異世界転移したので、のんびり楽しみます。

side キト①

※キト視点

　俺の名前はキト。ロンド村というところで自警団に所属している。

　俺が初めてタイチと会ったのは約1年前のことだ。

　その日はいつも通りロンド村の入り口で見張をしていた。すると前から一人の若い男が歩いてきて、笑顔で話しかけてきた。

「こんにちは。ここはロンド村ですか？」

「ここはロンド村だよ。こんな田舎の村に何の用だ？」

「俺は水野太一と言いまして、旅をしている者です。この村で少し身体を休めたいと思いまして」

　若い男はミズノタイチというらしい。怪しいところがなかったので、村の中に入れた。

　その後は変わらず見張をしていると、先程宿に向かったはずの旅人のタイチがこちらに戻ってきて、キョロキョロと周りを見渡していた。

　不思議に思った俺はタイチに話しかけた。

「よう、何してんだ？」

　すると、タイチは少しびっくりした顔をしていたが、すぐに元に戻って話始めた。

「キトさんにお願いがありまして、魔物の解体ができると聞いたのですが、教えていただけないですか？」
　
　タイチに魔物の解体の仕方を教えてほしいとお願いされたので、明日は午後からの仕事だったので、明日の朝一でいいか聞くとそれでいいらしいので明日の朝宿に迎えに行く約束をして別れた。

　次の日、朝イチで昨日タイチに紹介した宿に向かうと、タイチが食堂に座っていたので、話しかけた。

「おはようタイチさん、準備できてるか？」

「おはようございますキトさん、さっき朝食を食べ終わったところなのでもう準備できてますよ」

「じゃあ行くか」

　タイチと共に宿を出て、しばらく歩いて空き地に着いた。

　この空き地はこの村の人が解体する時に使う空き地だ。

　タイチに何の魔物の解体をするのか聞くと、スライムと言って、アイテムボックスからスライムを取り出した。

　そのスライムを使って実際に解体しながら説明していく。

　スライムの後も、ゴブリンの解体の仕方を実演した。

　それから2時間が経過した頃、ようやく解体が終わった様なので、タイチにクリーン魔法をかけてあげた。

　この後、タイチは雑貨屋に行きたいと言っていたのでロンド村で1番大きい雑貨屋の場所を教えたらお礼を言って帰っていった。