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旅立ち
しおりを挟む村の外で薬草を採りながら、ロンド村に着いてからの事を思い出す。ロンド村に着いてもう一ヶ月ほどが経過した。
俺は、森に薬草を採りに行ったり、ポーションを作ったりしながら自由にのんびり過ごしていた。
冒険者登録もしたいし、そろそろ次の街に移るべきだろう。
こうして、俺はロンド村を出て次の街に行く決意をした。
薬草を採り終わり宿に戻ってきた俺は、お世話になっている女将のワンダに旅に出る事を伝えた。
「そうかい、次はどこの街に行くんだい?」
「冒険者登録ができる街に行きたいのですが、近くに良い街はありますか?」
「それなら、ここから一番近い大きな街、エルドアナなんてどうだい?そこなら冒険者ギルドもあるし、街の近くにダンジョンもあるよ」
ワンダにオススメされたエルドアナに行く事を決め、ロンド村でお世話になった人への挨拶回りと出発準備に取り掛かることにした。
まずはロンド村で一番最初に知り合ったキトにの元に行き、旅立ちのことを伝えることにした。
「よう、今日はどうしたんだ?」
「近々ロンド村を出て、違う街に行こうと思います。キトさんにはお世話になったので、挨拶に来ました。」
「そうか、じゃあ今日はタイチさんの旅立ちを祝ってパーッとやろうか!」
キトは少し悲しい顔をしたが、すぐに湿った空気を振り払うかのように明るく言った。
「ありがとうございます」
俺はキトにお礼を言い、今日の夜の約束をして次に雑貨屋に向かった。
ロンド村に来てから、雑貨屋には三日に一回のペースで通っているので、店主のジョージには何かとお世話になっている。
雑貨屋に着き、店の中に入るとカウンターにジョージが座っていた。
「いらっしゃい、今日もポーション容器かい?」
二日に一回のペースでポーション容器を大量に購入していく俺に、今日もポーション容器を買いに来たと思ったジョージが話しかけてくる
「こんにちはジョージさん、近々ロンド村を出て次の街に行こうと思うので、今日は挨拶に来ました。」
「寂しくなるなぁ」
「今日の夜は宿でキトさんが送別会を開いてくれるらしいのでジョージさんも是非来てください」
俺はジョージを誘い、宿に戻った。
その日の夜、宿では豪勢な送別会が開かれ、みんなにお別れの挨拶をした。
次の日の朝。宿の私物を整理し、準備を整えて外に出る。
ワンダに鍵を返し、村の入り口へ向かって歩いていく間、村人や子供たちが挨拶をしてくれる。
この村の良いことろをしみじみ感じながら、村を出て次の街に向かった。
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