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本編
17:重教義違反者
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「調査の結果、門を出てすぐ近くに重教義違反者が居るとわかった。最後の締めとしては、これを解決できれば上出来だ」
二人は門を潜り抜け、外を歩く。まるで最初に出会った時のように、平地をただ歩いていく。外に出た途端肌寒さに身を震わせるが、耐えれないほどではない。
その様子にノルは気づいたのか、ちらりと視線を向ける。
「短時間なら問題無いな」
そう言うとまた背中を向ける。おそらく寒さのことだろうとぬいは納得し、追求はしなかった。
前と違うのは二人とも神官服という点であり、荷物は少ない。唯一目立つのはノルの持っている杖であった。通常の物との差異は柄の部分が水晶でできているところだ。
教皇の持っているような、盛大な儀式に使うような錫杖ではなく、普段使いできそうなシンプルなデザインで、センスの良さを感じられる。
「ねえ、どう見ても潜伏できるような場所なさそうだけど」
ぬいが当初歩いてきたように、ここ周辺はほぼ平地である。隠れる場所はありそうに見えない。
「っは、その辺を歩いているわけないだろう」
ノルはぬいを小ばかにしながら、あたりを見渡す。すると、何かを見つけたのか大きな水晶に杖を当てる。
するとバチリと静電気のような音と共に、ノルははじかれた。
「ここだ。我らが神たちよ。ご加護にに感謝いたします……迷える心を断絶せよ」
強く言い切ると光と共に水晶が崩れ落ちた。
「もしかして……地下にいるの?」
水晶があった場所は、人ひとりが入れる大きさの空洞があった。
「その通りだ、いいか堕神。くれぐれも勝手に行動をせず、周りを見ろ」
ノルは懐から水晶を取り出すと明かりを灯し、穴へと潜り込む。ぬいは気を引き締め追随した。
◇
狭かったのは入り口だけであった。奥へ進めば進むほど開けていき、大きな水晶と光り輝く苔ときのこが数を増す。
幻想的な光景にぬいは目を奪われていると、足元の出っ張った水晶に躓いた。
地面に細かく生えている水晶は大分削られてはいるが、よくない傷を負ってしまうだろう。ぬいはそれを想像すると目をつぶる。
しかし、待っていた痛みは来なかった。
「どこを見て歩いている」
呆れた声が聞こえ、そっと目を開けるとぬいはノルに支えられていた。
「え?」
予想外の対応にぬいは目を丸くする。まさか助けられるとは思わず、むしろ気付かずに置いて行かれるのではと、考えていたからだ。
無事だった彼女を確認するとノルは軽く突き放した。少しよろけるが、難なく踏みとどまる。
「……堕神に触れるなど、気持ち悪い」
ノルはいつも通り手を払うと、嫌そうな顔をする。
「ありがとう」
助けてもらったのは事実であり、素直に礼を言う。まっすぐ目を見るぬいを直視できなくなったのか、ノルは背中を向けると歩き出す。
慌てて後を追うが、意外にも足取りは速くない。おそらく気を使って速度を遅くしているのだろう。
ノルはぬいに対する嫌悪や多少の高慢さこそあれど、気を遣え真摯である。忠告や説明などもしてくれる。
「いい両親に育てられたんだろうね」
所作の洗練さから、きちんとした教育を受けていたことが分かる。ぬいがそう小さくもらすと、ノルが歩みを止めた。
急な動きに、ぬいはぶつかりそうになるが、すんでのところで踏みとどまる。
「なに?どうしたの?」
後ろから問いかけると、ノルはびくりと肩を震わせる。
「……なんでもない」
その声は何かに耐えているようで、怒気のようなものは感じられない。ぬいが首をかしげていると、またノルは進み始めた。
しばらく同じような道幅を進んでいくと、奥の方がちょっとした広間のように開けているのが見えた。まるで山のように水晶がそびえたち、きのこが生い茂っている。
胞子が飛んでいるのが目視できるが、彼は何も言わない。吸っても人体に害はないのだろう。そうぬいは結論付け、信用することにした。
「そろそろだ。堕神、絶対に傍を離れるな。勝手な行動も厳禁だ、いいな」
ノルは振り返って、言い聞かせる。ぬいは素直に頷くと、距離を詰めた。
案の定ノルは不快そうな顔をするが、何も言わなかった。それほどまでに、穏やかではない何かがあるのだろう。
ぬいはつばを飲み込んだ。少し前に水を飲んだばかりだというのに、渇きを覚えていた。
しかしノルの目には余裕そうに映ったのか、舌打ちされる。
そのままゆっくり進んでいくと、山水晶の手前に数人の男たちが居た。ぬいは相対するのがちゃんとした人間であった事実から、ホッと息を吐く。だが、そう安堵はさせてくれない。ノルは彼らを確認できた瞬間、小さく何かをつぶやいている。
「神々よ、日々の見守りに感謝を。どうかお見届けを……」
次々と紡がれていく言葉は、どう聞いても聖句である。会ってそうそう何をするつもりだろうと、訝しみながらノルの横に並んだ。
顔を覗き込むと、真剣そのものの表情で彼らを見据えていた。ぬいはその表情を見て、いいつけ通り従おうと決めた。ノルの後ろへ戻ると、こっそり向こうの人たちを伺う。
彼らは四人組であった。ぬいが最初に寝ていたような水晶の台座の上にあぐらをかき、円を描くようにして座っている。
その中心には大小さまざまな水晶が山のように積み重なっており、彼らはそれらをうっとりと眺めていた。
だが、近づく二人に気づいた瞬間、立ち上がり口論が聞こえてくる。
「おい!なんで神官の侵入をさせてんだ!」
「知らねえよ、見回りの時間はまだだったはずだ」
「いいから、さっさと押さえちまえ。相手はガキ二人、こっちの方が多い」
子供扱いされたことにぬいは口を少し膨らませる。だが、彼らより年下であることは事実だ。
「早くしろ!男の方、俺らを矯正しようとしやがる」
矯正という言葉が聞こえた瞬間、最奥に居たリーダー格らしき人物以外飛び出してきた。
ガラの悪い男たち三人が襲いかかってくるなど、あまりないことである。ぬいはどこに身を置いていいか戸惑った。ノルの後ろから向こうを覗くと、彼らと目が合った。
「男の方を押さえるか、よけて女の方を押さえろ!」
リーダー格の男が指示を出す。しかし、ぬいは心配していなかった。ノルの方こそが、悪党のように笑っていたからだ。
最初に刃物を振りかざした男を杖でいなすと、そのまま背中を叩く。これで一人目がぬいの近くに倒れた。
次に二人目と三人目が近づくと、ノルは杖を地面にたたきつける。
「迷える心を断絶せよ!」
大きく聖句を唱えると、あたりが光に包まれた。あまりの眩しさに目をつぶる。
再び開けた時、目に入ったのは膝を付き崩れ落ちた二人目だった。
「もう一人がいない」
ぬいが忠告すると、ノルは顔をしかめて舌打ちする。
「っち、どこだ!」
二人で周辺を見渡すが、それらしき人物は目に入らなかった。
「ここだ!」
死角から声があがり、大きく振りかぶった三人目がぬいをつかもうと手を伸ばす。
その方向に振り返り、ノルは助けようとする。
「だめだよ!」
制止を聞かず、完全に背後を見せてしまった。その瞬間、ぬいには見えていた。リーダー格の男が何かを投擲してていたのを。
それがノルの背中に当たった瞬間、苦痛に顔を歪めるのが分かった。
ぬいはそれと同時に伸ばされる男の手を掴む。
「ごめんね」
そのまま投げ飛ばした。
「え、成功した?」
記憶はないが、護身術を習っていたのだろう。ぬいは勝手に動いた己の体に感謝をする。
三人目が背中を曲げ、ノルの前にあおむけに投げ出された。一見衝撃に顔を歪めているように見えたが、なぜか口元だけ弧を描く。
「引っかかったな」
三人目はシャツを大きくまくり上げると、腹部に隠してあった平な水晶を露出させる。
どこかどす黒い色をしたその水晶は暗い光を放つと、その近くにいた者たちは意識を失った。
二人は門を潜り抜け、外を歩く。まるで最初に出会った時のように、平地をただ歩いていく。外に出た途端肌寒さに身を震わせるが、耐えれないほどではない。
その様子にノルは気づいたのか、ちらりと視線を向ける。
「短時間なら問題無いな」
そう言うとまた背中を向ける。おそらく寒さのことだろうとぬいは納得し、追求はしなかった。
前と違うのは二人とも神官服という点であり、荷物は少ない。唯一目立つのはノルの持っている杖であった。通常の物との差異は柄の部分が水晶でできているところだ。
教皇の持っているような、盛大な儀式に使うような錫杖ではなく、普段使いできそうなシンプルなデザインで、センスの良さを感じられる。
「ねえ、どう見ても潜伏できるような場所なさそうだけど」
ぬいが当初歩いてきたように、ここ周辺はほぼ平地である。隠れる場所はありそうに見えない。
「っは、その辺を歩いているわけないだろう」
ノルはぬいを小ばかにしながら、あたりを見渡す。すると、何かを見つけたのか大きな水晶に杖を当てる。
するとバチリと静電気のような音と共に、ノルははじかれた。
「ここだ。我らが神たちよ。ご加護にに感謝いたします……迷える心を断絶せよ」
強く言い切ると光と共に水晶が崩れ落ちた。
「もしかして……地下にいるの?」
水晶があった場所は、人ひとりが入れる大きさの空洞があった。
「その通りだ、いいか堕神。くれぐれも勝手に行動をせず、周りを見ろ」
ノルは懐から水晶を取り出すと明かりを灯し、穴へと潜り込む。ぬいは気を引き締め追随した。
◇
狭かったのは入り口だけであった。奥へ進めば進むほど開けていき、大きな水晶と光り輝く苔ときのこが数を増す。
幻想的な光景にぬいは目を奪われていると、足元の出っ張った水晶に躓いた。
地面に細かく生えている水晶は大分削られてはいるが、よくない傷を負ってしまうだろう。ぬいはそれを想像すると目をつぶる。
しかし、待っていた痛みは来なかった。
「どこを見て歩いている」
呆れた声が聞こえ、そっと目を開けるとぬいはノルに支えられていた。
「え?」
予想外の対応にぬいは目を丸くする。まさか助けられるとは思わず、むしろ気付かずに置いて行かれるのではと、考えていたからだ。
無事だった彼女を確認するとノルは軽く突き放した。少しよろけるが、難なく踏みとどまる。
「……堕神に触れるなど、気持ち悪い」
ノルはいつも通り手を払うと、嫌そうな顔をする。
「ありがとう」
助けてもらったのは事実であり、素直に礼を言う。まっすぐ目を見るぬいを直視できなくなったのか、ノルは背中を向けると歩き出す。
慌てて後を追うが、意外にも足取りは速くない。おそらく気を使って速度を遅くしているのだろう。
ノルはぬいに対する嫌悪や多少の高慢さこそあれど、気を遣え真摯である。忠告や説明などもしてくれる。
「いい両親に育てられたんだろうね」
所作の洗練さから、きちんとした教育を受けていたことが分かる。ぬいがそう小さくもらすと、ノルが歩みを止めた。
急な動きに、ぬいはぶつかりそうになるが、すんでのところで踏みとどまる。
「なに?どうしたの?」
後ろから問いかけると、ノルはびくりと肩を震わせる。
「……なんでもない」
その声は何かに耐えているようで、怒気のようなものは感じられない。ぬいが首をかしげていると、またノルは進み始めた。
しばらく同じような道幅を進んでいくと、奥の方がちょっとした広間のように開けているのが見えた。まるで山のように水晶がそびえたち、きのこが生い茂っている。
胞子が飛んでいるのが目視できるが、彼は何も言わない。吸っても人体に害はないのだろう。そうぬいは結論付け、信用することにした。
「そろそろだ。堕神、絶対に傍を離れるな。勝手な行動も厳禁だ、いいな」
ノルは振り返って、言い聞かせる。ぬいは素直に頷くと、距離を詰めた。
案の定ノルは不快そうな顔をするが、何も言わなかった。それほどまでに、穏やかではない何かがあるのだろう。
ぬいはつばを飲み込んだ。少し前に水を飲んだばかりだというのに、渇きを覚えていた。
しかしノルの目には余裕そうに映ったのか、舌打ちされる。
そのままゆっくり進んでいくと、山水晶の手前に数人の男たちが居た。ぬいは相対するのがちゃんとした人間であった事実から、ホッと息を吐く。だが、そう安堵はさせてくれない。ノルは彼らを確認できた瞬間、小さく何かをつぶやいている。
「神々よ、日々の見守りに感謝を。どうかお見届けを……」
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顔を覗き込むと、真剣そのものの表情で彼らを見据えていた。ぬいはその表情を見て、いいつけ通り従おうと決めた。ノルの後ろへ戻ると、こっそり向こうの人たちを伺う。
彼らは四人組であった。ぬいが最初に寝ていたような水晶の台座の上にあぐらをかき、円を描くようにして座っている。
その中心には大小さまざまな水晶が山のように積み重なっており、彼らはそれらをうっとりと眺めていた。
だが、近づく二人に気づいた瞬間、立ち上がり口論が聞こえてくる。
「おい!なんで神官の侵入をさせてんだ!」
「知らねえよ、見回りの時間はまだだったはずだ」
「いいから、さっさと押さえちまえ。相手はガキ二人、こっちの方が多い」
子供扱いされたことにぬいは口を少し膨らませる。だが、彼らより年下であることは事実だ。
「早くしろ!男の方、俺らを矯正しようとしやがる」
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「男の方を押さえるか、よけて女の方を押さえろ!」
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最初に刃物を振りかざした男を杖でいなすと、そのまま背中を叩く。これで一人目がぬいの近くに倒れた。
次に二人目と三人目が近づくと、ノルは杖を地面にたたきつける。
「迷える心を断絶せよ!」
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再び開けた時、目に入ったのは膝を付き崩れ落ちた二人目だった。
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ぬいが忠告すると、ノルは顔をしかめて舌打ちする。
「っち、どこだ!」
二人で周辺を見渡すが、それらしき人物は目に入らなかった。
「ここだ!」
死角から声があがり、大きく振りかぶった三人目がぬいをつかもうと手を伸ばす。
その方向に振り返り、ノルは助けようとする。
「だめだよ!」
制止を聞かず、完全に背後を見せてしまった。その瞬間、ぬいには見えていた。リーダー格の男が何かを投擲してていたのを。
それがノルの背中に当たった瞬間、苦痛に顔を歪めるのが分かった。
ぬいはそれと同時に伸ばされる男の手を掴む。
「ごめんね」
そのまま投げ飛ばした。
「え、成功した?」
記憶はないが、護身術を習っていたのだろう。ぬいは勝手に動いた己の体に感謝をする。
三人目が背中を曲げ、ノルの前にあおむけに投げ出された。一見衝撃に顔を歪めているように見えたが、なぜか口元だけ弧を描く。
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三人目はシャツを大きくまくり上げると、腹部に隠してあった平な水晶を露出させる。
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