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ギルドからの要請
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ギルドに戻ると冒険者が集合していた。ゴブリンの大群を討伐するため緊急召集がかけられたようだ。ギルド全体が騒然としている。
「リーファ、無事だったんだな。良かったぁ、心配させるなよ。」
「ライナ、あれは討伐部隊なの?」
「そうなんだ。ゴブリンの目撃証言はちらほら出ていたが、まさかこんな大規模だったとはな。」
ライナと会話していて気づかなかったが、ギルドの奥が騒がしい。何だろうと椅子に上ってのぞくと、居並ぶ冒険者を前にギルドマスターのグレンが現在の状況を伝えるとともに発破をかけていた。
「必ずどこかに集落があるはずだ。冒険者の誇りに賭けて草の根分けても探し出せ!ここで対処しないと手遅れになる、気合入れてぶっ潰すぞ。」
「私も行くよ。」
「お、おい。やめとけよリーファ。待てってば。スカーレット!ちょっと来てくれ。リーファが討伐に参加するって聞かないんだ。」
私の参加宣言にライナが目を白黒させている。向こうからスカーレットが飛んで来たじゃないか。
「何ですって?待ちなさいリーファ。行ってはダメよ。」
「私も冒険者だ、自分の身は守って見せるよ。」
せっかく武器防具もそろえたんだ。そう簡単にやられたりしない。すると突然うしろから意外な人間が叫んだ。
「おい、お前は!」
「えっ?」
その声に振り向くとそこには見覚えのある顔があった。たしかこの人、スアレスとか言ったか?私がスアレスに向き直ると、いきなりがっしりと両肩をつかまれた。隣にはエルフのお姉さんもいる。
「やっぱりそうだ。お前だろ?俺たちを助けてくれたのは。」
「どういうことですかスアレス?」
駆け出し冒険者にすぎないリーファが上位ランクのパーティーを救出したと聞いたスカーレットが卒倒せんばかりに驚きの声を上げる。
「どういうことも何もこの嬢ちゃんがゴブリンに包囲されて全滅寸前の俺たちを救ってくれたんだ。」
「スカーレット、一体この子は何者なのですか?私は三百年以上生きてきましたが、一度たりとてあれほど摩訶不思議な戦闘を見たことはありません。正直なところ今でも信じられないのです。」
今までリアンの口から冗談が吐かれるなど一言も聞いたことが無い。そのリアンまでもが口をそろえるなどあり得るのかとスカーレットはさらに驚愕の表情を浮かべている。
「今の話は本当なのですかリアン!?」
「スカーレット、あなたもご存知ないとは。どういうことだ?」
二人の間で疑問が飛び交う。話が先に進まないことに業を煮やしたスアレスが話に割って入った。
「とにかく嬢ちゃんの実力は俺が保証するぜ、スカーレット。もしかするとゴブリンどもは急ごしらえの討伐隊じゃ対処できねぇ数かもしれねぇ。そうなりゃ嬢ちゃんのスキルが必ず必要になるはずだ。」
そもそもこの二人がこんな時に冗談や嘘を言うはずが無いのだ。スカーレットは覚悟を決めて、彼らの言い分を飲み込むことにした。
「スアレスがそこまで言うなら実力は本物なのでしょう。わかりました、当ギルドはリーファ=クルーンに討伐隊への参加を緊急要請いたします。受けていただけますね?」
「もちろん!行ってくる。」
「必ず帰って来るのよ。」
ギルドから正式な要請を受けて私はグレン率いる討伐隊を追いかけた。まったく私が参加する前に出発なんて、なってないぞグレン。
「リーファ様、先ほどの戦闘でレベルが上がっております。」
「おっと、いま確認するよ。えーっと、ホーネット=ランサーとハニービー=ディフェンダーか。これは?」
「毒針は体表面の浅い部分しか貫かないので、通常は分厚い表皮を持つ魔物には攻撃が届かないのです。ランサーの能力は刺した際に生じる衝撃波により敵を貫き通す効果が付与されます。」
「おそるべし。じゃあディフェンダーは?」
「ハニカムウォールで相手の攻撃を弾き返します。」
「最強の矛と最強の盾だね。」
ようやく追いついた私が隊列の後ろでバトラーと話していると、その声に気づいた最後尾の冒険者と目があった。
「おい、何でガキがついて来ているんだ?」
「ガキじゃないぞ。ギルドからも緊急要請を受けているんだ。」
「嘘つけクソガキ!おっ死ぬ前にとっとと帰んな。」
くっ、この野郎。まったくどいつもこいつも私をガキ扱いして。今に見ていろよ。
「ふん。バトラー、ゴブリンの集落を探して。」
「かしこまりました。その前にリーファ様、そこの不届き者を無礼打ちにしてもよろしいでしょうか?」
「それはダメ。言い方はむかつくけど、こいつなりに私を心配してくれたんでしょ。私は大人だからこれくらい受け流すよ。」
討伐隊は襲撃を受けたメンバーの一人に案内されて現場にたどり着いた。そこには既にゴブリンの姿はなく、見るも無残な亡骸だけが残されていた。
「こいつはひでえな。オスカーもこれじゃ浮かばれねぇよ。」
「こっちはケイマンだ。昨日はともに酒を酌み交わしたってのによぉ。ちくしょー!」
スアレス一行の犠牲者は三人だ。あれだけのゴブリンを相手に三人の犠牲で済んだのは彼らの実力あってのことだが、決して納得の行くような話ではなかった。
私も一歩間違えればああなっていたんだろう。
「おい、リーファじゃねぇか?何でこんなとこに。」
「グレン。」
「何てこった。スカーレットは何をやってるんだ!いますぐかえ」
「おい、お前!無事だったんだなぁ。助けてくれてありがとよ。」
「れって・・・、おい、マイク。今なんつった?」
自分の聞き間違いなのかグレンは不安になり、思わずマイクに聞き返す。
「俺たちはこいつに救われたんだよ。」
「私だってスカーレットから緊急要請を受けて来たもん。」
「な・・・、何ぃっ!?」
叫んだまんまの姿で固まっている。どうした?大丈夫なのかグレンは。
「おい、リーファじゃねぇか。ん、グレンは何一人で遊んでんだ?」
「こんちわガウス。」
スカーレットが要請したってことはおそらくリーファの実力が本物だという確証を得たってことなんだろう。冒険者を狩るような組織的謀殺を演じて見せた手強い群れを押し返して、ベテラン上位パーティーを救出するとはなぁ。タダ者では無いという直感はあったが、まさかここまでとは。
幻術士の戦闘には正直なところ俺も興味がある。スキルを問い詰めるのはご法度だが、戦闘中にこの目で確認するのは誰はばかることなくできるってもんだ。
「ふぅ、あまりの驚きに戻って来られなかったぜ。要請があったってこたぁ分かってるなリーファ。俺の指揮下に入れ。」
おや、何も聞かされていないグレンは激怒するかと思ったのにあっさり参加を認めたぞ。
「うん、わかった。」
「よし、グレンもああ言ってることだ。気張って行くぞリーファ。」
「私はやるぞ、ガウス!」
するとバトラーが何かを察知したのか急に割り込んできた。
「リーファ様、ゴブリンどもの集落を発見しました。風景を送りますので目を閉じてください。」
「んあ?目を閉じればいいの?って何じゃこりゃ!」
目を閉じると上空から俯瞰するような風景が見えるじゃないか。まるで鳥になったかのようだが、そんなの今はどうでもいい。何じゃあの数のゴブリンは?
「斥候で出ているホーネットが見ている風景です。かなりいますね。五百は下らないと思われます。確認しただけでも数十体のホブゴブリンと数体のゴブリンメイジがおります。」
「どうしたリーファ?急に独り言言い出して。」
「ゴブリンの集落を発見したよ!」
「リーファ、無事だったんだな。良かったぁ、心配させるなよ。」
「ライナ、あれは討伐部隊なの?」
「そうなんだ。ゴブリンの目撃証言はちらほら出ていたが、まさかこんな大規模だったとはな。」
ライナと会話していて気づかなかったが、ギルドの奥が騒がしい。何だろうと椅子に上ってのぞくと、居並ぶ冒険者を前にギルドマスターのグレンが現在の状況を伝えるとともに発破をかけていた。
「必ずどこかに集落があるはずだ。冒険者の誇りに賭けて草の根分けても探し出せ!ここで対処しないと手遅れになる、気合入れてぶっ潰すぞ。」
「私も行くよ。」
「お、おい。やめとけよリーファ。待てってば。スカーレット!ちょっと来てくれ。リーファが討伐に参加するって聞かないんだ。」
私の参加宣言にライナが目を白黒させている。向こうからスカーレットが飛んで来たじゃないか。
「何ですって?待ちなさいリーファ。行ってはダメよ。」
「私も冒険者だ、自分の身は守って見せるよ。」
せっかく武器防具もそろえたんだ。そう簡単にやられたりしない。すると突然うしろから意外な人間が叫んだ。
「おい、お前は!」
「えっ?」
その声に振り向くとそこには見覚えのある顔があった。たしかこの人、スアレスとか言ったか?私がスアレスに向き直ると、いきなりがっしりと両肩をつかまれた。隣にはエルフのお姉さんもいる。
「やっぱりそうだ。お前だろ?俺たちを助けてくれたのは。」
「どういうことですかスアレス?」
駆け出し冒険者にすぎないリーファが上位ランクのパーティーを救出したと聞いたスカーレットが卒倒せんばかりに驚きの声を上げる。
「どういうことも何もこの嬢ちゃんがゴブリンに包囲されて全滅寸前の俺たちを救ってくれたんだ。」
「スカーレット、一体この子は何者なのですか?私は三百年以上生きてきましたが、一度たりとてあれほど摩訶不思議な戦闘を見たことはありません。正直なところ今でも信じられないのです。」
今までリアンの口から冗談が吐かれるなど一言も聞いたことが無い。そのリアンまでもが口をそろえるなどあり得るのかとスカーレットはさらに驚愕の表情を浮かべている。
「今の話は本当なのですかリアン!?」
「スカーレット、あなたもご存知ないとは。どういうことだ?」
二人の間で疑問が飛び交う。話が先に進まないことに業を煮やしたスアレスが話に割って入った。
「とにかく嬢ちゃんの実力は俺が保証するぜ、スカーレット。もしかするとゴブリンどもは急ごしらえの討伐隊じゃ対処できねぇ数かもしれねぇ。そうなりゃ嬢ちゃんのスキルが必ず必要になるはずだ。」
そもそもこの二人がこんな時に冗談や嘘を言うはずが無いのだ。スカーレットは覚悟を決めて、彼らの言い分を飲み込むことにした。
「スアレスがそこまで言うなら実力は本物なのでしょう。わかりました、当ギルドはリーファ=クルーンに討伐隊への参加を緊急要請いたします。受けていただけますね?」
「もちろん!行ってくる。」
「必ず帰って来るのよ。」
ギルドから正式な要請を受けて私はグレン率いる討伐隊を追いかけた。まったく私が参加する前に出発なんて、なってないぞグレン。
「リーファ様、先ほどの戦闘でレベルが上がっております。」
「おっと、いま確認するよ。えーっと、ホーネット=ランサーとハニービー=ディフェンダーか。これは?」
「毒針は体表面の浅い部分しか貫かないので、通常は分厚い表皮を持つ魔物には攻撃が届かないのです。ランサーの能力は刺した際に生じる衝撃波により敵を貫き通す効果が付与されます。」
「おそるべし。じゃあディフェンダーは?」
「ハニカムウォールで相手の攻撃を弾き返します。」
「最強の矛と最強の盾だね。」
ようやく追いついた私が隊列の後ろでバトラーと話していると、その声に気づいた最後尾の冒険者と目があった。
「おい、何でガキがついて来ているんだ?」
「ガキじゃないぞ。ギルドからも緊急要請を受けているんだ。」
「嘘つけクソガキ!おっ死ぬ前にとっとと帰んな。」
くっ、この野郎。まったくどいつもこいつも私をガキ扱いして。今に見ていろよ。
「ふん。バトラー、ゴブリンの集落を探して。」
「かしこまりました。その前にリーファ様、そこの不届き者を無礼打ちにしてもよろしいでしょうか?」
「それはダメ。言い方はむかつくけど、こいつなりに私を心配してくれたんでしょ。私は大人だからこれくらい受け流すよ。」
討伐隊は襲撃を受けたメンバーの一人に案内されて現場にたどり着いた。そこには既にゴブリンの姿はなく、見るも無残な亡骸だけが残されていた。
「こいつはひでえな。オスカーもこれじゃ浮かばれねぇよ。」
「こっちはケイマンだ。昨日はともに酒を酌み交わしたってのによぉ。ちくしょー!」
スアレス一行の犠牲者は三人だ。あれだけのゴブリンを相手に三人の犠牲で済んだのは彼らの実力あってのことだが、決して納得の行くような話ではなかった。
私も一歩間違えればああなっていたんだろう。
「おい、リーファじゃねぇか?何でこんなとこに。」
「グレン。」
「何てこった。スカーレットは何をやってるんだ!いますぐかえ」
「おい、お前!無事だったんだなぁ。助けてくれてありがとよ。」
「れって・・・、おい、マイク。今なんつった?」
自分の聞き間違いなのかグレンは不安になり、思わずマイクに聞き返す。
「俺たちはこいつに救われたんだよ。」
「私だってスカーレットから緊急要請を受けて来たもん。」
「な・・・、何ぃっ!?」
叫んだまんまの姿で固まっている。どうした?大丈夫なのかグレンは。
「おい、リーファじゃねぇか。ん、グレンは何一人で遊んでんだ?」
「こんちわガウス。」
スカーレットが要請したってことはおそらくリーファの実力が本物だという確証を得たってことなんだろう。冒険者を狩るような組織的謀殺を演じて見せた手強い群れを押し返して、ベテラン上位パーティーを救出するとはなぁ。タダ者では無いという直感はあったが、まさかここまでとは。
幻術士の戦闘には正直なところ俺も興味がある。スキルを問い詰めるのはご法度だが、戦闘中にこの目で確認するのは誰はばかることなくできるってもんだ。
「ふぅ、あまりの驚きに戻って来られなかったぜ。要請があったってこたぁ分かってるなリーファ。俺の指揮下に入れ。」
おや、何も聞かされていないグレンは激怒するかと思ったのにあっさり参加を認めたぞ。
「うん、わかった。」
「よし、グレンもああ言ってることだ。気張って行くぞリーファ。」
「私はやるぞ、ガウス!」
するとバトラーが何かを察知したのか急に割り込んできた。
「リーファ様、ゴブリンどもの集落を発見しました。風景を送りますので目を閉じてください。」
「んあ?目を閉じればいいの?って何じゃこりゃ!」
目を閉じると上空から俯瞰するような風景が見えるじゃないか。まるで鳥になったかのようだが、そんなの今はどうでもいい。何じゃあの数のゴブリンは?
「斥候で出ているホーネットが見ている風景です。かなりいますね。五百は下らないと思われます。確認しただけでも数十体のホブゴブリンと数体のゴブリンメイジがおります。」
「どうしたリーファ?急に独り言言い出して。」
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