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新たな命
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私は自分でも自覚するほどかなりズボラな性格だ。
家は常に散らかっているし、洗濯も溜め込む、家で物を無くすこともかなり多い。
故に、家事全般がかなりおざなり状態だ。
その中でもダントツに私が億劫に感じるのが食器洗いである。
なんなのあれ?時間もかかるし手は汚れるし冬だったら水が冷たくて仕方がない。
最近は食器洗いをしてくれる家政婦さんを雇おうかと真剣に考えているくらいだ。
そんなことだから、私のキッチンの食器は常に枯渇している。
食器が無いと食べ物は食べられない、いつまでもファストフードのハンバーガーとポテトばかり食べられないので、重い腰を上げて大量に溜まった食器群に立ち向かう。
「うへぇ、これはきっついなぁ...」
食器に付いている汚れはこびりつき、食べ残しも捨ててからかなり日にちががたっているため、鼻が曲がるような酷い匂いを放っている。
「よし、これは厳重な装備がいるな」
私は近くのドラッグストアに行き、マスクとゴム手袋、そして強力な洗剤を買ってきた。
装備は完璧、あとはこの忌々しい食器共を駆逐するだけだ。
人生の苦行、食器洗いがスタートした。
マスクをしているが、涙が出るほど匂いはキツく、体をのけぞらして洗っていく。
ゴシゴシゴシゴシ。
洗い始めてから20分が経った、山盛りの食器もかなり減り、やっと終わりが見えてきた。
「はぁぁ、やっとおわるぅぅぅ...」
大きい溜息をつき、ラストスパートに入る。
「キュー...」
え?、キュー?
「キュー...キュー...」
皿の下から何かの鳴き声が聞こえてくる。
「え?なになに?虫?」
それにしては高く甘えるような声をしている、どちらかと言えば猫や犬などの動物的な鳴き声だ。
私は食器をかき分け、声の主を発見した。
「キュー!キュー!」
そこには手のひらサイズの吐瀉物を固めたような見た目の何かがいた。
「ヒィ!何よコイツ!臭い!」
何かは私を見て目を輝かせ、甘い声を出しながらにじり寄ってくる、何かが通った後には赤黒い粘着性のある粘液が残り、異臭を放つ。
私を親かなにかだと思っているのだろうか?だとしたら私が食器洗いをサボりすぎたせいで生まれた存在なのか?
「キュー!キュー!」
酷い匂いだ、だが、この生物にも命はある、そしてそれを生み出したのは私自身だ。
この生物は私が育てないといけない、それが生み出してしまった者の義務だから...。
家は常に散らかっているし、洗濯も溜め込む、家で物を無くすこともかなり多い。
故に、家事全般がかなりおざなり状態だ。
その中でもダントツに私が億劫に感じるのが食器洗いである。
なんなのあれ?時間もかかるし手は汚れるし冬だったら水が冷たくて仕方がない。
最近は食器洗いをしてくれる家政婦さんを雇おうかと真剣に考えているくらいだ。
そんなことだから、私のキッチンの食器は常に枯渇している。
食器が無いと食べ物は食べられない、いつまでもファストフードのハンバーガーとポテトばかり食べられないので、重い腰を上げて大量に溜まった食器群に立ち向かう。
「うへぇ、これはきっついなぁ...」
食器に付いている汚れはこびりつき、食べ残しも捨ててからかなり日にちががたっているため、鼻が曲がるような酷い匂いを放っている。
「よし、これは厳重な装備がいるな」
私は近くのドラッグストアに行き、マスクとゴム手袋、そして強力な洗剤を買ってきた。
装備は完璧、あとはこの忌々しい食器共を駆逐するだけだ。
人生の苦行、食器洗いがスタートした。
マスクをしているが、涙が出るほど匂いはキツく、体をのけぞらして洗っていく。
ゴシゴシゴシゴシ。
洗い始めてから20分が経った、山盛りの食器もかなり減り、やっと終わりが見えてきた。
「はぁぁ、やっとおわるぅぅぅ...」
大きい溜息をつき、ラストスパートに入る。
「キュー...」
え?、キュー?
「キュー...キュー...」
皿の下から何かの鳴き声が聞こえてくる。
「え?なになに?虫?」
それにしては高く甘えるような声をしている、どちらかと言えば猫や犬などの動物的な鳴き声だ。
私は食器をかき分け、声の主を発見した。
「キュー!キュー!」
そこには手のひらサイズの吐瀉物を固めたような見た目の何かがいた。
「ヒィ!何よコイツ!臭い!」
何かは私を見て目を輝かせ、甘い声を出しながらにじり寄ってくる、何かが通った後には赤黒い粘着性のある粘液が残り、異臭を放つ。
私を親かなにかだと思っているのだろうか?だとしたら私が食器洗いをサボりすぎたせいで生まれた存在なのか?
「キュー!キュー!」
酷い匂いだ、だが、この生物にも命はある、そしてそれを生み出したのは私自身だ。
この生物は私が育てないといけない、それが生み出してしまった者の義務だから...。
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