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本編
85:変わりゆく暖かな関係性
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翌朝目が覚めると、目の前にノルの顔があった。あまりにいきなりすぎてぬいは数度まばたきをする。
穏やかに眠る彼の呼吸音が聞こえる。まつ毛は上下ともに長く、鼻梁の線がきれいである。そんな視覚情報入手しながら、徐々に顔が赤くなっていく。ひとまず寝返りを打って落ち着く。
覚えてはいないが、昨夜なんらかの悪夢を見てノルに世話をかけた。そのまま疲れ果て、戻る気力もなく寝てしまったのだろう。状況を理解し、ぬいは起き上がろうとした。しかし、後ろ手をつかまれ強い力でベッドに引き戻される。
「えと、ノルくーん」
声をかけるが反応はない。背を向けているためどんな様子かもわからない。だが、反応がないことから寝ぼけているのだろう。
どうしようかと考えていると、手を離される。今がチャンスだと、身を起そうとするが、今度は体こと抱きしめられた。
これでは完全に身動きが取れない。薄い寝巻から感じる体温とにおいに、ぬいは頭がくらくらしてきた。行動はとっても、寝言は言わないらしくひたすらに静かだ。
暴れて拘束を解く理由もない。しばらく身を任せていると、腕を外し寝返りを打った。
その隙にぬいは今度こそ身を起こすと身支度をはじめた。準備が終わるころ、ノルは目が覚めたらしく体を起き上がらせた。
「おはよう、ノルくん」
「……あ、ああ」
返事はするが今一つ反応が鈍い。睡眠不足だからか、単純に朝が弱いのか。どちらかは分からない。
いつもノルはしっかりしていて、大抵のことはなんでもこなす。だが、その欠点ともいえるところをかわいいと思ってしまった。
その事実に気づき、ぬいは頭を抱える。きっと、最初は穏やかな愛だった。自分とどうのこうのとは思わなかった。だが今は明らかに独占欲が芽生えている。
ちらりとノルのことを見ると、ぬいが居るにも関わらず堂々と着替えようとしていた。以前は何とも思わなかった、彼の上裸が直視できない。
「……あ、ノ、ノルくん!わたっ、その。朝食取ってくるね!」
本来であれば下の共有所で食すものである。だが寝起きが悪そうなことと、生まれた嫉妬心を理由にぬいは食事を部屋に運んだ。
「ノルくーん、ごはんだよ」
部屋へ戻ると身ぎれいになったノルが居た。つまりあれは着替えるのではなく、体を洗うために脱いでいたのだろう。あのまま部屋に残っていたら、到底羞恥で耐えれなかったに違いない。
「ん」
しかし、身支度が整ったからと言って目は覚めていないようである。朝食を前に置くが、食べる速度が鈍い。
それどころか時々食器やコップをつかみ損ねている。早々に食べ終わったぬいは見ていられなくなり、椅子をノルの隣に移動した。
「ほら、ごはんだよ。食べないと力でないよ」
ぬいはフォークを掴むと、ノルの口元に運んだ。すると食べる速度が普通になり、きちんと口に入れる。それを繰り返しすべて平らげたあと、ノルの目がようやく覚めてきたようだ。
「その、すまなかった。情けない姿を見せたうえに、世話までしてもらうとは」
「ううん、お互いさまだよ」
ぬいは昨夜のことを思い出す。あれに比べれば、今朝のことなど大したことはない。
「だが……正直なところ、かなり嬉しい。さすがにこの年で家の者になど、頼ることはできない。心を許せる存在だけだ」
つまりぬいなら頼れるということだ。お互いに支え合えることを嬉しく思い、二人は赤面する。しばらく無言で見つめ合ったあと、どちらともなく荷支度をはじめた。
◇
この先に大きな街や村すらもないらしく、ただ静かに進んでいった。やがて眠気を感じ、今度は事前に言ってから肩を貸してもらった。
無理をしては後々迷惑がかかってしまうからである。あまりにも真剣に寝ていたのか、目覚めるとノルの顔が見えた。どうやら膝を貸してもらっていたらしい。
「そろそろ水晶車を止めて、休もうと思う」
いつの間にか日が落ちていたのか、周囲は暗い。この闇の中を進むのは、明かりで照らしたとしてもよくないだろう。手近な場所に停止させると、二人は外に出た。
「うわっ、結構冷え込んできたね」
ぬいは身を震わせると、すぐに彼のことを確認した。きちんと着込んでいることに安堵する。
ノルは地面にこぶし大の水晶を置く手を組む。
「我らが神たちよ。闇夜を照らす炎を依り代へ」
あたたかな火が生まれる。ノルはそこに鍋を乗せると食事の準備をはじめた。
「なにか手伝おうか?」
まるで初対面時の再現のようである。
「今日は僕が……いや、お願いしよう。ここにある野菜を切ってほしい」
「わかった!任せてよ」
ぬいは腕をまくると作業をはじめた。
「ノルくん、これすごいおいしいね!」
スプーンを口に入れると、その味に目を輝かせた。
「ずっと、もっとちゃんとしたものを食べさせたかった」
「最初にくれたのも悪くなかったけどね」
だが、ノルは不満だったらしい。
「ノルくんてなんでもできてすごいよね。なにがすごいかって、あきらめずにちゃんと努力を続けているところなんだよね」
ぬいの場合は周りからのプレッシャーが強く、あきらめてしまった。あの時そうしなければ、なにかが変わったのだろうかと考える。
「ヌイもそうだろう。料理の下ごしらえができるとは思っていなかった」
「それはこっちのセリフだよ!」
ひとしきり褒め合ったあと、食事を片付け後は寝るだけである。寝床の準備も今回は手伝わせてくれた。幸い今夜は風がなく、火がある外の方がいいだろうと野宿になった。
目を閉じて寝ようとするが、寒さのせいでなかなか寝付けない。横目でノルのことを見てみるが、同様らしい。ぬいは意を決すると、寝具を羽織った状態でノルの所へ向かった。
「えっと、なかなか寝れそうになくて。夜空を見てたら気になってきちゃって。この世界の星と月について教えてもらっていい?」
半分はただの思い付きで口実である。そのことを悟られたらどうしようと、内心ドキドキしていたがノルは快諾した。
「そもそもこの世界って、月も星も青っぽいよね。ずっとそれが不思議だったんだ」
ノルが横に開けた寝床に腰を下ろすと、疑問を投げかける。
「ヌイのところでは違うのか?」
寒さで無意識に身を震わせると、ノルが自分の寝具をかけてくれた。ぬいはそれを半分かけかえすと、目が合いほほ笑みあう。
「うん、もっと黄色と白っぽいっていうか」
そんなことを話していると、徐々に睡魔が襲ってくる。自分の寝床に戻る余力などない。昨夜のように、ぬいはいつの間にか眠り込んでいた。
翌朝、目が覚めると正面からノルと目が合った。
「おはよう、ヌイ」
「……へ、あ、おはよう。ノルくん」
起床直後、ノルとは何度も目を合わせている。そろそろ慣れれると思ったが、そうでもないらしい。
「ん?あれ?ノルくん朝から元気だね、どうしたの?」
昨日の朝とは違い、どうみてもノルの目は開かれている。それどころか、身支度がすでに終わっているようである。
「安全な場所だとどうしても、眠りが深くなってしまう。外となれば、神官騎士時の訓練を思い出し自然と起床できる」
「あ、うん。そか」
立場が逆転し、ぬいは混乱していた。朝の目覚めは悪くないが、良くもないからだ。
「ははっ、寝起きのヌイもかわいいな」
朝から心臓に悪い発言はやめて欲しい。そんなことは言えず、ぬいは寝ぼけたふりをしながら身支度をはじめた。
穏やかに眠る彼の呼吸音が聞こえる。まつ毛は上下ともに長く、鼻梁の線がきれいである。そんな視覚情報入手しながら、徐々に顔が赤くなっていく。ひとまず寝返りを打って落ち着く。
覚えてはいないが、昨夜なんらかの悪夢を見てノルに世話をかけた。そのまま疲れ果て、戻る気力もなく寝てしまったのだろう。状況を理解し、ぬいは起き上がろうとした。しかし、後ろ手をつかまれ強い力でベッドに引き戻される。
「えと、ノルくーん」
声をかけるが反応はない。背を向けているためどんな様子かもわからない。だが、反応がないことから寝ぼけているのだろう。
どうしようかと考えていると、手を離される。今がチャンスだと、身を起そうとするが、今度は体こと抱きしめられた。
これでは完全に身動きが取れない。薄い寝巻から感じる体温とにおいに、ぬいは頭がくらくらしてきた。行動はとっても、寝言は言わないらしくひたすらに静かだ。
暴れて拘束を解く理由もない。しばらく身を任せていると、腕を外し寝返りを打った。
その隙にぬいは今度こそ身を起こすと身支度をはじめた。準備が終わるころ、ノルは目が覚めたらしく体を起き上がらせた。
「おはよう、ノルくん」
「……あ、ああ」
返事はするが今一つ反応が鈍い。睡眠不足だからか、単純に朝が弱いのか。どちらかは分からない。
いつもノルはしっかりしていて、大抵のことはなんでもこなす。だが、その欠点ともいえるところをかわいいと思ってしまった。
その事実に気づき、ぬいは頭を抱える。きっと、最初は穏やかな愛だった。自分とどうのこうのとは思わなかった。だが今は明らかに独占欲が芽生えている。
ちらりとノルのことを見ると、ぬいが居るにも関わらず堂々と着替えようとしていた。以前は何とも思わなかった、彼の上裸が直視できない。
「……あ、ノ、ノルくん!わたっ、その。朝食取ってくるね!」
本来であれば下の共有所で食すものである。だが寝起きが悪そうなことと、生まれた嫉妬心を理由にぬいは食事を部屋に運んだ。
「ノルくーん、ごはんだよ」
部屋へ戻ると身ぎれいになったノルが居た。つまりあれは着替えるのではなく、体を洗うために脱いでいたのだろう。あのまま部屋に残っていたら、到底羞恥で耐えれなかったに違いない。
「ん」
しかし、身支度が整ったからと言って目は覚めていないようである。朝食を前に置くが、食べる速度が鈍い。
それどころか時々食器やコップをつかみ損ねている。早々に食べ終わったぬいは見ていられなくなり、椅子をノルの隣に移動した。
「ほら、ごはんだよ。食べないと力でないよ」
ぬいはフォークを掴むと、ノルの口元に運んだ。すると食べる速度が普通になり、きちんと口に入れる。それを繰り返しすべて平らげたあと、ノルの目がようやく覚めてきたようだ。
「その、すまなかった。情けない姿を見せたうえに、世話までしてもらうとは」
「ううん、お互いさまだよ」
ぬいは昨夜のことを思い出す。あれに比べれば、今朝のことなど大したことはない。
「だが……正直なところ、かなり嬉しい。さすがにこの年で家の者になど、頼ることはできない。心を許せる存在だけだ」
つまりぬいなら頼れるということだ。お互いに支え合えることを嬉しく思い、二人は赤面する。しばらく無言で見つめ合ったあと、どちらともなく荷支度をはじめた。
◇
この先に大きな街や村すらもないらしく、ただ静かに進んでいった。やがて眠気を感じ、今度は事前に言ってから肩を貸してもらった。
無理をしては後々迷惑がかかってしまうからである。あまりにも真剣に寝ていたのか、目覚めるとノルの顔が見えた。どうやら膝を貸してもらっていたらしい。
「そろそろ水晶車を止めて、休もうと思う」
いつの間にか日が落ちていたのか、周囲は暗い。この闇の中を進むのは、明かりで照らしたとしてもよくないだろう。手近な場所に停止させると、二人は外に出た。
「うわっ、結構冷え込んできたね」
ぬいは身を震わせると、すぐに彼のことを確認した。きちんと着込んでいることに安堵する。
ノルは地面にこぶし大の水晶を置く手を組む。
「我らが神たちよ。闇夜を照らす炎を依り代へ」
あたたかな火が生まれる。ノルはそこに鍋を乗せると食事の準備をはじめた。
「なにか手伝おうか?」
まるで初対面時の再現のようである。
「今日は僕が……いや、お願いしよう。ここにある野菜を切ってほしい」
「わかった!任せてよ」
ぬいは腕をまくると作業をはじめた。
「ノルくん、これすごいおいしいね!」
スプーンを口に入れると、その味に目を輝かせた。
「ずっと、もっとちゃんとしたものを食べさせたかった」
「最初にくれたのも悪くなかったけどね」
だが、ノルは不満だったらしい。
「ノルくんてなんでもできてすごいよね。なにがすごいかって、あきらめずにちゃんと努力を続けているところなんだよね」
ぬいの場合は周りからのプレッシャーが強く、あきらめてしまった。あの時そうしなければ、なにかが変わったのだろうかと考える。
「ヌイもそうだろう。料理の下ごしらえができるとは思っていなかった」
「それはこっちのセリフだよ!」
ひとしきり褒め合ったあと、食事を片付け後は寝るだけである。寝床の準備も今回は手伝わせてくれた。幸い今夜は風がなく、火がある外の方がいいだろうと野宿になった。
目を閉じて寝ようとするが、寒さのせいでなかなか寝付けない。横目でノルのことを見てみるが、同様らしい。ぬいは意を決すると、寝具を羽織った状態でノルの所へ向かった。
「えっと、なかなか寝れそうになくて。夜空を見てたら気になってきちゃって。この世界の星と月について教えてもらっていい?」
半分はただの思い付きで口実である。そのことを悟られたらどうしようと、内心ドキドキしていたがノルは快諾した。
「そもそもこの世界って、月も星も青っぽいよね。ずっとそれが不思議だったんだ」
ノルが横に開けた寝床に腰を下ろすと、疑問を投げかける。
「ヌイのところでは違うのか?」
寒さで無意識に身を震わせると、ノルが自分の寝具をかけてくれた。ぬいはそれを半分かけかえすと、目が合いほほ笑みあう。
「うん、もっと黄色と白っぽいっていうか」
そんなことを話していると、徐々に睡魔が襲ってくる。自分の寝床に戻る余力などない。昨夜のように、ぬいはいつの間にか眠り込んでいた。
翌朝、目が覚めると正面からノルと目が合った。
「おはよう、ヌイ」
「……へ、あ、おはよう。ノルくん」
起床直後、ノルとは何度も目を合わせている。そろそろ慣れれると思ったが、そうでもないらしい。
「ん?あれ?ノルくん朝から元気だね、どうしたの?」
昨日の朝とは違い、どうみてもノルの目は開かれている。それどころか、身支度がすでに終わっているようである。
「安全な場所だとどうしても、眠りが深くなってしまう。外となれば、神官騎士時の訓練を思い出し自然と起床できる」
「あ、うん。そか」
立場が逆転し、ぬいは混乱していた。朝の目覚めは悪くないが、良くもないからだ。
「ははっ、寝起きのヌイもかわいいな」
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