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攻防
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私は枕。私は枕。
精一杯自分に言い聞かせて動きを止めたが時すでに遅し。
滝本が起き上がって徐々に状況把握をし始めた。
「俺…寝てたのか? ていうかなんで清水に膝枕されて……?」
「…これは、夢だよ」
中二病のような返しをしてしまった…。
まだ寝ぼけているようなので、藁にもすがる思いでそのセリフを口にする。
「…そうか。夢なら…いいか」
…素直に信じるの可愛いな。
そんなことを思った時、腰に両手を回されて引っ張られた。
「えっ!?」
バランスを崩してソファに横になる形になってしまった。
その上に滝本が覆い被さって抱きついてきた。
「た、滝本…?」
「ん…」
…完全に目が据わっている。
私のことが抱き枕にでも見えているんだろうか。
ていうか滝本くん、私の胸に顔を押し付けないでくれませんか…?
普通はこのような状況に陥った時は悲鳴をあげるだとか、何か大きいリアクションを取るだろう。
しかし昨日から驚くことが多すぎたために、少しのことでは動じなくなってしまったのだ。
滝本が覚醒していないことへの安心感から油断する。
うとうとしている姿が可愛くてキュンとしてしまった。
滝本の知らない一面を沢山見れるのは純粋に嬉しい。
まだ寝そうな感じがするし一旦寝かせてから移動するか。
「滝本、おやすみ」
「あ、あぁ…」
そう言うと滝本は力尽きてそのまま再び眠った。
よくよく考えるとこれいろいろヤバいかも……。
今更である。よくよく考えなくてもヤバい状況なのは明白だ。他の人から見たらカップルがいちゃついているようにしか見えないであろう。
滝本の家に着いてから私服に着替えておらず、今はまだ制服を着ている状態だ。
更には先程腰を引き寄せられた時にスカートがずり上がったようで、丈が非常に短く感じる。
スカートの役割を果たせているかどうか微妙なところだ。
とりあえず抜け出そうと思ったが、しっかりと抱きつかれていて動けなかった。
…こういうハプニング要らない…。
無理にでも脱出しようとすれば出来なくはない。
相手は寝ているため全力で抱きつかれている訳では無いのだ。
滝本には昨日からお世話になっているし、気にするなとは言ってくれているけど沢山迷惑をかけているからな…。
滝本の気持ちよさそうな寝顔を見つつそんなことを考える。
まあ…うん…もう昨日一緒に寝たし一回も二回も変わらないか…。
ものすごく変わる。
しかし完全に距離感がおかしくなってしまっているため、もはや何でも受け入れられるという気持ちでいた。
どうせならと思い滝本の髪を撫でる。
ふわふわとしていて触り心地がいい。
なんだか私まで眠くなってきた…。
ゆっくりと瞼を閉じ、そしてそのまま眠りについた。
暫くして家政婦の人が掃除をするために入ってきた。
抱き合って寝ている二人を発見した後、なにやら察したような顔で静かに部屋を去る。
若いっていいわねぇ…。
そう思い少し微笑みながら、家政婦は他の部屋の掃除をしに行くのだった。
精一杯自分に言い聞かせて動きを止めたが時すでに遅し。
滝本が起き上がって徐々に状況把握をし始めた。
「俺…寝てたのか? ていうかなんで清水に膝枕されて……?」
「…これは、夢だよ」
中二病のような返しをしてしまった…。
まだ寝ぼけているようなので、藁にもすがる思いでそのセリフを口にする。
「…そうか。夢なら…いいか」
…素直に信じるの可愛いな。
そんなことを思った時、腰に両手を回されて引っ張られた。
「えっ!?」
バランスを崩してソファに横になる形になってしまった。
その上に滝本が覆い被さって抱きついてきた。
「た、滝本…?」
「ん…」
…完全に目が据わっている。
私のことが抱き枕にでも見えているんだろうか。
ていうか滝本くん、私の胸に顔を押し付けないでくれませんか…?
普通はこのような状況に陥った時は悲鳴をあげるだとか、何か大きいリアクションを取るだろう。
しかし昨日から驚くことが多すぎたために、少しのことでは動じなくなってしまったのだ。
滝本が覚醒していないことへの安心感から油断する。
うとうとしている姿が可愛くてキュンとしてしまった。
滝本の知らない一面を沢山見れるのは純粋に嬉しい。
まだ寝そうな感じがするし一旦寝かせてから移動するか。
「滝本、おやすみ」
「あ、あぁ…」
そう言うと滝本は力尽きてそのまま再び眠った。
よくよく考えるとこれいろいろヤバいかも……。
今更である。よくよく考えなくてもヤバい状況なのは明白だ。他の人から見たらカップルがいちゃついているようにしか見えないであろう。
滝本の家に着いてから私服に着替えておらず、今はまだ制服を着ている状態だ。
更には先程腰を引き寄せられた時にスカートがずり上がったようで、丈が非常に短く感じる。
スカートの役割を果たせているかどうか微妙なところだ。
とりあえず抜け出そうと思ったが、しっかりと抱きつかれていて動けなかった。
…こういうハプニング要らない…。
無理にでも脱出しようとすれば出来なくはない。
相手は寝ているため全力で抱きつかれている訳では無いのだ。
滝本には昨日からお世話になっているし、気にするなとは言ってくれているけど沢山迷惑をかけているからな…。
滝本の気持ちよさそうな寝顔を見つつそんなことを考える。
まあ…うん…もう昨日一緒に寝たし一回も二回も変わらないか…。
ものすごく変わる。
しかし完全に距離感がおかしくなってしまっているため、もはや何でも受け入れられるという気持ちでいた。
どうせならと思い滝本の髪を撫でる。
ふわふわとしていて触り心地がいい。
なんだか私まで眠くなってきた…。
ゆっくりと瞼を閉じ、そしてそのまま眠りについた。
暫くして家政婦の人が掃除をするために入ってきた。
抱き合って寝ている二人を発見した後、なにやら察したような顔で静かに部屋を去る。
若いっていいわねぇ…。
そう思い少し微笑みながら、家政婦は他の部屋の掃除をしに行くのだった。
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