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CⅬⅩⅩⅩⅩⅢ 星々の天頂と天底編 前編(8)
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第1章。歓談(1)
「めんどくさいからですよ。」
カウシム王太子の言葉に、
ズース卿の思考は、限界の地平線を超え、唖然の特異点に落下し、
ただ、レティア王女は、『義兄上またですか。』というような、
あきれた表情はしたが、なんとか自分を維持している。
カウシム王太子は、いったん動き出したら、目を見張る経過と結果を、
この世界に紡ぎ出してみせる天才だが、
基本、好きなことだけやって、人生生きていられたらという嗜好の人。
事実、新帝国のイルムが、執政官に任に就いた時、
『民法典の編纂のための研究生活が遠のく・・・。』
と、天を仰いだということを、密偵の文から伝えられると、
その内容をレティア王女に話し、最後にそれに対する感想、
『それが口外できる、周りの人的環境があるのが、うらやましい。』
と、香茶の時間に、うっかり?口にしてしまい、
その時は本当に、レティア王女にコクレアーレを、投げつけられている。
そう、凛とした気を漂わせる美丈夫、女人と見紛うばかりの端正な表情を、
王者の風格だと見誤る人間の、なんと多いことか・・・。
「マイチお義兄さまの城から、レスト王国・メリオ王国・ラスカ王国の三軍に
密使が走った報告を、義兄上もお聞きになりましたよね・・・。」
「はい、しっかりと。」
にこにこ顔で、カウシム王太子は反応する。
「でしたら、全軍に出した休息の命令を取り消し、再度城を囲み、
今度こそは、マイチ義兄上に自裁を促すべきです。」
「それ以前に、即位式を強行しておけば、マイチ義兄上に味方する者は少なく、
この乱自体が、起こらなかったとは、カウシム義兄上は思いませんか!?」
その当然というべき意見に、返事をいったん保留して、
カウシム王太子は、ズース卿に話を向ける。
「ズース卿。マイチ殿下の人となりをどう思う?」
「は!よくて治世の能臣かと、推察いたします。」
「義兄上の足りないところは?」
「選択時・実行時における、果断《かだん》さと、お見受けしています。」
ズース卿は、慎重に、それでも反射的に答えた風に、自分の主観を返答する。
「・・その義兄上が、なにを血迷われたのか・・。
大人しくなさっていれば、レティア武王の宰相をお任せしたものを。」
「義兄上・・・?」
義兄の口からでた、レティア武王の言葉に、レティアはカウシムの顔を、
まじまじと凝視する。
しかし、見つめ返すその表情は、あくまでも、柔らかくやさしい。
「未来に編纂される武国の正史に、
《敗北を悟っていたマイチ準爵は、潜在的反乱者のすべてと、
武国を窺っていたレスト王国・メリオ王国・ラスカ王国の
三軍を道ずれに滅せさせるため、敢えて逆賊の汚名をかぶった。》と、
記載されるように、こちらも動きましょうか・・・。」
「ズース卿。マイチ義兄上に準爵位授与のお伺いの使者の派遣を、
そして、義兄上の死後、私たちのもとに届けられる遺言書の用意を
お願いします。」
「は、ぬかりなく。で、その他の用意は?」
「さしあたって、帝国軍旗と帝国型重装騎兵の装備一式を百着ぐらい、
内密に調達をお願いしときましょう。」
「御意!」
「義兄上、具体的に作戦をどうなさるおつもりですか?」
「それは、そちらのお方のやる気にかかっています。」
第2章。歓談(2)
カウシム王太子は、軽く右手をあげる。
それまで、席の後ろに控えていた、侍従や侍女が、軽く一礼をし、
次から次へとこの部屋から退出する。
中傷・裏切り・陰謀・暗殺が、普通のように行われた現在の武国で、
王太子と王女の側に仕える者たちの、口の固さをよく知るズース卿は、
彼らさえ遠ざける話が始まるのだと、全神経を集中する。
そして・・・・、
かれの対面の席に、いつもの黒の軽鎧に包まれた騎士コールスがいるのに、
なにげに気が付く。
『いや待て。彼女は、いつからいたのだ!』
ズース卿は、記憶を遡る。
自分が席についたときはもう、静かに座っていた・・・・!?
次から次へと記憶の見直しを行う、五感は確かに彼女を捉えていた。
だが、意識のなかで、像をなしていなかったのだ。
それ以前に、軍師である自分は、一切この騎士の過去を詮索もしなかった。
ただ、そこにいる者として、何の疑問も持たなかった。
そのうえに、カウシム王太子とレティア王女が、相次いで出奔したあと、
おふたりと行動を共にした、最側近の騎士であるはずだが、
武国が、おふたりの手にほぼおちた今でさえ、叙勲はおろか、
恩賞の話さえないのを、不思議とも感じなかった。
この考えに至った時、ズース卿は背中に、冷えた汗が伝ったのを感じた。
「ズース卿、どうしました?コールスの方を見て、青くなっているようですが?」
カウシム王太子は、静かに微笑んでいる。
「は~あ。義兄上も、人がわるい。」
レティア王女は、カウシム王太子を、軽く睨んでいる。
だが今度は、レティア王女を見もせずに、カウシム王太子は、
ズース卿に言葉をかける。
「もうズース卿にも、理を知ってもらってもいいでしょう。」
「さて、ズース卿、騎士コールスをなんと見ますか。」
面白そうに、コールスは、目の前の武国軍師を眺めている。
「わたしの五感操作攻撃に対する、対抗魔力だけは、最上級妖精契約者に、
対峙できるレベルにあります。
だが、今宴で、コールス殿の気配さえ感じられませんでした。
光折迷彩を纏われていたわけでも、ないはずなのに・・・。」
「さらに、新帝国の暗黒の妖精ラティスは、かっての伝説級の妖精とは違い、
実体化しているとか。」
ここでズース卿は、一端話を切り、息を吐き出す。
そして・・・、
「おそれながら。コールス殿は・・・。
白光の妖精ラファイスさまか、暗黒の妖精アピス殿か、
いまだこの世界の歴史書に記載のない土のエレメントの極上級妖精様、
そのいづれの御方かと、このズース推察いたします。」
≪ククク。あのラファイスはさまで、このわたしには殿か。
おもしろいな、ズース卿。いや、サテイ王国のクレイ。≫
「・・・暗黒の妖精 アピスさま・・・。」
その名を口にして固まってしまったズース卿に、
カウシム王太子は、やさしく語りかける。
「ただ最初に、言っておかねばなりませんが、
この御方は、わたしたちの剣には、なってはくれません。」
≪あたりまえだ。なぜ人間のために、妖精同士で滅し合わねばならない。
わたしが盾になるのは、契約者であるレティアと、
そのおまけでカウシムだけだ。≫
「こういう妖精さんなんですよね。わたしも契約者のはずなんですが。」
「言ってろ!」
レティアはやれやれという顔で、ふたりをながめている。
次の瞬間、椅子に座ってた長身の騎士の姿は消え、
緑黒色の長い髪・雪白の肌・白銀の瞳・超絶の美貌の妖精の姿が
この場に顕現する。
その姿を見て、サテイ王国のクレイだったズース卿は、驚愕する。
それは、サテイを捨てようと決心したあの日、
朽ち果てた廃墟でみた、〖荒ぶる女神ラピス〗と記された絵画の姿を、
さらに神々しくしたものだったからだ。
『わたしの人生のすべてが、つながったのかもしれない。』
そして、ズース卿は、想いを言葉に変えようと口を開く。
「おふたりにお話せねばなりません。お時間をいただけませんか?」
その言葉の重さを感じ、カウシム王太子とレティア王女は、ふかく頷く。
自分を信じて、妖精アピスのことを開示してくれたふたりに、
ズース卿は語りだした。
「めんどくさいからですよ。」
カウシム王太子の言葉に、
ズース卿の思考は、限界の地平線を超え、唖然の特異点に落下し、
ただ、レティア王女は、『義兄上またですか。』というような、
あきれた表情はしたが、なんとか自分を維持している。
カウシム王太子は、いったん動き出したら、目を見張る経過と結果を、
この世界に紡ぎ出してみせる天才だが、
基本、好きなことだけやって、人生生きていられたらという嗜好の人。
事実、新帝国のイルムが、執政官に任に就いた時、
『民法典の編纂のための研究生活が遠のく・・・。』
と、天を仰いだということを、密偵の文から伝えられると、
その内容をレティア王女に話し、最後にそれに対する感想、
『それが口外できる、周りの人的環境があるのが、うらやましい。』
と、香茶の時間に、うっかり?口にしてしまい、
その時は本当に、レティア王女にコクレアーレを、投げつけられている。
そう、凛とした気を漂わせる美丈夫、女人と見紛うばかりの端正な表情を、
王者の風格だと見誤る人間の、なんと多いことか・・・。
「マイチお義兄さまの城から、レスト王国・メリオ王国・ラスカ王国の三軍に
密使が走った報告を、義兄上もお聞きになりましたよね・・・。」
「はい、しっかりと。」
にこにこ顔で、カウシム王太子は反応する。
「でしたら、全軍に出した休息の命令を取り消し、再度城を囲み、
今度こそは、マイチ義兄上に自裁を促すべきです。」
「それ以前に、即位式を強行しておけば、マイチ義兄上に味方する者は少なく、
この乱自体が、起こらなかったとは、カウシム義兄上は思いませんか!?」
その当然というべき意見に、返事をいったん保留して、
カウシム王太子は、ズース卿に話を向ける。
「ズース卿。マイチ殿下の人となりをどう思う?」
「は!よくて治世の能臣かと、推察いたします。」
「義兄上の足りないところは?」
「選択時・実行時における、果断《かだん》さと、お見受けしています。」
ズース卿は、慎重に、それでも反射的に答えた風に、自分の主観を返答する。
「・・その義兄上が、なにを血迷われたのか・・。
大人しくなさっていれば、レティア武王の宰相をお任せしたものを。」
「義兄上・・・?」
義兄の口からでた、レティア武王の言葉に、レティアはカウシムの顔を、
まじまじと凝視する。
しかし、見つめ返すその表情は、あくまでも、柔らかくやさしい。
「未来に編纂される武国の正史に、
《敗北を悟っていたマイチ準爵は、潜在的反乱者のすべてと、
武国を窺っていたレスト王国・メリオ王国・ラスカ王国の
三軍を道ずれに滅せさせるため、敢えて逆賊の汚名をかぶった。》と、
記載されるように、こちらも動きましょうか・・・。」
「ズース卿。マイチ義兄上に準爵位授与のお伺いの使者の派遣を、
そして、義兄上の死後、私たちのもとに届けられる遺言書の用意を
お願いします。」
「は、ぬかりなく。で、その他の用意は?」
「さしあたって、帝国軍旗と帝国型重装騎兵の装備一式を百着ぐらい、
内密に調達をお願いしときましょう。」
「御意!」
「義兄上、具体的に作戦をどうなさるおつもりですか?」
「それは、そちらのお方のやる気にかかっています。」
第2章。歓談(2)
カウシム王太子は、軽く右手をあげる。
それまで、席の後ろに控えていた、侍従や侍女が、軽く一礼をし、
次から次へとこの部屋から退出する。
中傷・裏切り・陰謀・暗殺が、普通のように行われた現在の武国で、
王太子と王女の側に仕える者たちの、口の固さをよく知るズース卿は、
彼らさえ遠ざける話が始まるのだと、全神経を集中する。
そして・・・・、
かれの対面の席に、いつもの黒の軽鎧に包まれた騎士コールスがいるのに、
なにげに気が付く。
『いや待て。彼女は、いつからいたのだ!』
ズース卿は、記憶を遡る。
自分が席についたときはもう、静かに座っていた・・・・!?
次から次へと記憶の見直しを行う、五感は確かに彼女を捉えていた。
だが、意識のなかで、像をなしていなかったのだ。
それ以前に、軍師である自分は、一切この騎士の過去を詮索もしなかった。
ただ、そこにいる者として、何の疑問も持たなかった。
そのうえに、カウシム王太子とレティア王女が、相次いで出奔したあと、
おふたりと行動を共にした、最側近の騎士であるはずだが、
武国が、おふたりの手にほぼおちた今でさえ、叙勲はおろか、
恩賞の話さえないのを、不思議とも感じなかった。
この考えに至った時、ズース卿は背中に、冷えた汗が伝ったのを感じた。
「ズース卿、どうしました?コールスの方を見て、青くなっているようですが?」
カウシム王太子は、静かに微笑んでいる。
「は~あ。義兄上も、人がわるい。」
レティア王女は、カウシム王太子を、軽く睨んでいる。
だが今度は、レティア王女を見もせずに、カウシム王太子は、
ズース卿に言葉をかける。
「もうズース卿にも、理を知ってもらってもいいでしょう。」
「さて、ズース卿、騎士コールスをなんと見ますか。」
面白そうに、コールスは、目の前の武国軍師を眺めている。
「わたしの五感操作攻撃に対する、対抗魔力だけは、最上級妖精契約者に、
対峙できるレベルにあります。
だが、今宴で、コールス殿の気配さえ感じられませんでした。
光折迷彩を纏われていたわけでも、ないはずなのに・・・。」
「さらに、新帝国の暗黒の妖精ラティスは、かっての伝説級の妖精とは違い、
実体化しているとか。」
ここでズース卿は、一端話を切り、息を吐き出す。
そして・・・、
「おそれながら。コールス殿は・・・。
白光の妖精ラファイスさまか、暗黒の妖精アピス殿か、
いまだこの世界の歴史書に記載のない土のエレメントの極上級妖精様、
そのいづれの御方かと、このズース推察いたします。」
≪ククク。あのラファイスはさまで、このわたしには殿か。
おもしろいな、ズース卿。いや、サテイ王国のクレイ。≫
「・・・暗黒の妖精 アピスさま・・・。」
その名を口にして固まってしまったズース卿に、
カウシム王太子は、やさしく語りかける。
「ただ最初に、言っておかねばなりませんが、
この御方は、わたしたちの剣には、なってはくれません。」
≪あたりまえだ。なぜ人間のために、妖精同士で滅し合わねばならない。
わたしが盾になるのは、契約者であるレティアと、
そのおまけでカウシムだけだ。≫
「こういう妖精さんなんですよね。わたしも契約者のはずなんですが。」
「言ってろ!」
レティアはやれやれという顔で、ふたりをながめている。
次の瞬間、椅子に座ってた長身の騎士の姿は消え、
緑黒色の長い髪・雪白の肌・白銀の瞳・超絶の美貌の妖精の姿が
この場に顕現する。
その姿を見て、サテイ王国のクレイだったズース卿は、驚愕する。
それは、サテイを捨てようと決心したあの日、
朽ち果てた廃墟でみた、〖荒ぶる女神ラピス〗と記された絵画の姿を、
さらに神々しくしたものだったからだ。
『わたしの人生のすべてが、つながったのかもしれない。』
そして、ズース卿は、想いを言葉に変えようと口を開く。
「おふたりにお話せねばなりません。お時間をいただけませんか?」
その言葉の重さを感じ、カウシム王太子とレティア王女は、ふかく頷く。
自分を信じて、妖精アピスのことを開示してくれたふたりに、
ズース卿は語りだした。
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