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……私は何を言わされてるんだろう。
膝枕をした後そのままソファで抱き合って寝たという、あの例の膝枕事件を思い出して恥ずかしさで居た堪れない気持ちになる。
「えっと…ハグ…とか?」
「そうだな」
「まあ、その時に筋肉あるんだなって思ったってだけ…です…!」
恥ずかしさを通り越して悟りを開けそう…。
ちらっと様子を窺うと、滝本がにやにやしてこちらを見ている。
「そっか、雪ちゃんはそういうこと考えてたのか」
「え、いや、そのっ」
「だから俺の腕とか手をたまに見てくるのか」
「え"…」
バレてたの…!?
「あ、やっぱりそうだった?」
「いや…まあ…まあ…」
男子の腕や手が好きであることをまさかバレているとは思わず、引かれたのではないかとビクビクする。
滝本の腕がちょうどいい感じに筋肉ついてて好みどストライクだなんて死んでも言えない…!!
「いいこと知っちゃった♪」
「え、あの…滝本くん…?」
「どうしたの?」
キラキラとした笑顔を向けられ死にたくなった。
「あ、いやなんでもないです…」
「そっかそっか、これから楽しみだね?」
「なにが…!?」
「いろいろ♪」
「いろいろ…!?」
そうこうしているうちにあっという間に二時間が経った。
滝本と更衣室前で別れて中に入ると既に玲がいた。
運良く他の人はおらず少し落ち着いた気持ちになる。
「雪ちゃんおつかれさま!」
「玲もおつかれ!」
玲の方を見ると幸せそうにしており、髪を乾かしながら鼻歌まで歌っている。
「玲ちゃん、何かいいことありました?」
にやにやしながら玲に尋ねると予想通り顔を赤くして慌て出した。
「な、何もないよ…?」
「ほんとにー?」
笑みを浮かべながら近づくと玲が白状しだした。
「…私、実は彰くんとキスしたの!」
「え!?おおー!やったじゃんおめでと!!」
「あ、ありがとね…」
「それで…感想は?」
玲の反応が可愛すぎてどんどん聞いてしまう。
「それはその…凄くよかっ……もー!これ以上は恥ずかしいからだめ!」
「えーー? まあとりあえずおめでとう!」
「ありがとうね!……それで…雪ちゃんはどうだったの?」
「え…私?」
「そう!なにかあったりした?」
「いや、それはその…」
先程と立場が完全に逆転し、楽しげに玲が聞いてくる。
「キスとかしたんでしょー?」
「そ、その…」
滝本の名前を呼ばず、その結果いい感じの雰囲気を壊したことを思い出して後ろめたくなり目を泳がせる。
それに気づいたのか玲の顔が一気に真剣な表情になった。
「え、まさか…何かやらかしたの…?」
「実は………」
そのことを話していくと少しずつ玲の顔が般若になっていった。
「あ、あの…玲さん…?」
「雪ちゃんなにやってるの…!
そこはちゃんと呼ばないと…!」
「やっぱそうだよね…」
「もちろん! 滝本くんは雪って呼んでるし、名前で呼んでくれって頼まれているならせめてその時くらいは呼ばなきゃ!」
「ですよね……」
「まあ滝本くんだし雪ちゃんのこと分かってると思うけど…。
名前呼びに慣れてないなら尚更たくさん呼んであげないと」
「そうしてみます…」
「頑張ってね!」
小さくガッツポーズをしてくれている玲を見ながら、家に帰ったら頑張ろうと心の中で決心した。
膝枕をした後そのままソファで抱き合って寝たという、あの例の膝枕事件を思い出して恥ずかしさで居た堪れない気持ちになる。
「えっと…ハグ…とか?」
「そうだな」
「まあ、その時に筋肉あるんだなって思ったってだけ…です…!」
恥ずかしさを通り越して悟りを開けそう…。
ちらっと様子を窺うと、滝本がにやにやしてこちらを見ている。
「そっか、雪ちゃんはそういうこと考えてたのか」
「え、いや、そのっ」
「だから俺の腕とか手をたまに見てくるのか」
「え"…」
バレてたの…!?
「あ、やっぱりそうだった?」
「いや…まあ…まあ…」
男子の腕や手が好きであることをまさかバレているとは思わず、引かれたのではないかとビクビクする。
滝本の腕がちょうどいい感じに筋肉ついてて好みどストライクだなんて死んでも言えない…!!
「いいこと知っちゃった♪」
「え、あの…滝本くん…?」
「どうしたの?」
キラキラとした笑顔を向けられ死にたくなった。
「あ、いやなんでもないです…」
「そっかそっか、これから楽しみだね?」
「なにが…!?」
「いろいろ♪」
「いろいろ…!?」
そうこうしているうちにあっという間に二時間が経った。
滝本と更衣室前で別れて中に入ると既に玲がいた。
運良く他の人はおらず少し落ち着いた気持ちになる。
「雪ちゃんおつかれさま!」
「玲もおつかれ!」
玲の方を見ると幸せそうにしており、髪を乾かしながら鼻歌まで歌っている。
「玲ちゃん、何かいいことありました?」
にやにやしながら玲に尋ねると予想通り顔を赤くして慌て出した。
「な、何もないよ…?」
「ほんとにー?」
笑みを浮かべながら近づくと玲が白状しだした。
「…私、実は彰くんとキスしたの!」
「え!?おおー!やったじゃんおめでと!!」
「あ、ありがとね…」
「それで…感想は?」
玲の反応が可愛すぎてどんどん聞いてしまう。
「それはその…凄くよかっ……もー!これ以上は恥ずかしいからだめ!」
「えーー? まあとりあえずおめでとう!」
「ありがとうね!……それで…雪ちゃんはどうだったの?」
「え…私?」
「そう!なにかあったりした?」
「いや、それはその…」
先程と立場が完全に逆転し、楽しげに玲が聞いてくる。
「キスとかしたんでしょー?」
「そ、その…」
滝本の名前を呼ばず、その結果いい感じの雰囲気を壊したことを思い出して後ろめたくなり目を泳がせる。
それに気づいたのか玲の顔が一気に真剣な表情になった。
「え、まさか…何かやらかしたの…?」
「実は………」
そのことを話していくと少しずつ玲の顔が般若になっていった。
「あ、あの…玲さん…?」
「雪ちゃんなにやってるの…!
そこはちゃんと呼ばないと…!」
「やっぱそうだよね…」
「もちろん! 滝本くんは雪って呼んでるし、名前で呼んでくれって頼まれているならせめてその時くらいは呼ばなきゃ!」
「ですよね……」
「まあ滝本くんだし雪ちゃんのこと分かってると思うけど…。
名前呼びに慣れてないなら尚更たくさん呼んであげないと」
「そうしてみます…」
「頑張ってね!」
小さくガッツポーズをしてくれている玲を見ながら、家に帰ったら頑張ろうと心の中で決心した。
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