112 / 167
氷の姫巫女
しおりを挟む
「我が帝国軍がたった4~5千の兵に敗北を喫しただと?おまけにガイアロドハイムまで攻め取られるなど・・・」
エルステルリンゲン帝国の皇帝ルートヴィヒが頭を抱えてうめく。あれほどの大軍をもってしても敗北したことに、もはや怒りを通り越して生気を失いかけていた。失望のあまりすっかり顔面蒼白のルートヴィヒに側近も慌てて駆け寄る。
「陛下、お気を確かに。」
「屈辱だ・・・朕は魔族に抗して人間界を打ち立てし勇者の末裔ぞ?たかだか城持ち風情どもに敗北を喫して、このままおめおめと引き下がれるものか。今すぐ大軍を差し向けて奴らを・・・」
「お待ち下さい陛下。今は内政の安定を図るべきでございます。各地で不穏な動きもありますれば、臣民にのしかかった負担が大規模な反乱のとば口ともなり得ましょう。」
「くっ・・・この程度のことすらままならんとは情けない。」
人類最大の版図を誇るエルステルリンゲン帝国ではあるが、内部に様々な火種を抱えてもいる。外征の失敗は即座に内政へと跳ね返ってくる危険と常に隣り合わせだった。
「よろしいでしょうか陛下。」
「何だ?」
もはや政治的会合に一切興味を失い、趣味の天体観測に逃避したくなったルートヴィヒは忌々し気に応じる。だが何か言いたげな枢密顧問官は皇帝の不興を買うとは微塵も頭に無いようだ。
「兵士どもが少しばかり面白い話を持ち帰って参りまして。」
「面白い話?もったいつけずに話して見よ。」
「はっ。兵士どもが言うには、センダルタ城にアビムリンデを見たと。」
枢密顧問官のとっておきに皇帝がうんざりした表情を返す。どうにもお気に召さなかった様子だ。
「アビムリンデだと?それは・・・あの世界樹から出奔したとか言うアルベリヒの娘か?」
「左用にて。」
皇帝の反応とは裏腹に、枢密顧問官はしたり顔だ。しかしそれがますます皇帝の興を削ぐ。
「ふん、百数十年も前の話ではないか。真偽不明のよくある噂話だ。どうせ見目麗しいエルフの女を見て当てられたにすぎん。そんなものは兵士どもの戯れ言よ。」
踵を返して円卓を後にしようとする皇帝にすがりつくように声をかける。その枢密顧問官も自らの話しぶりがまずかったと察したのか話をつなごうと必死だ。率直に要点だけを伝えねば折角の特ダネも腐らせてしまいかねない。
「お待ち下さい陛下。私も最初は陛下と同じ感想だったのですが、どうもそうとばかりも言えぬようなのです。
もううんざりとばかりに円卓の席を立ったルートヴィヒだが、まだ枢密顧問官は噂話以上の何かを持っているようだった。わずかに気を引かれた皇帝は再び席につく。
「ほぅ・・・眉唾ではないと申すか。」
「はい、そのエルフはアビムリンデ当人であってもおかしくないほどの尋常ならざる力を持っておるのです。話によると繰り出す魔術もさることながら、どこからともなく魔物を召喚するらしいのです。」
「まことにそんなバカげた話があるというのか!」
もったいつけて不興を買う寸前ではあったが、さすがに皇帝も興味を惹かれずにはいられなかった。同じくそれを耳にしたその他の枢密顧問官たちも一斉にザワつく。
「はい、下級兵士どころか将兵まで皆が口をそろえてそう言うのです。どうやらそのエルフ、辺境地域の冒険者として活動しておるようでして・・・」
「もしも本当の話ならば間違いなくA級冒険者であろうな。あるいはそれ以上も・・・伝説の召喚術士?ふっ・・・まさか。だが、それならば何故そのエルフは我が帝都で活動せぬのだ?」
「おかしなのはまさにその点なのです陛下。このエルフはC級なのです。」
「そこまで調べがついていて、面白いも何もあったものか。時間を無駄にしたわ。」
C級の冒険者がアビムリンデのはずがない。やはり何かの間違いだと円卓に失笑が広がる。
「いえ、そこで終わりではございません!此奴はどうやら故意に等級をごまかしておるようなのです。記録を遡ると昇級辞退が連綿と続いておりまして・・・」
「一度ならず何度も・・・それほどまでに昇級したくない事情があるということか?」
「おそらくはB級から発生する国家への情報提供を厭うておるのではと推察いたします。」
「けしからん!ケモノめいた亜人でもない限り、A級ともなれば身分保証も与えておるというのに。いったい何が気に入らんというのか?」
「素性が明るみになるのを恐れておるとしか思えません。しかしそのくせ、何故かアンダシルヴァには手を貸しておるようです。我が軍との戦闘においては全魔術師の火力発揮と魔術障壁を一手に指揮していたとのこと。」
「何?まさか性懲りもない乞食海賊がエルフを仲間に引き入れたとでもいうのか。やはりそうなるとエルフのバカげた能力の信憑性が高まるな。」
「まことに遺憾ながらその可能性が高うございます。」
「これは参った。こちらに引き入れることが叶わぬならばそのエルフを抹殺せねばなるまい。」
「陛下、もしも本物のアビムリンデであれば政治的に大きなアドバンテージになりましょう。何年経っても北方を攻め落とせぬ教皇に大きな貸しができますぞ。」
「ふむ・・・殺さば御の字、捕縛はなお良し。となれば、ガイアロドハイムで断ち切られた辺境地域へどのように兵士を派遣したものか。」
「兵士では目立ちましょう。何よりガイアロドハイムを占拠しているギルビーの犬どもは鼻が利きますので、無駄な犠牲が増えてしまいます。」
「ふむ、誰ぞ妙案はあるか?」
「陛下、私に考えがございます。」
枢密顧問官は自信たっぷりに声を上げると底意地の悪い笑みを見せた。
***
「やれやれ、ようやく私もお役御免なのだな。」
見目麗しいエルフのリアンは表情を緩ませる。
リーファがセンダルタ城を去り、グラムスに帰還した後もリアンはグラムス代表として残り続けていた。未だ予断を許さない状況のため、状況判断して自ら采配もできるとなれば候補は限られる。そこでアンダシルヴァと渡り合う胆力をも兼ね備えたリアンに白羽の矢が立ったのだ。
そしてどうやらガイアロドハイム争奪戦も決着が着いたようで、戦況もほどほどに膠着したことからリアンも帰還の運びとなった。
「ふっふっふ、さぞ肩の荷が下りたことだろう。それもそのはず、このトーラスが交代でやって来たのだからなぁ。リアン以上に頭の回るこの俺だ、安心してグラムスへと帰るが良い。」
何やらムダに挑戦的な言葉をもちいて胸を張るトーラスを横目に、グラムス代表を引き継ぐレダムがリアンの労をねぎらう。
「ま、まぁ後は俺たちに任せてくれリアン。本当に大変だったろう、帰ってゆっくり休むといい。ご苦労さん。」
「ありがとう。まさかレダムとトーラスが来てくれるなどとは思いもしなかった。後任にこれ以上の人選など私も思いつかない。ふふっ、グレンも思い切ったものだな。」
「面と向かってそう言われるとさすがに照れるぜ。なぁ、トーラス。・・・トーラス?」
レダムがトーラスに問いかけても全く返事が無かった。不審に思ったレダムがトーラスの方に振り向くとトーラスは目を丸くして、口も開きっぱなしになっているではないか。いったい何事かとレダムも思わずギョッっとした。
するとそれが合図とでも言わんばかりにトーラスが再起動する。何やら顔を紅潮させて嬉しげにしているようにも見えた。
「へ?・・・あぁ。リアンもわかってるじゃないか。そう、このトーラスがグラムス最高の秘密兵器だということを。」
「あぁ、とても期待している。それでは私もここでおいとまするとしよう。」
「おい、どうしたトーラス。さっきからどうもお前らしくないぞ。どこか調子でも悪いのか?」
「いや、今日は俺にとって思いがけず幸せな日というだけだ。心配かけてすまないが、気にしないでくれレダム。」
「そ、そうか。なら良い。」
エルステルリンゲン帝国の皇帝ルートヴィヒが頭を抱えてうめく。あれほどの大軍をもってしても敗北したことに、もはや怒りを通り越して生気を失いかけていた。失望のあまりすっかり顔面蒼白のルートヴィヒに側近も慌てて駆け寄る。
「陛下、お気を確かに。」
「屈辱だ・・・朕は魔族に抗して人間界を打ち立てし勇者の末裔ぞ?たかだか城持ち風情どもに敗北を喫して、このままおめおめと引き下がれるものか。今すぐ大軍を差し向けて奴らを・・・」
「お待ち下さい陛下。今は内政の安定を図るべきでございます。各地で不穏な動きもありますれば、臣民にのしかかった負担が大規模な反乱のとば口ともなり得ましょう。」
「くっ・・・この程度のことすらままならんとは情けない。」
人類最大の版図を誇るエルステルリンゲン帝国ではあるが、内部に様々な火種を抱えてもいる。外征の失敗は即座に内政へと跳ね返ってくる危険と常に隣り合わせだった。
「よろしいでしょうか陛下。」
「何だ?」
もはや政治的会合に一切興味を失い、趣味の天体観測に逃避したくなったルートヴィヒは忌々し気に応じる。だが何か言いたげな枢密顧問官は皇帝の不興を買うとは微塵も頭に無いようだ。
「兵士どもが少しばかり面白い話を持ち帰って参りまして。」
「面白い話?もったいつけずに話して見よ。」
「はっ。兵士どもが言うには、センダルタ城にアビムリンデを見たと。」
枢密顧問官のとっておきに皇帝がうんざりした表情を返す。どうにもお気に召さなかった様子だ。
「アビムリンデだと?それは・・・あの世界樹から出奔したとか言うアルベリヒの娘か?」
「左用にて。」
皇帝の反応とは裏腹に、枢密顧問官はしたり顔だ。しかしそれがますます皇帝の興を削ぐ。
「ふん、百数十年も前の話ではないか。真偽不明のよくある噂話だ。どうせ見目麗しいエルフの女を見て当てられたにすぎん。そんなものは兵士どもの戯れ言よ。」
踵を返して円卓を後にしようとする皇帝にすがりつくように声をかける。その枢密顧問官も自らの話しぶりがまずかったと察したのか話をつなごうと必死だ。率直に要点だけを伝えねば折角の特ダネも腐らせてしまいかねない。
「お待ち下さい陛下。私も最初は陛下と同じ感想だったのですが、どうもそうとばかりも言えぬようなのです。
もううんざりとばかりに円卓の席を立ったルートヴィヒだが、まだ枢密顧問官は噂話以上の何かを持っているようだった。わずかに気を引かれた皇帝は再び席につく。
「ほぅ・・・眉唾ではないと申すか。」
「はい、そのエルフはアビムリンデ当人であってもおかしくないほどの尋常ならざる力を持っておるのです。話によると繰り出す魔術もさることながら、どこからともなく魔物を召喚するらしいのです。」
「まことにそんなバカげた話があるというのか!」
もったいつけて不興を買う寸前ではあったが、さすがに皇帝も興味を惹かれずにはいられなかった。同じくそれを耳にしたその他の枢密顧問官たちも一斉にザワつく。
「はい、下級兵士どころか将兵まで皆が口をそろえてそう言うのです。どうやらそのエルフ、辺境地域の冒険者として活動しておるようでして・・・」
「もしも本当の話ならば間違いなくA級冒険者であろうな。あるいはそれ以上も・・・伝説の召喚術士?ふっ・・・まさか。だが、それならば何故そのエルフは我が帝都で活動せぬのだ?」
「おかしなのはまさにその点なのです陛下。このエルフはC級なのです。」
「そこまで調べがついていて、面白いも何もあったものか。時間を無駄にしたわ。」
C級の冒険者がアビムリンデのはずがない。やはり何かの間違いだと円卓に失笑が広がる。
「いえ、そこで終わりではございません!此奴はどうやら故意に等級をごまかしておるようなのです。記録を遡ると昇級辞退が連綿と続いておりまして・・・」
「一度ならず何度も・・・それほどまでに昇級したくない事情があるということか?」
「おそらくはB級から発生する国家への情報提供を厭うておるのではと推察いたします。」
「けしからん!ケモノめいた亜人でもない限り、A級ともなれば身分保証も与えておるというのに。いったい何が気に入らんというのか?」
「素性が明るみになるのを恐れておるとしか思えません。しかしそのくせ、何故かアンダシルヴァには手を貸しておるようです。我が軍との戦闘においては全魔術師の火力発揮と魔術障壁を一手に指揮していたとのこと。」
「何?まさか性懲りもない乞食海賊がエルフを仲間に引き入れたとでもいうのか。やはりそうなるとエルフのバカげた能力の信憑性が高まるな。」
「まことに遺憾ながらその可能性が高うございます。」
「これは参った。こちらに引き入れることが叶わぬならばそのエルフを抹殺せねばなるまい。」
「陛下、もしも本物のアビムリンデであれば政治的に大きなアドバンテージになりましょう。何年経っても北方を攻め落とせぬ教皇に大きな貸しができますぞ。」
「ふむ・・・殺さば御の字、捕縛はなお良し。となれば、ガイアロドハイムで断ち切られた辺境地域へどのように兵士を派遣したものか。」
「兵士では目立ちましょう。何よりガイアロドハイムを占拠しているギルビーの犬どもは鼻が利きますので、無駄な犠牲が増えてしまいます。」
「ふむ、誰ぞ妙案はあるか?」
「陛下、私に考えがございます。」
枢密顧問官は自信たっぷりに声を上げると底意地の悪い笑みを見せた。
***
「やれやれ、ようやく私もお役御免なのだな。」
見目麗しいエルフのリアンは表情を緩ませる。
リーファがセンダルタ城を去り、グラムスに帰還した後もリアンはグラムス代表として残り続けていた。未だ予断を許さない状況のため、状況判断して自ら采配もできるとなれば候補は限られる。そこでアンダシルヴァと渡り合う胆力をも兼ね備えたリアンに白羽の矢が立ったのだ。
そしてどうやらガイアロドハイム争奪戦も決着が着いたようで、戦況もほどほどに膠着したことからリアンも帰還の運びとなった。
「ふっふっふ、さぞ肩の荷が下りたことだろう。それもそのはず、このトーラスが交代でやって来たのだからなぁ。リアン以上に頭の回るこの俺だ、安心してグラムスへと帰るが良い。」
何やらムダに挑戦的な言葉をもちいて胸を張るトーラスを横目に、グラムス代表を引き継ぐレダムがリアンの労をねぎらう。
「ま、まぁ後は俺たちに任せてくれリアン。本当に大変だったろう、帰ってゆっくり休むといい。ご苦労さん。」
「ありがとう。まさかレダムとトーラスが来てくれるなどとは思いもしなかった。後任にこれ以上の人選など私も思いつかない。ふふっ、グレンも思い切ったものだな。」
「面と向かってそう言われるとさすがに照れるぜ。なぁ、トーラス。・・・トーラス?」
レダムがトーラスに問いかけても全く返事が無かった。不審に思ったレダムがトーラスの方に振り向くとトーラスは目を丸くして、口も開きっぱなしになっているではないか。いったい何事かとレダムも思わずギョッっとした。
するとそれが合図とでも言わんばかりにトーラスが再起動する。何やら顔を紅潮させて嬉しげにしているようにも見えた。
「へ?・・・あぁ。リアンもわかってるじゃないか。そう、このトーラスがグラムス最高の秘密兵器だということを。」
「あぁ、とても期待している。それでは私もここでおいとまするとしよう。」
「おい、どうしたトーラス。さっきからどうもお前らしくないぞ。どこか調子でも悪いのか?」
「いや、今日は俺にとって思いがけず幸せな日というだけだ。心配かけてすまないが、気にしないでくれレダム。」
「そ、そうか。なら良い。」
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。


【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

パーティーを追放された装備製作者、実は世界最強 〜ソロになったので、自分で作った最強装備で無双する〜
Tamaki Yoshigae
ファンタジー
ロイルはSランク冒険者パーティーの一員で、付与術師としてメンバーの武器の調整を担当していた。
だがある日、彼は「お前の付与などなくても俺たちは最強だ」と言われ、パーティーをクビになる。
仕方なく彼は、辺境で人生を再スタートすることにした。
素人が扱っても規格外の威力が出る武器を作れる彼は、今まで戦闘経験ゼロながらも瞬く間に成り上がる。
一方、自分たちの実力を過信するあまりチートな付与術師を失ったパーティーは、かつての猛威を振るえなくなっていた。

契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました
言諮 アイ
ファンタジー
――名ばかりの妻のはずだった。
貧乏貴族の娘であるリリアは、家の借金を返すため、冷酷と名高い辺境伯アレクシスと契約結婚を結ぶことに。
「ただの形式だけの結婚だ。お互い干渉せず、適当にやってくれ」
それが彼の第一声だった。愛の欠片もない契約。そう、リリアはただの「飾り」のはずだった。
だが、彼女には誰もが知らぬ “ある力” があった。
それは、神代より伝わる失われた魔法【王威の審判】。
それは“本来、王にのみ宿る力”であり、王族すら彼女の前に跪く絶対的な力――。
気づけばリリアは貴族社会を塗り替え、辺境伯すら翻弄し、王すら頭を垂れる存在へ。
「これは……一体どういうことだ?」
「さあ? ただの契約結婚のはずでしたけど?」
いつしか契約は意味を失い、冷酷な辺境伯は彼女を「真の妻」として求め始める。
――これは、一人の少女が世界を変え、気づけばすべてを手に入れていた物語。

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる