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闇鍋

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「楽しみだなぁ、私前々から闇鍋やってみたかったんだよね」
今日は親友の真奈ちゃんと闇鍋をすることなっている。
「私も私も!楽しそうだなぁって思ってたけど実際やるのはなんか怖くてさぁ」
「私も七瀬ちゃんとだから出来るんだよ、男の人とか居たら真っ暗の部屋で体触られそうだし」
「そうそう!変な薬とか入れられたら堪んないもんねぇ」
七瀬ちゃんはそう言っているが、鍋として入れられると嫌なものは買ってきている、闇鍋の醍醐味と言ったらそこだろう。
「できた!、準備完了!」
鍋に出汁を入れ、沸騰した状態にしておく、あとは電気を消すだけだ。
「よ~し、電気消しちゃうよぉ」
「キャー、なんだかドキドキしてきちゃった!」
パチッ。
闇鍋が始まった、各自持ち寄った具材を鍋に放り込み、グツグツと煮ていく。
「七瀬、あんた変な薬は嫌とか言っといて、媚薬とか入れてないでしょうねぇ」
「ふっふっふ、分からないぞぉ、私は今男側の立場かもしれないぞぉ」
私も私で持ってきたぶどうやらなんやらを入れる。
「ふふ、ふふふふ」
「あっ、桃ちゃん今絶対変なの入れたでしょ、悪い笑い声だからすぐ分かっちゃう」
時間もいい具合に経ち、鍋の中のものがグツグツと煮える音がしてきた。
「よ~し、頂きますか!」
「怖いなぁ、美味しいものに当たりますよーに!」
ドキドキの瞬間、これが闇鍋、ハマっちゃいそう...。
パクっ!
「んッ!!!!!」
明らかに食べてはいけない苦い味が舌に広がる、初っ端からハズレとはついてない。しかし酷い味だ、七瀬は何を入れたのだろう。
「ウゲッ!!!!」
どうやら相手もハズレを引いたらしい、しめしめ、いい気味だ。
「ちょっと七瀬ぇ、何入れたのよー、思わず吐きそうになっちゃったわ」
「それはこっちのセリフだよぉ、今まで食べてきた中で一番まずかったよ」
それから何回も鍋を口にしたが、ベチャベチャと噛みきれない生臭い肉が入っていたり、ジェル状の鼻水のような物が入っていたりと、ろくな食べ物がなかった。
あまりのハズレの多さに空気が悪くなり、喧嘩に発展しそうになったので闇鍋を中止にすることにした。
「なんか、ごめんね...、こんなことになっちゃって...」
「う、ううん、私もちょっとふざけすぎて変なの入れずきたかもしれない、ごめんね...」
なんとも言えぬ空気の中、私は電気をつけた。
パチッ
「「キャーーーーーーー!!!!」」
鍋を見て私たちは驚愕する。

鍋の中には真っ二つに割れた頭と、それに群がる虫が入っていた。
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