三分で読める一話完結型ショートホラー小説

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進化

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2250年、人類は進化した。
人間はこれ以上進化しても意味が無いほどに完成されていると思われたが、様々な学者が予想だにしない方向に人類は進化をはたした。
体に取り込んだ食べ物の色が、体に反映されるようになったのである。
こうなった理由には諸説あるが一般的にはこう言われている。
人類は自然界というものから逸脱した存在であり、もはや生き残るという点においては進化する必要はなくなった。
しかし人間社会が複雑化していくうちに、自然界とは違う人間界というものが形成され始めた。
そこで発展していくためには、個性がないといけない。参考書に載っている人類史上最悪の年代と言われている、2020年頃の社会を見るとわかる通り、あの頃はみな死んだ顔で個性のこの字もないみじめな姿をしていた。
人に合わせることを良しとする悪習慣のせいで、どれだけ人がいようが、実質全員同じようなものだった。
そんな状況で人類は発展できるのだろうか?答えはNoだ。全員が全員同じことをするだけでは現状維持にしかならない、他とは違うことをする人物がいないと物事は動かないのだ。
それをDNAは黙って見過ごすことは出来なかったのだろう。
もしも私が2020年頃に生まれていたと思うとゾッとする。
あんな出る杭は打たれる社会で、自分のしたいこともできずに死んでいくなんて、まさしく地獄ではないか。
最近の研究で分かったことだが、2020年頃の人達のストレス値は、ここ数十年のストレス値を足しても到底届かないらしい、それだけでもあの年代がいかに生きずらかったかわかる。
あぁ、良かった今の時代に生まれてきて。

あんな生き地獄で生きるなんて、実質死んでるようなもんじゃん。


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