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騎士の剣
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「ちょっと、重いんだけど」
風が語りかけます・・・重い、重すぎる・・・。
「ん~?何か言ったかマリン?」
シンディーからの問いかけにマリンが口元に手を当ててニヤニヤしながら答える。
「んにゃ、イヤやわ~シンディー姉。空耳とかけまして~」
「かけまして?」
「ドライアドと解きます」
「そのココロは?」
「樹の精(気のせい)、なんつって。」
「んなっハッハッハ!上手い!」
「即興にしてはイケてるやろ?ニヒヒヒ」
「重いっつってんだろー!」
「おぉ、ティナじゃん?」
マリンと一緒に爆笑していたシンディーがわざとらしく今気づいたかのようなフリをする。シンディーの腕を頭からはたき落として猛抗議するのはハーフリングのティナだ。
「私の頭にヒジを置いてもたれかかるのはいくら何でもひどいんだよ!」
「悪ぃ悪ぃ、丁度良いところにあったからつい。もうしねえからそんなに怒るなよティナ~。」
「ほんとにほんとにまったくもう、これだからシンディーは・・・」
「ほんでなー、シンディー姉」
「言ってるそばから私の頭にヒジをのせるなー!」
かぶせるように頭にヒジを置かれて激高したティナが今度はマリンの腕を頭からはたき落とした。
「あぁ、次もう一回ヒジのせろっちゅう前フリと違ったん?」
「違うわー!」
「ニヒヒヒヒ、ごめーんティナっち。そんな怒らんといて~、ウチらのちょっとしたスキンシップやねん。ほんまティナは可愛いてたまらんわぁ。」
「んも~、マリンはそうやってごまかすからズルいんだよ~」
マリンに抱きしめられるのもまんざらではないってのが不思議なんだよ。マリンってば結構抱きしめるのが上手、あぁ・・・頭なでなでも良いかも。何か心地いいんだよ~えへへ~
「もうせえへんから堪忍してや。それよりも続きを見いひんと、エエとこ見逃してまうで~?」
シンディーのやりたい放題を許してしまうのが心根の優しいティナらしさなんだけど、シンディーはまったく反省してないんだよね。まぁ、かといってシンディーも憎めないところがあるから不思議だ。
それはそれとして、私たちは二階の窓から雲行きの怪しい中庭を見物している。何か事件が起きそうな雰囲気だよこれは・・・
「軍事顧問の配下を殺したりはしない。手加減してやるから全力でかかって来い。おい、私に木剣をよこせ!」
「はっ!」
「俺も元より生命のやり取りなんてしてないしなぁ。じゃあお手柔らかに頼むよ。行くぜ!」
スアレスがいつものごとく勢い良くミリアールに切り込むと、ミリアールはスアレスの実力を見定めるようにスアレスの剣撃を打ち落として行く。
「なるほど、打ち込みは良い。」
「おっと、あんた速いなぁ。全力でって言うから一撃で決めに行ったってのに。」
「ふん、いかにもつまらん言い訳だ。お前はその程度なのか?」
「ちょ、待ってくれよ。俺に失望するのはまだ早いって。あんた防具つけてないから覚悟が鈍っただけさ。まだまだ!」
「ほぅ、私の心配とは恐れ入った。だが・・・気に入らんな!」
今度は先程の礼とばかりにミリアールがスアレスに斬りかかる。息をつかせない連撃にスアレスの顔色がガラリと変わった。スアレスは必死に一つ一つを捌いているが、ミリアールはまだ本気を出していないように見える。
「うおっ、ぐっ、ふぅーっ!危ねえー!」
「どうした?もっと打ち込んで来ないのか、さっきから防戦一方だぞ?」
「そうは言っても・・・あんた、ヤベェなぁ。こんな強いヤツ久しぶりだぜ。」
「今さら気づいたのか?最初に実力差に気づかないお前は所詮その程度のレベルなのだ。身の程を思い知るが良い。」
冒険者にしてはなかなかの腕前だ。我が騎士団の中堅程度ではコイツを止めるのは難しかろうな。
「俺にだって負けたくないヤツがいる。俺と一緒に高みを目指すヤツもいる。実力差があろうとそれは今この瞬間の話に過ぎないさ。」
「どうかな、この瞬間にとどまらず未来永劫その実力差は埋まらんよ。自惚れるな!」
「あんたの胸を借りられるなんて、俺にとってこんな幸せなことはない。出し惜しみ無しだ、全力で回すぜ!」
すると今度は言葉どおりスアレスも防戦から踏み込んでギリギリの一撃を繰り出し始めた。
この野良犬、私相手に手を抜いていたとは万死に値する。ククク・・・だが面白い。
「ヒヨッコに毛の生えた程度ではあるが、やるではないか。」
「そりゃあありがと・・・よっと!」
ミリアールの横薙ぎを受け止めた反動を利用するとともに遠心力を上乗せしたフルスイングをスアレスが放つ。
「くっ!」
およそ剣術とは言えない、まるで戦槌を振るうかのような攻撃にミリアールは一瞬呆気にとられた。今までは全て打ち落としていたにも関わらず、一瞬の油断のために初めてミリアールはスアレスの剣撃をまともに剣身で受け止めた。
こんな攻撃をする剣士など見たことない・・・この野良犬は剣術すらも雑種なのだ。
「チクショー、あれも防ぐのか!」
「おのれ、野良犬の分際でこの私に防御をさせたな?もう遊びは十分だ、このまま地面に這いつくばると良い!」
「こりゃあ何だ!」
ミリアールの右腕が揺らいだかに見えた直後、何と右腕がスアレスの視界から消えてしまった。驚愕したスアレスは反射的に剣を構えて後方へ退いたものの・・・
「クアッドファンタム・・・」
「ぐふぅっ!」
「スアレスー!」
マイクの叫びも空しくスアレスの身体は後方へとふっ飛ばされた。それと同時に今まで倒されっぱなしだった騎士団からどっと歓声がわく。
「おぉっ、団長殿があの生意気な冒険者を仕留めたぞ!」
「さすがは団長殿だ!」
「黙れ、愚か者ども!」
コイツ・・・クアッドファンタムの瞬間に反応したぞ?間違いない・・・手応えが浅かった。その戦闘センスは多少なりとも認めてやらねばなるまいな。
「うわぁ・・・スアレスが負けてもうた。」
「今の見たか?」
「み、見たけど・・・いま腕が増えたように見えたんだよ?」
「リアン、あれって魔術か何かなのかな?」
「いいや、魔術の発動は一切確認できなかった・・・魔道具の可能性も無かろう。王国にもあんな厄介な騎士がいるのか。」
私たちが驚愕しているとスアレスに反応があった。あんな恐ろしい攻撃を食らったにも関わらず、どうやら意識は失っていないらしい。え、どうなってるの?
「がはぁっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「ほう、まだ意識があったか。」
「また負けちまった・・・何故勝てない」
仰向けで天を仰ぎ見るスアレスが悔しそうにつぶやいた。
「野良犬に一つ教えてやる。」
「な、何を?」
「お前の剣は外道の剣だ。」
「外道?」
「そうだ。」
「それはどういうことなんだ?・・・頼む、俺に教えてくれ!」
「お前の剣は敵の弱点を突くことに主眼を置き、相手の動きを常に予測しようとしている。それは強い相手を前にして生き残るための剣だ。実に獣じみた冒険者に相応しい。」
「あぁ・・・たしかにあんたの言うとおりだ。でも剣とはそういうものじゃないのか?」
「騎士の剣は言うなれば自らの卓越性を示すものだ。」
「卓越性?」
「相手がどんな攻撃をしようともそれを凌駕する意志だ。どんな攻撃が来ようとも全ての攻撃を打ちのめして圧倒する。」
「そんなこと・・・できるのか?」
「騎士である限りは相手が自らを圧倒しようと自らの死をもって止めねばならない。自らが生き残るための私剣であってはならんのだ。」
「わからない・・・」
「ならば負け犬で居続けるが良い。貴様にはお似合いだ!」
「待ってくれ!」
「何だ?」
「あんた・・・いや、団長殿の下で修練を詰めば俺でも騎士の剣を会得することができるだろうか?」
「甘えるな!貴様ごときの相手をしていられるほど暇ではない。」
「そ・・・そうだよな。俺はアルフレッド=スアレス。せめて団長殿の名を聞かせてもらえないか?」
野良犬に名乗るほど安い名ではないが・・・フッ、特別にお前には名乗ってやろう。
「バンジャマン=ド=ミリアール侯爵だ。だが貴様ごときが気安く私の名を呼ぶことは許さん。職名で呼べ。」
「あぁ、礼を言うよ団長殿。」
「ふん、生意気な。おい、誰が休んで良いと言った?訓練を続けろ!」
「イエッサー!」
「あと訓練責任者はどいつだ?すぐに私の執務室に来るように伝えておけ、良いな!」
風が語りかけます・・・重い、重すぎる・・・。
「ん~?何か言ったかマリン?」
シンディーからの問いかけにマリンが口元に手を当ててニヤニヤしながら答える。
「んにゃ、イヤやわ~シンディー姉。空耳とかけまして~」
「かけまして?」
「ドライアドと解きます」
「そのココロは?」
「樹の精(気のせい)、なんつって。」
「んなっハッハッハ!上手い!」
「即興にしてはイケてるやろ?ニヒヒヒ」
「重いっつってんだろー!」
「おぉ、ティナじゃん?」
マリンと一緒に爆笑していたシンディーがわざとらしく今気づいたかのようなフリをする。シンディーの腕を頭からはたき落として猛抗議するのはハーフリングのティナだ。
「私の頭にヒジを置いてもたれかかるのはいくら何でもひどいんだよ!」
「悪ぃ悪ぃ、丁度良いところにあったからつい。もうしねえからそんなに怒るなよティナ~。」
「ほんとにほんとにまったくもう、これだからシンディーは・・・」
「ほんでなー、シンディー姉」
「言ってるそばから私の頭にヒジをのせるなー!」
かぶせるように頭にヒジを置かれて激高したティナが今度はマリンの腕を頭からはたき落とした。
「あぁ、次もう一回ヒジのせろっちゅう前フリと違ったん?」
「違うわー!」
「ニヒヒヒヒ、ごめーんティナっち。そんな怒らんといて~、ウチらのちょっとしたスキンシップやねん。ほんまティナは可愛いてたまらんわぁ。」
「んも~、マリンはそうやってごまかすからズルいんだよ~」
マリンに抱きしめられるのもまんざらではないってのが不思議なんだよ。マリンってば結構抱きしめるのが上手、あぁ・・・頭なでなでも良いかも。何か心地いいんだよ~えへへ~
「もうせえへんから堪忍してや。それよりも続きを見いひんと、エエとこ見逃してまうで~?」
シンディーのやりたい放題を許してしまうのが心根の優しいティナらしさなんだけど、シンディーはまったく反省してないんだよね。まぁ、かといってシンディーも憎めないところがあるから不思議だ。
それはそれとして、私たちは二階の窓から雲行きの怪しい中庭を見物している。何か事件が起きそうな雰囲気だよこれは・・・
「軍事顧問の配下を殺したりはしない。手加減してやるから全力でかかって来い。おい、私に木剣をよこせ!」
「はっ!」
「俺も元より生命のやり取りなんてしてないしなぁ。じゃあお手柔らかに頼むよ。行くぜ!」
スアレスがいつものごとく勢い良くミリアールに切り込むと、ミリアールはスアレスの実力を見定めるようにスアレスの剣撃を打ち落として行く。
「なるほど、打ち込みは良い。」
「おっと、あんた速いなぁ。全力でって言うから一撃で決めに行ったってのに。」
「ふん、いかにもつまらん言い訳だ。お前はその程度なのか?」
「ちょ、待ってくれよ。俺に失望するのはまだ早いって。あんた防具つけてないから覚悟が鈍っただけさ。まだまだ!」
「ほぅ、私の心配とは恐れ入った。だが・・・気に入らんな!」
今度は先程の礼とばかりにミリアールがスアレスに斬りかかる。息をつかせない連撃にスアレスの顔色がガラリと変わった。スアレスは必死に一つ一つを捌いているが、ミリアールはまだ本気を出していないように見える。
「うおっ、ぐっ、ふぅーっ!危ねえー!」
「どうした?もっと打ち込んで来ないのか、さっきから防戦一方だぞ?」
「そうは言っても・・・あんた、ヤベェなぁ。こんな強いヤツ久しぶりだぜ。」
「今さら気づいたのか?最初に実力差に気づかないお前は所詮その程度のレベルなのだ。身の程を思い知るが良い。」
冒険者にしてはなかなかの腕前だ。我が騎士団の中堅程度ではコイツを止めるのは難しかろうな。
「俺にだって負けたくないヤツがいる。俺と一緒に高みを目指すヤツもいる。実力差があろうとそれは今この瞬間の話に過ぎないさ。」
「どうかな、この瞬間にとどまらず未来永劫その実力差は埋まらんよ。自惚れるな!」
「あんたの胸を借りられるなんて、俺にとってこんな幸せなことはない。出し惜しみ無しだ、全力で回すぜ!」
すると今度は言葉どおりスアレスも防戦から踏み込んでギリギリの一撃を繰り出し始めた。
この野良犬、私相手に手を抜いていたとは万死に値する。ククク・・・だが面白い。
「ヒヨッコに毛の生えた程度ではあるが、やるではないか。」
「そりゃあありがと・・・よっと!」
ミリアールの横薙ぎを受け止めた反動を利用するとともに遠心力を上乗せしたフルスイングをスアレスが放つ。
「くっ!」
およそ剣術とは言えない、まるで戦槌を振るうかのような攻撃にミリアールは一瞬呆気にとられた。今までは全て打ち落としていたにも関わらず、一瞬の油断のために初めてミリアールはスアレスの剣撃をまともに剣身で受け止めた。
こんな攻撃をする剣士など見たことない・・・この野良犬は剣術すらも雑種なのだ。
「チクショー、あれも防ぐのか!」
「おのれ、野良犬の分際でこの私に防御をさせたな?もう遊びは十分だ、このまま地面に這いつくばると良い!」
「こりゃあ何だ!」
ミリアールの右腕が揺らいだかに見えた直後、何と右腕がスアレスの視界から消えてしまった。驚愕したスアレスは反射的に剣を構えて後方へ退いたものの・・・
「クアッドファンタム・・・」
「ぐふぅっ!」
「スアレスー!」
マイクの叫びも空しくスアレスの身体は後方へとふっ飛ばされた。それと同時に今まで倒されっぱなしだった騎士団からどっと歓声がわく。
「おぉっ、団長殿があの生意気な冒険者を仕留めたぞ!」
「さすがは団長殿だ!」
「黙れ、愚か者ども!」
コイツ・・・クアッドファンタムの瞬間に反応したぞ?間違いない・・・手応えが浅かった。その戦闘センスは多少なりとも認めてやらねばなるまいな。
「うわぁ・・・スアレスが負けてもうた。」
「今の見たか?」
「み、見たけど・・・いま腕が増えたように見えたんだよ?」
「リアン、あれって魔術か何かなのかな?」
「いいや、魔術の発動は一切確認できなかった・・・魔道具の可能性も無かろう。王国にもあんな厄介な騎士がいるのか。」
私たちが驚愕しているとスアレスに反応があった。あんな恐ろしい攻撃を食らったにも関わらず、どうやら意識は失っていないらしい。え、どうなってるの?
「がはぁっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「ほう、まだ意識があったか。」
「また負けちまった・・・何故勝てない」
仰向けで天を仰ぎ見るスアレスが悔しそうにつぶやいた。
「野良犬に一つ教えてやる。」
「な、何を?」
「お前の剣は外道の剣だ。」
「外道?」
「そうだ。」
「それはどういうことなんだ?・・・頼む、俺に教えてくれ!」
「お前の剣は敵の弱点を突くことに主眼を置き、相手の動きを常に予測しようとしている。それは強い相手を前にして生き残るための剣だ。実に獣じみた冒険者に相応しい。」
「あぁ・・・たしかにあんたの言うとおりだ。でも剣とはそういうものじゃないのか?」
「騎士の剣は言うなれば自らの卓越性を示すものだ。」
「卓越性?」
「相手がどんな攻撃をしようともそれを凌駕する意志だ。どんな攻撃が来ようとも全ての攻撃を打ちのめして圧倒する。」
「そんなこと・・・できるのか?」
「騎士である限りは相手が自らを圧倒しようと自らの死をもって止めねばならない。自らが生き残るための私剣であってはならんのだ。」
「わからない・・・」
「ならば負け犬で居続けるが良い。貴様にはお似合いだ!」
「待ってくれ!」
「何だ?」
「あんた・・・いや、団長殿の下で修練を詰めば俺でも騎士の剣を会得することができるだろうか?」
「甘えるな!貴様ごときの相手をしていられるほど暇ではない。」
「そ・・・そうだよな。俺はアルフレッド=スアレス。せめて団長殿の名を聞かせてもらえないか?」
野良犬に名乗るほど安い名ではないが・・・フッ、特別にお前には名乗ってやろう。
「バンジャマン=ド=ミリアール侯爵だ。だが貴様ごときが気安く私の名を呼ぶことは許さん。職名で呼べ。」
「あぁ、礼を言うよ団長殿。」
「ふん、生意気な。おい、誰が休んで良いと言った?訓練を続けろ!」
「イエッサー!」
「あと訓練責任者はどいつだ?すぐに私の執務室に来るように伝えておけ、良いな!」
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