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野良ゴブリン血風録
前代未聞の珍事
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野盗を退治し、残るはこの商人なのだがどうしたものか。何かさっきからブツブツ呟いているのが気になる。
「ああ神様。あわれな私をどうかお救いください。お願いします。お願いします。・・・」
「なぁ、アンタ。」
「ひ、ひいぃー!ゴブリンがしゃべってる!私はもう地獄にいるのか?た・・た、助けてー!」
白昼の惨劇を目の前にして、商人の男は次は自分の番かとばかりに断末魔の絶叫を上げる。
確かに目の前で行われた戦闘は一方的な虐殺に見えても無理はないよなぁ。どうやって無抵抗の男を落ち着かせたものか。
「アンタは助かったよ、ここは地獄じゃあない。命を取ったりもしないから安心しなよ。」
「へっ?本当ですか。本当に?」
「ああ、ただし条件がある。」
「そ、それはもちろん。この馬車ごと貴方様に差し上げますのでどうぞ命だけはお助けください。」
どうやら条件という文言に震え上がってしまったらしい。そんな恐喝めいたことをするつもりはなかったのだがまいったな。すると向こうでハヤテが何やら見つけたようだった。
「ユーキ、こいつまだ生きているぞー。どうする?」
「おや、狼の側に倒れているのってアンタの仲間かい?あの人はまだ生きているってさ。」
その言葉に驚いた商人があわてて倒れた仲間の元に駆けよる。
「ハンス!生きているのか?お願いだハンス、返事をしてくれ。ハンス!」
ハンスは腹を貫かれて僅かに呼吸をしていたが、直に死が訪れるだろう。勇騎は泣き崩れている商人の肩に手を当てる。
「剣が腹に刺さったままだな。いくつか臓器をやられているかもしれんが、ひょっとしたら助けられるかもしれないぞ。」
「それは本当ですか?しかしこんな重傷ではハイポーションでも助かるかどうか。」
「まぁやってみるよ。ちょっと離れてもらっていいかい。」
「わかりました。どうかハンスを助けてやってください。」
「確約できないが、全力は尽くそう。」
まぁ助かるかどうかは俺もやってみないことにはわからない。でも何も手を施さなければ死ぬのを待つに等しいんだ。どうせなら回復魔術の実験に付き合ってもらおうじゃないか。こんな瀕死の重傷を治癒する機会を逃す手はないだろう。
俺は回復魔術を開始した。見る見るうちにハンスの出血が止まり傷口も塞がっていく。だがここが一番の正念場だ。
「気張れよハンス!今から腹に突き刺さった剣を抜くからな。それ。」
剣を引き抜くと同時に回復魔術の魔力を強める。腹部からさらに血が吹き出したがそれも一瞬の出来事だった。かなりの荒療治ではあるが、何とか身体内部の裂傷をつなぎ合わせて再生させた。失った血液はどうにもならんが後は本人の回復力次第だ。
「嘘みたいに痛みが消えた。こりゃあ一体?」
ハンスの意識が明瞭になり、いきなり身を起こすや否や自分の身体を不思議そうに確認し始めた。ハンスがあまりにせわしないので見かねた勇騎が声をかける。
「無理をするな。かなり血を失っているはずだ。」
「何てことだ!あの大怪我を?き・・・、奇跡だ!」
商人が口に手を当てて何かわなわな震えている。おびえているのではなく、表現しようにも表現しようが無い歓喜の震えだった。
「そうなのか・・・ってゴブリン!?今しゃべったよな。じゃない、俺の武器はどこだ!無い、無いぞ。た・・・、助けて!」
腰が抜けたのか血が足りなくて立ち上がれないのか身体を後方に引きずりながらハンスが悲鳴を上げる。
「落ち着けハンス。お前の命を助けてくださった方だ。戦わなくても良いんだよ。」
「へ?ゴブリンとファーウルフじゃないか。何でこいつらが俺たちを助けてくれるんだ?ジョセフ、俺は悪い夢でも見ているのか?」
ようやく二人が落ち着いたので話ができた。ジョセフはアーレンという町の商人だ。毛織物をダントンという港町で売りさばき、港町で仕入れた調味料や薬草などを本拠地のアーレンにて売りさばくといったことを生業としているらしい。ハンスは幼なじみで馬車を護衛しているそうだ。
話を聞く限り俺に取っては何とも好都合。ノドから手が出るほど欲しいものばかりじゃないか。
「我は暇だー。」
ハヤテは俺たちが話を始めたので暇を持て余している。見れば大きなアクビをして伏せていた。
「この臭いはオオカミ草じゃないか。こんなもの森に行けば山ほど生えているぞ。」
ハヤテが気になる事をつぶやいた。もしかして。
「ん、何だそのオオカミ何とかって?」
「傷を治すために使う草だ。ユーキが助けてくれたあの日、我は森にあるオオカミ草を取りに向かってたんだ。たどり着く前に力尽きてしまったがなー。」
どうやらオオカミ草は薬草のことらしい。ハヤテとナイショ話していると聞きなれないうめき声なのか、目の前の商人が心配そうな声でたずねて来る。
「どうされましたか?」
「すまない、独り言だ。気にしないでくれ。」
そうか、同じものが森の中にも存在するのか。わざわざ遠方に出向いて入荷するのってアーレンで薬草は採れないってことだよな。
もしかして取引の材料になるかもしれん。当初のBBQ作戦からは遠ざかってしまったが、調味料が手に入るならばこの機会を逃すわけにはいかない。
ここは一つこちらの要望を切り出して見ることにした。
「ずうずうしいかもしれないが、お礼ってことなら塩や調味料なんか少しばかり譲ってもらえないかな。お金も少しなら持ってるんだ。」
「いいえ、ユーキさんからお金をいただくなんてとんでもない。私どもはハンスの治療費ですらロクにお支払いすることもできません。もし何かということであればここにあるもの何でも差し上げますから。」
確かに医療体制などまともに整っているはずも無い。野盗や馬車など明らかに文明水準は前近代レベルだ、治療費などもバカにならないだろう。しかし恩を売ってでも何とかこの商人とつながりを持ちたい。
「今回の治療はサービスしとくよ。ジョセフさんたちもこれからの生活だってあるだろ?」
カツアゲのような形では細い糸だって一発でちぎれてしまう。取引なら持続的関係を構築できるんじゃないか。勇騎はそこに望みをたくす。
「ユーキの旦那は男前だなぁ、泣けてくらぁ。でも安心してくれよ。野盗を討ち取った報奨金だってもらえるんだ。商品が無くなったって何とかなるよな、ジョセフ!」
やりとりを聞いていたハンスが声を上げる。どうやらもう勇騎たちに敵意はないようだ。この際、ハンスも取り込んでおきたい。
「ああ神様。あわれな私をどうかお救いください。お願いします。お願いします。・・・」
「なぁ、アンタ。」
「ひ、ひいぃー!ゴブリンがしゃべってる!私はもう地獄にいるのか?た・・た、助けてー!」
白昼の惨劇を目の前にして、商人の男は次は自分の番かとばかりに断末魔の絶叫を上げる。
確かに目の前で行われた戦闘は一方的な虐殺に見えても無理はないよなぁ。どうやって無抵抗の男を落ち着かせたものか。
「アンタは助かったよ、ここは地獄じゃあない。命を取ったりもしないから安心しなよ。」
「へっ?本当ですか。本当に?」
「ああ、ただし条件がある。」
「そ、それはもちろん。この馬車ごと貴方様に差し上げますのでどうぞ命だけはお助けください。」
どうやら条件という文言に震え上がってしまったらしい。そんな恐喝めいたことをするつもりはなかったのだがまいったな。すると向こうでハヤテが何やら見つけたようだった。
「ユーキ、こいつまだ生きているぞー。どうする?」
「おや、狼の側に倒れているのってアンタの仲間かい?あの人はまだ生きているってさ。」
その言葉に驚いた商人があわてて倒れた仲間の元に駆けよる。
「ハンス!生きているのか?お願いだハンス、返事をしてくれ。ハンス!」
ハンスは腹を貫かれて僅かに呼吸をしていたが、直に死が訪れるだろう。勇騎は泣き崩れている商人の肩に手を当てる。
「剣が腹に刺さったままだな。いくつか臓器をやられているかもしれんが、ひょっとしたら助けられるかもしれないぞ。」
「それは本当ですか?しかしこんな重傷ではハイポーションでも助かるかどうか。」
「まぁやってみるよ。ちょっと離れてもらっていいかい。」
「わかりました。どうかハンスを助けてやってください。」
「確約できないが、全力は尽くそう。」
まぁ助かるかどうかは俺もやってみないことにはわからない。でも何も手を施さなければ死ぬのを待つに等しいんだ。どうせなら回復魔術の実験に付き合ってもらおうじゃないか。こんな瀕死の重傷を治癒する機会を逃す手はないだろう。
俺は回復魔術を開始した。見る見るうちにハンスの出血が止まり傷口も塞がっていく。だがここが一番の正念場だ。
「気張れよハンス!今から腹に突き刺さった剣を抜くからな。それ。」
剣を引き抜くと同時に回復魔術の魔力を強める。腹部からさらに血が吹き出したがそれも一瞬の出来事だった。かなりの荒療治ではあるが、何とか身体内部の裂傷をつなぎ合わせて再生させた。失った血液はどうにもならんが後は本人の回復力次第だ。
「嘘みたいに痛みが消えた。こりゃあ一体?」
ハンスの意識が明瞭になり、いきなり身を起こすや否や自分の身体を不思議そうに確認し始めた。ハンスがあまりにせわしないので見かねた勇騎が声をかける。
「無理をするな。かなり血を失っているはずだ。」
「何てことだ!あの大怪我を?き・・・、奇跡だ!」
商人が口に手を当てて何かわなわな震えている。おびえているのではなく、表現しようにも表現しようが無い歓喜の震えだった。
「そうなのか・・・ってゴブリン!?今しゃべったよな。じゃない、俺の武器はどこだ!無い、無いぞ。た・・・、助けて!」
腰が抜けたのか血が足りなくて立ち上がれないのか身体を後方に引きずりながらハンスが悲鳴を上げる。
「落ち着けハンス。お前の命を助けてくださった方だ。戦わなくても良いんだよ。」
「へ?ゴブリンとファーウルフじゃないか。何でこいつらが俺たちを助けてくれるんだ?ジョセフ、俺は悪い夢でも見ているのか?」
ようやく二人が落ち着いたので話ができた。ジョセフはアーレンという町の商人だ。毛織物をダントンという港町で売りさばき、港町で仕入れた調味料や薬草などを本拠地のアーレンにて売りさばくといったことを生業としているらしい。ハンスは幼なじみで馬車を護衛しているそうだ。
話を聞く限り俺に取っては何とも好都合。ノドから手が出るほど欲しいものばかりじゃないか。
「我は暇だー。」
ハヤテは俺たちが話を始めたので暇を持て余している。見れば大きなアクビをして伏せていた。
「この臭いはオオカミ草じゃないか。こんなもの森に行けば山ほど生えているぞ。」
ハヤテが気になる事をつぶやいた。もしかして。
「ん、何だそのオオカミ何とかって?」
「傷を治すために使う草だ。ユーキが助けてくれたあの日、我は森にあるオオカミ草を取りに向かってたんだ。たどり着く前に力尽きてしまったがなー。」
どうやらオオカミ草は薬草のことらしい。ハヤテとナイショ話していると聞きなれないうめき声なのか、目の前の商人が心配そうな声でたずねて来る。
「どうされましたか?」
「すまない、独り言だ。気にしないでくれ。」
そうか、同じものが森の中にも存在するのか。わざわざ遠方に出向いて入荷するのってアーレンで薬草は採れないってことだよな。
もしかして取引の材料になるかもしれん。当初のBBQ作戦からは遠ざかってしまったが、調味料が手に入るならばこの機会を逃すわけにはいかない。
ここは一つこちらの要望を切り出して見ることにした。
「ずうずうしいかもしれないが、お礼ってことなら塩や調味料なんか少しばかり譲ってもらえないかな。お金も少しなら持ってるんだ。」
「いいえ、ユーキさんからお金をいただくなんてとんでもない。私どもはハンスの治療費ですらロクにお支払いすることもできません。もし何かということであればここにあるもの何でも差し上げますから。」
確かに医療体制などまともに整っているはずも無い。野盗や馬車など明らかに文明水準は前近代レベルだ、治療費などもバカにならないだろう。しかし恩を売ってでも何とかこの商人とつながりを持ちたい。
「今回の治療はサービスしとくよ。ジョセフさんたちもこれからの生活だってあるだろ?」
カツアゲのような形では細い糸だって一発でちぎれてしまう。取引なら持続的関係を構築できるんじゃないか。勇騎はそこに望みをたくす。
「ユーキの旦那は男前だなぁ、泣けてくらぁ。でも安心してくれよ。野盗を討ち取った報奨金だってもらえるんだ。商品が無くなったって何とかなるよな、ジョセフ!」
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