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ハニービーラグタイム
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「リーファ、そろそろゴリさんたちを休ませるん。」
「あぁ、もうそんな時間かぁ。そうだね、アミル。そうしよう。」
「休憩なの?」
「休憩なのん、べいべぇ」
「んはぁ~、ずっと座りっぱだと疲れるもんだね。」
馬車から降りたティナが大きく背伸びをする。かように各々がちょっとした息抜きを始める一方で、何やらラミポーラがチラチラとアミルを見ている。するとラミポーラのサインに目ざとく気づいたアミルが指示を出し始めた。
「ティナ、みぽりんが何か欲しい感じ出してるのん。リンゴ持って行くん。」
「ハ~イ」
「リーファは水桶なん。」
「うん、わかった。バトラーお願い。」
「かしこまりました。」
バトラーが水桶と給水用の魔道具を出すと、待ってましたとばかりにゴドウィンリーとモートバルが水桶へと歩み寄って行った。
「痛ぁっ!うわーん、噛まれたんだよ~」
みぽりんにリンゴをあげている後ろから肩をかじられたティナが悲鳴を上げる。
「べーやんの愛情表現なん。ティナはお気に入りなんな~」
<げしっ!>
さすがに頭に来たティナがマックベーンにゲンコツをお見舞いする。マックベーンもこれには驚いたようだった。
「このバカ馬っ!もうヤダ~三回目なんだよ~」
「ちょっかい出して仲良くなろうとするんがべーやんなのん。広い心で許してあげてほしいんな、ティナ。」
「私はニンジンじゃないんだよ。んもぅ!何でリーファは噛まれないの~、私ばっかり・・・」
「何てこと言うのさ、私が噛まれることに何の得も無いじゃんか。」
「分散すれば噛まれる回数が減ってお得なんだよ~。リーファもマックベーンと仲良くなれて一石二鳥」
「ちっとも良かないよ。それで嬉しいのはティナだけじゃない。」
「そ、そんなことないんだよ~痛ぁっ!いい加減にしろ、このバカチンがぁっ!」
<どげしっ!!>
「ヒヒーン!」
肩から回転をかけた恐るべきコークスクリューがべーやんに突き刺さる。これにはさすがにアミルも真っ青な顔で割って入った。
「あぁ、あんまりイジメちゃダメなん」
「ちょっとアミル、むしろ私の方が意地悪されてるんだけど」
「しょうがないのん、ティナは親しみやすさが溢れているんな~。べーやんはティナのそういうところに惹かれてるのん。」
「じゃあリーファは?」
「リーファには下手に手を出したらブチのめされる雰囲気が漂っているん。お馬さんはそういうところに敏感なのん。」
「それって・・・私は馬からナメられてるってことじゃぁ・・・」
「ちょっと待って。私は私でアミルの説明に何か釈然としないものを感じるんだが・・・」
アミルの説明にはティナもリーファも納得していないようだ。二人そろって何とも微妙な表情を浮かべている。
「じゃあ試しにお馬さんを撫でてみると良いのんな、リーファ」
「そんなの簡単だよアミル。よーし見とけー」
「ブルル」
「あれ、ゴリさん?」
「ヒヒーン!」
「み、みぽりん?じゃあモッさん・・・って、アレ?」
リーファが手を近づけるとどの馬も困惑の表情でリーファから顔を背けた。モートバルに至っては次は自分に来ると踏んでアミルの後ろに隠れてしまった。まさかの出来事にリーファも微妙な表情でプルプル震えているではないか。
「そ・・・そんな馬鹿な!このラブリーな私が避けられているだと?」
「何か・・・あまりにも哀れなんだよ~。」
露骨に避けられるのもそれはそれでショックが大きい。リーファは地面にorz
それもそのはず、馬に避けられる理由はリーファを守護するホーネットにある。ホーネットは見えないながらも、主人に噛みついたら殺すとばかりに殺気を送っているのだ。威嚇のためわざと馬の耳元をかすめて飛行したりもしていた。
「まあそれはともかく、目的地はセバルで良いの?」
「う~ん、さっきまでニコとその件について交信してたんだ。」
「どうなったんな、リーファ?」
「セバルで馬車をチャーターするのが無難なルートのはずなんだけど・・・」
「だけど?」
「何せシンディーだからさぁ、何かよくわからん方法でリアンを追跡してる可能性もあるんじゃないかって」
「セバルには寄らないってこと?」
「セバルよりも先の人里で情報を探した方が手っ取り早いのかもね~」
もしかするとニコの懸念の通り、予想よりもずっと先に行ってしまったかもしれない。セバルはすっ飛ばして目撃情報を拾いながら進む方が効率が良いと私も思うんだ。
「ゴリさんたちならあっという間に追いつくのん。シンディーは既に袋のキツネですん。」
任せろと言わんばかりにゴドウィンリーがアミルに頬ずりする。モートバルも次は自分が撫でてもらおうとアミルに頭を近づけた。
「何かアミルだけモテモテなのが癇に障るんだよ~」
それを見たリーファも再びorz
***
「何故貴様がこんな場所をうろついている?」
「ふん、ホーネットごときに関係ないの。」
「バトラーからは何も聞かされていないぞ。」
「うるせーの、ロードチャンセラーはバトラーの配下じゃねーの。」
「だがそれは貴様が勝手気ままをする理由とはならない。事と次第によっては」
「ロードチャンセラーは先の功績によりエンプレス=メリッサから自らの考えで行動するお許しをいただいているの。お前も知っているはずなのよカーネル。」
「そうか。ならば何も言うまい。ハニービー同士の指揮命令系統には疎いのでな。すまなかった。」
「わかれば良いの。」
「ではさっそくエンプレス=メリッサにご報告を」
「ままま待つの!」
「ん、何故だロードチャンセラー?」
「ロードチャンセラーはまだ所定の成果を上げていないの。」
「途中経過の報告はエンプレス=メリッサの下される状況判断に資する。報告を上げない理由はなかろう?」
「お耳に入れるべき重要な報告も無しに、どうでもいいことでお手を煩わせるなどあってはならないの。」
「報告するか否かの判断はお側に伺候するバトラーに任せれば良かろう?」
「やれやれなの、これだからホーネットは。」
「何だと!」
「あのバカ正直バカのバトラーは逐一報告を上げるに決まってるの。本当どうでも良い内容だろうがなんだろうがそれはもう手当り次第のぶん投げまくりまくりなの。」
「ほ、本当か!それでは聡明なエンプレス=メリッサのお手を煩わせるだけではないか!」
「ロードチャンセラーの報告はロードチャンセラーが十分に吟味した上で遂行するの。バカサンドに任せるなどもってのほか。エンプレス=メリッサのためにもカーネルはロードチャンセラーに関する報告は一言たりと入れてはならないの。ここでともに行動していることすら秘密なの。」
「な、なるほど。あいわかった。」
「さっきから何ゴチャゴチャ言ってんだ、ロードチャンセラー?」
「き、キチュネにはかか関係ないことなの~」
突然声をかけられたロードチャンセラーの様子がおかしい。何やら後ろめたい話でもしていたのだろうか。
「ふ~ん・・・」
「シンディー姉、どうしたん?」
「腹黒妖精ハラグロードチャンセラーがお得意の悪だくみしてるみたいだからさぁ」
「え~、そりゃ気になるわぁ。ウチにも教えてや、ローやん。」
「タヌキも相当馴れ馴れしいの。」
「あぁ、もうそんな時間かぁ。そうだね、アミル。そうしよう。」
「休憩なの?」
「休憩なのん、べいべぇ」
「んはぁ~、ずっと座りっぱだと疲れるもんだね。」
馬車から降りたティナが大きく背伸びをする。かように各々がちょっとした息抜きを始める一方で、何やらラミポーラがチラチラとアミルを見ている。するとラミポーラのサインに目ざとく気づいたアミルが指示を出し始めた。
「ティナ、みぽりんが何か欲しい感じ出してるのん。リンゴ持って行くん。」
「ハ~イ」
「リーファは水桶なん。」
「うん、わかった。バトラーお願い。」
「かしこまりました。」
バトラーが水桶と給水用の魔道具を出すと、待ってましたとばかりにゴドウィンリーとモートバルが水桶へと歩み寄って行った。
「痛ぁっ!うわーん、噛まれたんだよ~」
みぽりんにリンゴをあげている後ろから肩をかじられたティナが悲鳴を上げる。
「べーやんの愛情表現なん。ティナはお気に入りなんな~」
<げしっ!>
さすがに頭に来たティナがマックベーンにゲンコツをお見舞いする。マックベーンもこれには驚いたようだった。
「このバカ馬っ!もうヤダ~三回目なんだよ~」
「ちょっかい出して仲良くなろうとするんがべーやんなのん。広い心で許してあげてほしいんな、ティナ。」
「私はニンジンじゃないんだよ。んもぅ!何でリーファは噛まれないの~、私ばっかり・・・」
「何てこと言うのさ、私が噛まれることに何の得も無いじゃんか。」
「分散すれば噛まれる回数が減ってお得なんだよ~。リーファもマックベーンと仲良くなれて一石二鳥」
「ちっとも良かないよ。それで嬉しいのはティナだけじゃない。」
「そ、そんなことないんだよ~痛ぁっ!いい加減にしろ、このバカチンがぁっ!」
<どげしっ!!>
「ヒヒーン!」
肩から回転をかけた恐るべきコークスクリューがべーやんに突き刺さる。これにはさすがにアミルも真っ青な顔で割って入った。
「あぁ、あんまりイジメちゃダメなん」
「ちょっとアミル、むしろ私の方が意地悪されてるんだけど」
「しょうがないのん、ティナは親しみやすさが溢れているんな~。べーやんはティナのそういうところに惹かれてるのん。」
「じゃあリーファは?」
「リーファには下手に手を出したらブチのめされる雰囲気が漂っているん。お馬さんはそういうところに敏感なのん。」
「それって・・・私は馬からナメられてるってことじゃぁ・・・」
「ちょっと待って。私は私でアミルの説明に何か釈然としないものを感じるんだが・・・」
アミルの説明にはティナもリーファも納得していないようだ。二人そろって何とも微妙な表情を浮かべている。
「じゃあ試しにお馬さんを撫でてみると良いのんな、リーファ」
「そんなの簡単だよアミル。よーし見とけー」
「ブルル」
「あれ、ゴリさん?」
「ヒヒーン!」
「み、みぽりん?じゃあモッさん・・・って、アレ?」
リーファが手を近づけるとどの馬も困惑の表情でリーファから顔を背けた。モートバルに至っては次は自分に来ると踏んでアミルの後ろに隠れてしまった。まさかの出来事にリーファも微妙な表情でプルプル震えているではないか。
「そ・・・そんな馬鹿な!このラブリーな私が避けられているだと?」
「何か・・・あまりにも哀れなんだよ~。」
露骨に避けられるのもそれはそれでショックが大きい。リーファは地面にorz
それもそのはず、馬に避けられる理由はリーファを守護するホーネットにある。ホーネットは見えないながらも、主人に噛みついたら殺すとばかりに殺気を送っているのだ。威嚇のためわざと馬の耳元をかすめて飛行したりもしていた。
「まあそれはともかく、目的地はセバルで良いの?」
「う~ん、さっきまでニコとその件について交信してたんだ。」
「どうなったんな、リーファ?」
「セバルで馬車をチャーターするのが無難なルートのはずなんだけど・・・」
「だけど?」
「何せシンディーだからさぁ、何かよくわからん方法でリアンを追跡してる可能性もあるんじゃないかって」
「セバルには寄らないってこと?」
「セバルよりも先の人里で情報を探した方が手っ取り早いのかもね~」
もしかするとニコの懸念の通り、予想よりもずっと先に行ってしまったかもしれない。セバルはすっ飛ばして目撃情報を拾いながら進む方が効率が良いと私も思うんだ。
「ゴリさんたちならあっという間に追いつくのん。シンディーは既に袋のキツネですん。」
任せろと言わんばかりにゴドウィンリーがアミルに頬ずりする。モートバルも次は自分が撫でてもらおうとアミルに頭を近づけた。
「何かアミルだけモテモテなのが癇に障るんだよ~」
それを見たリーファも再びorz
***
「何故貴様がこんな場所をうろついている?」
「ふん、ホーネットごときに関係ないの。」
「バトラーからは何も聞かされていないぞ。」
「うるせーの、ロードチャンセラーはバトラーの配下じゃねーの。」
「だがそれは貴様が勝手気ままをする理由とはならない。事と次第によっては」
「ロードチャンセラーは先の功績によりエンプレス=メリッサから自らの考えで行動するお許しをいただいているの。お前も知っているはずなのよカーネル。」
「そうか。ならば何も言うまい。ハニービー同士の指揮命令系統には疎いのでな。すまなかった。」
「わかれば良いの。」
「ではさっそくエンプレス=メリッサにご報告を」
「ままま待つの!」
「ん、何故だロードチャンセラー?」
「ロードチャンセラーはまだ所定の成果を上げていないの。」
「途中経過の報告はエンプレス=メリッサの下される状況判断に資する。報告を上げない理由はなかろう?」
「お耳に入れるべき重要な報告も無しに、どうでもいいことでお手を煩わせるなどあってはならないの。」
「報告するか否かの判断はお側に伺候するバトラーに任せれば良かろう?」
「やれやれなの、これだからホーネットは。」
「何だと!」
「あのバカ正直バカのバトラーは逐一報告を上げるに決まってるの。本当どうでも良い内容だろうがなんだろうがそれはもう手当り次第のぶん投げまくりまくりなの。」
「ほ、本当か!それでは聡明なエンプレス=メリッサのお手を煩わせるだけではないか!」
「ロードチャンセラーの報告はロードチャンセラーが十分に吟味した上で遂行するの。バカサンドに任せるなどもってのほか。エンプレス=メリッサのためにもカーネルはロードチャンセラーに関する報告は一言たりと入れてはならないの。ここでともに行動していることすら秘密なの。」
「な、なるほど。あいわかった。」
「さっきから何ゴチャゴチャ言ってんだ、ロードチャンセラー?」
「き、キチュネにはかか関係ないことなの~」
突然声をかけられたロードチャンセラーの様子がおかしい。何やら後ろめたい話でもしていたのだろうか。
「ふ~ん・・・」
「シンディー姉、どうしたん?」
「腹黒妖精ハラグロードチャンセラーがお得意の悪だくみしてるみたいだからさぁ」
「え~、そりゃ気になるわぁ。ウチにも教えてや、ローやん。」
「タヌキも相当馴れ馴れしいの。」
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