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本編
44:失われたもの
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「よくぞいらっしゃいました、異邦者ヌイさま」
スヴァトプルク家の屋敷は他に比べればそう大きなものではなかったが、一目で歴史ある名家であることがうかがえた。
室内に置いてある調度品も上品で、古いものが多い。ぬいは執事にホールへとつながるドアを開けてもらった。
奥にはちょうど折り返し階段を下りきったノルと、左右に立ち並んだ使用人たちが並んでいた。ぬいは大人数で出迎えられたことに動揺する。
もっと裏口のようなところに入って、小さな部屋で話すのかと思っていたからだ。
「ヌイ!」
ノルは嬉しそうに駆け寄ると、中途半端に両手を上げて止まった。握手だとしたら、片手だろう。
ぬいはどうすべきか迷っていると、使用人たちが妙に微笑ましそうな顔でこちらを見ていた。
左腕にあることが最早当たり前になってきた腕輪を見た瞬間、その笑みが増したようである。
「こんにちは、ノルくん」
両手が出ているのであれば、双方ともに握手すればいい。ぬいはノルの手を掴むと軽く振った。
坊ちゃんと小さな声が聞こえた。どうやらノルは彼自身を大事に想ってくれる人と生活をしているらしい。
羨ましさを感じるとともに、性格が少し曲がってしまった原因はなんだろうと考える。おそらく、両親の死と貴族相手にもまれたからだろう。
「さ、さっそく食卓に案内しよう」
すぐに本題に入ったりお茶で濁さないあたり、ノルはぬいのことを理解してきている。
「うん」
ノルに手を取られ、ゆっくりとエスコートされた。
◇
スヴァトプルク家の食卓は以外にも狭かった。席も六席しかない。
さすがに普段共に居る人の目があるからか、隣に座ることはしなかった。
「この席にはかつて母が座っていた。ヌイが座っている場所が父の席で、その隣が僕だった」
上座が母親であるのは、彼女が当主であったからだろう。ノルにはおそらく兄弟姉妹はいない。祖父母もおそらく生きていないはずだ。
「ノルくんはずっとここに、一人で食事していたの?」
「……ああ、昔は偶にわがままを言って、皆に同席してもらったこともあった」
過去形で言うということは、今は一人だということだ。
「それよりも、食事はどうだ?」
ノルは暗くならないように気を使ってくれたようである。
「もちろん、おいしいよ!」
その気遣いを無駄にしないよう、ぬいは明るく答える。
珍しい食材を使ったというよりも、料理人の腕がいいのだろう。
「よかった……」
なぜか最難関を乗り切ったかのように、息を大きく吐いた。
「ノルくんはいい人たちに囲まれているね」
そう言うと、ノルはああと短くつぶやいた。
ぬいの過去で味方をしてくれたのは弟だけであった。両親どころか、周りも敵だった。それを知っているからこそ、あからさまに喜ぶことを控えたのだろう。
◇
次に案内されたのは、美術品の類が置かれている部屋であった。そこの中央に大きな肖像画が一枚。そして、左右にずらりと小さなものが並んでいた。
「この奥にあるのが、イザーク・スヴァトプルク。異邦者であったと言われ、僕の先祖だ」
ノルの過去移し時には姿は見えなかったが、ようやく目にすることができた。
暗い赤毛に漆黒の目。涼やかな目元には意志の強さを感じられる。
「初代スヴァトプルクと思いきや、その名を持っていたのはその伴侶の方だ、彼女は代々短命で早ければ十代で命を落とすほどだったが、イザークと出会ってからは、ひ孫が見れる程長生きしたらしい」
「ノルくんの名前ってさ、途中にイザークって入ってるよね?」
「ああ、スヴァトプルクの当主はその名を継ぐ決まりになっている」
「なるほど」
彼の長い本名の理由が分かり、ぬいは納得した。
次にノルは一番手前にある、燃えるような赤毛を持った女性に目を向ける。一目で血縁が分かる程、そっくりな容姿である。
「彼女が僕の母親で……当主だった。立ち話ですむものではないから、座ろうか」
ノルは奥にあるソファーまでぬいを連れていくと座らせた。その正面に彼も座る。
「この辺りまでは、一般よりも長生きなくらいだった。しかし、次第に。気づかないうちに寿命は目減りしていく」
ノルは肖像画の中央を指さす。
「全員が突然死するのではない。様々原因で死に至っていく。だから、最初はだれも気付かなかった」
ノルは下を向く。ぬいも変に相槌を打たず、黙って話を聞いていた。
「曾祖母の代でようやく気付いた。僕までになると、三十代で死に至る可能性が高い。両親もそうだった」
「だったら、ノルくんあと数年しか残ってないの?」
ぬいが震える声で言うと、ノルは顔を上げて言い辛そうにする。
「三十になった途端どうこうなるわけではない。なった瞬間か四十手前かは誰もわからない」
「……それって、家の人全員そうなの?」
「当主になった者とその伴侶のみだ」
ぬいはようやくペトルの言っていた意味が理解できた。
「だから、ヌイに謝りたい。両親の死を堕神のせいであると、ずっとそうやって押し付けて逃げていた」
ノルは立ち上げるとぬいの手を取る。
「ノルくんは……強いね」
「そんなことはない」
「ううん、認められて壊れないのは……」
ぬいは過去を考えそうになり、首を振る。
「でもさ、無理してそう考えなくていい。一番悪いのは両親を殺した堕神なんだって、思うくらいいんだよ……そうなるべき未来なんてないんだから」
「ありがとう、ヌイ」
ノルはぬいを見て笑った。
「でも、僕はそのためにヌイを利用しているわけではない。どうか、そのことをわかってほしい」
彼の手は震えていた。それほどまでに、誤解されるのが怖かったのだろう。
「うん、わかってるよ。だって、そのつもりだったら最初の態度はもっとよかっただろうし。ノルくんってさ、どんな人でも誠実というか、素直だから」
だからこそ、ぬいはどんな態度を取られようが対応した。無下にするような真似はしなかった。
そうでなかったのであれば、ぬいはそもそも関わることをできるだけ避けただろう。
暗くなった雰囲気を霧散しようと、からかうように軽い口調で言う。
「うっ、けなすのか褒めるのかどっちかにしてくれ」
「じゃあ、褒めよう。偉い!」
そう言うと、ノルはぬいから目をそらした。その顔は赤くなっている。
――ここでぬいは決定的な異変に気付いた。
ノルのことは人として好きだし、友人としても好ましい。
最初は言葉通り、今までの謝罪としてだと思っていた。だがこれまでの態度を見れば、そろそろ彼が自分のことを、どういう目で見ているかは理解してきている。
接触されるのも嫌ではなかった。しかし不快ではないだけで、実際は強い感情が湧くことはない。あるのは急にされたという驚きくらいだろう。
そもそもぬいは生きてきて、これほどまでに触られることはなかったのだから。
ノルに対し感情が揺さぶられることはある。最初は激怒し、憐みを感じ悲しく思い。そして、一緒に居て楽しい。
だというのに、どれだけ心が動かされても恋情はもちろん、愛情も感じえないのだ。それが異性のものでも友人のものであってもだ。
生まれそうなときはあるが、強制的に抑えられてしまう。まるで大きな穴に投げられ、掻き消えていくようであった。
ただ楽しく心地よく感じるのみであり、そこに激情はない。
恥じらいもすべて掻き消えていた。
同性であっても着替えを見られたら恥ずかしい。小さな男の子にスカートをめくられれば顔が赤くなる。食べすぎを指摘される。そんなことがあっても、なにも思わない。
以前はあったものだ。そんな普通の恥ずかしさが全くないのである。ある程度落ち着いている自覚はあっても、あまりにも極端すぎる。
ぬいは自分の感情がここへ来てから、決定的に欠落していることを自覚した。
スヴァトプルク家の屋敷は他に比べればそう大きなものではなかったが、一目で歴史ある名家であることがうかがえた。
室内に置いてある調度品も上品で、古いものが多い。ぬいは執事にホールへとつながるドアを開けてもらった。
奥にはちょうど折り返し階段を下りきったノルと、左右に立ち並んだ使用人たちが並んでいた。ぬいは大人数で出迎えられたことに動揺する。
もっと裏口のようなところに入って、小さな部屋で話すのかと思っていたからだ。
「ヌイ!」
ノルは嬉しそうに駆け寄ると、中途半端に両手を上げて止まった。握手だとしたら、片手だろう。
ぬいはどうすべきか迷っていると、使用人たちが妙に微笑ましそうな顔でこちらを見ていた。
左腕にあることが最早当たり前になってきた腕輪を見た瞬間、その笑みが増したようである。
「こんにちは、ノルくん」
両手が出ているのであれば、双方ともに握手すればいい。ぬいはノルの手を掴むと軽く振った。
坊ちゃんと小さな声が聞こえた。どうやらノルは彼自身を大事に想ってくれる人と生活をしているらしい。
羨ましさを感じるとともに、性格が少し曲がってしまった原因はなんだろうと考える。おそらく、両親の死と貴族相手にもまれたからだろう。
「さ、さっそく食卓に案内しよう」
すぐに本題に入ったりお茶で濁さないあたり、ノルはぬいのことを理解してきている。
「うん」
ノルに手を取られ、ゆっくりとエスコートされた。
◇
スヴァトプルク家の食卓は以外にも狭かった。席も六席しかない。
さすがに普段共に居る人の目があるからか、隣に座ることはしなかった。
「この席にはかつて母が座っていた。ヌイが座っている場所が父の席で、その隣が僕だった」
上座が母親であるのは、彼女が当主であったからだろう。ノルにはおそらく兄弟姉妹はいない。祖父母もおそらく生きていないはずだ。
「ノルくんはずっとここに、一人で食事していたの?」
「……ああ、昔は偶にわがままを言って、皆に同席してもらったこともあった」
過去形で言うということは、今は一人だということだ。
「それよりも、食事はどうだ?」
ノルは暗くならないように気を使ってくれたようである。
「もちろん、おいしいよ!」
その気遣いを無駄にしないよう、ぬいは明るく答える。
珍しい食材を使ったというよりも、料理人の腕がいいのだろう。
「よかった……」
なぜか最難関を乗り切ったかのように、息を大きく吐いた。
「ノルくんはいい人たちに囲まれているね」
そう言うと、ノルはああと短くつぶやいた。
ぬいの過去で味方をしてくれたのは弟だけであった。両親どころか、周りも敵だった。それを知っているからこそ、あからさまに喜ぶことを控えたのだろう。
◇
次に案内されたのは、美術品の類が置かれている部屋であった。そこの中央に大きな肖像画が一枚。そして、左右にずらりと小さなものが並んでいた。
「この奥にあるのが、イザーク・スヴァトプルク。異邦者であったと言われ、僕の先祖だ」
ノルの過去移し時には姿は見えなかったが、ようやく目にすることができた。
暗い赤毛に漆黒の目。涼やかな目元には意志の強さを感じられる。
「初代スヴァトプルクと思いきや、その名を持っていたのはその伴侶の方だ、彼女は代々短命で早ければ十代で命を落とすほどだったが、イザークと出会ってからは、ひ孫が見れる程長生きしたらしい」
「ノルくんの名前ってさ、途中にイザークって入ってるよね?」
「ああ、スヴァトプルクの当主はその名を継ぐ決まりになっている」
「なるほど」
彼の長い本名の理由が分かり、ぬいは納得した。
次にノルは一番手前にある、燃えるような赤毛を持った女性に目を向ける。一目で血縁が分かる程、そっくりな容姿である。
「彼女が僕の母親で……当主だった。立ち話ですむものではないから、座ろうか」
ノルは奥にあるソファーまでぬいを連れていくと座らせた。その正面に彼も座る。
「この辺りまでは、一般よりも長生きなくらいだった。しかし、次第に。気づかないうちに寿命は目減りしていく」
ノルは肖像画の中央を指さす。
「全員が突然死するのではない。様々原因で死に至っていく。だから、最初はだれも気付かなかった」
ノルは下を向く。ぬいも変に相槌を打たず、黙って話を聞いていた。
「曾祖母の代でようやく気付いた。僕までになると、三十代で死に至る可能性が高い。両親もそうだった」
「だったら、ノルくんあと数年しか残ってないの?」
ぬいが震える声で言うと、ノルは顔を上げて言い辛そうにする。
「三十になった途端どうこうなるわけではない。なった瞬間か四十手前かは誰もわからない」
「……それって、家の人全員そうなの?」
「当主になった者とその伴侶のみだ」
ぬいはようやくペトルの言っていた意味が理解できた。
「だから、ヌイに謝りたい。両親の死を堕神のせいであると、ずっとそうやって押し付けて逃げていた」
ノルは立ち上げるとぬいの手を取る。
「ノルくんは……強いね」
「そんなことはない」
「ううん、認められて壊れないのは……」
ぬいは過去を考えそうになり、首を振る。
「でもさ、無理してそう考えなくていい。一番悪いのは両親を殺した堕神なんだって、思うくらいいんだよ……そうなるべき未来なんてないんだから」
「ありがとう、ヌイ」
ノルはぬいを見て笑った。
「でも、僕はそのためにヌイを利用しているわけではない。どうか、そのことをわかってほしい」
彼の手は震えていた。それほどまでに、誤解されるのが怖かったのだろう。
「うん、わかってるよ。だって、そのつもりだったら最初の態度はもっとよかっただろうし。ノルくんってさ、どんな人でも誠実というか、素直だから」
だからこそ、ぬいはどんな態度を取られようが対応した。無下にするような真似はしなかった。
そうでなかったのであれば、ぬいはそもそも関わることをできるだけ避けただろう。
暗くなった雰囲気を霧散しようと、からかうように軽い口調で言う。
「うっ、けなすのか褒めるのかどっちかにしてくれ」
「じゃあ、褒めよう。偉い!」
そう言うと、ノルはぬいから目をそらした。その顔は赤くなっている。
――ここでぬいは決定的な異変に気付いた。
ノルのことは人として好きだし、友人としても好ましい。
最初は言葉通り、今までの謝罪としてだと思っていた。だがこれまでの態度を見れば、そろそろ彼が自分のことを、どういう目で見ているかは理解してきている。
接触されるのも嫌ではなかった。しかし不快ではないだけで、実際は強い感情が湧くことはない。あるのは急にされたという驚きくらいだろう。
そもそもぬいは生きてきて、これほどまでに触られることはなかったのだから。
ノルに対し感情が揺さぶられることはある。最初は激怒し、憐みを感じ悲しく思い。そして、一緒に居て楽しい。
だというのに、どれだけ心が動かされても恋情はもちろん、愛情も感じえないのだ。それが異性のものでも友人のものであってもだ。
生まれそうなときはあるが、強制的に抑えられてしまう。まるで大きな穴に投げられ、掻き消えていくようであった。
ただ楽しく心地よく感じるのみであり、そこに激情はない。
恥じらいもすべて掻き消えていた。
同性であっても着替えを見られたら恥ずかしい。小さな男の子にスカートをめくられれば顔が赤くなる。食べすぎを指摘される。そんなことがあっても、なにも思わない。
以前はあったものだ。そんな普通の恥ずかしさが全くないのである。ある程度落ち着いている自覚はあっても、あまりにも極端すぎる。
ぬいは自分の感情がここへ来てから、決定的に欠落していることを自覚した。
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