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第3章
66,ハイパーイージーモード
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6歳児の小さな体であるオレでは両手を回しても一周しないような木が、ある程度の間隔を空けて立ち並ぶ林が目の前にある。
枝葉はそれなりに生い茂っているようで柱のような木漏れ日が木々の間を縫うように降り立っている光景は神秘的ともいえる。
……気配察知ぎりぎりに反応がなければ。
目視では認められないが気配察知には引っかかっている。
間違いなく魔物だ。
こんな神秘的な光景なのにやっぱり危険はしっかりと存在している。
まぁそうでなければ薬草採取の依頼なんて出ていないんだろうけどね。
「気配察知ぎりぎりのところに6匹ほどの50cmくらいの気配がする」
「目視では発見できておりません。私に先頭を勤めさせていただきたく存じます」
「んー……。気配察知の情報とギルドで聞いてきた魔物の強さはそんなでもないけど、ラージラビットとかよりは強いからなぁ」
「ワタリ様、私はワタリ様の盾として」
「うーん……」
アルの防御技術は相当なもんだろう。
盾1つで360度囲まれた状態から怪我1つなく自身を守れるくらいには強い。まぁあの誘拐犯が弱すぎたっていうのもあるんだろうけど。
そうであってもオレが気づかなかった不意打ちは防いでいるし、その後の対応も冷静だった。
依存しているといっていいほど信頼しているけど、わざわざ危ない盾役をさせる必要があるのだろうか。
いや……ここはさっきも言ったようにそんなに強いのは出てこないし、気配察知で50m前からわかるから街中のような不意打ちはくらいにくい。
これはアルという盾役に慣れるのと連携の練習にちょうどいいのではないだろうか。
物は考えようだ。
これからもきっとアルは盾役を志願し続けるだろう。
そんな彼の意見を常に封殺するのは無理だ。
オレは甘いからなぁ。
「わかった。でも十分気をつけてね? 盾役だからって怪我していいわけじゃないんだからね?」
「畏まりました。十分に気をつけさせていただきます」
「うん、じゃあ行こうか。目標はイサナ草20株!」
改めて気合を入れて、木漏れ日でキラキラ光っている神秘的な光景に足を踏み入れた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
飛来する白い線をアルの盾が角度をつけて弾き飛ばす。
自由落下中の無防備なところを薄く平たく成形された氷の円盤が捉え、真っ二つに切り裂いて背後の木を半ばまで切り裂いて止まった。
「お見事にございます、ワタリ様」
「いやいやいや、お見事なのはアルでしょ!?
なんであのべどべどする糸を盾で弾けるの!?」
「ある程度のスピードとタイミングがあれば例え粘着性のある物質でも弾くことができます」
「……アルってすげー」
「お褒めに預かり恐悦至極にございます」
2つになった魔物――まだら蜘蛛に解体をかけて素材を回収してくるアルには呆れるしかない。
解体するまでは残ってしまう糸を不用意に踏んでしまった時にものすごい粘着性にびっくりしたものだけど、アルはその糸による直線攻撃を盾であっさりと弾いてしまうのだ。
普通は避けるか動きを制限されるのを承知で受けるかのどちらかなのだ。
アルの使っている盾は確かに結構な値段がして魔法防御に関してはかなりの物を誇っている。
でも粘着性の蜘蛛の糸を弾けるような機能はなく、完全にアルの技術によって成り立っているのだ。
アルは本当に執事なのだろうか。バトラーじゃなくてバトルマスターじゃないのだろうか。
まぁ盾役がいい仕事しまくりなので、隙間から魔法を打ってるだけでいいという超安置プレイで楽ですごくいいんだけどね。
その魔法も岩食いペンギンに使ったような凶悪な性能は必要ないので威力を落とし、消費効率を上げた物を使っている。
林の中なので火系は使えず、もっぱら水の魔法を使っている。
この林程度に出てくる魔物だと、大きさもそれほど大きくなく強くもない。
正確に一点を狙う方法ではなく、ある程度適当に狙って多少外れてもダメージを与えられる用に接触面を広くとっていたりと工夫しているのだが、器用が高い為命中精度に補正がかかりまくっているから放てばまず間違いなく真っ二つにしてくれる。
岩食いペンギンに使用した氷の槍では即死した次の瞬間には死体にダメージが入ってしまうようで、死亡したら即消滅という素材が入手できない酷いことがあったりもした。
威力が高すぎるのも難点があるようだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あ、あったあった」
「おめでとうございます、ワタリ様」
「うん、ありがとう、アル」
少し奥に入ってきて木の密集具合が高まり、すでに林ではなく森のような状態になっているところで今日4つ目のイサナ草の群生地を見つけた。
イサナ草は1つ見つけると大抵その周辺に群生している。
全部で7,8株はあるのだが、全部は取れないので半分くらい採取して後は残しておく。
イサナ草は葉の部分ではなく球根の部分にポーションの素材となる物があるので球根を傷つけないように丁寧に採取していく。
最初はアルが採取していたのだが、オレもやってみたかったので残りは全部オレがやることになっている。
意外とこの土いじりのような感覚が楽しく、手が土で汚れるのもあまり気にならない。
まぁ採取が終わると必ずアルが浄化で綺麗にしてくれるのでまったく汚れが残らないのもあるのかもしれない。
採取したイサナ草は初級魔法:水で綺麗に洗い、初心者セットの入っていた収納袋の中に入れていく。
現在13株採取したので残り7株で依頼達成だ。
林に入ってまだ1時間も経っていないのでかなり順調なペースといえる。
途中で魔物がかなりの数襲ってきているが、その全てを気配察知で感知できまだら蜘蛛以外の全てを接近前に迎撃することに成功している。
まだら蜘蛛は糸を飛ばしてくる遠距離攻撃が出来るのと木々の間を縫うように移動してくるのである程度距離が詰まるまで魔法を当てるのが難しい。
いくら器用が高くても距離があり、遮蔽物が多い環境で適当に放ってあたるほど容易いものではないのだ。
だがまだら蜘蛛が遠距離攻撃を仕掛けてくるような距離なら100発100中で当たったりはするけど。
攻撃する時はどうしたってあちらも姿を晒さないといけないからな。
奥へ奥へと進んでいるけど、林側の方を探しても見つかるとは思う。
でもなんとなく奥へ奥へと進んでいってしまっている。
奥へ行けば行くほど気配察知に引っかかる量は増えていく。
気配察知はLv1のままなので50m圏内しか感知できないがそれでも圏内に2,3匹は引っかかる。
だがその全てが襲ってくるわけではない。
魔法の射程に捉えられるような魔物は片っ端から狩っているが離れていくようなやつは別に追う気もない。
当然向かってくるやつは完全滅殺だ。
冒険者になりたての初心者にはちょっと辛いと思う戦闘間隔だけど、オレ達にとっては遠足気分だ。
届く攻撃といえばまだら蜘蛛だけで、それもアルの鉄壁の防御の前には意味がない。
あとは適当に魔法を放てば終了するという緊張感の欠片もないものなのだ。
少し奥へ入ったからか、イサナ草の大群生地が見つかりそこでちょっと多めに17株ほど採取し、全部で30株確保したので依頼は十分達成だ。
ここまで来るのに狩った魔物でアルのBaseLvは3から5になっていた。
オレのBaseLvは一向に上がらないままなのにアルはどんどん上がっていく。まさかとは思うがBaseLvが1のままとかないと思いたい。
職業のLvはあがっているのだから。
ちなみにオレの今の職業である魔法使いはLvが上がって2になっている。恩恵の効果は上昇はなかった。
アルのアイテムボックス拡張に必要なポイントは10だったので、BaseLvが上がった時にさくっと取得させておいた。
これでアルの持てる量が大分増えたことになる。アイテムボックス拡張Lv1で5種類10個までなので合計50個入れることができる。服だけでも50着なのですごい量だ。
入れる物は宿に戻ってから渡すことにしている。基本的にはアルが持っておいたほうがいい日用品とかだ。
「さぁ~て、帰りますか~」
「畏まりました。ですがワタリ様、雑魚ばかりとはいえ油断は禁物にございます」
「うっ……。いやでもアルの防御が鉄壁すぎて攻撃なんてまったくこないし、魔法で一撃じゃん?」
「答えは否。この世界では油断は死を招きます。常に気を張っている必要はありませんが、適度な緊張は必要にございます」
「あぅ……。ごめん、あんまりにも手ごたえがなさすぎて……」
「それも仕方ないこととは存じます。前回の調査依頼とは比べ物にならない難易度にございます故」
「だよねぇ~。あの怪獣を相手にしたらもうこの辺の雑魚なんて可愛いもんだよね」
「ですが、ワタリ様」
「うん、わかった。心配させてごめんね」
「そのお心だけで私は十分にございます」
薬草採取もひと段落ついていざ帰還しようと思ったところでアルに窘められてしまった。
まぁ確かに気を抜きすぎていたと思う。
ここは平和だった生前の世界とは違うということがまだよくわかっていなかったのだろう。
まぁ実際誘拐未遂くらいしか危機を感じたことなどなかった。
岩食いペンギンなんかも一撃必殺だったので、攻撃を受けたことはないしせいぜいがその見た目が怖かった程度だ。
それに比べたらこの林の魔物なんて小動物程度レベルの危険しかないように思えて、とても危険とは思えなかった。
だからだろうか。
林を無事に抜け安堵したところに、それに遭遇してしまったのは。
きっとアレはフラグだったのだ。
ばっちりと立ってしまっていたフラグを回収させるためにヤツはオレ達の前に派手に地響きを立て、林の木々をなぎ倒しながら複数の悲鳴と共に姿を現した。
枝葉はそれなりに生い茂っているようで柱のような木漏れ日が木々の間を縫うように降り立っている光景は神秘的ともいえる。
……気配察知ぎりぎりに反応がなければ。
目視では認められないが気配察知には引っかかっている。
間違いなく魔物だ。
こんな神秘的な光景なのにやっぱり危険はしっかりと存在している。
まぁそうでなければ薬草採取の依頼なんて出ていないんだろうけどね。
「気配察知ぎりぎりのところに6匹ほどの50cmくらいの気配がする」
「目視では発見できておりません。私に先頭を勤めさせていただきたく存じます」
「んー……。気配察知の情報とギルドで聞いてきた魔物の強さはそんなでもないけど、ラージラビットとかよりは強いからなぁ」
「ワタリ様、私はワタリ様の盾として」
「うーん……」
アルの防御技術は相当なもんだろう。
盾1つで360度囲まれた状態から怪我1つなく自身を守れるくらいには強い。まぁあの誘拐犯が弱すぎたっていうのもあるんだろうけど。
そうであってもオレが気づかなかった不意打ちは防いでいるし、その後の対応も冷静だった。
依存しているといっていいほど信頼しているけど、わざわざ危ない盾役をさせる必要があるのだろうか。
いや……ここはさっきも言ったようにそんなに強いのは出てこないし、気配察知で50m前からわかるから街中のような不意打ちはくらいにくい。
これはアルという盾役に慣れるのと連携の練習にちょうどいいのではないだろうか。
物は考えようだ。
これからもきっとアルは盾役を志願し続けるだろう。
そんな彼の意見を常に封殺するのは無理だ。
オレは甘いからなぁ。
「わかった。でも十分気をつけてね? 盾役だからって怪我していいわけじゃないんだからね?」
「畏まりました。十分に気をつけさせていただきます」
「うん、じゃあ行こうか。目標はイサナ草20株!」
改めて気合を入れて、木漏れ日でキラキラ光っている神秘的な光景に足を踏み入れた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
飛来する白い線をアルの盾が角度をつけて弾き飛ばす。
自由落下中の無防備なところを薄く平たく成形された氷の円盤が捉え、真っ二つに切り裂いて背後の木を半ばまで切り裂いて止まった。
「お見事にございます、ワタリ様」
「いやいやいや、お見事なのはアルでしょ!?
なんであのべどべどする糸を盾で弾けるの!?」
「ある程度のスピードとタイミングがあれば例え粘着性のある物質でも弾くことができます」
「……アルってすげー」
「お褒めに預かり恐悦至極にございます」
2つになった魔物――まだら蜘蛛に解体をかけて素材を回収してくるアルには呆れるしかない。
解体するまでは残ってしまう糸を不用意に踏んでしまった時にものすごい粘着性にびっくりしたものだけど、アルはその糸による直線攻撃を盾であっさりと弾いてしまうのだ。
普通は避けるか動きを制限されるのを承知で受けるかのどちらかなのだ。
アルの使っている盾は確かに結構な値段がして魔法防御に関してはかなりの物を誇っている。
でも粘着性の蜘蛛の糸を弾けるような機能はなく、完全にアルの技術によって成り立っているのだ。
アルは本当に執事なのだろうか。バトラーじゃなくてバトルマスターじゃないのだろうか。
まぁ盾役がいい仕事しまくりなので、隙間から魔法を打ってるだけでいいという超安置プレイで楽ですごくいいんだけどね。
その魔法も岩食いペンギンに使ったような凶悪な性能は必要ないので威力を落とし、消費効率を上げた物を使っている。
林の中なので火系は使えず、もっぱら水の魔法を使っている。
この林程度に出てくる魔物だと、大きさもそれほど大きくなく強くもない。
正確に一点を狙う方法ではなく、ある程度適当に狙って多少外れてもダメージを与えられる用に接触面を広くとっていたりと工夫しているのだが、器用が高い為命中精度に補正がかかりまくっているから放てばまず間違いなく真っ二つにしてくれる。
岩食いペンギンに使用した氷の槍では即死した次の瞬間には死体にダメージが入ってしまうようで、死亡したら即消滅という素材が入手できない酷いことがあったりもした。
威力が高すぎるのも難点があるようだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あ、あったあった」
「おめでとうございます、ワタリ様」
「うん、ありがとう、アル」
少し奥に入ってきて木の密集具合が高まり、すでに林ではなく森のような状態になっているところで今日4つ目のイサナ草の群生地を見つけた。
イサナ草は1つ見つけると大抵その周辺に群生している。
全部で7,8株はあるのだが、全部は取れないので半分くらい採取して後は残しておく。
イサナ草は葉の部分ではなく球根の部分にポーションの素材となる物があるので球根を傷つけないように丁寧に採取していく。
最初はアルが採取していたのだが、オレもやってみたかったので残りは全部オレがやることになっている。
意外とこの土いじりのような感覚が楽しく、手が土で汚れるのもあまり気にならない。
まぁ採取が終わると必ずアルが浄化で綺麗にしてくれるのでまったく汚れが残らないのもあるのかもしれない。
採取したイサナ草は初級魔法:水で綺麗に洗い、初心者セットの入っていた収納袋の中に入れていく。
現在13株採取したので残り7株で依頼達成だ。
林に入ってまだ1時間も経っていないのでかなり順調なペースといえる。
途中で魔物がかなりの数襲ってきているが、その全てを気配察知で感知できまだら蜘蛛以外の全てを接近前に迎撃することに成功している。
まだら蜘蛛は糸を飛ばしてくる遠距離攻撃が出来るのと木々の間を縫うように移動してくるのである程度距離が詰まるまで魔法を当てるのが難しい。
いくら器用が高くても距離があり、遮蔽物が多い環境で適当に放ってあたるほど容易いものではないのだ。
だがまだら蜘蛛が遠距離攻撃を仕掛けてくるような距離なら100発100中で当たったりはするけど。
攻撃する時はどうしたってあちらも姿を晒さないといけないからな。
奥へ奥へと進んでいるけど、林側の方を探しても見つかるとは思う。
でもなんとなく奥へ奥へと進んでいってしまっている。
奥へ行けば行くほど気配察知に引っかかる量は増えていく。
気配察知はLv1のままなので50m圏内しか感知できないがそれでも圏内に2,3匹は引っかかる。
だがその全てが襲ってくるわけではない。
魔法の射程に捉えられるような魔物は片っ端から狩っているが離れていくようなやつは別に追う気もない。
当然向かってくるやつは完全滅殺だ。
冒険者になりたての初心者にはちょっと辛いと思う戦闘間隔だけど、オレ達にとっては遠足気分だ。
届く攻撃といえばまだら蜘蛛だけで、それもアルの鉄壁の防御の前には意味がない。
あとは適当に魔法を放てば終了するという緊張感の欠片もないものなのだ。
少し奥へ入ったからか、イサナ草の大群生地が見つかりそこでちょっと多めに17株ほど採取し、全部で30株確保したので依頼は十分達成だ。
ここまで来るのに狩った魔物でアルのBaseLvは3から5になっていた。
オレのBaseLvは一向に上がらないままなのにアルはどんどん上がっていく。まさかとは思うがBaseLvが1のままとかないと思いたい。
職業のLvはあがっているのだから。
ちなみにオレの今の職業である魔法使いはLvが上がって2になっている。恩恵の効果は上昇はなかった。
アルのアイテムボックス拡張に必要なポイントは10だったので、BaseLvが上がった時にさくっと取得させておいた。
これでアルの持てる量が大分増えたことになる。アイテムボックス拡張Lv1で5種類10個までなので合計50個入れることができる。服だけでも50着なのですごい量だ。
入れる物は宿に戻ってから渡すことにしている。基本的にはアルが持っておいたほうがいい日用品とかだ。
「さぁ~て、帰りますか~」
「畏まりました。ですがワタリ様、雑魚ばかりとはいえ油断は禁物にございます」
「うっ……。いやでもアルの防御が鉄壁すぎて攻撃なんてまったくこないし、魔法で一撃じゃん?」
「答えは否。この世界では油断は死を招きます。常に気を張っている必要はありませんが、適度な緊張は必要にございます」
「あぅ……。ごめん、あんまりにも手ごたえがなさすぎて……」
「それも仕方ないこととは存じます。前回の調査依頼とは比べ物にならない難易度にございます故」
「だよねぇ~。あの怪獣を相手にしたらもうこの辺の雑魚なんて可愛いもんだよね」
「ですが、ワタリ様」
「うん、わかった。心配させてごめんね」
「そのお心だけで私は十分にございます」
薬草採取もひと段落ついていざ帰還しようと思ったところでアルに窘められてしまった。
まぁ確かに気を抜きすぎていたと思う。
ここは平和だった生前の世界とは違うということがまだよくわかっていなかったのだろう。
まぁ実際誘拐未遂くらいしか危機を感じたことなどなかった。
岩食いペンギンなんかも一撃必殺だったので、攻撃を受けたことはないしせいぜいがその見た目が怖かった程度だ。
それに比べたらこの林の魔物なんて小動物程度レベルの危険しかないように思えて、とても危険とは思えなかった。
だからだろうか。
林を無事に抜け安堵したところに、それに遭遇してしまったのは。
きっとアレはフラグだったのだ。
ばっちりと立ってしまっていたフラグを回収させるためにヤツはオレ達の前に派手に地響きを立て、林の木々をなぎ倒しながら複数の悲鳴と共に姿を現した。
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