三分で読める一話完結型ショートホラー小説

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古い洋館

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滋賀県にあるとある心霊スポット、俺は東京からはるばるここにやってきた。
何故わざわざ滋賀の心霊スポットかと言うと、俺のホラー仲間がここに来て消息を絶ったからだ。
別に助けに来たとかそんな理由ではなく、人が消えた心霊スポット、そこに惹かれて来た。
ここに来て帰ってきた人はいない、そう言われる胡散臭い心霊スポットはごまんとあるが、ここは実際に身内が消えたのだ、これは本当に幽霊が出るのかもしれない。
車を心霊スポット付近に停め、歩いて心霊スポットに向かう。
人気のない林道を一時間ほど歩くと、見上げるほど大きい洋館が見えてきた。
周りは木々に囲まれ、長いこと手入れがされていないのか随分ボロボロだ。
あまりの雰囲気に息を飲む、今までいくつもの心霊スポットを見てきたが、ここだけは入ってはいけないということが見てわかる。
だが、ここまで来て帰る訳にもいかない、着いてから止まらない鳥肌を必死に抑え、扉をゆっくりと開ける。
「おーい、友樹、いるかー?」
一様消えた仲間の名前を呼ぶ、当然のことだが返事はない。
シンっと静まり返った洋館の中、自分の鼓動と呼吸音がいやに大きく聞こえる。
持参した懐中電灯のスイッチを入れ中を見る、中はホコリや蜘蛛の巣が張り巡らされているが、家具などはそのままで、綺麗にしたらまた洋館として住むことが出来そうだ。
だが、逆にそれが不気味に感じる、幽霊たちが洋館に住み着き、生活しているところが容易に想像出来てしまう。
一階を探索し終え二階へと進む、階段は螺旋階段となっており、一階から二階までの間がいやに長い。
登っている最中に一階が暗闇に包まれ見えなくなってしまった。
二階には寝室やゲストルーム、書斎室などが設置されていた。
驚いたことに、書斎室にアルバムがおいてあった、小さな女の子の生まれてから小学校を卒業するまでの写真がアルバムには載せられていた。
最初はこの不気味な洋館の中に人の温かみを感じるものを発見し、すこし緊張がほぐれたが、小学校以降の写真が一切ないことに気づきゾッとする。
この子は死んでしまったのだろか?心霊スポットということもあり嫌な想像が膨らんでしまう。
「あらかた見て回ったな、さっさとここを出よう」
正直に言うと怖くてたまらない、
自分の恐怖心がそうさせているのか、アルバムを見たあたりから変な目線を感じている。
早足で螺旋階段へと進み、急いで降りていく。

「ねぇ、どこに行こうとしているの?」

「え?」
バキッ
足元の階段が抜け、体制を崩した俺は螺旋階段から落ちてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺は大声を上げ落ちていく、下へ下へと。
永遠に。
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