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本編
86:打ち明ける胸の内①
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しばらく水晶車を走らせるとすぐに大きな壁のようなものが見えた。それは地平線のように伸びていて、切れ目が見えない。以前この国は陥没しているというのは本当だったらしい。
そのことを知らなければ、壁に囲まれていると勘違いしていただろう。それを眺めながら、突き進む。近くに見えて意外と距離があったらしく、到着したのは昼過ぎであった。
出てすぐに戻ってくるとは言え、それなりの手続きがいるそうだ。前の街へ入った時よりも詳しく聞き取りをされている。さすがにここでは押し通すことができないらしい。
時折ぬいにちらちらと視線を向けてくる。住まいはあるが身元不明の人物はやはり厄介であるらしい。
何かを問われるたびに、ノルはどこからか書類を取り出し詳しく説明してくれる。一人ではどこでも疑われ、旅などままならなかっただろう。
「待たせた、行こう」
門番の人が先導しているのが見える。ノルはぬいの手を取ると、そのまま連れて行く。
遠目から見ると、そこになにがあるかはわからなかった。なぜなら透明な水晶で作られた昇降機だったからだ。申し訳程度の柵しかないそれは、高所恐怖症でなくとも足がくらむ。これを作った人はきっと意地悪に違いない。乗り込むと、音もたてずに急上昇していく。
「あまり下は見ないほうがいい」
ノルはぬいの顔を自分の方に向けさせる。
「うん、ありがとう」
数度深呼吸すると、ノルの腕に捕まる。思い切ってまっすぐ見据えると、今までたどってきた道のりが見えた。最初に泊まった街、奥の方にそびえたつ水晶宮。
夕日がそれらを照らし、全てを染め上げる。その神秘的な光景をぬいはただ黙って見つめていた。それらが作り物のように小さくなったころ、上へついたらしい。
あがった先はまたもや武骨な建物で、その先に見えるはずの景色は分からない。一度自国で取り調べ済みであるからか、書類に数枚サインするとようやく外に出ることができた。
「ようこそ、魔法連邦国へ。ここから御業は使えませんので、ご注意を」
そう背後から言葉を投げかけられる。だが、全く耳に入っていなかった。なぜなら、一面の小麦畑が目に映ったからだ。
夕日に照らされたその景色は、どこか懐かしさを覚える。ぬいは引き寄せられるように歩き出し、いつの間に駆け出していた。
呼吸が乱れ、息が苦しくなってきたころ。ぬいは思い出した。弟と夢の中であった光景とここは似ていることに。ただしあの時はラベンダーで今は小麦畑だ。
「……ふぅ」
その場に立ち止まると息を整える。
「ありがとう、連れてきてくれて」
ぬいは小さくつぶやいた。
「この世界の正体がなんだったとしても、わたしは本物だと。そう想っているよ」
どうかこの言葉が届くようにと、ぬいは上を向いてまっすぐ空を見据える。
『契約は完遂された。古の盟約はほころびなく守られた』
牧歌的な風景とは真逆の声が響く。振り返ると、後を追ってきたノルの姿が見えた。同じく目を丸くしている。
「今のは……」
「これで全部終わったみたい」
なんとなく察してはいただろうが、ノルにはよく聞き取れなかったらしい。無事に終わったことを告げると、彼はホッとした表情を浮かべる。
「ヌイ、いきなり駆け出すのはやめてくれ」
「ごめんね。前に見た光景と似ていて、足が止まらなくなって」
素直に謝ると、ノルは手を掴んだ。
「大丈夫、もうどこにも行かないよ」
安心させるように、そっと手を重ねる。
「君はもう自由だ。何者にも縛られず、どこへだって行ける」
その言葉を受け、ぬいは背後を振り返る。延々と続く小麦畑を一瞥すると、ノルに向き直った。
「多分ね。元の世界でこういう大自然は希少だったんだと思う。わたしが旅したのも街中だけだったし。だから焦がれていたんだろうね」
あの病もそう珍しいものでなかった。荒廃した世界から少しずつ現れだしたものだろう。
「ヌイは戻りたいと思うのか?」
切なそうな表情を浮かべる。ぬいは頭を撫でたいと思うが、直立した状態では手が届かない。
「ううん。わたしの居場所はもうここだから」
「そうか」
そのまま無言で見つめ合う。ぬいはどうしていいのかわからず、笑みを浮かべた。すると、ノルはぬいの手を取ったままその場に跪いた。
「どうしたの?膝汚れちゃうよ?」
「聞いて欲しいことがある」
その真剣なまなざしは見覚えがあった。どこか縋り付くようで、必死な様子。水晶の洞窟内で見た時とまったく同じである。この先伝えられるであろう、真摯な想いに満ちた言葉を思い出すと、ぬいは胸が締め付けられるような甘い痛みを感じた。
以前は全く存在しなかったものを自覚すると、すとんと腑に落ちた。
「そっか、わたしはノルくんが好きなんだ」
納得するように小さくつぶやくと、ノルは目を丸くする。
「……待て、今なんて言った」
「ずっとそういう類のものではないって、年の差を理由に考えることを放棄していたんだと思う。でも、単純なことだったんだね。きっと感情を取り戻す前から、わたしはノルくんのことを」
言い終わる前に無理やり手で口をふさがれた。そのまま体を引き寄せられると、背面から体を拘束される。もごもごと非難する声をあげるが、言葉にならない。
「……っ……なんで先に言ってしまうんだ。だめだ、それ以上は言わせない」
回された腕の力は強く、身動きが取れない。しかし、嫌ではなかった。ノルの吐く息が首元にあたり、耳元に口が寄せられる。
「僕はヌイのことが好きだ」
びくりと体を震わせた。緊張と動揺から、体が熱くなっていく。変に勘違いしてはいけないと、ぬいは自分に言い聞かせる。
今はどうにかして拘束から逃れようと、当てられた手に指で文字を書く。すると理解してくれたのか、ノルはそっと体を離した。
「一個人として、恋情を抱いているし、愛している」
言い逃れのできない、愛の告白であった。
「……うっ……あ」
ぬいは完全に赤面していた。だからと言って、逸らすわけにはいかない。正面から見たノルの目は甘い熱を持ち、真剣だったからだ。きちんと理解してもらえるようにと、全身で訴えてくる。
先ほどこぼした言葉はもっと軽かった。あくまで自分が納得するためのものであり、逃げが用意されていた。覚悟の違いを見せつけられ、ノルに口止めされずとも何も言えなかった。
「ようやく言えた。ずっと、早く言いたかったんだ。色んな理由をつけて、逃げてしまっていた」
「ううん、そんなことないよ。ノルくんはいつだって真剣だった」
すべてにおいて運と時が悪かっただけで、彼はずっと好意を表し続けていた。
「逃げていたのはわたしのほう」
そのまま言葉を続けようとすると、ノルは不満そうに制止した。
「いや、まだ伝え終わっていない」
「えっ、でももう十分に」
「ヌイに言われまいと、先に事実を言っただけだ。過程を言わなければ納得しないだろう?」
ノルは再びぬいの体を引き寄せようと手を伸ばすが、その手は直前で止まった。よく見るとその手は少し震えている。
「ノルくん、どうしたの?」
「いや……あまりにも衝撃的すぎて、本当に現実なのか信じられず、緊張していて」
「大丈夫。これは現実だよ」
ぬいが手を差しだそうとすると、ノルはすかさず掴んだ。そのまま引っ張ると、横抱きにして座り込んだ。背中に回された腕は離すまいとの意思を感じる。麦穂に埋まった状態で二人は見つめ合った。
そのことを知らなければ、壁に囲まれていると勘違いしていただろう。それを眺めながら、突き進む。近くに見えて意外と距離があったらしく、到着したのは昼過ぎであった。
出てすぐに戻ってくるとは言え、それなりの手続きがいるそうだ。前の街へ入った時よりも詳しく聞き取りをされている。さすがにここでは押し通すことができないらしい。
時折ぬいにちらちらと視線を向けてくる。住まいはあるが身元不明の人物はやはり厄介であるらしい。
何かを問われるたびに、ノルはどこからか書類を取り出し詳しく説明してくれる。一人ではどこでも疑われ、旅などままならなかっただろう。
「待たせた、行こう」
門番の人が先導しているのが見える。ノルはぬいの手を取ると、そのまま連れて行く。
遠目から見ると、そこになにがあるかはわからなかった。なぜなら透明な水晶で作られた昇降機だったからだ。申し訳程度の柵しかないそれは、高所恐怖症でなくとも足がくらむ。これを作った人はきっと意地悪に違いない。乗り込むと、音もたてずに急上昇していく。
「あまり下は見ないほうがいい」
ノルはぬいの顔を自分の方に向けさせる。
「うん、ありがとう」
数度深呼吸すると、ノルの腕に捕まる。思い切ってまっすぐ見据えると、今までたどってきた道のりが見えた。最初に泊まった街、奥の方にそびえたつ水晶宮。
夕日がそれらを照らし、全てを染め上げる。その神秘的な光景をぬいはただ黙って見つめていた。それらが作り物のように小さくなったころ、上へついたらしい。
あがった先はまたもや武骨な建物で、その先に見えるはずの景色は分からない。一度自国で取り調べ済みであるからか、書類に数枚サインするとようやく外に出ることができた。
「ようこそ、魔法連邦国へ。ここから御業は使えませんので、ご注意を」
そう背後から言葉を投げかけられる。だが、全く耳に入っていなかった。なぜなら、一面の小麦畑が目に映ったからだ。
夕日に照らされたその景色は、どこか懐かしさを覚える。ぬいは引き寄せられるように歩き出し、いつの間に駆け出していた。
呼吸が乱れ、息が苦しくなってきたころ。ぬいは思い出した。弟と夢の中であった光景とここは似ていることに。ただしあの時はラベンダーで今は小麦畑だ。
「……ふぅ」
その場に立ち止まると息を整える。
「ありがとう、連れてきてくれて」
ぬいは小さくつぶやいた。
「この世界の正体がなんだったとしても、わたしは本物だと。そう想っているよ」
どうかこの言葉が届くようにと、ぬいは上を向いてまっすぐ空を見据える。
『契約は完遂された。古の盟約はほころびなく守られた』
牧歌的な風景とは真逆の声が響く。振り返ると、後を追ってきたノルの姿が見えた。同じく目を丸くしている。
「今のは……」
「これで全部終わったみたい」
なんとなく察してはいただろうが、ノルにはよく聞き取れなかったらしい。無事に終わったことを告げると、彼はホッとした表情を浮かべる。
「ヌイ、いきなり駆け出すのはやめてくれ」
「ごめんね。前に見た光景と似ていて、足が止まらなくなって」
素直に謝ると、ノルは手を掴んだ。
「大丈夫、もうどこにも行かないよ」
安心させるように、そっと手を重ねる。
「君はもう自由だ。何者にも縛られず、どこへだって行ける」
その言葉を受け、ぬいは背後を振り返る。延々と続く小麦畑を一瞥すると、ノルに向き直った。
「多分ね。元の世界でこういう大自然は希少だったんだと思う。わたしが旅したのも街中だけだったし。だから焦がれていたんだろうね」
あの病もそう珍しいものでなかった。荒廃した世界から少しずつ現れだしたものだろう。
「ヌイは戻りたいと思うのか?」
切なそうな表情を浮かべる。ぬいは頭を撫でたいと思うが、直立した状態では手が届かない。
「ううん。わたしの居場所はもうここだから」
「そうか」
そのまま無言で見つめ合う。ぬいはどうしていいのかわからず、笑みを浮かべた。すると、ノルはぬいの手を取ったままその場に跪いた。
「どうしたの?膝汚れちゃうよ?」
「聞いて欲しいことがある」
その真剣なまなざしは見覚えがあった。どこか縋り付くようで、必死な様子。水晶の洞窟内で見た時とまったく同じである。この先伝えられるであろう、真摯な想いに満ちた言葉を思い出すと、ぬいは胸が締め付けられるような甘い痛みを感じた。
以前は全く存在しなかったものを自覚すると、すとんと腑に落ちた。
「そっか、わたしはノルくんが好きなんだ」
納得するように小さくつぶやくと、ノルは目を丸くする。
「……待て、今なんて言った」
「ずっとそういう類のものではないって、年の差を理由に考えることを放棄していたんだと思う。でも、単純なことだったんだね。きっと感情を取り戻す前から、わたしはノルくんのことを」
言い終わる前に無理やり手で口をふさがれた。そのまま体を引き寄せられると、背面から体を拘束される。もごもごと非難する声をあげるが、言葉にならない。
「……っ……なんで先に言ってしまうんだ。だめだ、それ以上は言わせない」
回された腕の力は強く、身動きが取れない。しかし、嫌ではなかった。ノルの吐く息が首元にあたり、耳元に口が寄せられる。
「僕はヌイのことが好きだ」
びくりと体を震わせた。緊張と動揺から、体が熱くなっていく。変に勘違いしてはいけないと、ぬいは自分に言い聞かせる。
今はどうにかして拘束から逃れようと、当てられた手に指で文字を書く。すると理解してくれたのか、ノルはそっと体を離した。
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「……うっ……あ」
ぬいは完全に赤面していた。だからと言って、逸らすわけにはいかない。正面から見たノルの目は甘い熱を持ち、真剣だったからだ。きちんと理解してもらえるようにと、全身で訴えてくる。
先ほどこぼした言葉はもっと軽かった。あくまで自分が納得するためのものであり、逃げが用意されていた。覚悟の違いを見せつけられ、ノルに口止めされずとも何も言えなかった。
「ようやく言えた。ずっと、早く言いたかったんだ。色んな理由をつけて、逃げてしまっていた」
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「えっ、でももう十分に」
「ヌイに言われまいと、先に事実を言っただけだ。過程を言わなければ納得しないだろう?」
ノルは再びぬいの体を引き寄せようと手を伸ばすが、その手は直前で止まった。よく見るとその手は少し震えている。
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