溺愛系男子との甘い同居生活 (旧題:親友と好きな人が両思いらしいのでここは大人しく諦めて応援しようと思います)

苦悩

(15)

部活が終わり学校を出ると偶然にも校門前で廉と会った。
周りに生徒があまりいないのをいいことに、そのまま二人で話しながら帰宅する。


「ただいまー」

「ただいま」


靴を脱いですぐさま風呂場に向かう。
暑さに耐えかね、スカートを折って短くした。
靴下を脱いでからシャワーで足を濡らし、涼しさを感じて一息つく。

その後は足を拭いてから荷物を自室に持っていった。


それにしても暑すぎる……。
そういえば先輩が今日は猛暑日って言ってたっけ…。


そんなことを考えていると、廉が部屋に入ってきた。


「どうしたの？」

「俺の部屋、冷房が効いてて涼しいけど雪も来る？」

「行く！」


即座に返事をして廉の部屋に向かった。
ドアを開けた途端、一気に冷気が流れ込んでくる。


「す…」

「す？」

「涼しい…！！」


感動して喜んでいると、廉がその様子を見て笑っていた。


「雪はほんと素直だよな」

「だって…今日暑かったから」


恥ずかしさで少しぶっきらぼうに返事をしてしまう。


「……そういえば話変わるけど」

「なに？」

「朝の約束、覚えてるよな？」

「約束……あっ…」


冷房につられて部屋に入っちゃった…。


「…私…用事があったかも…？」

「どんな用事？」


何も思いつかず辺りを見回すと、本が目に飛び込んできた。


「えっと……本を読んだりとか？」

「それなら後ででもいいよね？」


廉がゆっくりと近づいてくる。
同じ速度で後ずさりしていると、足に何かが当たって後ろに倒れ込んだ。
その瞬間ふかふかしたものに受け止められる。


「自分からベッドに誘ってくるなんて…随分と積極的だね？」

「え、いや、ちが…」


廉がそのままベッドに近づいてきて足元の方に座る。


「廉くん…話し合いません？」

「いいよ」


半ば諦めていたので、つい口元が綻んだ。


「後で話し合おうな」

「………」


そのまま廉の手が足に伸びてくる。


「それじゃあ、足を開こうか」

「！？！？」


パカッと足を開かされ、下着が丸見えになってしまった。


「ちょ、まっ！」


慌ててスカートを手で抑える。


「今日は水色なんだね♪」

「…っ…！」

「もっと見ていたいけど汚すのはもったいないし…脱ごうな？」

「えっ…！」


抵抗する間もなく即座に脱がされた。
足の間には廉が座っているため、足を閉じることができない。
慌てていると廉の手がシャツに伸びてきて、ボタンが一つずつ外されていく。
スカートから両手を離すこともできないのでボタンを外されないよう片手で抵抗する。
しかし当然の如く廉に阻まれ、結局全てのボタンが外されてしまった。


最後の抵抗とばかりに廉に声をかける。


「ね、廉…一旦落ち着こう？」

「落ち着いてるよ」


そうなんだけどそういうことじゃなくて…！


そう思いながら廉の様子を窺うと黙り込んでしまっていた。


「あの…廉…？」

「…そんなに…」

「え？」

「そんなに俺とするのは嫌…？」

「え…」

「急ぎすぎた自覚はあったから昨日と一昨日は何もしなかったけど…そんなに嫌だった…？」


廉が不安そうな顔でこちらを見つめる。
今までの自分の行動を振り返りつつ、廉の様子を見ていると罪悪感が募った。

そういえばいつも逃げてばかりだったな。
廉を傷つけたいわけじゃないのに…。


「廉…」

「………」

「私、廉とするの嫌じゃないよ？」

「……ほんとに？」

「なんていうか…廉とすると気持ちよすぎて変になるっていうか…身体がふわふわして怖くなるってだけで…」

「そっか…」


廉のほっとした表情に愛しさを感じ、上半身をベッドから起こした。
そして廉の首に腕を回して自分から唇を重ねる。


「そういうわけだから…その…私も廉としたい」

「…っ……加減できなかったらごめん」


それから再び唇を重ね、廉に身を委ねた。