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雪原の覇者
朝の悲劇的伝説
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大乱戦などなかったかのように澄みきった青空から太陽の日差しが盛大に降り注ぐ。そんなおだやかな朝だった。
唯一変わったことといえば窓辺にたたずむ人影、それは人間ではなくゴブリンだということだ。
「よう、ソフィア。元気にしてたか?」
「・・・ったく、元気にしてたかじゃないわよ。さんざん心配したんだからね。」
置いてけぼりを食ったソフィアのご機嫌は勇騎の想像より悪くはないようだ。ホッとした勇騎の緊張が解けていく。いつもどおりの軽口をたたいても大丈夫そうな雰囲気だ。
「その割にゃあぐっすりだったじゃないか、ソフィア?」
「ま、まぁ・・・そんなことより」
泣き疲れて睡魔に勝てなかったとは口が裂けても言いたくない。バツの悪そうな顔でソフィアがモゴモゴ言っている。一時はどうなることかと思ったが、ソフィアを危険にさらすことなく済んだとあればひとまず結果オーライなのだろう。
「そう。笑い話でめでたしめでたしだ。」
「ユーキさんっ!」
何事も起こりそうにない平穏な一時をザマルの声が一瞬で切り裂く。
何事も起こるはずはない。そう信じて疑うことのない勇騎は思わずマヌケな声を上げていた。
「へ?」
「そんなにあわてて、何かあったのザマル?」
「あぁ、ソフィアさん。それが・・・」
ザマルがソフィアを伴って現場へと向かう。気になった勇騎は彼らの背中を追った。2階への階段を上った先にザマルとソフィアの立ち尽くす姿があるではないか。たしかそこには・・・
「あらまぁ」
「おい、どうしたよ?どうなってんのか俺にも見せてくれ。」
「ほら、アレ」
「どれどれ・・・ん?何じゃこりゃ!」
ソフィアの指の先を追っていくとそこには見ず知らずの人物がぐ~すかと寝息を立てているではないか。
「むひゃ・・・うるっさいのお~朝っぱらから。下等な生き物はこれじゃからイヤなんじゃ~」
「お・・・」
「お?」
目の前の何者かは眠い目をこすりながら面倒くさそうに勇騎の言葉に反応する。大あくびのオマケまでついてきた。
「お前は・・・」
「は?」
「は?じゃねーよ。誰だっつーの!」
何やら「今さら何言ってるんだお前は?」感アリアリな態度を隠さない不審者に、イラついた勇騎が声を荒げる。というか、そもそも2階には昨夜捕縛したエルフの男がいたはずなのだ。それが今朝になって影もかたちも無くなっているのは一体どういうことなのだろう。
「サルにも劣るゴブリンごときに名乗る名など無いわ。た~け!」
「こんにゃろー!」
「痛ぁっ!リンゴを投げよったなクソゴブ!」
「テメェの朝メシだ。あるだけでもありがたく思え・・・ん?いまクソゴブとか言ってなかったか?」
ぐぬぬぬぬ、聞き捨てならんぞこんちくしょー。そもそも俺は人間だったんだぞっ!それを・・・それを、うぐっ・・・あんまりだぁ~!
「というかユーキさん」
「そうよ、じゃれ合ってる場合じゃないと思うの。」
「わかってらい。」
ちょ~っとふざけて見ようかと思ったらすぐツッコんで来るんだもん。ザマルはマジメでソフィアはキレッキレだからよ~、先読みで撃墜すんなよな~。
んで、目の前のちっこい生き物・・・ってかコイツもエルフじゃねーか。それにしてもコイツはどこからもぐり込んだんだよ?まさかハヤテの目を盗んであのクソ野郎を逃がしたってのか!
件のハヤテ大先生は腹をだらしなく上に向けて絶賛爆睡中だ。・・・そのまさかもあり得る。頭脳は大人、身体はゴブリン。名探偵オレちゃんの名推理からは逃れられんワケ。
「ふん、粗末なくせして美味いじゃないか。」
何だかんだ言いつつも腹が減っているのかチビエルフはリンゴに夢中でかぶりついている。
普通ならば微笑ましくもあるのだろうが、さっきから何一つ謎が解消していない。勇騎はチビエルフがリンゴを食べ終わるのを待つこともなく声をかける。
「おい」
「何じゃっ。高貴も一周回ってやっぱり高貴だったこのワシに気安く声をかけるな、この・・・痛。イタタタ!ゴルァなにすんじゃクソゴブ~!やめんかー!」
目の前のゴブリンはマジックストレージから取り出したとおぼしき魔法杖をチビエルフの頬にグイグイ押し付けている。チビエルフにも意地があるのか、嫌がらせに負けじとリンゴをむさぼり食っているではないか。ザマルが助け舟を出そうかオロオロしだしたのに気付いた勇騎が言葉を続ける。
「このままじゃ埒があかないんでね。というかお前は誰なんだよクソチビ?」
「ウルァァァっ!やめろってのがわかんねーのかーっ!」
件のチビエルフはリンゴを食い終えるや否や、頬にへばりついた杖を手で叩き落とす。ゴツンと床をたたいた杖を見てソフィアが目を丸くして叫んだ。
「ちょっと、それ私の杖じゃないの!そんなことに使うために預けてるわけじゃないんだけど!」
「ああ、ゴメンよソフィア。後できちんと拭いておくから」
「キサマーッ!このワシを汚れ物扱いしよったな!」
「そう。ソレだよ、俺が聞きてえのは。あのヨゴレのド腐れエルフ野郎はどこ行ったんだ?」
さあ、ここからケースクローズまで一直線よ!俺の灰色の頭脳が冴えわたるんだぜ~
「そんな者は最初からおらん。お前のようなウソつきは今すぐ呼吸を忘れ死ね。」
「バカ言ってんじゃねー!いたんだよ昨日の夜中にはさぁ。なのに何で朝起きてみたらお前みたいなしょーもないちんちくりんに置きかわってるんだ?」
「誰がちんちくりんじゃ!たおやかなる乙女をつかまえて無礼千万。もう勘弁ならん。この上はお前に生地獄の苦しみをあたえてやるからして、即刻魔力封印を解くがよい。」
「解くがよい・・・じゃないんよ。もしかしなくともアホの子だぜ、どうするよザマル~?」
ふぅ~やれやれといったジェスチャーで勇騎はチビエルフを小馬鹿にして見せる。不毛なマウント合戦に巻き込まれたくないザマルが微妙な反応を返す。
「私に聞かれましても」
「くぅっ、わずかに知恵の回るクソゴブのようじゃな。よもや封印を解かぬとは・・・」
信じられないといった面持ちで焦りの色を隠せないチビエルフがうめいている。どうやら彼女にとってあれは絶対に功を奏すはずの鉄板作戦だったらしい。
「なに?サルにもバレる謀略作戦でもやってんのか?ジャンルが新しすぎて誰も寄りつかないぞ。」
「うるさいわー!」
「ユーキさん」
「何だよザマル?」
「あの魔力封印の拘束具、あの子についてますよ?」
「あん?・・・本当だ!コイツが底抜けのマヌケだから気づかんかった。」
ってことは、コイツがあのド腐れエルフ野郎ってことか!昨日は男で今日は小娘・・・1500年前、若い××が溺れたいう、悲劇的伝説があるのだよ。以来ここで溺れた者、みな若い××の姿になてしまう・・・
へへっ、俺もゴブニーチュアンに落ちたんだぜ?お湯をかけても戻らねーけどな・・・ぐすっ
「いや、ユーキも相当」
「それ以上言うんじゃない、ソフィア。お前だけ今日のおやつ抜きにするぞ!」
「横暴だわユーキっ!2人前で手を打とうじゃない。さぁっ、存分に私を買収してみなさい!」
唯一変わったことといえば窓辺にたたずむ人影、それは人間ではなくゴブリンだということだ。
「よう、ソフィア。元気にしてたか?」
「・・・ったく、元気にしてたかじゃないわよ。さんざん心配したんだからね。」
置いてけぼりを食ったソフィアのご機嫌は勇騎の想像より悪くはないようだ。ホッとした勇騎の緊張が解けていく。いつもどおりの軽口をたたいても大丈夫そうな雰囲気だ。
「その割にゃあぐっすりだったじゃないか、ソフィア?」
「ま、まぁ・・・そんなことより」
泣き疲れて睡魔に勝てなかったとは口が裂けても言いたくない。バツの悪そうな顔でソフィアがモゴモゴ言っている。一時はどうなることかと思ったが、ソフィアを危険にさらすことなく済んだとあればひとまず結果オーライなのだろう。
「そう。笑い話でめでたしめでたしだ。」
「ユーキさんっ!」
何事も起こりそうにない平穏な一時をザマルの声が一瞬で切り裂く。
何事も起こるはずはない。そう信じて疑うことのない勇騎は思わずマヌケな声を上げていた。
「へ?」
「そんなにあわてて、何かあったのザマル?」
「あぁ、ソフィアさん。それが・・・」
ザマルがソフィアを伴って現場へと向かう。気になった勇騎は彼らの背中を追った。2階への階段を上った先にザマルとソフィアの立ち尽くす姿があるではないか。たしかそこには・・・
「あらまぁ」
「おい、どうしたよ?どうなってんのか俺にも見せてくれ。」
「ほら、アレ」
「どれどれ・・・ん?何じゃこりゃ!」
ソフィアの指の先を追っていくとそこには見ず知らずの人物がぐ~すかと寝息を立てているではないか。
「むひゃ・・・うるっさいのお~朝っぱらから。下等な生き物はこれじゃからイヤなんじゃ~」
「お・・・」
「お?」
目の前の何者かは眠い目をこすりながら面倒くさそうに勇騎の言葉に反応する。大あくびのオマケまでついてきた。
「お前は・・・」
「は?」
「は?じゃねーよ。誰だっつーの!」
何やら「今さら何言ってるんだお前は?」感アリアリな態度を隠さない不審者に、イラついた勇騎が声を荒げる。というか、そもそも2階には昨夜捕縛したエルフの男がいたはずなのだ。それが今朝になって影もかたちも無くなっているのは一体どういうことなのだろう。
「サルにも劣るゴブリンごときに名乗る名など無いわ。た~け!」
「こんにゃろー!」
「痛ぁっ!リンゴを投げよったなクソゴブ!」
「テメェの朝メシだ。あるだけでもありがたく思え・・・ん?いまクソゴブとか言ってなかったか?」
ぐぬぬぬぬ、聞き捨てならんぞこんちくしょー。そもそも俺は人間だったんだぞっ!それを・・・それを、うぐっ・・・あんまりだぁ~!
「というかユーキさん」
「そうよ、じゃれ合ってる場合じゃないと思うの。」
「わかってらい。」
ちょ~っとふざけて見ようかと思ったらすぐツッコんで来るんだもん。ザマルはマジメでソフィアはキレッキレだからよ~、先読みで撃墜すんなよな~。
んで、目の前のちっこい生き物・・・ってかコイツもエルフじゃねーか。それにしてもコイツはどこからもぐり込んだんだよ?まさかハヤテの目を盗んであのクソ野郎を逃がしたってのか!
件のハヤテ大先生は腹をだらしなく上に向けて絶賛爆睡中だ。・・・そのまさかもあり得る。頭脳は大人、身体はゴブリン。名探偵オレちゃんの名推理からは逃れられんワケ。
「ふん、粗末なくせして美味いじゃないか。」
何だかんだ言いつつも腹が減っているのかチビエルフはリンゴに夢中でかぶりついている。
普通ならば微笑ましくもあるのだろうが、さっきから何一つ謎が解消していない。勇騎はチビエルフがリンゴを食べ終わるのを待つこともなく声をかける。
「おい」
「何じゃっ。高貴も一周回ってやっぱり高貴だったこのワシに気安く声をかけるな、この・・・痛。イタタタ!ゴルァなにすんじゃクソゴブ~!やめんかー!」
目の前のゴブリンはマジックストレージから取り出したとおぼしき魔法杖をチビエルフの頬にグイグイ押し付けている。チビエルフにも意地があるのか、嫌がらせに負けじとリンゴをむさぼり食っているではないか。ザマルが助け舟を出そうかオロオロしだしたのに気付いた勇騎が言葉を続ける。
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件のチビエルフはリンゴを食い終えるや否や、頬にへばりついた杖を手で叩き落とす。ゴツンと床をたたいた杖を見てソフィアが目を丸くして叫んだ。
「ちょっと、それ私の杖じゃないの!そんなことに使うために預けてるわけじゃないんだけど!」
「ああ、ゴメンよソフィア。後できちんと拭いておくから」
「キサマーッ!このワシを汚れ物扱いしよったな!」
「そう。ソレだよ、俺が聞きてえのは。あのヨゴレのド腐れエルフ野郎はどこ行ったんだ?」
さあ、ここからケースクローズまで一直線よ!俺の灰色の頭脳が冴えわたるんだぜ~
「そんな者は最初からおらん。お前のようなウソつきは今すぐ呼吸を忘れ死ね。」
「バカ言ってんじゃねー!いたんだよ昨日の夜中にはさぁ。なのに何で朝起きてみたらお前みたいなしょーもないちんちくりんに置きかわってるんだ?」
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ふぅ~やれやれといったジェスチャーで勇騎はチビエルフを小馬鹿にして見せる。不毛なマウント合戦に巻き込まれたくないザマルが微妙な反応を返す。
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信じられないといった面持ちで焦りの色を隠せないチビエルフがうめいている。どうやら彼女にとってあれは絶対に功を奏すはずの鉄板作戦だったらしい。
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「うるさいわー!」
「ユーキさん」
「何だよザマル?」
「あの魔力封印の拘束具、あの子についてますよ?」
「あん?・・・本当だ!コイツが底抜けのマヌケだから気づかんかった。」
ってことは、コイツがあのド腐れエルフ野郎ってことか!昨日は男で今日は小娘・・・1500年前、若い××が溺れたいう、悲劇的伝説があるのだよ。以来ここで溺れた者、みな若い××の姿になてしまう・・・
へへっ、俺もゴブニーチュアンに落ちたんだぜ?お湯をかけても戻らねーけどな・・・ぐすっ
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