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本編
66:踊る演者たち④
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結論から言えば、鍋島の手術は失敗しなかった。
全身麻酔がまだとけていないせいか、その日の夜は目覚めることはなかった。
翌日目を覚ました彼はまず綠のことを呼ぶと、手を握ることを頼まれた。何かを話す元気もないのか、どこか遠い目をしている。
時々意識をなくしたのではないかと綠は心配になり、肩を叩いた。すると、すぐに意識を取り戻す。
夜になると、よく眠れないらしく睡眠導入薬を追加で処方されていた。
――問題は次の日の夜であった。
「うわあああぁああ!帰る!帰してくれ!」
大きな叫び声が聞こえ、綠は目を覚ました。
「どうせ死ぬって、知ってるんだ。だから、放っておいてくれよ!」
痛む体に耐えながら、なんとか起き上がる。夜中にたたき起こされたからか、ひどく怠い。そんなことを考えると、何かが倒れるような騒音が聞こえた。
慌てて鍋島の元へ駆けよると、その場はまるで地獄絵図のようだった。
「嫌だ……違う。死にたくない、死にたくない、死にたくないっ!!」
白い布団と枕が飛び散った血に濡れ、真っ赤な染みを作っている。彼の顔にも飛び散り、手元も赤い。よく見てみると管のようなものを握っている。
「鍋島……くん?え……あ、点滴を無理やり取っちゃったのか」
あまりにもひどい光景から、一瞬頭が真っ白になった。事実を突き止めると、綠はナースコールのスイッチを押す。さすがにこれは、いち病人の手に負えるものではない。
「鍋島くん!しっかりして。もう全部終わったから、元気出して」
綠が励ます声をかけると、鍋島はうつろな目で見つめてくる。
「……ナベシマ……って誰?そもそも俺は誰だ?わからない。痛い、寂しい、辛い」
生理的な涙を見ることはあったが、こんな風に泣くのははじめてである。
「えっと、敦くんだよ。私は綠」
「そう、綠は俺のなに?」
問いかけられて言いよどむ。友達や恋人、病室が一緒の人。どれもしっくりこなかったからだ。
「わたしは……敦くんの、な、なかまだよ!」
安心させるための嘘をつく手もあったが、とっさにこれを選んだ。錯乱状態のせいか、彼が幼く見えたからである。
「だから安心して!仲間がいればどんなことだって、平気だよ。君には力があって、たくさんの勇気があるんだから」
まるでヒーローショーのようなセリフだと、綠は思った。それでも今の彼に必要な言葉はいたって単純なものだ。繰り返し、何度も励ます。
深夜のせいか、看護師はなかなかやってこない。いつものことではあるが、綠はじれていた。定期的にスイッチを押すが、その気配はない。結局数十分も経ってから、ようやくやってきた。
嫌そうな顔をしながら後処理をする。適当な薬を処方され、暴れないように拘束具を装着すると舌打ちして戻っていった。
翌日、鍋島はけろっとした顔で綠に話しかけてきた。昨夜のことは何も覚えていないらしい。あまり追求すると不審がられると思い、綠は意図的にその話題を避けた。
「綠!どこに居る?ちょっと、来て!」
深夜、またもや大声で名を呼ばれた。今度は切羽詰まったものではない。ゆっくり体を起こすと、彼の元へ向かう。
「どうしたの?」
寝ぼけまなこで綠が問いかけると、鍋島はキラキラとした笑顔で何もない場所を指した。
「見える?あそこに大きな街がある」
それから彼は頭の中にあるらしい場所について、語り始める。身振り手振りを使い、実に楽しそうである。綠はそれに合わせて相槌を打ち、話を聞く。
そこでは二人とも元気で、飛び回るようにあちこち見て回っているらしい。走ることも、好きなものを食べることもできる。なに不自由ない幸福な世界であった。
時々動きが少なくなり、会話が少なくなったかと思うとまたもとに戻る。その繰り返しは明け方まで続いた。
朝になると彼はこのことを全く覚えていない。うとうとと眠そうにしながら日中を過ごす。綠も鍋島に付き合っていたからか、完全に昼夜が逆転していた。
またある夜は彼の中で大会が開かれているのか、見えないハードルを飛び越えたりと、激しい運動をし始めた。ボロボロの体でそんなことをはじめるのだ。
綠はまた看護師を呼び、彼は完全に体を拘束されることもあった。
そんな日々が一週間ほど続き、ようやく綠は解放された。
「ごめん!綠さん」
あれからしばらく過ぎた後、綠は唐突に謝られた。
「なんのこと?」
「術後に俺がおかしくなって、ずっと付き合ってくれたって聞いた」
どうやら周りに居た誰かから聞いたらしい。おそらく尾ひれと毒が混じった事実を言われたのだろう。
入院直後、鍋島はみんなの人気者であったが、今は綠としか関わろうとしない。おまけに頻繁に騒ぎを起こす。二人は周りからよく思われていなかった。
「最初は怖かったけど、手術の後だし仕方ないことだよ」
暇を持て余している綠は勝手に医学書を読んで、事実に気づいた。年を取った人だけではなく、彼の年でも起こる場合があるらしい。
「……っで、でも。夜中に走り回るとか。あ~恥ずかしい」
鍋島は自分の姿を想像したのか、手で顔を抑える。
「通常時でそれをやったら、恥ずかしいと思うけど。今の鍋島くんは恥じる必要ないと思うよ」
綠がきっぱり言うと、鍋島は顔を上げた。
「綠さん……ん?あのさ、なんか食べづらそうにしてない?」
鍋島は食事する姿を見て、首をひねった。
「なんかあんまり右手が動かなくて」
それだけではなく、右半身全体が動きづらかった。彼のように手術をしていない分、進行が速いのだろう。
「俺もだよ。利き手じゃないから、まだマシだけど。そうだ!食べさせてあげる」
そう言うと、返事を聞かずに綠のベッドに座る。距離を詰めてくっつくと、匙を取り綠の口元に持って行った。
「はい、綠さん」
断るタイミングは一切なかった。少しだけためらったが、動きづらいのは事実である。大人しく口に含むと、鍋島は幸せそうに笑った。
綠は徐々に体の自由がきかなくなってきた。だが、それに反して痛みを伴う発作が減ってきた。徐々に終わりが近づいているのだろうと、綠は確信する。
「あぁあああ!!痛い!嫌だ……死にたくない、死にたくない」
自分より良くなったはずの鍋島は苦しむ回数が増えた。術前は落ち着いていたというのに、また逆戻りである。
良くすることで、発作が多発していた時期にかえってしまったのだろう。今の綠には彼をどうすることもできない。
「神さま……誰でもいいから、俺を助けて」
痛みの声と祈り。ずっと、それが繰り返され続ける。綠は理解した。ずっと祈っていたのは綠のためではない。苦しむ自分の姿を見て、そうなる己を想像し恐れてしまったのだろう。
そのことに不快感はない。理由がどうであれ、傍にいてくれたことに変わりはないのだから。
◇
その日の彼はいつも通りに思えた。だが、体はとっくに限界を迎えていたのだ。そのことに誰も気づきはしなかった。
偶々体調がよかったのか、綠は歩行器につかまりながら歩いていた。鍋島は寝ているらしく、わざわざ声をかけることはしない。廊下を一周したら戻ろうと、綠は考えていた。
あと少しで扉というところで、叫び声が聞こえた。それと同時に綠は背筋に悪寒が走った。重い体を引きずりながら部屋に戻ると、案の定鍋島が発作に苦しんでいた。その様子は明らかにおかしかった。
いつもは苦しみで閉じられている目が開かれている。打ち上げられた魚のように痙攣する姿は、容易に最悪を想像させられる。
既に看護師たちが呼ばれていたらしく、医師を連れ立って慌ててやってきた。綠の横を通り過ぎ、何かを言っている。
綠にはどうすることもできなかった。ただ立って、その苦しみを目に焼き付けるしかない。心臓を引きちぎられるような痛みと吐き気、その事実が辛くて、自分の方が死んでしまいそうだと思った。
「心肺停止しました。すぐに処置を」
その声だけは響くように聞こえた。ついにこの日が来てしまったのだと、ショックを受けた綠はその場に倒れ込んだ。
「姉さん!!」
背中に鈍い痛みが走る。この声もきっと幻聴だろう、そう思い綠は意識を失った。
全身麻酔がまだとけていないせいか、その日の夜は目覚めることはなかった。
翌日目を覚ました彼はまず綠のことを呼ぶと、手を握ることを頼まれた。何かを話す元気もないのか、どこか遠い目をしている。
時々意識をなくしたのではないかと綠は心配になり、肩を叩いた。すると、すぐに意識を取り戻す。
夜になると、よく眠れないらしく睡眠導入薬を追加で処方されていた。
――問題は次の日の夜であった。
「うわあああぁああ!帰る!帰してくれ!」
大きな叫び声が聞こえ、綠は目を覚ました。
「どうせ死ぬって、知ってるんだ。だから、放っておいてくれよ!」
痛む体に耐えながら、なんとか起き上がる。夜中にたたき起こされたからか、ひどく怠い。そんなことを考えると、何かが倒れるような騒音が聞こえた。
慌てて鍋島の元へ駆けよると、その場はまるで地獄絵図のようだった。
「嫌だ……違う。死にたくない、死にたくない、死にたくないっ!!」
白い布団と枕が飛び散った血に濡れ、真っ赤な染みを作っている。彼の顔にも飛び散り、手元も赤い。よく見てみると管のようなものを握っている。
「鍋島……くん?え……あ、点滴を無理やり取っちゃったのか」
あまりにもひどい光景から、一瞬頭が真っ白になった。事実を突き止めると、綠はナースコールのスイッチを押す。さすがにこれは、いち病人の手に負えるものではない。
「鍋島くん!しっかりして。もう全部終わったから、元気出して」
綠が励ます声をかけると、鍋島はうつろな目で見つめてくる。
「……ナベシマ……って誰?そもそも俺は誰だ?わからない。痛い、寂しい、辛い」
生理的な涙を見ることはあったが、こんな風に泣くのははじめてである。
「えっと、敦くんだよ。私は綠」
「そう、綠は俺のなに?」
問いかけられて言いよどむ。友達や恋人、病室が一緒の人。どれもしっくりこなかったからだ。
「わたしは……敦くんの、な、なかまだよ!」
安心させるための嘘をつく手もあったが、とっさにこれを選んだ。錯乱状態のせいか、彼が幼く見えたからである。
「だから安心して!仲間がいればどんなことだって、平気だよ。君には力があって、たくさんの勇気があるんだから」
まるでヒーローショーのようなセリフだと、綠は思った。それでも今の彼に必要な言葉はいたって単純なものだ。繰り返し、何度も励ます。
深夜のせいか、看護師はなかなかやってこない。いつものことではあるが、綠はじれていた。定期的にスイッチを押すが、その気配はない。結局数十分も経ってから、ようやくやってきた。
嫌そうな顔をしながら後処理をする。適当な薬を処方され、暴れないように拘束具を装着すると舌打ちして戻っていった。
翌日、鍋島はけろっとした顔で綠に話しかけてきた。昨夜のことは何も覚えていないらしい。あまり追求すると不審がられると思い、綠は意図的にその話題を避けた。
「綠!どこに居る?ちょっと、来て!」
深夜、またもや大声で名を呼ばれた。今度は切羽詰まったものではない。ゆっくり体を起こすと、彼の元へ向かう。
「どうしたの?」
寝ぼけまなこで綠が問いかけると、鍋島はキラキラとした笑顔で何もない場所を指した。
「見える?あそこに大きな街がある」
それから彼は頭の中にあるらしい場所について、語り始める。身振り手振りを使い、実に楽しそうである。綠はそれに合わせて相槌を打ち、話を聞く。
そこでは二人とも元気で、飛び回るようにあちこち見て回っているらしい。走ることも、好きなものを食べることもできる。なに不自由ない幸福な世界であった。
時々動きが少なくなり、会話が少なくなったかと思うとまたもとに戻る。その繰り返しは明け方まで続いた。
朝になると彼はこのことを全く覚えていない。うとうとと眠そうにしながら日中を過ごす。綠も鍋島に付き合っていたからか、完全に昼夜が逆転していた。
またある夜は彼の中で大会が開かれているのか、見えないハードルを飛び越えたりと、激しい運動をし始めた。ボロボロの体でそんなことをはじめるのだ。
綠はまた看護師を呼び、彼は完全に体を拘束されることもあった。
そんな日々が一週間ほど続き、ようやく綠は解放された。
「ごめん!綠さん」
あれからしばらく過ぎた後、綠は唐突に謝られた。
「なんのこと?」
「術後に俺がおかしくなって、ずっと付き合ってくれたって聞いた」
どうやら周りに居た誰かから聞いたらしい。おそらく尾ひれと毒が混じった事実を言われたのだろう。
入院直後、鍋島はみんなの人気者であったが、今は綠としか関わろうとしない。おまけに頻繁に騒ぎを起こす。二人は周りからよく思われていなかった。
「最初は怖かったけど、手術の後だし仕方ないことだよ」
暇を持て余している綠は勝手に医学書を読んで、事実に気づいた。年を取った人だけではなく、彼の年でも起こる場合があるらしい。
「……っで、でも。夜中に走り回るとか。あ~恥ずかしい」
鍋島は自分の姿を想像したのか、手で顔を抑える。
「通常時でそれをやったら、恥ずかしいと思うけど。今の鍋島くんは恥じる必要ないと思うよ」
綠がきっぱり言うと、鍋島は顔を上げた。
「綠さん……ん?あのさ、なんか食べづらそうにしてない?」
鍋島は食事する姿を見て、首をひねった。
「なんかあんまり右手が動かなくて」
それだけではなく、右半身全体が動きづらかった。彼のように手術をしていない分、進行が速いのだろう。
「俺もだよ。利き手じゃないから、まだマシだけど。そうだ!食べさせてあげる」
そう言うと、返事を聞かずに綠のベッドに座る。距離を詰めてくっつくと、匙を取り綠の口元に持って行った。
「はい、綠さん」
断るタイミングは一切なかった。少しだけためらったが、動きづらいのは事実である。大人しく口に含むと、鍋島は幸せそうに笑った。
綠は徐々に体の自由がきかなくなってきた。だが、それに反して痛みを伴う発作が減ってきた。徐々に終わりが近づいているのだろうと、綠は確信する。
「あぁあああ!!痛い!嫌だ……死にたくない、死にたくない」
自分より良くなったはずの鍋島は苦しむ回数が増えた。術前は落ち着いていたというのに、また逆戻りである。
良くすることで、発作が多発していた時期にかえってしまったのだろう。今の綠には彼をどうすることもできない。
「神さま……誰でもいいから、俺を助けて」
痛みの声と祈り。ずっと、それが繰り返され続ける。綠は理解した。ずっと祈っていたのは綠のためではない。苦しむ自分の姿を見て、そうなる己を想像し恐れてしまったのだろう。
そのことに不快感はない。理由がどうであれ、傍にいてくれたことに変わりはないのだから。
◇
その日の彼はいつも通りに思えた。だが、体はとっくに限界を迎えていたのだ。そのことに誰も気づきはしなかった。
偶々体調がよかったのか、綠は歩行器につかまりながら歩いていた。鍋島は寝ているらしく、わざわざ声をかけることはしない。廊下を一周したら戻ろうと、綠は考えていた。
あと少しで扉というところで、叫び声が聞こえた。それと同時に綠は背筋に悪寒が走った。重い体を引きずりながら部屋に戻ると、案の定鍋島が発作に苦しんでいた。その様子は明らかにおかしかった。
いつもは苦しみで閉じられている目が開かれている。打ち上げられた魚のように痙攣する姿は、容易に最悪を想像させられる。
既に看護師たちが呼ばれていたらしく、医師を連れ立って慌ててやってきた。綠の横を通り過ぎ、何かを言っている。
綠にはどうすることもできなかった。ただ立って、その苦しみを目に焼き付けるしかない。心臓を引きちぎられるような痛みと吐き気、その事実が辛くて、自分の方が死んでしまいそうだと思った。
「心肺停止しました。すぐに処置を」
その声だけは響くように聞こえた。ついにこの日が来てしまったのだと、ショックを受けた綠はその場に倒れ込んだ。
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