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地縛霊
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私が一番大好きな場所、それは学校だ。
大好きな友達、その友達と力を合わせるイベントの数々。
学校には色んなドラマがある。
「今日は皆とどんな話をしよっかなー」
学校につく前から楽しい気持ちになり、スキップしながら登校する。
「昨日やってた特番の話は絶対するでしょー、あと花ちゃんと山田くんの恋愛事情も聞きたいなー」
あぁ、早く学校に着きたい、今日も一日楽しくなりそうだ。
「君!!危ないぞ!!」
「へ?」
ぐちゃぐちゃぐちゃ
私は信号無視してきた車に轢かれて死んだ、犯人は薬物を使いながら車を運転していたらしい、私の死体は見るも無惨な姿になった。
それからというもの、私は学校に地縛霊としてさまよっている。
地縛霊というと死んだ場所に居座るイメージがあるが、それはそこに未練があるからであって、学校に未練たらたらの私は学校をさまようことになった。
でもこれが一番いいのかもしれない、友達の顔を見ることができるし、皆が私が死んだことを悲しんでくれている。
その姿を見ていると私のことを皆がこんなに思っていてくれたのかと感情深くなり、こっちの方が涙が出てしまう。
まぁ、死んでいるから出ないのだけれど。
「あぁ、由美、どうして死んでしまったの?あなたがいないとクラスがとても静かだわ」
智子、ありがとう。私はちゃんと聞いてるよ。
「由美、とっても仲間思いで優しい子だったわ」
三郷、借りてた本返せなくてごめんね...。
皆が私に思いを馳せる度に嬉しくなる、これなら寂しくなんかない、なんだ、死んでも全然苦しくなんかないじゃない。
死んでからの毎日は生前と同じくらいに充実していた、皆が私を話題に出す度に笑みがこぼれる。
強いてゆうなら、みんなが帰ってしまうと暇になるということくらいだろう。
だが、1ヶ月もすると状況は変わっていった。
誰も私のことを口にしなくなったのである。
「ねぇ!昨日のテレビ見た!?ライくんめっちゃかっこよかったよねぇー!」
あっ、それ、私が大好きだった俳優...。
「見た見た!!もうマジでかっこよすぎる!!結婚した~い!!」
ちがうじゃん、そういえば由美、この俳優好きだったよねって、前なら言ってくれたじゃん。
ふと周りを見渡すと、前までの暗く沈んだ空気はなく、みんな日常を楽しんでいた。
まるで私が死んだことなど、なかったかのように...。
いやだ、みんな私を仲間外れにしないでよ。
私はここにいるよ、私もクラスメートの一人でしょ。
「みんな!!私をみてよ!!」
大きく叫ぶが、誰一人こちらを見るものはいない。
いやだ、いやだいやだ、いやだいやだいやだいやだいやだ。
みんな、私を忘れないでよ...
大好きな友達、その友達と力を合わせるイベントの数々。
学校には色んなドラマがある。
「今日は皆とどんな話をしよっかなー」
学校につく前から楽しい気持ちになり、スキップしながら登校する。
「昨日やってた特番の話は絶対するでしょー、あと花ちゃんと山田くんの恋愛事情も聞きたいなー」
あぁ、早く学校に着きたい、今日も一日楽しくなりそうだ。
「君!!危ないぞ!!」
「へ?」
ぐちゃぐちゃぐちゃ
私は信号無視してきた車に轢かれて死んだ、犯人は薬物を使いながら車を運転していたらしい、私の死体は見るも無惨な姿になった。
それからというもの、私は学校に地縛霊としてさまよっている。
地縛霊というと死んだ場所に居座るイメージがあるが、それはそこに未練があるからであって、学校に未練たらたらの私は学校をさまようことになった。
でもこれが一番いいのかもしれない、友達の顔を見ることができるし、皆が私が死んだことを悲しんでくれている。
その姿を見ていると私のことを皆がこんなに思っていてくれたのかと感情深くなり、こっちの方が涙が出てしまう。
まぁ、死んでいるから出ないのだけれど。
「あぁ、由美、どうして死んでしまったの?あなたがいないとクラスがとても静かだわ」
智子、ありがとう。私はちゃんと聞いてるよ。
「由美、とっても仲間思いで優しい子だったわ」
三郷、借りてた本返せなくてごめんね...。
皆が私に思いを馳せる度に嬉しくなる、これなら寂しくなんかない、なんだ、死んでも全然苦しくなんかないじゃない。
死んでからの毎日は生前と同じくらいに充実していた、皆が私を話題に出す度に笑みがこぼれる。
強いてゆうなら、みんなが帰ってしまうと暇になるということくらいだろう。
だが、1ヶ月もすると状況は変わっていった。
誰も私のことを口にしなくなったのである。
「ねぇ!昨日のテレビ見た!?ライくんめっちゃかっこよかったよねぇー!」
あっ、それ、私が大好きだった俳優...。
「見た見た!!もうマジでかっこよすぎる!!結婚した~い!!」
ちがうじゃん、そういえば由美、この俳優好きだったよねって、前なら言ってくれたじゃん。
ふと周りを見渡すと、前までの暗く沈んだ空気はなく、みんな日常を楽しんでいた。
まるで私が死んだことなど、なかったかのように...。
いやだ、みんな私を仲間外れにしないでよ。
私はここにいるよ、私もクラスメートの一人でしょ。
「みんな!!私をみてよ!!」
大きく叫ぶが、誰一人こちらを見るものはいない。
いやだ、いやだいやだ、いやだいやだいやだいやだいやだ。
みんな、私を忘れないでよ...
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