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最終話 あなたの命が尽きる日まで
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「湯川さんはもう…いなくならないよな?また俺の前から消えたりしないよな?」
「えっ?」
待って。「また」消えるってどういうこと?私、あなたの前からいなくなったことなんかあったっけ。
そもそも例の事故があるまではあなたの前に現れたことがなかったような……。
「私、清沢くんの前から消えたことなんかあったっけ?あの事故の前まではほとんど面識もなかったような……」
「とぼけるんだ?」
またそれ?でも今回は別にとぼけているつもりは……。
「……知ってたよ、俺。ずっと前から」
「な、なにを…?」
「湯川さんがいつも俺を見てくれてたこと」
「!?!?」
「何度か声をかけてみようかなとも思ったけど、こっちはこっちで勇気が出なくて。あと、なんて声をかければ良いかも分からなかったし」
ななななにそれ。私のストーカー行為、バレてたってこと?うそでしょ?いつから?
「いつから……?」
「一年生の時のゴールデンウイーク明けくらいかな」
ほぼ最初からやないかい!
「そ、そうなんだ……」
「だからすごい後悔したんだよ。俺が前もってちゃんと声をかけていれば、湯川さんは死ななかったはずなのにって」
清沢くん、今「死ななかったはず」と言ったね。「事故に遭うことはなかったはず」ではなくて「死ななかったはず」って。
「いや、私は死んでないんだけど……」
「ああ、そうだったな」
「……」
「あの記憶が何なのか、そして今の湯川さんがどんな存在なのかはもう聞かないことにするよ。最悪、幽霊か幻覚だとしても構わない」
そ、そうね。そうしてくれるとありがたい。
「でもこれだけは教えてほしい。湯川さんはもういなくならないよな?ずっと俺と一緒にいてくれるよな?」
そう言って、清沢くんはまたしても私の目をまっすぐ見つめてきた。つい照れちゃって視線を逸らしたくなるけど、今はそうしてはいけないことを理解している。そして彼の質問に今度こそちゃんと答えないといけないことも。
「うん、消えないよ。清沢くんが望んでくれる限り、私はずっと清沢くんと一緒にいる」
私の言葉を聞いた清沢くんの表情から不安や恐怖の色が消えた。心底うれしそうな笑顔を見せる清沢くんの顔は、相変わらずこの世のものとは思えないほど美しかった。
だから私は、調子に乗って本音を、そして紛れもない事実を付け加えることにした。
「…清沢くんの命が尽きる日まで」
「えっ?」
待って。「また」消えるってどういうこと?私、あなたの前からいなくなったことなんかあったっけ。
そもそも例の事故があるまではあなたの前に現れたことがなかったような……。
「私、清沢くんの前から消えたことなんかあったっけ?あの事故の前まではほとんど面識もなかったような……」
「とぼけるんだ?」
またそれ?でも今回は別にとぼけているつもりは……。
「……知ってたよ、俺。ずっと前から」
「な、なにを…?」
「湯川さんがいつも俺を見てくれてたこと」
「!?!?」
「何度か声をかけてみようかなとも思ったけど、こっちはこっちで勇気が出なくて。あと、なんて声をかければ良いかも分からなかったし」
ななななにそれ。私のストーカー行為、バレてたってこと?うそでしょ?いつから?
「いつから……?」
「一年生の時のゴールデンウイーク明けくらいかな」
ほぼ最初からやないかい!
「そ、そうなんだ……」
「だからすごい後悔したんだよ。俺が前もってちゃんと声をかけていれば、湯川さんは死ななかったはずなのにって」
清沢くん、今「死ななかったはず」と言ったね。「事故に遭うことはなかったはず」ではなくて「死ななかったはず」って。
「いや、私は死んでないんだけど……」
「ああ、そうだったな」
「……」
「あの記憶が何なのか、そして今の湯川さんがどんな存在なのかはもう聞かないことにするよ。最悪、幽霊か幻覚だとしても構わない」
そ、そうね。そうしてくれるとありがたい。
「でもこれだけは教えてほしい。湯川さんはもういなくならないよな?ずっと俺と一緒にいてくれるよな?」
そう言って、清沢くんはまたしても私の目をまっすぐ見つめてきた。つい照れちゃって視線を逸らしたくなるけど、今はそうしてはいけないことを理解している。そして彼の質問に今度こそちゃんと答えないといけないことも。
「うん、消えないよ。清沢くんが望んでくれる限り、私はずっと清沢くんと一緒にいる」
私の言葉を聞いた清沢くんの表情から不安や恐怖の色が消えた。心底うれしそうな笑顔を見せる清沢くんの顔は、相変わらずこの世のものとは思えないほど美しかった。
だから私は、調子に乗って本音を、そして紛れもない事実を付け加えることにした。
「…清沢くんの命が尽きる日まで」
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