三分で読める一話完結型ショートホラー小説

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静まり返った街

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朝、うるさいアラームの音で目が覚めた。
やかましいアラームを止めると、先程までのうるささとはうってかわって辺りはシンと静まり返った。
「今朝はやけに静かだな」
鳥のさえずりも車の音も、ましてやこの時期にうるさいセミの声すら聞こえない。
「まぁ静かなのはいい事だ、朝飯を食おう」
モグモグモグモグ
自分の咀嚼音以外は何も聞こえない。テレビをつけようとしたが、故障してしまったのか電源をつけても画面はくらいままだ。
さすがにここまで静かだと気が滅入る。というか、ここまで静かなのはおかしい。
俺の家は都会のど真ん中にある、朝でも車の音や人の話し声は絶えず聞こえてくるはずだ。
疑問に思いカーテンを開け外を見た。
一瞬太陽の光で目の前が真っ白になったが、目が慣れてくるとそこにはおぞましい景色が広がっていた。

死んでいる。みんな死んでいる。
いや、爆死している?みんな木っ端微塵に砕け散り、内蔵や血を派手にぶちまけていた。
そもそも、元が人間であったかさえわからない。ぐちゃぐちゃすぎて、原型を留めていないからだ。
だが、そのぐちゃぐちゃの肉片がある所は駅のホームだったり、車の中だったり、洗濯物を干しているベランダだったりと、人間がいるであろう場所にある。
考えたくはないが、これは人間なんだろう。
「...まじかよ」
それしか言えなかった、想像できるか?朝目が覚めたら自分以外の生物がみんなぐちゃぐちゃの肉片になってるなんて。

とりあえず、好きな人の家に行ってみた。
大学の同じ学部だった娘の家だ。
そこに行く道でも、ぐちゃぐちゃの肉片はそこらじゅうにあった。
犬の散歩していたであろう人の位置に肉片、そのすこし先で首輪が埋もれた肉片。
最初のうちは肉片を踏まないようにしていたが、もうどうでも良くなってぐちゃぐちゃと音を立てながら歩いた。
真っ白のスニーカーが真っ赤になり、よくわらない臓器がくっついている。
「あぁ、この感じだとあの子も死んでんだろな」
ガチャ
「あぁ、やっぱ死んでるわ、てか鍵くらい閉めとけよ」
化粧をしていたのか化粧台の前で死んでいた。
「くそぉ、セックスしたかったなぁ。せめて原型とどめて死んでくれよぉ」
いや、よく考えたらこの肉片は見た目こそ違えどあの娘だ。
そう考えるとムラムラしてきた。好きだったあの娘が無防備な姿で目の前にいるのだ。
「よし、ヤろう」
ズボンとパンツを一緒におろす。
既に下半身は準備完了だ。
「失礼しまーす、おお!!あったけぇ!!」
元々どこの部位だったか分からないが、肉片にモノを突き刺す、ブヨブヨとしてて暖かく、ヌメヌメしていて気持ちいい。
静かな空間に、肉片を犯す音だけが鳴り響く。
「ウッ、出る!!」
肉片に白い液体がかかり、ヌメヌメした血と混じり赤白い液体ができる。
それは見た俺はとても満足した。

「この世界も、案外悪くないな!!」
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