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本編
42:全く隠せていない
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「お~よく来てくれたね!ノル!もしかして、はじめてだよね。うわー、同性の友達を招けたのは感慨深いなあ」
出会い頭にトゥーにまくしたてられると、ノルはみるみるうちに不機嫌になっていく。
「誰が友だ。何度言ったらわかる?」
「ノルはそう思ってなくても、俺はそう思ってる!」
何の含みもない言い方である。その朗らかさに対し、ノルは嫌味の一つも言えなくなり、紙袋を突き出した。
「えっ!なになに、俺って誕生日だっけ?プレゼント?めっちゃ嬉しいんだけど」
トゥーは破顔すると、包みを開く。
「あれ?これって、俺が持ってたのと似てる?」
ウエストポーチとロケットペンダントを見ると、首を傾げた。
「ヌイに返すように言われただけだ。渡したなら帰る」
ノルがすぐにその場を立ち去ろうとすると、トゥーは転移して目の前に現れ、扉への道をふさいだ。
その力の無駄遣いにノルはやはり苛立ちを隠せない。
「ちょーっと待ってって。え?どういうことだろう。まずは、これありがとう」
彼はお礼を言うと頭を下げた。
ノルはトゥーのことが好きではないが、性格がまっすぐで、歪んでいないことはよくわかっている。だからこそ、気に入らなかった。
「あの時俺、すごく取り乱してたから……もしかして気にしてくれてた?」
「ハッ、誰が気にするか。さっき言っただろう」
ノルの態度は刺々しい。しかし、いつものことだからであるか、トゥーは気にしていない。
「さっきって……あのさ、前から思ってたけど、ノルってぬいのこと好きだよね?」
「なっ、君は。僕がヌイのことを……そっそんなわけ。ないにきまっ、きまって」
羞恥に顔が赤く染まっていく。何度も否定の言葉を出そうとするが、つっかえ、どもってしまう。
なにより、ヌイへの想いを否定したくない。ノルはそんな意識が出てしまい、隠すことができなかった。
「ノル……そこまで無理しなくていいから」
可哀そうな目でトゥーは見ると、ノルの肩を叩く。もちろんその手を振り払う余裕などなく、ただ赤面していた。他者から指摘され、より想いを自覚したからである。
「まあ、ちょっとお茶でも飲んでいったらどうかな?急がないから、話も聞かせてよ」
ドアをふさがれているため、このまま帰ることは不可能だ。そうでなくても、口止めせず勝手に好意を暴露される事態は避けたい。
ノルはトゥーの家から去ることをやめて、大人しく席に着いた。
◇
「いいか、借りは返した。これ以上僕とヌイに関わるなと約束しろ」
開き直ったノルが指を突きつけると、トゥーは腹を抱えて笑い出した。
「ぷっはははは!あのノルが!あ~腹痛い」
「笑うな!質問に答えろ」
ノルは恥ずかしさからか怒りからか、顔がまた赤くなっていく。
「ごめん、あまりにも見たことのない表情だから、つい面白くて。でも、なんで近づいちゃだめなの?」
トゥーは笑いすぎて涙も出てきたのか、右目を軽くぬぐった。
「万が一、ヌイが君のことを好きになったら……殺す」
ノルはもしもの想像をしてみる。ただ手を繋いでいる光景を。それだけで、胸に強い痛みを覚えた。
「っぷ、ははっ。ノルがそんなことをしないって、わかってるけど。中々に物騒だね。そこはおまえがぬいを好きになったら、彼女をかけて決闘を申し込もう!とかにしておこうよ」
「君に勝てる人間はこの国に早々いないだろう」
「そうでもないと思うけど。俺はただ降ってわいたものを与えられただけだから」
トゥーは珍しく自信なさげに否定する。
「でもさ、そこは普通、俺がぬいのことを好きになったらって言わない?」
「君は君を見てくれる人のことが、全て好きだろう?」
ノルがそう言うと、図星だったのか笑いを引っ込めると言葉を詰まらせる。
「その言葉は的を得てるね。なんだろう、確かに俺はみんなのことが好きなはず。でも、時々思うんだ。それって、本当に好きってことなのかな。ここに来てからさ、多少ドキドキしたりはするけど、一度も照れたことないんだよね」
いつもの明るい口調ではない。ただ淡々と語られるそれに、ノルは心当たりがあった。
「違和感はすぐに気づいた。だから俺は演技したんだ。ちゃんと照れるという感情があるってね。我ながら最低だ。いいなって思うことはあるけど、胸が締め付けられそうな何かを感じる前に、抑制される。俺はさ、何か大事なものをここに来る前に落としてきたのかもしれない」
「今までここへ来た異邦者に、感情の欠落は見られなかった」
「だったら、俺だけが変なのかな」
トゥーは軽く自嘲する。
「……ヌイも同じだ」
ノルは認めたくはなかった。落ち着いているだけと思いこんでいた。
どれだけあがこうと、意識されることはない。ただの年下の少年のような扱いをされる。
着々と外堀を埋めていき、接触するのを自然なことだと。拒否させられない状況に持ってくることはできている。
日常を共に過ごせるようになっているだけで、十分な成果ではあるが。それ以上にノルはぬいのことを渇望していた。
ぬいとトゥー。この二人には共通点が多い。だからこそ、最も危険であるとノルは考えている。
全く同じではないが、どことなく雰囲気が似ていて、外見不相応に老成している。枯れていると言ってもいいほどである。
それだけではなく、名と顔を明かさないよう教皇から言い聞かせられている。ノルは嫌な予感が胸をよぎっていた。
「いいか、絶対にヌイの前で仮面を外すなよ」
トゥーは自室にいるため、いつもの仮面をつけていない。この素顔を知って、記憶している人は片手で数えられるほどである。
「わかった、気を付ける」
いつも通り、好青年らしい返事をした。
トゥーの仮面は彼女に対する防止策でもある。それと同時に、不特定多数の人たちに素顔を覚えられないようにするためでもあるそうだ。
「でさ、ヌイのことを好きになったのっていつ?」
トゥーは好奇心を隠せず、目を輝かせながら前のめりになる。それに対し、ノルは顔を引きつらせながら、いいから食えと机の上にある食事を勧めた。
彼女と同じで、あきれる量だ。お茶と言ったのに、飲み物がどこかに隠れてしまっている。
「一皿食べた!さ、続き、続きっと。俺は会った時からそうじゃないかと思ってたけど」
ノルは過去映しでの失態を思い出し、顔をしかめる。
「自覚したのは最近だ……もうこれでいいだろう」
その話題を避けるように、ノルは一つ正直に言った。
「うわ~マジか。そりゃあ、なにも周りが見えなくなる時期だね」
いったい何歳だと、突っ込みたくなる言い方だ。トゥーもぬいも時々このような物言いをするときがある。
「どういう出来事でそう思ったの?きっかけは?俺的には結構初期から好きだったと思うけど、色んなしがらみから言えず、自分を否定してたって感じかな」
的確に当ててくるどころか、自覚のない深層心理まで暴きそうな勢いである。
「帰る」
ノルが立ち上がろうとすると、なぜか物理的に動くことができなかった。
「……こんなことに御業を行使したのか」
「やだな~、ノルだって使ったって聞いたけど?さっ、言ってって。もしかしたら、アドバイスできるかもしれないし」
トゥーは満面の笑みで言った。
「一応同郷だし、文化の差異から伝わらないってこと結構あると思うけど?」
こうしてノルは、まるで尋問のようにすべてを吐かされた。
出会い頭にトゥーにまくしたてられると、ノルはみるみるうちに不機嫌になっていく。
「誰が友だ。何度言ったらわかる?」
「ノルはそう思ってなくても、俺はそう思ってる!」
何の含みもない言い方である。その朗らかさに対し、ノルは嫌味の一つも言えなくなり、紙袋を突き出した。
「えっ!なになに、俺って誕生日だっけ?プレゼント?めっちゃ嬉しいんだけど」
トゥーは破顔すると、包みを開く。
「あれ?これって、俺が持ってたのと似てる?」
ウエストポーチとロケットペンダントを見ると、首を傾げた。
「ヌイに返すように言われただけだ。渡したなら帰る」
ノルがすぐにその場を立ち去ろうとすると、トゥーは転移して目の前に現れ、扉への道をふさいだ。
その力の無駄遣いにノルはやはり苛立ちを隠せない。
「ちょーっと待ってって。え?どういうことだろう。まずは、これありがとう」
彼はお礼を言うと頭を下げた。
ノルはトゥーのことが好きではないが、性格がまっすぐで、歪んでいないことはよくわかっている。だからこそ、気に入らなかった。
「あの時俺、すごく取り乱してたから……もしかして気にしてくれてた?」
「ハッ、誰が気にするか。さっき言っただろう」
ノルの態度は刺々しい。しかし、いつものことだからであるか、トゥーは気にしていない。
「さっきって……あのさ、前から思ってたけど、ノルってぬいのこと好きだよね?」
「なっ、君は。僕がヌイのことを……そっそんなわけ。ないにきまっ、きまって」
羞恥に顔が赤く染まっていく。何度も否定の言葉を出そうとするが、つっかえ、どもってしまう。
なにより、ヌイへの想いを否定したくない。ノルはそんな意識が出てしまい、隠すことができなかった。
「ノル……そこまで無理しなくていいから」
可哀そうな目でトゥーは見ると、ノルの肩を叩く。もちろんその手を振り払う余裕などなく、ただ赤面していた。他者から指摘され、より想いを自覚したからである。
「まあ、ちょっとお茶でも飲んでいったらどうかな?急がないから、話も聞かせてよ」
ドアをふさがれているため、このまま帰ることは不可能だ。そうでなくても、口止めせず勝手に好意を暴露される事態は避けたい。
ノルはトゥーの家から去ることをやめて、大人しく席に着いた。
◇
「いいか、借りは返した。これ以上僕とヌイに関わるなと約束しろ」
開き直ったノルが指を突きつけると、トゥーは腹を抱えて笑い出した。
「ぷっはははは!あのノルが!あ~腹痛い」
「笑うな!質問に答えろ」
ノルは恥ずかしさからか怒りからか、顔がまた赤くなっていく。
「ごめん、あまりにも見たことのない表情だから、つい面白くて。でも、なんで近づいちゃだめなの?」
トゥーは笑いすぎて涙も出てきたのか、右目を軽くぬぐった。
「万が一、ヌイが君のことを好きになったら……殺す」
ノルはもしもの想像をしてみる。ただ手を繋いでいる光景を。それだけで、胸に強い痛みを覚えた。
「っぷ、ははっ。ノルがそんなことをしないって、わかってるけど。中々に物騒だね。そこはおまえがぬいを好きになったら、彼女をかけて決闘を申し込もう!とかにしておこうよ」
「君に勝てる人間はこの国に早々いないだろう」
「そうでもないと思うけど。俺はただ降ってわいたものを与えられただけだから」
トゥーは珍しく自信なさげに否定する。
「でもさ、そこは普通、俺がぬいのことを好きになったらって言わない?」
「君は君を見てくれる人のことが、全て好きだろう?」
ノルがそう言うと、図星だったのか笑いを引っ込めると言葉を詰まらせる。
「その言葉は的を得てるね。なんだろう、確かに俺はみんなのことが好きなはず。でも、時々思うんだ。それって、本当に好きってことなのかな。ここに来てからさ、多少ドキドキしたりはするけど、一度も照れたことないんだよね」
いつもの明るい口調ではない。ただ淡々と語られるそれに、ノルは心当たりがあった。
「違和感はすぐに気づいた。だから俺は演技したんだ。ちゃんと照れるという感情があるってね。我ながら最低だ。いいなって思うことはあるけど、胸が締め付けられそうな何かを感じる前に、抑制される。俺はさ、何か大事なものをここに来る前に落としてきたのかもしれない」
「今までここへ来た異邦者に、感情の欠落は見られなかった」
「だったら、俺だけが変なのかな」
トゥーは軽く自嘲する。
「……ヌイも同じだ」
ノルは認めたくはなかった。落ち着いているだけと思いこんでいた。
どれだけあがこうと、意識されることはない。ただの年下の少年のような扱いをされる。
着々と外堀を埋めていき、接触するのを自然なことだと。拒否させられない状況に持ってくることはできている。
日常を共に過ごせるようになっているだけで、十分な成果ではあるが。それ以上にノルはぬいのことを渇望していた。
ぬいとトゥー。この二人には共通点が多い。だからこそ、最も危険であるとノルは考えている。
全く同じではないが、どことなく雰囲気が似ていて、外見不相応に老成している。枯れていると言ってもいいほどである。
それだけではなく、名と顔を明かさないよう教皇から言い聞かせられている。ノルは嫌な予感が胸をよぎっていた。
「いいか、絶対にヌイの前で仮面を外すなよ」
トゥーは自室にいるため、いつもの仮面をつけていない。この素顔を知って、記憶している人は片手で数えられるほどである。
「わかった、気を付ける」
いつも通り、好青年らしい返事をした。
トゥーの仮面は彼女に対する防止策でもある。それと同時に、不特定多数の人たちに素顔を覚えられないようにするためでもあるそうだ。
「でさ、ヌイのことを好きになったのっていつ?」
トゥーは好奇心を隠せず、目を輝かせながら前のめりになる。それに対し、ノルは顔を引きつらせながら、いいから食えと机の上にある食事を勧めた。
彼女と同じで、あきれる量だ。お茶と言ったのに、飲み物がどこかに隠れてしまっている。
「一皿食べた!さ、続き、続きっと。俺は会った時からそうじゃないかと思ってたけど」
ノルは過去映しでの失態を思い出し、顔をしかめる。
「自覚したのは最近だ……もうこれでいいだろう」
その話題を避けるように、ノルは一つ正直に言った。
「うわ~マジか。そりゃあ、なにも周りが見えなくなる時期だね」
いったい何歳だと、突っ込みたくなる言い方だ。トゥーもぬいも時々このような物言いをするときがある。
「どういう出来事でそう思ったの?きっかけは?俺的には結構初期から好きだったと思うけど、色んなしがらみから言えず、自分を否定してたって感じかな」
的確に当ててくるどころか、自覚のない深層心理まで暴きそうな勢いである。
「帰る」
ノルが立ち上がろうとすると、なぜか物理的に動くことができなかった。
「……こんなことに御業を行使したのか」
「やだな~、ノルだって使ったって聞いたけど?さっ、言ってって。もしかしたら、アドバイスできるかもしれないし」
トゥーは満面の笑みで言った。
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