97 / 139
本編
96:女子会
しおりを挟む
「あら、久しぶり。お茶ならあたしも混ぜなさいよ」
広場のカフェで話そうとしたとき、アイシェがやってきた。許可を得ることはせず、勝手に椅子を持ってくると腰を下ろす。
「最近見かけなかったけど、元気そうでよかったわ」
アイシェは頼んだ細長いクッキーを二つに折ると、おいしそうに食べる。その姿を見て、ぬいも同じものを口に入れた。ミレナはカップ片手にお茶を飲む。
「アイシェちゃんも、変わりなさそうでよかったよ。あれからお店の手伝いしてたの?」
「そうよ!いろいろと大変だったんだから。でも、うまく価値を示せば、家に帰らずに済むかもしれない」
国という言い方をしないのは、それほどまでに家が嫌だからだろう。ぬいはその気持ちを痛いほど理解することができ、深く頷いた。
「なにかあったら、手伝うから言ってね」
「ええ、わたくしも」
二人がそう言うと、アイシェは新たなクッキーを折った。
「気持ちは嬉しいけど、あんたたちは自分のことで忙しいでしょ?ま、なにかあったらお願いね」
アイシェは次々とクッキーを口に放り込む。今のぬいよりも食べるスピードが速い。気に入っただけではなく、元々甘いものが好きなのだろう。
「それで、ヌイさまのお話とはいったいなんでしょうか?」
ミレナが話を変えると、アイシェは手を止めた。話の内容を予想してか、どことなくニヤニヤしている。
「その……これなんだけど」
ぬいは指輪を指した。その色を認識した瞬間、ノルのことを思い出してしまう。
「この幸せ者が。にやけてんじゃないわよ」
軽くアイシェに小突かれる。その軽いじゃれ合いに、穏やかな気持ちを覚えながらも、指摘されたせいか顔が赤くなる。
「えっ、わたしそんな顔してた?」
「はい。取り繕わず、制限されず。本当の表情でした」
ミレナにも肯定され、少し抑えようとぬいは口元に力を入れる。
「……う、あのさ。指輪を交換し合う風習?みたいのって、この国じゃなくてもあったりする?」
「水晶国では様々です。指輪は女性側が送られることがありますが、多くはないです。形にこだわりはありません」
ぬいはノルの母が、指示棒のようなものを持っていたことを思い出す。
「身に着けやすい、または無くしにくいものを重視します」
「なるほど。ちなみにわたしの国では何もないか、指輪の二択だね。だからトゥーくんは後者を選ぶはずだよ」
ぬいがそう言って微笑みかけると、ミレナは恥ずかしそうに笑った。
「あたしの所では魔道具よ。形は同じく重視せず、いかに力が込められているかが重要ね。ようはどれだけ金をかけられたかってことだけど」
アイシェはあまり興味なさそうに言った。ぬいの話や水晶国のときとは、大違いである。
「そっか、まずアイシェちゃんに頼みたいんだけど。ネックレスみたいなものって、手に入る?」
「あると思うけど、魔道具としての価値は期待できないわよ。値段は……そうね、あんたがちょっとただ働きすればいいくらい」
提示された金額はそう高いものではない。色や形の説明をし、後日アンナの家へ受け取りに行くことになった。
「水晶装具の方なんだけど、こっちの方が問題だよね……」
渡された指輪を見る。どう見てもいいものを使われていていることが分かる。ぬいの所持金で同じものを用意することは、確実に不可能だろう。
「問題はないですよね?以前教皇さまから渡された水晶を使えばいいのでは?」
不思議そうにミレナは尋ねた。
「えっ、あれ勝手にバラしていいものなの?」
ヴァーツラフは無造作に渡したが、どう見ても価値ある水晶だ。それを勝手に砕いて使うのは、さすがにためらわれる。
「家に置いておくためなら、そのままでいいでしょうが、スヴァトプルク家には既に同じようなものがあると思います」
アンナやシモンの家にある水晶のことを指しているのだろう。家が大きければそれだけ水晶の大きさも変わってくる。
「持ち運ぼうとしても、あの大きさは加工するのが基本です」
そう言うと、ミレナは懐から小ぶりの水晶を取り出した。細長く整えられきれいに磨かれており、金色のチェーンが取り付けられていた。
「最もわかりやすいのはノルベルトさまの杖や、トゥーさまの剣ですね」
「そういえば、初期のトゥーくん帯剣してたよね。最近見なくなったけど、あれどうしたの?」
「細かい理由は存じませんが、なんだか気恥ずかしくなったと言っておりました」
「……なるほど」
少年の夢のようなものが詰まった水晶の剣。記憶を取り戻した今、ひけらかすことはしたくなくなったのだろう。
「わたくしてっきり支度金代わりに、教皇さまの水晶を受け取ったのと思っていました。すみません、説明不足でした」
「ううん。謝らなくていいよ」
ぬいが水晶装具を持ち歩いていないことに、薄々気づいていたらしい。
「素材はなんとかなるとして。問題はどこで加工してもらうかだよね……」
いくら元が良くとも、職人側の腕がなければ粗悪品が出来上がってしまう。
そうでなくとも、ヴァ―ツラフから貰った水晶は大ぶりで、加工にはある程度の技術を要するはずだ。今の所持金を考えると、かなり厳しい。
「それでしたら、わたくしが紹介いたします」
ミレナが言うところはきっと、神官か皇族御用達のところだろう。ぬいはぶんぶんとかぶりを振った。
「無理だよ。それこそあの水晶を丸ごと売り払うとかじゃないと」
支度金代わりと言っても、人から貰ったものをそのままお金に換えるのは抵抗があった。
「そのくらいは、と思いますが。それではヌイさまが納得できないでしょうね」
「もちろんだよ。だからと言って、借金まみれになるのも嫌だし、わたしにできることは大してないし」
トゥーのように力があればどうにかなっただろう。まさかここにきて力とお金のなさに後悔するはめになるとはと、ぬいは頭を抱える。
「いいえ、落ち込む必要はないです。ヌイさまにしかできないことがあります」
本来であったら、降ってわいたような話に喜ぶべきだろう。だが、ミレナの顔はどことなく浮かなかった。
「命の危険があるとか?」
以前であれば平気で挑めただろう。だが今となっては、そんなことできるはずもない。
「その、これです」
ミレナが取り出したものは、どう見ても教典であった。
「同じくらいの分厚さの、ある書物があります。そこには教皇さまに、理解していただきたいことが書いてあるのです。歴代の案内役が書き連ねたものでして。それを一字一句読み聞かせ、理解させて欲しいのです」
確かに文章量が多く、ためらわれるのも理解できる。だが、それほど価値にあることなのだろうかと、ぬいは首をひねる。
「教皇さまは人間のことを理解できないときがあります。ですが、それではこの先とても困ると思うんです」
人間になったとは聞いたが、今のところそれらしい行動はとらない。食事を摂る様子や、汗をかいたりなどもしていない。ようはなれる要素を手に入れただけで、現在変わったことはないのだろう。
「というのは本音でもあるのですが。案内役の話を聞いて欲しいとの、鬱憤でもあります」
「理由はわかったけど、なんでわたしなの?言うだけなら、誰だってできるよね?」
聞いてから、すぐに思い当たった。おそらく弟の存在だろう。だからといって、ぬいの言うことを素直に聞くようには思えない。
「異邦者の言葉は、比較的理解に努めようとする傾向がありますので……その嫌でしたら、別の方法を」
「ううん、やってみるよ」
ぬいは薄々ヴァーツラフの正体に心当たりがあった。この国が元の世界でどういう位置づけなのかも、知っている。弟が行っていたことは逐一情報を得ていたからだ。だからこそ、彼を人間らしくしてあげたいと思った。
それが叶うのはいつになるかわからない。一人の力では届かないかもしれない。それでもやり遂げようと、ぬいは決心した。
広場のカフェで話そうとしたとき、アイシェがやってきた。許可を得ることはせず、勝手に椅子を持ってくると腰を下ろす。
「最近見かけなかったけど、元気そうでよかったわ」
アイシェは頼んだ細長いクッキーを二つに折ると、おいしそうに食べる。その姿を見て、ぬいも同じものを口に入れた。ミレナはカップ片手にお茶を飲む。
「アイシェちゃんも、変わりなさそうでよかったよ。あれからお店の手伝いしてたの?」
「そうよ!いろいろと大変だったんだから。でも、うまく価値を示せば、家に帰らずに済むかもしれない」
国という言い方をしないのは、それほどまでに家が嫌だからだろう。ぬいはその気持ちを痛いほど理解することができ、深く頷いた。
「なにかあったら、手伝うから言ってね」
「ええ、わたくしも」
二人がそう言うと、アイシェは新たなクッキーを折った。
「気持ちは嬉しいけど、あんたたちは自分のことで忙しいでしょ?ま、なにかあったらお願いね」
アイシェは次々とクッキーを口に放り込む。今のぬいよりも食べるスピードが速い。気に入っただけではなく、元々甘いものが好きなのだろう。
「それで、ヌイさまのお話とはいったいなんでしょうか?」
ミレナが話を変えると、アイシェは手を止めた。話の内容を予想してか、どことなくニヤニヤしている。
「その……これなんだけど」
ぬいは指輪を指した。その色を認識した瞬間、ノルのことを思い出してしまう。
「この幸せ者が。にやけてんじゃないわよ」
軽くアイシェに小突かれる。その軽いじゃれ合いに、穏やかな気持ちを覚えながらも、指摘されたせいか顔が赤くなる。
「えっ、わたしそんな顔してた?」
「はい。取り繕わず、制限されず。本当の表情でした」
ミレナにも肯定され、少し抑えようとぬいは口元に力を入れる。
「……う、あのさ。指輪を交換し合う風習?みたいのって、この国じゃなくてもあったりする?」
「水晶国では様々です。指輪は女性側が送られることがありますが、多くはないです。形にこだわりはありません」
ぬいはノルの母が、指示棒のようなものを持っていたことを思い出す。
「身に着けやすい、または無くしにくいものを重視します」
「なるほど。ちなみにわたしの国では何もないか、指輪の二択だね。だからトゥーくんは後者を選ぶはずだよ」
ぬいがそう言って微笑みかけると、ミレナは恥ずかしそうに笑った。
「あたしの所では魔道具よ。形は同じく重視せず、いかに力が込められているかが重要ね。ようはどれだけ金をかけられたかってことだけど」
アイシェはあまり興味なさそうに言った。ぬいの話や水晶国のときとは、大違いである。
「そっか、まずアイシェちゃんに頼みたいんだけど。ネックレスみたいなものって、手に入る?」
「あると思うけど、魔道具としての価値は期待できないわよ。値段は……そうね、あんたがちょっとただ働きすればいいくらい」
提示された金額はそう高いものではない。色や形の説明をし、後日アンナの家へ受け取りに行くことになった。
「水晶装具の方なんだけど、こっちの方が問題だよね……」
渡された指輪を見る。どう見てもいいものを使われていていることが分かる。ぬいの所持金で同じものを用意することは、確実に不可能だろう。
「問題はないですよね?以前教皇さまから渡された水晶を使えばいいのでは?」
不思議そうにミレナは尋ねた。
「えっ、あれ勝手にバラしていいものなの?」
ヴァーツラフは無造作に渡したが、どう見ても価値ある水晶だ。それを勝手に砕いて使うのは、さすがにためらわれる。
「家に置いておくためなら、そのままでいいでしょうが、スヴァトプルク家には既に同じようなものがあると思います」
アンナやシモンの家にある水晶のことを指しているのだろう。家が大きければそれだけ水晶の大きさも変わってくる。
「持ち運ぼうとしても、あの大きさは加工するのが基本です」
そう言うと、ミレナは懐から小ぶりの水晶を取り出した。細長く整えられきれいに磨かれており、金色のチェーンが取り付けられていた。
「最もわかりやすいのはノルベルトさまの杖や、トゥーさまの剣ですね」
「そういえば、初期のトゥーくん帯剣してたよね。最近見なくなったけど、あれどうしたの?」
「細かい理由は存じませんが、なんだか気恥ずかしくなったと言っておりました」
「……なるほど」
少年の夢のようなものが詰まった水晶の剣。記憶を取り戻した今、ひけらかすことはしたくなくなったのだろう。
「わたくしてっきり支度金代わりに、教皇さまの水晶を受け取ったのと思っていました。すみません、説明不足でした」
「ううん。謝らなくていいよ」
ぬいが水晶装具を持ち歩いていないことに、薄々気づいていたらしい。
「素材はなんとかなるとして。問題はどこで加工してもらうかだよね……」
いくら元が良くとも、職人側の腕がなければ粗悪品が出来上がってしまう。
そうでなくとも、ヴァ―ツラフから貰った水晶は大ぶりで、加工にはある程度の技術を要するはずだ。今の所持金を考えると、かなり厳しい。
「それでしたら、わたくしが紹介いたします」
ミレナが言うところはきっと、神官か皇族御用達のところだろう。ぬいはぶんぶんとかぶりを振った。
「無理だよ。それこそあの水晶を丸ごと売り払うとかじゃないと」
支度金代わりと言っても、人から貰ったものをそのままお金に換えるのは抵抗があった。
「そのくらいは、と思いますが。それではヌイさまが納得できないでしょうね」
「もちろんだよ。だからと言って、借金まみれになるのも嫌だし、わたしにできることは大してないし」
トゥーのように力があればどうにかなっただろう。まさかここにきて力とお金のなさに後悔するはめになるとはと、ぬいは頭を抱える。
「いいえ、落ち込む必要はないです。ヌイさまにしかできないことがあります」
本来であったら、降ってわいたような話に喜ぶべきだろう。だが、ミレナの顔はどことなく浮かなかった。
「命の危険があるとか?」
以前であれば平気で挑めただろう。だが今となっては、そんなことできるはずもない。
「その、これです」
ミレナが取り出したものは、どう見ても教典であった。
「同じくらいの分厚さの、ある書物があります。そこには教皇さまに、理解していただきたいことが書いてあるのです。歴代の案内役が書き連ねたものでして。それを一字一句読み聞かせ、理解させて欲しいのです」
確かに文章量が多く、ためらわれるのも理解できる。だが、それほど価値にあることなのだろうかと、ぬいは首をひねる。
「教皇さまは人間のことを理解できないときがあります。ですが、それではこの先とても困ると思うんです」
人間になったとは聞いたが、今のところそれらしい行動はとらない。食事を摂る様子や、汗をかいたりなどもしていない。ようはなれる要素を手に入れただけで、現在変わったことはないのだろう。
「というのは本音でもあるのですが。案内役の話を聞いて欲しいとの、鬱憤でもあります」
「理由はわかったけど、なんでわたしなの?言うだけなら、誰だってできるよね?」
聞いてから、すぐに思い当たった。おそらく弟の存在だろう。だからといって、ぬいの言うことを素直に聞くようには思えない。
「異邦者の言葉は、比較的理解に努めようとする傾向がありますので……その嫌でしたら、別の方法を」
「ううん、やってみるよ」
ぬいは薄々ヴァーツラフの正体に心当たりがあった。この国が元の世界でどういう位置づけなのかも、知っている。弟が行っていたことは逐一情報を得ていたからだ。だからこそ、彼を人間らしくしてあげたいと思った。
それが叶うのはいつになるかわからない。一人の力では届かないかもしれない。それでもやり遂げようと、ぬいは決心した。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。

【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》

愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。
梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。
ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。
え?イザックの婚約者って私でした。よね…?
二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。
ええ、バッキバキに。
もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。

今世ではあなたと結婚なんてお断りです!
水川サキ
恋愛
私は夫に殺された。
正確には、夫とその愛人である私の親友に。
夫である王太子殿下に剣で身体を貫かれ、死んだと思ったら1年前に戻っていた。
もう二度とあんな目に遭いたくない。
今度はあなたと結婚なんて、絶対にしませんから。
あなたの人生なんて知ったことではないけれど、
破滅するまで見守ってさしあげますわ!

私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪
百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。
でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。
誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。
両親はひたすらに妹をスルー。
「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」
「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」
無理よ。
だって私、大公様の妻になるんだもの。
大忙しよ。

【完結】私のことが大好きな婚約者さま
咲雪
恋愛
私は、リアーナ・ムスカ侯爵令嬢。第二王子アレンディオ・ルーデンス殿下の婚約者です。アレンディオ殿下の5歳上の第一王子が病に倒れて3年経ちました。アレンディオ殿下を王太子にと推す声が大きくなってきました。王子妃として嫁ぐつもりで婚約したのに、王太子妃なんて聞いてません。悩ましく、鬱鬱した日々。私は一体どうなるの?
・sideリアーナは、王太子妃なんて聞いてない!と悩むところから始まります。
・sideアレンディオは、とにかくアレンディオが頑張る話です。
※番外編含め全28話完結、予約投稿済みです。
※ご都合展開ありです。

私のことを愛していなかった貴方へ
矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。
でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。
でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。
だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。
夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。
*設定はゆるいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる