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side レイ①

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※レイ視点

 我は誇り高きグリフォンの王だ。

 生まれてから150年以上経つが、契約魔獣になったことは一度もない。

 この日もいつも通りの一日を過ごす予定だったが、急に体が光り輝いた。

「この感覚は70年ぶりだな」

 70年前に召喚された時は、大人数で魔力を補っていたため契約はしなかった。

 70年ぶりのその感覚に違和感を感じる。

 気がつくと目の前に一人の青年がいた。

「我を召喚したのはそなたか?」

「はい、冒険者のタイチです」

 やはり我を召喚したのはこの青年のようだ。

 我を呼び出せるほどの魔力を持っている様には見えぬな。

(まぁ暇つぶしにはよいか。我を失望させるようなやつであったらすぐに契約は解除する)
 
「タイチよ、我に名前を付けよ。それで契約は完了となる」
 
「契約?」

「それも知らずに我を呼び出したのか。召喚した魔物に名前を付けると契約魔獣になるから、次回からは今回みたいに魔力も消費せずとも我を呼び出すことが出来るようになる」

(何も知らぬと言うことは初めての召喚で我を呼び出したと言うことか?)

「そうなんですね」

 タイチは少し考えて、閃いた様にこう言った。

「レイでどうですか?」

「気に入った、今日から我をレイと呼ぶが良い。それと、主人なのだから我に敬語を使う必要もない」

「わかった。今日からよろしくね」

 我は今日からレイという名前になった。

 タイチと契約してからもいつもの変わらない生活を送っていた。

 すると、また体が光り輝いた。

「主人からの呼び出しか」

 今度はダンジョンの中らしい。

「主人、何か用か?」

「今日はレイと一緒にダンジョン攻略しようと思ってね」

(やはりここはダンジョンか、ここにくるのは久しぶりだな)

「承知した。我は強いぞ」

「とりあえず今日は30階層まで行けたら行こうと思う。大丈夫そう?」

 主人は我を弱いと思っているのか、大丈夫かなどと聞いてくる、

「無論だ、我は誇り高きグリフォンの王だぞ?」

「じゃあ行こうか」

 我は主人と共にダンジョンの中を歩き始めた。

 
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