三分で読める一話完結型ショートホラー小説

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結花の充実した一日

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最近雨が続いたせいで部屋に籠りきりだったので、ショッピングに出かけることにした。
久しぶりの外出に胸が高鳴る。
「今日はどんな服を買おっかな~」
鼻歌を歌いながら上機嫌でショッピングへと向かった。

今日久しぶりに結花が外に出た、三日ぶりの外出だ。
外には出たくないが、結花が居るところには俺がいないといけない、俺が守ってやらないといけない。
運動不足と不摂生で肥太った体を無理やり立たせ外に出る。

なんと今日はセールをやっていた!
「ラッキー!やっぱ私って持ってるなぁ!」
前々から欲しかった服をカゴにどんどん入れていく。
「ふふふ、明日から着る服に困ってしまいますなぁ」
贅沢な悩みに頭を抱えつつ、服をレジに持っていった。

結花が服を購入した、いつもの結花らしくない、スポーティな服だ。
でもまぁ結花になら何でも似合う、今まで見てきた結花の服で似合っていない物などひとつもなかった。
せっかくだから俺も服を買おうと思ったが、俺に会うサイズはどうせ無いのでやめておいた。

「ちょっと買いすぎちゃったかなぁ、でもまぁいつか買おうと思ってたし、安く買えて良かったと思おう、うん」
ぐぅ~
時刻は12時をちょうど過ぎたあたり、ご飯の時間だ。
フードコートに向かい安めのご飯屋さんを探す。
「う~ん、安めの物となるとこのハンバーガー屋さんかなぁ」
世界中に店舗を持つ、安さと速さが自慢のチェーン店で昼ごはんを済ます。

12時17分、ハンバーガー屋でチキンバーガーセットを購入し、昼飯に入った。
結花、ダメだよそんな物で昼を済ましちゃ。
ちゃんと栄養のあるものを食べないと太っちゃうぞ、君のスタイルは抜群なのに..。
俺は結花の健康管理に抜かりない、結花のことを気にしすぎるせいで自分が太ってしまうくらいだ。
それほどまでに結花のことを思っているのだ。
健康管理の資料にするために、結花が捨てたストローとナフキンをゴミ箱から回収する。

「ふ~、服も買ったしご飯も食べたし、そろそろ家に帰ろうかな、そうだ!あそこのケーキ屋に寄って帰ろう!」
ここから家に帰る道中にテレビで紹介されるほどのケーキ屋がある、私はそこのモンブランが大好きで、通りかかると必ず購入するのだ。

2時38分、ケーキ屋にていつものモンブランを購入。
ほんとに結花はモンブランが大好きだ。
実をゆうと俺も一番好きなケーキはモンブランだ、これは運命としか言いようがない。
それにマヨネーズとトンカツソースをかけるとさらに美味しくなるということをいつか教えてあげないとな。

「ただいまぁ」
誰もいないが、気分がいい時はなんとか言ってしまう。
「早速買った服きてみよ~っと」
服を脱ぎ、買いたてホヤホヤの服を来てみる。
「うわぁ、かわいい~、やっぱり買ってよかった!」
これをセールで安く買えたのだ、やっぱり私は持っている!

結花が家で服を着替え始めた、全く、窓の近くで着替えるとは、少しは女の子の自覚を持って欲しいものだ。
そんなことしてたら誰かに盗撮されちゃうよ?

「ふぁ~、久しぶりに出かけたらなんだか疲れちゃった、ちょっとお昼寝でもしよっと」
ふかふかのベットに横になる、この眠りに落ちる瞬間はなんとも言えぬ心地良さがある。
ぐぅーぐぅー

3時15分、結花が昼寝を始めた。
「ふぅー、今日も一日、結花の安全を守れたな」
全く俺がいないとダメなんだから結花は。
安心したのかお腹がすいてきた、俺は足元に落ちているスナック菓子を拾い上げ、バリバリと食べながら結花の寝顔を見つめ続けた。
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