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細胞の気持ち
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「なぁ、俺らってなんで働いてんだ?」
「確かに、なんの見返りもなく働くなんておかしいよな、どうして今まで気ずかなかったんだ?」
大変なことが起こった。
体の中の細胞たちが自分たちが働くことに対しての見返りがないことに憤りを感じ始めたのである。
「別に働いても働かなくても一緒なんだろ?だったら働かない方がいいに決まってる」
「たしかに、おーいみんな!働くなんて馬鹿なこともうやめようぜ!」
「ぜぇぜぇ、なんだろう、最近調子が悪いな」
彼は田中誠、この細胞たちの大元である。
「おい、知ってるか、最近働くことを辞めた細胞達がいるらしいぞ」
「え?働くのを辞める?そんな選択肢があったとは」
「おーい、みんな!どうして働いてなんかいるんだ?時間の無駄だろう!」
細胞たちの間で働くことの無意味さがどんどん知れ渡っていく。
「はぁ、はぁ、息苦しい、熱は無いし、一体どうしたというのだ」
「聞いたか?赤血球達はもうほとんど働いてないらしいぜ」
「まじかよ、じぁ俺らもやめよっかなー」
「先生!!緊急搬送です!!」
「どうした!患者に何があった!」
「街中で突然倒れたそうです!!原因は分かっていません!!」
「おっ、赤血球じゃーん、今から遊びに行くところなんだけどいっしょにこない?」
「お!君たちも働くことを辞めたのか白血球、いいぜ!一緒に遊ぼう!」
「せん、せい...私はどうしてしまったのですか?」
「ハッキリとは分かりませんが、白血病に近い症状が出ています、早急に対処せねば命に関わるでしょう」
「よー!久しぶりだな心筋細胞!相変わらず真面目に働いてるな~」
「え~!?白血球に赤血球!どうしたの!?こんな所にいていいの?」
「何言ってんだよ、働くなんて馬鹿らしいことやってられないよ、君はどうして働いてるんだ?」
「え?どうしてって...、たしかに、僕はどうして働いているんだろう...」
「だろ?辞めちまえよそんなこと!一緒に遊ぼうぜ!ここにはそのために来たんだからな!」
「え!?僕と遊ぶためにわざわざ来てくれたの?うれしいなぁ、じぁあ、遊んじゃおっかな!!」
「先生!!田中さんが心停止しています!!」
「おかしい!!さっきまでは問題なく動いていたはずだ!!何故だ、どうして急に!!」
「ねぇ!!僕達をこき使っていた大元が死んだらしいよ!!」
「まじで!?やったぜ!!これで自由じゃねぇか!!」
「あははは!!楽しいなぁ!!働くことから解放されてから毎日が楽しい!!こうして仲間と笑っている方がよっぽどいいや!!」
「「「ほんと、働くってバカみたい!!」」」
「確かに、なんの見返りもなく働くなんておかしいよな、どうして今まで気ずかなかったんだ?」
大変なことが起こった。
体の中の細胞たちが自分たちが働くことに対しての見返りがないことに憤りを感じ始めたのである。
「別に働いても働かなくても一緒なんだろ?だったら働かない方がいいに決まってる」
「たしかに、おーいみんな!働くなんて馬鹿なこともうやめようぜ!」
「ぜぇぜぇ、なんだろう、最近調子が悪いな」
彼は田中誠、この細胞たちの大元である。
「おい、知ってるか、最近働くことを辞めた細胞達がいるらしいぞ」
「え?働くのを辞める?そんな選択肢があったとは」
「おーい、みんな!どうして働いてなんかいるんだ?時間の無駄だろう!」
細胞たちの間で働くことの無意味さがどんどん知れ渡っていく。
「はぁ、はぁ、息苦しい、熱は無いし、一体どうしたというのだ」
「聞いたか?赤血球達はもうほとんど働いてないらしいぜ」
「まじかよ、じぁ俺らもやめよっかなー」
「先生!!緊急搬送です!!」
「どうした!患者に何があった!」
「街中で突然倒れたそうです!!原因は分かっていません!!」
「おっ、赤血球じゃーん、今から遊びに行くところなんだけどいっしょにこない?」
「お!君たちも働くことを辞めたのか白血球、いいぜ!一緒に遊ぼう!」
「せん、せい...私はどうしてしまったのですか?」
「ハッキリとは分かりませんが、白血病に近い症状が出ています、早急に対処せねば命に関わるでしょう」
「よー!久しぶりだな心筋細胞!相変わらず真面目に働いてるな~」
「え~!?白血球に赤血球!どうしたの!?こんな所にいていいの?」
「何言ってんだよ、働くなんて馬鹿らしいことやってられないよ、君はどうして働いてるんだ?」
「え?どうしてって...、たしかに、僕はどうして働いているんだろう...」
「だろ?辞めちまえよそんなこと!一緒に遊ぼうぜ!ここにはそのために来たんだからな!」
「え!?僕と遊ぶためにわざわざ来てくれたの?うれしいなぁ、じぁあ、遊んじゃおっかな!!」
「先生!!田中さんが心停止しています!!」
「おかしい!!さっきまでは問題なく動いていたはずだ!!何故だ、どうして急に!!」
「ねぇ!!僕達をこき使っていた大元が死んだらしいよ!!」
「まじで!?やったぜ!!これで自由じゃねぇか!!」
「あははは!!楽しいなぁ!!働くことから解放されてから毎日が楽しい!!こうして仲間と笑っている方がよっぽどいいや!!」
「「「ほんと、働くってバカみたい!!」」」
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