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窓
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ベチャッ
まただ、またこの音で目が覚める。
俺はとても繊細だ、睡眠中はどんな小さな音であっても目が覚めてしまう。
「しかも最悪なのが虫が死ぬ瞬間の音ってことなんだよなー」
俺の家の窓には何故かよく虫が激突してくる、それも相当スピードを出しているのか、毎回ぶつかる虫はぐちゃぐちゃになっている。
「お前らの死体を掃除するこっちの身にもなってくれよなぁ」
窓にへばりつく、原型が無さすぎてなんの虫か分からない物をヘラで削ぎ落とす。
このためだけにヘラを購入したのだ。
「はぁ、なんだってこんなに虫が突っ込んでくるんだよ、この家もしかして甘い匂いでもしているのか?」
まぁ文句は言ってるものの、立地や家賃は悪くは無い、下手に幽霊が出るとかよりは全然マシだろう、寝起きが最悪なことぐらい我慢出来る。
ベチャッベチャッベチャッベチャッベチャッベチャッベチャッ
次の日の朝、とてつもない不快な音で目が覚める。
「おいおい!?何事だ!?」
窓を見てみると一面に虫の死体が張り付いていた。
体から染み出る体液で、窓はびちょびちょである。
「うわ...これはさすがに、ウッ」
トイレに駆け込み胃の中の物をぶちまける。
「はぁはぁ、今からあれを掃除するってのか?ふざけんじゃねぇぞ...」
その日の窓掃除は最悪だったことは言うまでもない。
「あー、寝たくねぇー、また虫が突っ込んで来たらどうすんだよぉぉ」
布団の中に入ってはみたものの、朝の光景を思い出し、絶望する。
とはいえ寝ない訳にもいかない、明日は何も起こらないことを切望しつつ眠りにつく。
バンッ!!
「うわ!びっくりした!」
今までにない騒音が響く。
「今日は何がぶつかって来たんだよ...」
憂鬱な気持ちで窓を確認する。
「え?おいおいまじかよ...」
カラスが窓にへばりついていた、口からは内臓が飛びだし、目は灰色になっていた。
「よく割れなかったな、窓...、いやいや、そういう問題じゃないだろ俺、現実逃避するな俺」
ゴミ袋を準備し、ごめんなさいと謝りながらゴミ捨て場に捨てる。
「虫の次は鳥か...、もっとやばいやつが来る前に引っ越した方がいいかもな」
そんなことを考えてテレビ見ていると、いつの間にか寝落ちしてしまった。
「緊急速報です!!」
「おお!!なんだ!!」
テレビアナウンサーの声で目が覚める。
「ただいま上空を飛んでいる飛行機がトラブルにより墜落するそうです!!付近の皆様は早急に避難してください!!」
嫌な予感がする。
「おい、まさか、さすがにちがうよなぁ...?」
恐る恐る窓から上空を見上げる。
大型の飛行機が、一直線にこちらに向かって落ちてきていた。
まただ、またこの音で目が覚める。
俺はとても繊細だ、睡眠中はどんな小さな音であっても目が覚めてしまう。
「しかも最悪なのが虫が死ぬ瞬間の音ってことなんだよなー」
俺の家の窓には何故かよく虫が激突してくる、それも相当スピードを出しているのか、毎回ぶつかる虫はぐちゃぐちゃになっている。
「お前らの死体を掃除するこっちの身にもなってくれよなぁ」
窓にへばりつく、原型が無さすぎてなんの虫か分からない物をヘラで削ぎ落とす。
このためだけにヘラを購入したのだ。
「はぁ、なんだってこんなに虫が突っ込んでくるんだよ、この家もしかして甘い匂いでもしているのか?」
まぁ文句は言ってるものの、立地や家賃は悪くは無い、下手に幽霊が出るとかよりは全然マシだろう、寝起きが最悪なことぐらい我慢出来る。
ベチャッベチャッベチャッベチャッベチャッベチャッベチャッ
次の日の朝、とてつもない不快な音で目が覚める。
「おいおい!?何事だ!?」
窓を見てみると一面に虫の死体が張り付いていた。
体から染み出る体液で、窓はびちょびちょである。
「うわ...これはさすがに、ウッ」
トイレに駆け込み胃の中の物をぶちまける。
「はぁはぁ、今からあれを掃除するってのか?ふざけんじゃねぇぞ...」
その日の窓掃除は最悪だったことは言うまでもない。
「あー、寝たくねぇー、また虫が突っ込んで来たらどうすんだよぉぉ」
布団の中に入ってはみたものの、朝の光景を思い出し、絶望する。
とはいえ寝ない訳にもいかない、明日は何も起こらないことを切望しつつ眠りにつく。
バンッ!!
「うわ!びっくりした!」
今までにない騒音が響く。
「今日は何がぶつかって来たんだよ...」
憂鬱な気持ちで窓を確認する。
「え?おいおいまじかよ...」
カラスが窓にへばりついていた、口からは内臓が飛びだし、目は灰色になっていた。
「よく割れなかったな、窓...、いやいや、そういう問題じゃないだろ俺、現実逃避するな俺」
ゴミ袋を準備し、ごめんなさいと謝りながらゴミ捨て場に捨てる。
「虫の次は鳥か...、もっとやばいやつが来る前に引っ越した方がいいかもな」
そんなことを考えてテレビ見ていると、いつの間にか寝落ちしてしまった。
「緊急速報です!!」
「おお!!なんだ!!」
テレビアナウンサーの声で目が覚める。
「ただいま上空を飛んでいる飛行機がトラブルにより墜落するそうです!!付近の皆様は早急に避難してください!!」
嫌な予感がする。
「おい、まさか、さすがにちがうよなぁ...?」
恐る恐る窓から上空を見上げる。
大型の飛行機が、一直線にこちらに向かって落ちてきていた。
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