの体を穿つが、次々に、その姿は霧散する。
乾いた砂が水滴を何もなかったかのごとく吸収するように、
完全に、互いの魔法剣の効果を、無効化している。
ふたりの魔力使用量は増大し、その姿は加速し、ふたつ、みっつと、
幻影が現れてくる。
その状況になっても、互いの攻撃をヒラリ、ヒラリと、これをかわす。
相手に防御の魔法円を使おうとさえせぬ、
巧みな、速度差と時間差を混ぜた高速移動は続く。
その激しい動きの中で、ミサールの幻影が、前のめり転ぶ仕草を見せた。
『決まったか!』
多くの観客がそれを信じた時、
ミサールの、隙をついた定石通りの剣撃が、ルティアの右腕の簡易鎧を破壊、
ルティアは負けを認め、左手を挙げた。
高度な心理戦を交えた、魔力剣での、この試合の経過と結果を、審判員が解説し、
その後、肩で息をしているふたりの戦士に、競技場の全面からの、
おびただしい賞賛と拍手が鳴りやまなかった・・・・。
・・・・・・・・
交流試合としては、臨時でかつ最終戦となる試合が始まろうとしている。
エリースは、自然な姿勢で、競技場の中央に佇んでいる。
トリハ宰相により、エリースが、超上級妖精との契約者であることが、
言葉と精神波で語られ、試合形式も、1人対32人の変則の魔力戦であることが、
発表される。
このような形の試合でも、闘技場は、
伝説化している歴代の超上級妖精契約者の歴史に思いをいたし、
水を打ったように静まり返り、
さらにその上で、再びトリハ宰相により、先日のレリウス大公救出の、
いきさつが紹介される・・・。
≪さあ、来なさいよ。レイトにフラッドにエスル。
あんたたちの子供の時からの貴族の覚悟というのが、児戯のようなものと、
わたしが、教えてあげる。≫
深紅の髪の美しい超上級妖精契約者の静かな精神波が、
会場全体に木霊するように伝わってゆく・・・。
万が一のことを考えたのか、
ラファイアも、香茶椀を香茶受けに置き、闘技場の中央を見やっている。
「はじめ!!」
審判員の声が、競技場の静かさを叩く。
光折迷彩を纏う水晶型立体障壁の中から、4人1組で、
略鎧に身を包んだ、ギリウス学院の学生たちが八方に跳ぶ。
そして、それぞれが持つ、地・火・風・水の魔力を統合させ、
エリースに放とうとして、自分の前方に魔法円を描く。
『なるほど、開始と同時に、私を囲み・・・、
地・火・風・水の併せた魔力撃を、八方から放ち、終わりにねぇ・・・。』
そう、エリースが想像した次の瞬間、
エリースの透明の魔法障壁を、激しく弾ける四色の光が包み込む。
弾けた光が消えていく、しかし魔法障壁は揺らいでもいない。
「「「まさか・・・!?」」」
驚愕の表情が、あまたの学生の顔に浮かぶ。
競技場の中心に立つ美貌の戦士は、ゆっくり右手を大空にかざす。
そして、最凶の聖なる禁呪を、その詠唱を、流麗に精神波で紡ぎ出す。
≪私は測るものである。私は自分の命の残り時間を測るものである。
と同時に、汝らの世界の残り時間を測る者である・・・≫
「ラ、ラファイスの禁呪!」競技場の一角から女学生の悲鳴があがる。
≪・・・白光の妖精ラファイスよ。力なき私の魂の叫びを聞け。
そして過ちに穢れし者を、うたたかの闇に落としたまえ。≫
≪ラ、ルーン!!≫
刹那、エリースの周りに、何個も緑金色に光る球体が現れる。
球体間に白光が疾り、そして、球体が一斉に光った瞬間、
ギリウス学院の学生たち32人は、闘技場の壁に叩きつけられていた。
聖画に描かれる暗黒の妖精は、3つの醜い顔、
6枚の漆黒の羽、4本の尻尾、8本の腕を持ち、
人々は、その絵からでも、強烈な瘴気というものを感じよう。
そして、その暗黒の妖精に、
致命の一撃を下そうとする白光の妖精聖ラファイスの御姿、
そのような、ふたりの姿を同時に描いた、それらの聖画は、
ここ、ミカルにも数多く存在している。
・・・・・・・・・
交流式は場所をかえ、ミカル・ウルブス(公都)の闘技場で行われている。
闘技場は、地面をくり抜いて造ってあり、周りを石壁で正方形に囲まれ
底面(地面)が闘技会場、正面(北面)が貴賓・来賓席、
残り三面が普通の席の、巨大な階段状の石造りだ。
本日は、貴賓・来賓席の左、東面は学院生の席に、
西面は貴族席・騎士の席に、
南面は一般の人たち、市民の席に割り当てられている。
ただ、西面の上側は貴族階級用で、下側は騎士階級用らしい。
アマトとラファイアは、来賓席の一番上、周りを細く低い石壁に囲まれた席に
着席させらせられていたが、
最初から、レリウス公とトリハ宰相も、同席していて、周囲の耳目を集めていた。
・・・・・・・・
エリースとミサール・テクト・フレルらが、ルティア学生会長に指示された、
聴講生のセイトに案内され、来賓用の席に到着した時、
会場には、鉄馬に乗り、模擬槍を持つヨクスに、
公都にいた騎士たち・戦士たちが、
レリウス大公が来席していることで、(天覧試合の様相も呈してきて、)
「一手、お願いしたい!」と、次々と挑んできている状態。
だが、一合あわせただけで、ある者は鉄馬から落とされ、
ある者は模擬槍を叩き落とされ、会場から悲嘆の声を浴びていた。
ヨクス自身は、始めに鉄馬を止めた位置から、少しも動いておらず、
戦士の業というべきものか、涼やかで薄い笑いが、表情に浮かんでいる。
その時、会場からひときわ大きい歓声が上がった。
それは、ミカルの誇る、4人の最上級妖精契約者の騎士が、鉄馬にまたがり、
早足で、ヨクスの前に進んで行ったからである。
接近してくる、淡く緑・青・赤・黄の四つの背光を放つ騎士たちに、
ヨスク自身も緑金に淡く輝く背光を纏い、
そして、4人の騎士とレリウス公と観衆に、声と精神波で話かける。
≪「この場の主役の学生の諸君も、到着したようです。
この辺で切り上げたいので、4人同時にお願いしたい。」≫ と。
その不謹慎な言葉に対しても、深々と頷く4人の騎士。
刹那、激しく凄まじい光の交差と輝きが炸裂し、大気が震える。
そこにいる観衆は、騎士たちが、渾身の高速移動状態に入ったのを感じる。
だが、合わせたように、ヨスクの姿も蜃気楼のように歪んだ、次の瞬間、
彼ら4人の戦士は、地面の上に叩きつけられていた。
〖ディウ・インクリナの伝説は、事実に相違ない〗と、
そこにいる全員に想起された時、静まり返っていた会場から、
手合わせをした騎士たちからも、凄い喝さいが起こった・・・。
・・・・・・・・
一礼をし、席に戻ってくるヨスクを見つめながら、エリースは、
この場にいる全員に、レリウス公に、聞こえるように、ハッキリとつぶやく。
「わたしも、出場するから、許可をだしてくれませんか・・・。」
「エリース!?」
その言葉に驚くアマト、自分で淹れた香茶の香りに全集中して
無反応なラファイアを横に見ながら、レリウス公自身が返答する。
「なに、エリースの嬢ちゃん。
会談の際に、うちの学院の奴らが不義理でもしたかい・・・?」
「・・・・・・・。」
「ふう~。親・貴族主義者とかいう輩だろ。」
それでも、沈黙を守るエリース、気まずい表情のレリウス公に気を遣って、
トリハ宰相が言葉でこの場をつなぐ。
「わがミカル大公国は、先々代の大公陛下より、
調略で領域を拡大した歴史があります。
ですので、その臣の考えがどうであろうと、形上臣従があればと、
統制を緩めていたことが・・・、
それが、今のミカルの状況の原因のひとつでもありますが・・・、
その辺のことも、エリースさまに、得心いただければ・・・。」
その、トリハ宰相の言葉に、レリウス大公も言葉を続ける。
「よせやい、トリハ・・・!いいぜ、エリースさんよ・・・。
あいつらの鼻を、どれだけへし折ってくれても構わねぇ。
ただし、心までへし折ってくれるなよ!」と。
エリースは、同意したのか、不同意なのか、態度をハッキリさせずに、
席から立ち上がり、先に席を外した、ミサールらのあとを追いかけてゆく。
第2章。ラファイスの禁呪(改)
ギリウス学院の学生による、模範試合が行われた後、
ギリウス学院の学生とアバウト学院の学生の、模擬試合への形に移ってゆく。
第1試合のテクト、第2試合のフレルの兄妹は、模擬剣を選択し試合に臨んだが、
ふたりとも、ギリウス学院の学生に対して善戦するものの、
最終的には、剣を弾き飛ばされての敗北になっている。
第3試合、アバウト学院側はミサール、ギリウス学院側はルティア学生会長が、
闘技場の両端に立つ。
魔力剣での試合だ。監視員たちの魔力障壁が闘技面に張り巡らされ、
完成と同時に、開始の声がかかる。
お互いに、相手の隙をうかがい合う両人・・・。
先に動いたのは、ミサールのほうだった。
それを牽制すべく、またその牽制を破るべく、双方の剣から、
いくつもの赤白色・青白色の炎弾が発射される。
それも互いに、誘いの隙だったらしく、
次の瞬間、ほぼ同時に高速移動体勢に移行する。
激しい剣光が、互いの体を穿つが、次々に、その姿は霧散する。
乾いた砂が水滴を何もなかったかのごとく吸収するように、
完全に、互いの魔法剣の効果を、無効化している。
ふたりの魔力使用量は増大し、その姿は加速し、ふたつ、みっつと、
幻影が現れてくる。
その状況になっても、互いの攻撃をヒラリ、ヒラリと、これをかわす。
相手に防御の魔法円を使おうとさえせぬ、
巧みな、速度差と時間差を混ぜた高速移動は続く。
その激しい動きの中で、ミサールの幻影が、前のめり転ぶ仕草を見せた。
『決まったか!』
多くの観客がそれを信じた時、
ミサールの、隙をついた定石通りの剣撃が、ルティアの右腕の簡易鎧を破壊、
ルティアは負けを認め、左手を挙げた。
高度な心理戦を交えた、魔力剣での、この試合の経過と結果を、審判員が解説し、
その後、肩で息をしているふたりの戦士に、競技場の全面からの、
おびただしい賞賛と拍手が鳴りやまなかった・・・・。
・・・・・・・・
交流試合としては、臨時でかつ最終戦となる試合が始まろうとしている。
エリースは、自然な姿勢で、競技場の中央に佇んでいる。
トリハ宰相により、エリースが、超上級妖精との契約者であることが、
言葉と精神波で語られ、試合形式も、1人対32人の変則の魔力戦であることが、
発表される。
このような形の試合でも、闘技場は、
伝説化している歴代の超上級妖精契約者の歴史に思いをいたし、
水を打ったように静まり返り、
さらにその上で、再びトリハ宰相により、先日のレリウス大公救出の、
いきさつが紹介される・・・。
≪さあ、来なさいよ。レイトにフラッドにエスル。
あんたたちの子供の時からの貴族の覚悟というのが、児戯のようなものと、
わたしが、教えてあげる。≫
深紅の髪の美しい超上級妖精契約者の静かな精神波が、
会場全体に木霊するように伝わってゆく・・・。
万が一のことを考えたのか、
ラファイアも、香茶椀を香茶受けに置き、闘技場の中央を見やっている。
「はじめ!!」
審判員の声が、競技場の静かさを叩く。
光折迷彩を纏う水晶型立体障壁の中から、4人1組で、
略鎧に身を包んだ、ギリウス学院の学生たちが八方に跳ぶ。
そして、それぞれが持つ、地・火・風・水の魔力を統合させ、
エリースに放とうとして、自分の前方に魔法円を描く。
『なるほど、開始と同時に、私を囲み・・・、
地・火・風・水の併せた魔力撃を、八方から放ち、終わりにねぇ・・・。』
そう、エリースが想像した次の瞬間、
エリースの透明の魔法障壁を、激しく弾ける四色の光が包み込む。
弾けた光が消えていく、しかし魔法障壁は揺らいでもいない。
「「「まさか・・・!?」」」
驚愕の表情が、あまたの学生の顔に浮かぶ。
競技場の中心に立つ美貌の戦士は、ゆっくり右手を大空にかざす。
そして、最凶の聖なる禁呪を、その詠唱を、流麗に精神波で紡ぎ出す。
≪私は測るものである。私は自分の命の残り時間を測るものである。
と同時に、汝らの世界の残り時間を測る者である・・・≫
「ラ、ラファイスの禁呪!」競技場の一角から女学生の悲鳴があがる。
≪・・・白光の妖精ラファイスよ。力なき私の魂の叫びを聞け。
そして過ちに穢れし者を、うたたかの闇に落としたまえ。≫
≪ラ、ルーン!!≫
刹那、エリースの周りに、何個も緑金色に光る球体が現れる。
球体間に白光が疾り、そして、球体が一斉に光った瞬間、
ギリウス学院の学生たち32人は、闘技場の壁に叩きつけられていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
17
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる