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思い出の砂浜
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総司はまた夢を見ていた。
夕日の綺麗な海岸で一人ポツンと夕日を眺めていた。
どこか懐かしさを感じていた。
以前にもここに来たことがあったのだろうか?
あった気がする、もう一人、誰か居たはずだ。
誰?
思い出せない。
総司の後ろから砂を踏む音が近づいてきた。
「そうちゃん」
振り向くと、柚月そっくりのボブヘアの女性が立っていた。
総司は少し驚いた。
「葉月か?」
「うん、記憶無くしてから今回で会うのは3回目だね」
総司は腕を後ろに回して微笑む葉月の姿に懐かしさを感じていた。
「柚から、今の状況聞いたんでしょ?
本当はまだ黙っていて欲しかったんだけど、仕方ないか」
砂を蹴りながら、葉月は言った。
「そうだよ、俺も置いてっただろ」
総司は怒る訳ではなく、笑って言った。
「うん、ごめんね、ちょっと予期せぬ事があってね」
「予期せぬって?」
「それは言えない、そのうち知る事になるけどね」
「今は言えないのか。
柚月が探してるぞ、俺もだけど。
葉月にちゃんと話を聞いて納得しないと心の底から俺の妻として居づらいみたいなんだ。
だから、俺達は葉月を探す事にした」
「だめ!」
葉月はきっぱりとそう言った。
「まだ、探さないで。
いや、探す必要はないよ。
地震があってもうどれくらいたった?」
総司は思い出すように上を見上げた。
「えーっと、もうすぐ一ヶ月になるかな?」
葉月の表情は少し曇った。
「もう一ヶ月か、だったらもうすぐで私に会えるかもしれない。
多分近々ね。
私も早いことやる事をやってしまわないと行けないんだ、ごめんね、もうちょい待っててよ」
「わかった。
じゃあ話を変えよう。
ここって葉月と俺で来たことある?」
葉月の表情がぱっと明るくなった。
そして思い出話を話し始めた。
「そうなんだよね、二人で来たよ。
あの日は水族館でデートをしてたんだけどね、
水族館に行ったあと、私は本物の海を見たいってわがまま行って、ここまで連れてきてもらったんだよ、そしたらね、夕日がとても綺麗でさ、・・・・・あれ?
そうちゃんどうしたの?」
総司は夕日を眺めながら涙を流していた。
「そうだった、確かそんな事があったな」
「もしかして記憶、戻ったの?」
涙を拭って総司は答えた。
「全部じゃない。
けど、この夕日を見たあの日の事を今思い出したよ。
葉月が夕日を見ながら言ったこと覚えてるか?」
総司は葉月の方を見て聞いた。
「・・・・・覚えてるよ・・・。
人生最後の日は、そうちゃんと二人でこの夕日を眺めていたいって言ったんだよね」
葉月の目に涙が、浮かび上がっていた。
「そうそう、そう言ったんだよ」
葉月の涙が、何を意味していたのかは分からなかった。
涙の雫に色々な思いが詰まっていて、その重さに耐えれなくなった雫は頬を伝って足元の砂浜に吸い込まれていく。
そして、葉月の思いは海へ流れていく。
総司は何故かそんな風に感じた。
「そうちゃん、そろそろ私は行くね、やるべき事をやったら、その時また会おうね。
再会したときに言えないから、先に言っとくね。
ごめんねそうちゃん。
じゃあね」
葉月は意味深な言葉を残して、そのまま去っていった。
夕日の綺麗な海岸で一人ポツンと夕日を眺めていた。
どこか懐かしさを感じていた。
以前にもここに来たことがあったのだろうか?
あった気がする、もう一人、誰か居たはずだ。
誰?
思い出せない。
総司の後ろから砂を踏む音が近づいてきた。
「そうちゃん」
振り向くと、柚月そっくりのボブヘアの女性が立っていた。
総司は少し驚いた。
「葉月か?」
「うん、記憶無くしてから今回で会うのは3回目だね」
総司は腕を後ろに回して微笑む葉月の姿に懐かしさを感じていた。
「柚から、今の状況聞いたんでしょ?
本当はまだ黙っていて欲しかったんだけど、仕方ないか」
砂を蹴りながら、葉月は言った。
「そうだよ、俺も置いてっただろ」
総司は怒る訳ではなく、笑って言った。
「うん、ごめんね、ちょっと予期せぬ事があってね」
「予期せぬって?」
「それは言えない、そのうち知る事になるけどね」
「今は言えないのか。
柚月が探してるぞ、俺もだけど。
葉月にちゃんと話を聞いて納得しないと心の底から俺の妻として居づらいみたいなんだ。
だから、俺達は葉月を探す事にした」
「だめ!」
葉月はきっぱりとそう言った。
「まだ、探さないで。
いや、探す必要はないよ。
地震があってもうどれくらいたった?」
総司は思い出すように上を見上げた。
「えーっと、もうすぐ一ヶ月になるかな?」
葉月の表情は少し曇った。
「もう一ヶ月か、だったらもうすぐで私に会えるかもしれない。
多分近々ね。
私も早いことやる事をやってしまわないと行けないんだ、ごめんね、もうちょい待っててよ」
「わかった。
じゃあ話を変えよう。
ここって葉月と俺で来たことある?」
葉月の表情がぱっと明るくなった。
そして思い出話を話し始めた。
「そうなんだよね、二人で来たよ。
あの日は水族館でデートをしてたんだけどね、
水族館に行ったあと、私は本物の海を見たいってわがまま行って、ここまで連れてきてもらったんだよ、そしたらね、夕日がとても綺麗でさ、・・・・・あれ?
そうちゃんどうしたの?」
総司は夕日を眺めながら涙を流していた。
「そうだった、確かそんな事があったな」
「もしかして記憶、戻ったの?」
涙を拭って総司は答えた。
「全部じゃない。
けど、この夕日を見たあの日の事を今思い出したよ。
葉月が夕日を見ながら言ったこと覚えてるか?」
総司は葉月の方を見て聞いた。
「・・・・・覚えてるよ・・・。
人生最後の日は、そうちゃんと二人でこの夕日を眺めていたいって言ったんだよね」
葉月の目に涙が、浮かび上がっていた。
「そうそう、そう言ったんだよ」
葉月の涙が、何を意味していたのかは分からなかった。
涙の雫に色々な思いが詰まっていて、その重さに耐えれなくなった雫は頬を伝って足元の砂浜に吸い込まれていく。
そして、葉月の思いは海へ流れていく。
総司は何故かそんな風に感じた。
「そうちゃん、そろそろ私は行くね、やるべき事をやったら、その時また会おうね。
再会したときに言えないから、先に言っとくね。
ごめんねそうちゃん。
じゃあね」
葉月は意味深な言葉を残して、そのまま去っていった。
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