131 / 167
白い終末
しおりを挟む
激しい地鳴りが辺り一面に轟く。戦闘で生じた爆発、振動どころの規模でないことは安全な場所で待機しているアミルにも容易に理解できた。
不吉な胸騒ぎに突き動かされるようにアミルは稜線を見つめる。
「向こうで何が起こってるんな?」
アミルが恐る恐る戦闘地域を確認しに行く。すると視界が稜線を超えた瞬間、否応なく異常の元凶が目に飛び込んで来た。
「雪が崩れて来てるん。早く逃げるんなぁー。」
アミルは戦闘地域を見下ろす高台からリーファたちに危険を叫ぶ。しかし絶叫空しく、あっという間にリーファたちと思しき人影はことごとく純白の奔流へ姿を消したのだった。今も信じがたい勢いで雪崩が降って行くのをアミルは見送るほかなかった。
***
「うおぉー、焦ったー!高台にいて助かったよ、いやぁ、良かった良かった。おや?」
雪崩の雪が押し寄せては来たものの、せいぜい膝の高さ程度で済んだことにヴァイスは歓喜の声を上げる。すると時を同じくして向かい側に何やら人の姿があることに気付いた。
「わぁ~~っ、リーファ~!」
遠くの物陰に隠れて様子をうかがっていたアミルが泣きながら駆け寄って来る。
「何だアイツ?」
「グスッ、シンディー・・・ティナ・・・救けるん、今すぐ救け出すん。うわ~ん!」
「おい」
正面から接近してくるヴァイスを気にとめることもなく、一心不乱にアミルは自らの手で雪を掘り続けている。白い雪はアミルの血によって薄紅色に染まっているが、そんなことお構いなしだった。
ははーん、コイツはヤツらの仲間ってワケだ。ザコがコソコソ隠れやがって
「待て、ヴァイス。」
「何だい、エルフちゃん?」
先ほどまで茫然自失となっていたリアンはヴァイスにすがるように懇願する。やるべきことは存在し、その時間は限られているとなればいつまでも無力感にとらわれている場合ではない。
「ここは一度魔力の封印を解いてくれ。」
「何でそんなことしなきゃならないのさ?」
「今なら埋もれた者たちを助け出せるかもしれない。」
「まぁ、万が一ってこともあるかもね~」
「ジェゼーモフも必ず引き上げる。ここは互いに協力を」
「ん~・・・」
ヴァイスの反応がにぶいことにリアンの不安が募る。
ジェゼーモフだってこの雪の下に生き埋めになっているのだ。利害は一致しているはず。
「悩む必要などあるまい」
「必要ないねぇ」
ようやく出て来た返答にリアンは胸をなで下ろす。
目の前に広がるのは土砂ではなく雪、であればまだ私の魔術でやりようはある。
「ではさっそく解除を」
「しないよ。」
「何だと!?」
どういうことか理解が及ばないリアンが驚愕する。今は一刻を争う事態にも関わらず、最大のパフォーマンスを追求しない選択などありえない。だがヴァイスの考えはそもそもリアンの考えとは全く異なっていたのだ。
「だ~って必要ないじゃないか、お邪魔虫はそろってくたばったんだから。」
「馬鹿な・・・ジェゼーモフも巻き添えになっているんだぞ!」
「あはははは、そんなことわかってるさ~。だって見てたんだもん。」
ケタケタ笑いながら冷淡な態度を示すヴァイスにリアンが絶句する。
「何を言っているんだ?今すぐ救い出さなければ死んでしまうぞ!」
「やだなぁ~エルフちゃん。冒険者なんてどこで野垂れ死のうと、そんなの珍しくもないさ。日常茶飯事ってやつ?」
「ふざけるな!お前が救助に参加せずとも構わん、今すぐ私の封印をぐふっ!」
<ドサッ>
ヴァイスは近づいて来たリアンに強烈な一撃を加える。リアンは雪の上に沈み、そのまま気を失った。
「はぁ、ったくうるせーなぁ。もうおネンネしてろよボケナス!」
大体にしてこの膨大な雪の中をどうやって探し回るってんだ?流されてどこに埋まってるかも定かじゃない。そんな気狂い沙汰に付き合ってる内に、こっちまで遭難しちまうだろうがよぉ。
「スッパリ諦めるのが大正解ってね。さ~て・・・」
「ふん、ふぐん、グスッ・・・リーファ~」
「おいおい、何ムダなことしてんのケダモノ?」
「ふぎゅん!」
羊娘を蹴り飛ばして見ると、雪に血の跡が残っていた。ヴァイスは汚いものを見るかのようにしておどけて見せる。
「あ~あ~、痛そう。手ぇ血だらけで~、もしかしてケダモノは痛みを感じないのかなぁ~?」
「うぅ・・・大丈夫なん」
「はぁ?」
「もうすぐ助け出しますん。もう少しの辛抱なんな、リーファ。」
蹴り飛ばされた場所に身を起こしたアミルは何事もなかったようにその場を掘り始める。その様子にヴァイスはいら立ちを覚えた。
「おい!」
「シンディー、温かいスープも用意してあげるのん。グスッ」
「・・・」
「まだ大丈夫なん、ティナは絶対に助かるんな。」
「無視してんじゃねえぞ、この毛玉がぁっ!」
「ぎゃんっ!」
仲間を励ます言葉をかけながら途方も無い救出作業を続けるアミルを再びヴァイスは遠くに蹴り飛ばした。
当たり前のように報われない努力をしようとするアミルの姿が無性に腹が立って仕方がない。
「どいつもこいつも馬鹿にしてんじゃねえぞ、クソがっ!」
「ヒヒーン!」
「ん?馬?」
そうか、アイツらあんなところに馬車を隠してやがったんだな。つい頭にきて後先考えずにエルフをのしちまったけど、こりゃあツイてる。エルフを乗せてさっさとこんな雪山からおさらばだ。ここはもう通れないから来た道を少し戻って迂回しないとなぁ。
「リーファは強いん。この程度の雪なんて大したこと」
「チッ!まだ掘ってんのかよケダモノ。おら、お前の馬車だろ。とっとと馬車を出せよ。」
「痛いん、離すんなぁっ!」
「ヒヒーン!」
「ヒヒヒーン!」
アミルの髪をつかんで馬車の方向に引きずると、それをとがめるように馬たちが騒ぎ立てた。
「うるっせーなぁ駄馬どもが!一匹ブチ殺してやるか」
「や、やめるん!」
「あぁ~?ケダモノの分際でヒュームさまに命令?ないわ~」
「あの子たちは関係ないん!」
「はっ、あの子たちだぁ?やっぱお前ら毛玉どもは四つ足のお仲間ってことだ。生意気に二足歩行なんてしやがってこの野郎」
ヴァイスは力まかせに腕を振るってアミルを雪に放り込むと、彼女の背中を足で踏みつけにした。
「うぐぅ」
「オラ、お望み通り四つ足で地べたに這いつくばらせてやんよ。お仲間をブチ殺されたくなかったらとっとと馬車を動かせっての、わかる?」
「ヒヒーン!」
「うるっせえ!ブチ殺されたくなかったらそこで黙って見てろ!」
<ザッザッザッザッ>
音に気付いたヴァイスが足元に目を向けると、踏みつけにされたアミルが必死に雪を掘っていた。
「はっ!こんな状態でもまだ掘ってんのか?お前らケダモノは馬鹿ばっかだから教えといてやる。いいか、よく聞け」
<ザッザッザッザッ>
「アイツらはとっくにくたばっちまってんだよ。」
<ザッ・・・>
考えないようにしていた最悪の可能性を突きつけられたアミルの心に亀裂が走る。
「オラァ!」
「ぐふっ」
またしても蹴り飛ばされたアミルだったが、血だらけの両手が再び冷たい雪を掘ることはなかった。目ざとくそれに気づいたヴァイスは満足気に口の端をつり上げる。
「とっとと立て!馬もろともここでブチ殺されてえのか毛玉」
不吉な胸騒ぎに突き動かされるようにアミルは稜線を見つめる。
「向こうで何が起こってるんな?」
アミルが恐る恐る戦闘地域を確認しに行く。すると視界が稜線を超えた瞬間、否応なく異常の元凶が目に飛び込んで来た。
「雪が崩れて来てるん。早く逃げるんなぁー。」
アミルは戦闘地域を見下ろす高台からリーファたちに危険を叫ぶ。しかし絶叫空しく、あっという間にリーファたちと思しき人影はことごとく純白の奔流へ姿を消したのだった。今も信じがたい勢いで雪崩が降って行くのをアミルは見送るほかなかった。
***
「うおぉー、焦ったー!高台にいて助かったよ、いやぁ、良かった良かった。おや?」
雪崩の雪が押し寄せては来たものの、せいぜい膝の高さ程度で済んだことにヴァイスは歓喜の声を上げる。すると時を同じくして向かい側に何やら人の姿があることに気付いた。
「わぁ~~っ、リーファ~!」
遠くの物陰に隠れて様子をうかがっていたアミルが泣きながら駆け寄って来る。
「何だアイツ?」
「グスッ、シンディー・・・ティナ・・・救けるん、今すぐ救け出すん。うわ~ん!」
「おい」
正面から接近してくるヴァイスを気にとめることもなく、一心不乱にアミルは自らの手で雪を掘り続けている。白い雪はアミルの血によって薄紅色に染まっているが、そんなことお構いなしだった。
ははーん、コイツはヤツらの仲間ってワケだ。ザコがコソコソ隠れやがって
「待て、ヴァイス。」
「何だい、エルフちゃん?」
先ほどまで茫然自失となっていたリアンはヴァイスにすがるように懇願する。やるべきことは存在し、その時間は限られているとなればいつまでも無力感にとらわれている場合ではない。
「ここは一度魔力の封印を解いてくれ。」
「何でそんなことしなきゃならないのさ?」
「今なら埋もれた者たちを助け出せるかもしれない。」
「まぁ、万が一ってこともあるかもね~」
「ジェゼーモフも必ず引き上げる。ここは互いに協力を」
「ん~・・・」
ヴァイスの反応がにぶいことにリアンの不安が募る。
ジェゼーモフだってこの雪の下に生き埋めになっているのだ。利害は一致しているはず。
「悩む必要などあるまい」
「必要ないねぇ」
ようやく出て来た返答にリアンは胸をなで下ろす。
目の前に広がるのは土砂ではなく雪、であればまだ私の魔術でやりようはある。
「ではさっそく解除を」
「しないよ。」
「何だと!?」
どういうことか理解が及ばないリアンが驚愕する。今は一刻を争う事態にも関わらず、最大のパフォーマンスを追求しない選択などありえない。だがヴァイスの考えはそもそもリアンの考えとは全く異なっていたのだ。
「だ~って必要ないじゃないか、お邪魔虫はそろってくたばったんだから。」
「馬鹿な・・・ジェゼーモフも巻き添えになっているんだぞ!」
「あはははは、そんなことわかってるさ~。だって見てたんだもん。」
ケタケタ笑いながら冷淡な態度を示すヴァイスにリアンが絶句する。
「何を言っているんだ?今すぐ救い出さなければ死んでしまうぞ!」
「やだなぁ~エルフちゃん。冒険者なんてどこで野垂れ死のうと、そんなの珍しくもないさ。日常茶飯事ってやつ?」
「ふざけるな!お前が救助に参加せずとも構わん、今すぐ私の封印をぐふっ!」
<ドサッ>
ヴァイスは近づいて来たリアンに強烈な一撃を加える。リアンは雪の上に沈み、そのまま気を失った。
「はぁ、ったくうるせーなぁ。もうおネンネしてろよボケナス!」
大体にしてこの膨大な雪の中をどうやって探し回るってんだ?流されてどこに埋まってるかも定かじゃない。そんな気狂い沙汰に付き合ってる内に、こっちまで遭難しちまうだろうがよぉ。
「スッパリ諦めるのが大正解ってね。さ~て・・・」
「ふん、ふぐん、グスッ・・・リーファ~」
「おいおい、何ムダなことしてんのケダモノ?」
「ふぎゅん!」
羊娘を蹴り飛ばして見ると、雪に血の跡が残っていた。ヴァイスは汚いものを見るかのようにしておどけて見せる。
「あ~あ~、痛そう。手ぇ血だらけで~、もしかしてケダモノは痛みを感じないのかなぁ~?」
「うぅ・・・大丈夫なん」
「はぁ?」
「もうすぐ助け出しますん。もう少しの辛抱なんな、リーファ。」
蹴り飛ばされた場所に身を起こしたアミルは何事もなかったようにその場を掘り始める。その様子にヴァイスはいら立ちを覚えた。
「おい!」
「シンディー、温かいスープも用意してあげるのん。グスッ」
「・・・」
「まだ大丈夫なん、ティナは絶対に助かるんな。」
「無視してんじゃねえぞ、この毛玉がぁっ!」
「ぎゃんっ!」
仲間を励ます言葉をかけながら途方も無い救出作業を続けるアミルを再びヴァイスは遠くに蹴り飛ばした。
当たり前のように報われない努力をしようとするアミルの姿が無性に腹が立って仕方がない。
「どいつもこいつも馬鹿にしてんじゃねえぞ、クソがっ!」
「ヒヒーン!」
「ん?馬?」
そうか、アイツらあんなところに馬車を隠してやがったんだな。つい頭にきて後先考えずにエルフをのしちまったけど、こりゃあツイてる。エルフを乗せてさっさとこんな雪山からおさらばだ。ここはもう通れないから来た道を少し戻って迂回しないとなぁ。
「リーファは強いん。この程度の雪なんて大したこと」
「チッ!まだ掘ってんのかよケダモノ。おら、お前の馬車だろ。とっとと馬車を出せよ。」
「痛いん、離すんなぁっ!」
「ヒヒーン!」
「ヒヒヒーン!」
アミルの髪をつかんで馬車の方向に引きずると、それをとがめるように馬たちが騒ぎ立てた。
「うるっせーなぁ駄馬どもが!一匹ブチ殺してやるか」
「や、やめるん!」
「あぁ~?ケダモノの分際でヒュームさまに命令?ないわ~」
「あの子たちは関係ないん!」
「はっ、あの子たちだぁ?やっぱお前ら毛玉どもは四つ足のお仲間ってことだ。生意気に二足歩行なんてしやがってこの野郎」
ヴァイスは力まかせに腕を振るってアミルを雪に放り込むと、彼女の背中を足で踏みつけにした。
「うぐぅ」
「オラ、お望み通り四つ足で地べたに這いつくばらせてやんよ。お仲間をブチ殺されたくなかったらとっとと馬車を動かせっての、わかる?」
「ヒヒーン!」
「うるっせえ!ブチ殺されたくなかったらそこで黙って見てろ!」
<ザッザッザッザッ>
音に気付いたヴァイスが足元に目を向けると、踏みつけにされたアミルが必死に雪を掘っていた。
「はっ!こんな状態でもまだ掘ってんのか?お前らケダモノは馬鹿ばっかだから教えといてやる。いいか、よく聞け」
<ザッザッザッザッ>
「アイツらはとっくにくたばっちまってんだよ。」
<ザッ・・・>
考えないようにしていた最悪の可能性を突きつけられたアミルの心に亀裂が走る。
「オラァ!」
「ぐふっ」
またしても蹴り飛ばされたアミルだったが、血だらけの両手が再び冷たい雪を掘ることはなかった。目ざとくそれに気づいたヴァイスは満足気に口の端をつり上げる。
「とっとと立て!馬もろともここでブチ殺されてえのか毛玉」
0
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説


転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる