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本編
11:堕神の遺物
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週末のある日、ぬいは午前中にゆっくりと洗濯をしていた。週末はアンナの店が休みのためである。
共同の場所へ行けば、水晶を動力源とした洗濯機のようなものがあるが、ぬいはそこに行きたくなかった。
単純に神官たちの間に、割って入る勇気がなかったからである。
一人外れたところでのんびり手洗いをする。手間はかかるがさほど苦痛は感じず、穏やかな陽光を浴びながら作業を続ける。
「堕神」
背後から声を掛けられ、ぬいは飛び上がるように振り返った。
そこには神官が居た。そう判断したのは、服装からである。だが通常の神官服とは異なった装飾が目立つ。
「神官さん?どなたですか?」
ただ、どうみても知らない人物である。一度も顔を合わせたことがないはずだ。元はきれいな黒髪だったのだろうが、所々白いものが混じっている。眉間の皺は深く、神経質そうな中年男性だ。
「私は枢機卿だ。これだから堕神というやつは、あの勇者とやらと一緒だ……いや、おまえの方が異様だな。より違う存在だということを感じさせられる」
「なんですかそれ。わたしからなにか出てるっていうんですか?」
ぬいは自分の体を見渡してみるが、もちろんなにもわからない。
「堕神自身が感じ取ることなどできるか。いいか、そもそもおまえの日頃の態度は……「何のご用ですか?」
長い説教の予感がし、ぬいは無理やり口をはさんだ。案の定嫌そうな顔をされるが、ぐっとこらえている。
「いいか、礼拝堂に行け、さっさと、早く。以上だ、これ以上おまえと話していたら信仰心が揺らいでしまう」
吐き捨てるように言うと、返事も待たずに去っていった。
◇
言われた通りに従いたくなくなるが、無視してまでやることもない。ぬいは大人しく礼拝堂へと向かった。
神官たちは洗濯や昼ご飯の準備をしているからか、出くわすことはなかった。すぐにたどり着くと、扉を開ける。
「教皇さま。堕神の出現後辺りを浄化し、堕神の遺物をお持ちしました」
赤い髪に緑色の目。どこか小悪党に見える容姿に対し、ちぐはぐな神官服。そのせいか、ぬいはすぐにそれが誰か気付くことができなかった。
それよりもその人物が、ヴァーツラフに渡す荷物に覚えがあったからだ。
「それ、わたしの荷物だよね!?」
黒いシンプルなカバン。どこにでもあるようなそれは、この国には全く見かけることがない。
ぬいは全速力で走る。運動することを想定していない神官服で。そのせいで足が付け根から見えてしまっているが、気にかけるそぶりさえない。
「我らが神たちよ、この小さき者は減衰を拒む」
礼拝堂という場所のせいか、やけに通る声で聖句が響く。嫌な予感がしたのか、ぬいは速度を弱めるが遅かった。
彼女は勢いよく壁にぶつかった。その瞬間、嘲笑が聞こえる。
「思い出した……この泥棒くん!」
彼はぬいを騙した青年であった。
「中に水晶を薄くしたような板はあったか?」
「ありませんでした」
「なるほど、それは珍しい」
「ですが、透明ではない板のようなものと、よくわからない紐のようなものがありました。前に来た堕神も、同じようなものを持っていましたので、きっと問題の物でしょう」
「然り」
「虚偽ではないと、神々に宣言いたしましょう。このノルベルト・イザーク・スヴァトプルクの名に懸けて」
そう言うとノルは胸に手を当てる。
「嘘はないようである。信頼に値しよう」
ぬいを無視して問答をする。その間どうにか壁を乗り越えられないだろうかと、上に手を伸ばしているが、端は見当たらない。
例えあったとしても、彼女の運動能力で飛び越えることは不可能である。
それを見たノルは鼻で笑う。
「なめるな、その程度の壁を作るわけがないだろう」
ぬいはその挑発に乗りそうになるが我慢する。
「ヴァーツラフ。それ、わたしの荷物なんで返してほしい」
「は?教皇さまを軽々しく名で呼ぶなんて、あの男と同じだな……いくら堕神が許されてるとはいえ」
「否、堕神の遺物は浄化し還元する定めである」
そう言うと、鞄の中から充電器とコード類を取り出して見せる。珍しく親切な説明に、ぬいは納得し力が抜けた。
「それは……確かに、そうだね」
壁に手を当てるのを止め、その場にへたり込んだ。
「ゆえに、これらはすべて無に帰す。願わくば神々の身元に届かんことを」
「分かった。いいよ、全部そうして」
あっさり手放すぬいに対し、ノルは怪訝な顔になる。
「は?なぜだ。なぜその鞄だけや、別のものを返してもらおうとしない」
「返すって言うならもらうけど、合っていないのはなんとなくわかる。それに一応ここで世話になってる身だからね」
どれだけご飯がおいしくなかろうと、食事や一人部屋を用意してもらっていることは事実だ。
「保護は太古からの取り決めである」
「意味が分からない。少し前まで品性を投げ捨て取り戻そうとしたものと、簡単に決別するなんて」
ノルの言葉に少しいら立つが、気になったぬいは神官服を見る。裾が大きく裂けていた。後で繕わなければと落胆する。
「でも、なんで事前に説明してくれなかったの?」
きちんと理由を言えばぬいはすぐに納得しただろう。怪訝そうに尋ねる。
「説明をしても、聞く耳もたずに逆らう者が過去に存在した。故に秘密裏に処理をしている……そう言うように、この者は作られている」
ヴァーツラフの言う事にはどこか引っ掛かりがあった。まるで最初に会った時のような様子である。
「そりゃそうだ、あの男でさえ嫌がったからな。人は物に執着する生き物だ」
先ほどからノルが言っているあの男というのは、ぬいのすぐ前に来た人物だろう。彼女に対する態度と同じく、嫌悪を隠すこともしない。
「理解した。でも、この人は許しがたい」
ノルにまっすぐ指を突きつけた。
「堕神は総じて凶悪だ。説明の段階に達さずとも、害意をまき散らす。意味不明な言葉を発してな。そんな相手に素直に話せと?」
「泥棒くんの過去に何があったか知らないけど、多分わたしの前の人はそんなことしてないでしょう?」
ミレナから毎日のように聞く彼の人柄は、温厚でお人好しな人畜無害。八方美人すぎるのが偶に傷であるが、困っている人を放っておけない。
そんな人が、そのようなことをするはずがない。そう推測したがゆえの発言である。
「確かにあいつは……だが、最初は少し錯乱していたな。すぐに消えると思ったが」
「だったらそのあとのわたしに、もう少しマシな対応をしようと思わなかったの?」
ぬいはノルと出会ってから暴れるようなことは何一つしていない。
「少なくとも最初はまともな対応だった」
ぬいは少し前のことを思い出す。食事を分け与え、寝床を用意してくれた。会話に付き合うことはあまりしなかったが、ノルがいなければ行き倒れていたかもしれない。
「それは……っそれよりさっきからその呼び方はなんだ!僕の名に懸けた誓いを聞いていたのか?」
「長くて忘れた」
隠しもせず、はっきりと言った。
「いいか、二度は言わない。僕はノルベルト・イザーク・スヴァトプルク。名誉ある神官貴族で、御三家の当主だ」
胸を張り、どこか高慢ちきである。今更言われようとも、なんの不思議もないことだ。
「そう」
ゆえに、ぬいは何も驚かなかった。口元さえ動かさず、無表情である。
「そうって……」
「堕神と言う限り、わたしは泥棒くんの名を呼ばないよ」
「なんだと……君こそどう聞いても、本名ではないだろう?正式な名を「静粛にせよ」
厳かな声と共に、錫杖の先を地面にたたきつける音が鳴る。どんどん加熱する口論に自覚があったからか、二人は怒られた生徒のように体を膠着させた。
「ごめんなさい」「教皇様、大変申し訳ございません」
「これより、堕神の遺物の浄化をはじめる」
ヴァーツラフが目配せすると、ノルとぬいは並んで席に着いた。
「我らが神たちよ。地に落とされた神は異邦者と変化した。決別の意を込めて、あなたがたの物をお返しいたします」
軽く錫杖を振る。すると水晶の色が輝きはじめた。
「神々よ、日々の見守りに感謝を。どうかお見届けを」
一拍入れる、実際にヴァーツラフは息を吸っていない。ただの動作である。しかし、ノルは感嘆したようにすばらしいと小さく言った。
「迷える心を断絶せよ」
そう告げると、錫杖をぬいの鞄に向ける。目を開けていられないほど眩しい光が辺りに満ちる。
再び目を開けた時、ぬいの鞄はきれいに消えていた。
共同の場所へ行けば、水晶を動力源とした洗濯機のようなものがあるが、ぬいはそこに行きたくなかった。
単純に神官たちの間に、割って入る勇気がなかったからである。
一人外れたところでのんびり手洗いをする。手間はかかるがさほど苦痛は感じず、穏やかな陽光を浴びながら作業を続ける。
「堕神」
背後から声を掛けられ、ぬいは飛び上がるように振り返った。
そこには神官が居た。そう判断したのは、服装からである。だが通常の神官服とは異なった装飾が目立つ。
「神官さん?どなたですか?」
ただ、どうみても知らない人物である。一度も顔を合わせたことがないはずだ。元はきれいな黒髪だったのだろうが、所々白いものが混じっている。眉間の皺は深く、神経質そうな中年男性だ。
「私は枢機卿だ。これだから堕神というやつは、あの勇者とやらと一緒だ……いや、おまえの方が異様だな。より違う存在だということを感じさせられる」
「なんですかそれ。わたしからなにか出てるっていうんですか?」
ぬいは自分の体を見渡してみるが、もちろんなにもわからない。
「堕神自身が感じ取ることなどできるか。いいか、そもそもおまえの日頃の態度は……「何のご用ですか?」
長い説教の予感がし、ぬいは無理やり口をはさんだ。案の定嫌そうな顔をされるが、ぐっとこらえている。
「いいか、礼拝堂に行け、さっさと、早く。以上だ、これ以上おまえと話していたら信仰心が揺らいでしまう」
吐き捨てるように言うと、返事も待たずに去っていった。
◇
言われた通りに従いたくなくなるが、無視してまでやることもない。ぬいは大人しく礼拝堂へと向かった。
神官たちは洗濯や昼ご飯の準備をしているからか、出くわすことはなかった。すぐにたどり着くと、扉を開ける。
「教皇さま。堕神の出現後辺りを浄化し、堕神の遺物をお持ちしました」
赤い髪に緑色の目。どこか小悪党に見える容姿に対し、ちぐはぐな神官服。そのせいか、ぬいはすぐにそれが誰か気付くことができなかった。
それよりもその人物が、ヴァーツラフに渡す荷物に覚えがあったからだ。
「それ、わたしの荷物だよね!?」
黒いシンプルなカバン。どこにでもあるようなそれは、この国には全く見かけることがない。
ぬいは全速力で走る。運動することを想定していない神官服で。そのせいで足が付け根から見えてしまっているが、気にかけるそぶりさえない。
「我らが神たちよ、この小さき者は減衰を拒む」
礼拝堂という場所のせいか、やけに通る声で聖句が響く。嫌な予感がしたのか、ぬいは速度を弱めるが遅かった。
彼女は勢いよく壁にぶつかった。その瞬間、嘲笑が聞こえる。
「思い出した……この泥棒くん!」
彼はぬいを騙した青年であった。
「中に水晶を薄くしたような板はあったか?」
「ありませんでした」
「なるほど、それは珍しい」
「ですが、透明ではない板のようなものと、よくわからない紐のようなものがありました。前に来た堕神も、同じようなものを持っていましたので、きっと問題の物でしょう」
「然り」
「虚偽ではないと、神々に宣言いたしましょう。このノルベルト・イザーク・スヴァトプルクの名に懸けて」
そう言うとノルは胸に手を当てる。
「嘘はないようである。信頼に値しよう」
ぬいを無視して問答をする。その間どうにか壁を乗り越えられないだろうかと、上に手を伸ばしているが、端は見当たらない。
例えあったとしても、彼女の運動能力で飛び越えることは不可能である。
それを見たノルは鼻で笑う。
「なめるな、その程度の壁を作るわけがないだろう」
ぬいはその挑発に乗りそうになるが我慢する。
「ヴァーツラフ。それ、わたしの荷物なんで返してほしい」
「は?教皇さまを軽々しく名で呼ぶなんて、あの男と同じだな……いくら堕神が許されてるとはいえ」
「否、堕神の遺物は浄化し還元する定めである」
そう言うと、鞄の中から充電器とコード類を取り出して見せる。珍しく親切な説明に、ぬいは納得し力が抜けた。
「それは……確かに、そうだね」
壁に手を当てるのを止め、その場にへたり込んだ。
「ゆえに、これらはすべて無に帰す。願わくば神々の身元に届かんことを」
「分かった。いいよ、全部そうして」
あっさり手放すぬいに対し、ノルは怪訝な顔になる。
「は?なぜだ。なぜその鞄だけや、別のものを返してもらおうとしない」
「返すって言うならもらうけど、合っていないのはなんとなくわかる。それに一応ここで世話になってる身だからね」
どれだけご飯がおいしくなかろうと、食事や一人部屋を用意してもらっていることは事実だ。
「保護は太古からの取り決めである」
「意味が分からない。少し前まで品性を投げ捨て取り戻そうとしたものと、簡単に決別するなんて」
ノルの言葉に少しいら立つが、気になったぬいは神官服を見る。裾が大きく裂けていた。後で繕わなければと落胆する。
「でも、なんで事前に説明してくれなかったの?」
きちんと理由を言えばぬいはすぐに納得しただろう。怪訝そうに尋ねる。
「説明をしても、聞く耳もたずに逆らう者が過去に存在した。故に秘密裏に処理をしている……そう言うように、この者は作られている」
ヴァーツラフの言う事にはどこか引っ掛かりがあった。まるで最初に会った時のような様子である。
「そりゃそうだ、あの男でさえ嫌がったからな。人は物に執着する生き物だ」
先ほどからノルが言っているあの男というのは、ぬいのすぐ前に来た人物だろう。彼女に対する態度と同じく、嫌悪を隠すこともしない。
「理解した。でも、この人は許しがたい」
ノルにまっすぐ指を突きつけた。
「堕神は総じて凶悪だ。説明の段階に達さずとも、害意をまき散らす。意味不明な言葉を発してな。そんな相手に素直に話せと?」
「泥棒くんの過去に何があったか知らないけど、多分わたしの前の人はそんなことしてないでしょう?」
ミレナから毎日のように聞く彼の人柄は、温厚でお人好しな人畜無害。八方美人すぎるのが偶に傷であるが、困っている人を放っておけない。
そんな人が、そのようなことをするはずがない。そう推測したがゆえの発言である。
「確かにあいつは……だが、最初は少し錯乱していたな。すぐに消えると思ったが」
「だったらそのあとのわたしに、もう少しマシな対応をしようと思わなかったの?」
ぬいはノルと出会ってから暴れるようなことは何一つしていない。
「少なくとも最初はまともな対応だった」
ぬいは少し前のことを思い出す。食事を分け与え、寝床を用意してくれた。会話に付き合うことはあまりしなかったが、ノルがいなければ行き倒れていたかもしれない。
「それは……っそれよりさっきからその呼び方はなんだ!僕の名に懸けた誓いを聞いていたのか?」
「長くて忘れた」
隠しもせず、はっきりと言った。
「いいか、二度は言わない。僕はノルベルト・イザーク・スヴァトプルク。名誉ある神官貴族で、御三家の当主だ」
胸を張り、どこか高慢ちきである。今更言われようとも、なんの不思議もないことだ。
「そう」
ゆえに、ぬいは何も驚かなかった。口元さえ動かさず、無表情である。
「そうって……」
「堕神と言う限り、わたしは泥棒くんの名を呼ばないよ」
「なんだと……君こそどう聞いても、本名ではないだろう?正式な名を「静粛にせよ」
厳かな声と共に、錫杖の先を地面にたたきつける音が鳴る。どんどん加熱する口論に自覚があったからか、二人は怒られた生徒のように体を膠着させた。
「ごめんなさい」「教皇様、大変申し訳ございません」
「これより、堕神の遺物の浄化をはじめる」
ヴァーツラフが目配せすると、ノルとぬいは並んで席に着いた。
「我らが神たちよ。地に落とされた神は異邦者と変化した。決別の意を込めて、あなたがたの物をお返しいたします」
軽く錫杖を振る。すると水晶の色が輝きはじめた。
「神々よ、日々の見守りに感謝を。どうかお見届けを」
一拍入れる、実際にヴァーツラフは息を吸っていない。ただの動作である。しかし、ノルは感嘆したようにすばらしいと小さく言った。
「迷える心を断絶せよ」
そう告げると、錫杖をぬいの鞄に向ける。目を開けていられないほど眩しい光が辺りに満ちる。
再び目を開けた時、ぬいの鞄はきれいに消えていた。
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