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木製の手すり
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「わぁ、すごく綺麗ですねぇ」
「そうだねぇ、さすが雑誌に乗るだけあるね」
私は今、仲のいい先輩と一緒にプチ旅行に来ていた。
「そうだ!ねぇねぇサキちゃん、写真撮ってくれない?」
先輩の趣味は写真だ。SNSでは先輩の撮る写真はそこそこ人気があり、フォロアー数も結構いる。
「いきますよ~、はい、チーズ!!」
カシャ
おお、我ながら綺麗に撮れた。
夕日が先輩を綺麗に照らし、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。
「キャー!!サキちゃん写真撮るの上手いじゃーん、びっくりしちゃったよー」
「えへへ、そんなに綺麗ですかねぇ?」
写真について結構厳しい先輩に褒めらると、なんだか照れてしまう。
「サキちゃんも撮ってあげるよ!!」
「え?私もですか?じゃあお願いしちゃいまーす」
先輩にとってもらえるのだ、これは映えること間違いなしだ。
「いくよー、ポーズとってー」
「はーい」
私は手すりにもたれかかる、きっと夕日とマッチして先輩以上にノスタルジックな写真になるだろう。
「痛っ!!」
予想だにしていない痛みに、思わず叫んでしまった。
手すりから木の枝が飛び出しており、それが小指に突き刺さったのだ。古い木製の手すりだ、きっと手入れ不足だったのだろう。
「え!?大丈夫!?」
「くぅぅ...、はい、大丈夫ですぅ...」
「ほんとに?ちょっと見せてみて...うわ!!すごい血が出てるじゃん!!これは大丈夫なんかじゃないよ!!」
「そ、そんなに慌てなくても...、すぐ止まりますって...」
「サキちゃん!!指を抑えてて!!離しちゃダメだよ!!今車から包帯取ってくるから!!」
先輩が急いで車に向かって走っていく、私は溢れ出す血と痛みを抑えるのに必死でその場から動けなかった。
「ほら、もう大丈夫、応急処置は終わったよ」
「うぅ、ありがとうございます」
私は怪我の痛みと旅行の楽しい雰囲気をぶち壊した罪悪感で泣きそうになる。
「ほら!!しんみりしないで!!旅行はまだ始まったばっかりよ!!」
先輩が笑顔で言う。
しかし私はそれに対していい返事が出来なかった。
私は見てしまったのだ、飛び出ていた木の枝の後ろ側に、小さな虫の卵がみっちりと敷き詰められていたのを...
「そうだねぇ、さすが雑誌に乗るだけあるね」
私は今、仲のいい先輩と一緒にプチ旅行に来ていた。
「そうだ!ねぇねぇサキちゃん、写真撮ってくれない?」
先輩の趣味は写真だ。SNSでは先輩の撮る写真はそこそこ人気があり、フォロアー数も結構いる。
「いきますよ~、はい、チーズ!!」
カシャ
おお、我ながら綺麗に撮れた。
夕日が先輩を綺麗に照らし、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。
「キャー!!サキちゃん写真撮るの上手いじゃーん、びっくりしちゃったよー」
「えへへ、そんなに綺麗ですかねぇ?」
写真について結構厳しい先輩に褒めらると、なんだか照れてしまう。
「サキちゃんも撮ってあげるよ!!」
「え?私もですか?じゃあお願いしちゃいまーす」
先輩にとってもらえるのだ、これは映えること間違いなしだ。
「いくよー、ポーズとってー」
「はーい」
私は手すりにもたれかかる、きっと夕日とマッチして先輩以上にノスタルジックな写真になるだろう。
「痛っ!!」
予想だにしていない痛みに、思わず叫んでしまった。
手すりから木の枝が飛び出しており、それが小指に突き刺さったのだ。古い木製の手すりだ、きっと手入れ不足だったのだろう。
「え!?大丈夫!?」
「くぅぅ...、はい、大丈夫ですぅ...」
「ほんとに?ちょっと見せてみて...うわ!!すごい血が出てるじゃん!!これは大丈夫なんかじゃないよ!!」
「そ、そんなに慌てなくても...、すぐ止まりますって...」
「サキちゃん!!指を抑えてて!!離しちゃダメだよ!!今車から包帯取ってくるから!!」
先輩が急いで車に向かって走っていく、私は溢れ出す血と痛みを抑えるのに必死でその場から動けなかった。
「ほら、もう大丈夫、応急処置は終わったよ」
「うぅ、ありがとうございます」
私は怪我の痛みと旅行の楽しい雰囲気をぶち壊した罪悪感で泣きそうになる。
「ほら!!しんみりしないで!!旅行はまだ始まったばっかりよ!!」
先輩が笑顔で言う。
しかし私はそれに対していい返事が出来なかった。
私は見てしまったのだ、飛び出ていた木の枝の後ろ側に、小さな虫の卵がみっちりと敷き詰められていたのを...
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