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CCⅩⅩⅩⅩⅢ 星々の膨張と爆縮編 後編(1)
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第1章。アマトは、ミカル・ウルブスの石畳の道を歩く
数日後、ギリウス学院の学長・教授・生徒と会見することを、
レリウス公から提案されて、その後、ラティス名誉理事長一行?は、
トリハ宰相が用意した、公国の来客に対して用意する宿に、
宿泊することになった。
そして、その初日の夜、ギム酒を抱えた、レリウス公とギリウス学院ライド学長に
食事の時間に突入され、ヨクス將、ミサールを含む先乗り隊も、
レリウス公のご尊顔を拝す栄誉によくすることになる・・・・。
・・・・・・・
ギリウス学院のライド学長をはじめとする、教授や学生らと会見する日を
翌々日に控え、アマトは、ラファイアを伴って、ある場所を目指して歩いている。
先ほどまで、超上級妖精のリーエが、光折迷彩を使用し、
アマトとラファイアだけにしか見えない姿で、目の前の空間で踊って?いた。
奥宮の壁をその魔力で破壊したことを、契約者のエリースに知られ、
厳罰として、夜の警戒行動を厳禁され、
その解除を、アマトとラファイアに懇願していたのだ。
その踊り?の必死さに、アマトが根負けし、
「エリースには、ぼくからも頭を下げるから・・・。」
との、言葉質をとった瞬間、この風のエレメントの超上級妖精は、
ニコッと微笑み、どこかに、翔けて行ってしまっている。
・・・・・・・・
「リーエさんは、どこに行ったのかな・・・?」
アマトは、答えを期待するでもなく、超絶の感覚を持つラファイアに尋ねている。
「ん~~。ミカル大公国の色んなところを・・・、
・・・超高空から覗いているみたいですね。」
ラファイアも、何事もないかのように、アマトに答える。
「そう言えばラファイアさん、『再び障壁を構築しました。』と言ったよね。」
「ははは、アマトさん。
リーエさんは、わたしたちと魔力で遊べる妖精さんですよ。
目の前にある障壁はずらして、高空へ翔けて行かれましたよ。」
「当初、ミカル・ウルブスに張られていた障壁は、
多数の最上級妖精契約者の攻撃を、止められるレベルだったので、
わたしもラティスさんも、そのレベルを
意識して、ちょっと上乗せして、再構築しましたから・・・。」
「・・・・・?」
「むろん、妖魔さんや妖獣さんは十分に防げるレベルにですよ。ははは・・・。」
アマトの顔色で、アマトの疑問を察しラファイアは、つつがなく答える。
「むしろ、その点だけで言えば、必要以上に補強したと思いますが・・・。」
アマトの安堵した顔を見つめ、ラファイアも聞きたかったある事を、
それとなく口にする。
「アマトさん。今日はどこへお出かけなんですか?」
朝から、エリースや、ミサールら女子学生一行は、ヨスクに率いられて、
服飾や化粧関係の店に出かけていた。
なんでも、化粧にもミカル風というものがあるそうで、
自分へのご褒美も含めて、数品購入しようと、
昨夜は盛り上がっていたのだ・・・。
男子学生一行は、ライド学長に率いられて、武具とかの店をまわっているはずだ。
しかし、アマトは単独で行動している。
ラファイアは、かってアマトがアバウト学園を追放されたのが、
心の枷になって、ひとりで行動していると、心配している・・・。
「傭兵ギルドだよ、ラファイアさん。
セグルト義父さんの事を誰か知っているかもしれないと思ってね。
義父さんが、帰って来なくなって、5年をゆうに超えている。
生きているとは思えないけど、
ひょっとして、何かの情報が手に入れることが出来れば、
ユウイ義姉やエリースも、ホッとすると思ったんだ・・・。」
「・・・・・・・。」
無言になって微笑む白光の妖精に、そのやさしさを感じたのか、
アマトは話を変える。
「ラファイアさんこそ、ラティスさんの手伝いをしなくてもいいの?」
ラファイアは、やさしい笑いをアマトに向けて、口を開く。
「ははは、分身体たちにラティスさんのカッコを纏わせて、
今も、極大精神波の波響で叫んでいますよ・・・!」
顔まで隠す双月教徒のマントを着て、アマトとラファイアは、
静かにミカル・ウルブスの石畳の道を歩いて行く・・・。
第2章。ラファイアさんは、心の内で語る
ははは、路の行き当たり、目の前に、それらしい建物が現れてきました。
結構大きい、ミカル・ウルブスの傭兵ギルドの建物です。
中から、禍々しい気配が、嫌になるほど、匂ってきます。
不思議な事に人間は、金で殺しを生業とすると、この気配から逃れなくなります。
アマトさんが躊躇なく、この建物の扉に手をかけて押そうとしています。
いくら、エーテル量が皆無でも、この冥い気配、気付きましょうよ、アマトさん。
わたしは、姿を、ラティスさんのそれに変更します。
まさか、わたしがこの中で、わたしの姿、白光の妖精の姿で暴れるわけには、
いけないじゃないですか。
ほんと、ラファイスさんの行動が、白光の妖精の姿を、偶像化してしまったので、
わたしにとっては、生きにくい時代になったものです・・・。
・・・・・・
アマトさんに、横に近づいてきた、見るからにという男が足を引っかけました。
「すいま・・・。」
「は、前を見て歩かんか、この宗教野郎!」
アマトさんの横顔に拳がとんできて、彼方の方向へ吹っ飛びます。
アマトさん。こんなところに、こんな格好で来たんですから、
お約束ごとが起こるのは、当然ではありませんか・・・。
ま、わたしの魔力障壁がアマトさんの周りに張ってある限り、
ラティスさんが、顔面をはったとしても、全力でなければ、
傷ひとつ負わせることは、できないはずです。
アマトさんのために、あえて止めませんでしたが、人が良すぎるんですよ・・。
人間は、自分より相手が劣ると思うと、態度なり・言葉なり・暴力なりで、
支配しようとする者も多いと、いい加減、心に刻んで下さいよ・・・。
ま、そこがアマトさんのいいところであって、
わたしが、しびれているところでもあるんですが・・・。
「怪しい奴め!」
今度は、わたしですか。ははは、やはりお約束どおりですね。
では、いきますか!!
・・・・・・・
ふふふ・・・、みなさん、おとなしく、いい子になっています。
わたしが放つ、この膨大なる魔力、わたしが呟いたアマトさんの名前。
これで名乗らずとも、わたしが、暗黒の妖精ラティスさんであることに、
疑いをはさむ者は、いないでしょう。
今、彼らは、小指の先を動かせる自由があるかどうかではなく、
自分が生きているか死んでいるかの判断さえ、自分では出来ないはずです。
アマトさんを殴った生物は、今、全身から体液を流し、震えています。
やがて、時の営みから、解放されるでしょう。
受付の奥から、分厚い紹介書の写しの束を持ってきた、ギルドマスターが、
アマトさんに、恐る恐る、それを渡しています。
彼には、睨むだけで済ませましたので・・・、
みなさんが、礼儀正しい人であれば、こんな無粋は、しなくていいんですが。
ほんと、やれやれです。
アマトさんが、見終わったら、少しの喧伝と、くぎをさしときましょうか。
『わたしは、明後日、ミカル山地の山のひとつを、わが魔力で消し去る。
必ず照覧するように!!』
・・・と。
・・・・暗黒の妖精ラティスさんとして・・・・。
数日後、ギリウス学院の学長・教授・生徒と会見することを、
レリウス公から提案されて、その後、ラティス名誉理事長一行?は、
トリハ宰相が用意した、公国の来客に対して用意する宿に、
宿泊することになった。
そして、その初日の夜、ギム酒を抱えた、レリウス公とギリウス学院ライド学長に
食事の時間に突入され、ヨクス將、ミサールを含む先乗り隊も、
レリウス公のご尊顔を拝す栄誉によくすることになる・・・・。
・・・・・・・
ギリウス学院のライド学長をはじめとする、教授や学生らと会見する日を
翌々日に控え、アマトは、ラファイアを伴って、ある場所を目指して歩いている。
先ほどまで、超上級妖精のリーエが、光折迷彩を使用し、
アマトとラファイアだけにしか見えない姿で、目の前の空間で踊って?いた。
奥宮の壁をその魔力で破壊したことを、契約者のエリースに知られ、
厳罰として、夜の警戒行動を厳禁され、
その解除を、アマトとラファイアに懇願していたのだ。
その踊り?の必死さに、アマトが根負けし、
「エリースには、ぼくからも頭を下げるから・・・。」
との、言葉質をとった瞬間、この風のエレメントの超上級妖精は、
ニコッと微笑み、どこかに、翔けて行ってしまっている。
・・・・・・・・
「リーエさんは、どこに行ったのかな・・・?」
アマトは、答えを期待するでもなく、超絶の感覚を持つラファイアに尋ねている。
「ん~~。ミカル大公国の色んなところを・・・、
・・・超高空から覗いているみたいですね。」
ラファイアも、何事もないかのように、アマトに答える。
「そう言えばラファイアさん、『再び障壁を構築しました。』と言ったよね。」
「ははは、アマトさん。
リーエさんは、わたしたちと魔力で遊べる妖精さんですよ。
目の前にある障壁はずらして、高空へ翔けて行かれましたよ。」
「当初、ミカル・ウルブスに張られていた障壁は、
多数の最上級妖精契約者の攻撃を、止められるレベルだったので、
わたしもラティスさんも、そのレベルを
意識して、ちょっと上乗せして、再構築しましたから・・・。」
「・・・・・?」
「むろん、妖魔さんや妖獣さんは十分に防げるレベルにですよ。ははは・・・。」
アマトの顔色で、アマトの疑問を察しラファイアは、つつがなく答える。
「むしろ、その点だけで言えば、必要以上に補強したと思いますが・・・。」
アマトの安堵した顔を見つめ、ラファイアも聞きたかったある事を、
それとなく口にする。
「アマトさん。今日はどこへお出かけなんですか?」
朝から、エリースや、ミサールら女子学生一行は、ヨスクに率いられて、
服飾や化粧関係の店に出かけていた。
なんでも、化粧にもミカル風というものがあるそうで、
自分へのご褒美も含めて、数品購入しようと、
昨夜は盛り上がっていたのだ・・・。
男子学生一行は、ライド学長に率いられて、武具とかの店をまわっているはずだ。
しかし、アマトは単独で行動している。
ラファイアは、かってアマトがアバウト学園を追放されたのが、
心の枷になって、ひとりで行動していると、心配している・・・。
「傭兵ギルドだよ、ラファイアさん。
セグルト義父さんの事を誰か知っているかもしれないと思ってね。
義父さんが、帰って来なくなって、5年をゆうに超えている。
生きているとは思えないけど、
ひょっとして、何かの情報が手に入れることが出来れば、
ユウイ義姉やエリースも、ホッとすると思ったんだ・・・。」
「・・・・・・・。」
無言になって微笑む白光の妖精に、そのやさしさを感じたのか、
アマトは話を変える。
「ラファイアさんこそ、ラティスさんの手伝いをしなくてもいいの?」
ラファイアは、やさしい笑いをアマトに向けて、口を開く。
「ははは、分身体たちにラティスさんのカッコを纏わせて、
今も、極大精神波の波響で叫んでいますよ・・・!」
顔まで隠す双月教徒のマントを着て、アマトとラファイアは、
静かにミカル・ウルブスの石畳の道を歩いて行く・・・。
第2章。ラファイアさんは、心の内で語る
ははは、路の行き当たり、目の前に、それらしい建物が現れてきました。
結構大きい、ミカル・ウルブスの傭兵ギルドの建物です。
中から、禍々しい気配が、嫌になるほど、匂ってきます。
不思議な事に人間は、金で殺しを生業とすると、この気配から逃れなくなります。
アマトさんが躊躇なく、この建物の扉に手をかけて押そうとしています。
いくら、エーテル量が皆無でも、この冥い気配、気付きましょうよ、アマトさん。
わたしは、姿を、ラティスさんのそれに変更します。
まさか、わたしがこの中で、わたしの姿、白光の妖精の姿で暴れるわけには、
いけないじゃないですか。
ほんと、ラファイスさんの行動が、白光の妖精の姿を、偶像化してしまったので、
わたしにとっては、生きにくい時代になったものです・・・。
・・・・・・
アマトさんに、横に近づいてきた、見るからにという男が足を引っかけました。
「すいま・・・。」
「は、前を見て歩かんか、この宗教野郎!」
アマトさんの横顔に拳がとんできて、彼方の方向へ吹っ飛びます。
アマトさん。こんなところに、こんな格好で来たんですから、
お約束ごとが起こるのは、当然ではありませんか・・・。
ま、わたしの魔力障壁がアマトさんの周りに張ってある限り、
ラティスさんが、顔面をはったとしても、全力でなければ、
傷ひとつ負わせることは、できないはずです。
アマトさんのために、あえて止めませんでしたが、人が良すぎるんですよ・・。
人間は、自分より相手が劣ると思うと、態度なり・言葉なり・暴力なりで、
支配しようとする者も多いと、いい加減、心に刻んで下さいよ・・・。
ま、そこがアマトさんのいいところであって、
わたしが、しびれているところでもあるんですが・・・。
「怪しい奴め!」
今度は、わたしですか。ははは、やはりお約束どおりですね。
では、いきますか!!
・・・・・・・
ふふふ・・・、みなさん、おとなしく、いい子になっています。
わたしが放つ、この膨大なる魔力、わたしが呟いたアマトさんの名前。
これで名乗らずとも、わたしが、暗黒の妖精ラティスさんであることに、
疑いをはさむ者は、いないでしょう。
今、彼らは、小指の先を動かせる自由があるかどうかではなく、
自分が生きているか死んでいるかの判断さえ、自分では出来ないはずです。
アマトさんを殴った生物は、今、全身から体液を流し、震えています。
やがて、時の営みから、解放されるでしょう。
受付の奥から、分厚い紹介書の写しの束を持ってきた、ギルドマスターが、
アマトさんに、恐る恐る、それを渡しています。
彼には、睨むだけで済ませましたので・・・、
みなさんが、礼儀正しい人であれば、こんな無粋は、しなくていいんですが。
ほんと、やれやれです。
アマトさんが、見終わったら、少しの喧伝と、くぎをさしときましょうか。
『わたしは、明後日、ミカル山地の山のひとつを、わが魔力で消し去る。
必ず照覧するように!!』
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