38 / 106
ホクロ
しおりを挟む
「なぁ、お前そんなところにホクロなんかあったっけ?」
友達に言われ鏡を見てみると、眉間に大きいホクロができていた。
「ん?、うわ、マジだ、最悪じゃん、なんでこんな目立つところにホクロができんだよ」
「ははは、ニキビならまだしも、そんなところにホクロって。ははは」
「笑い事じゃねぇよぉ...」
くそ、せっかく彼女もできて大学生活が楽しくなってきたところなのに。
こんなバカでかいホクロがあったら確実に大学での俺のあだ名はホクロになるだろう。
彼女にも笑われるに違いない。
「あぁめんどくせぇ」
できる所が眉間というところもウザったい、どうせなら涙ボクロとかにしてくれれば良かったのに。
幸い今は連休の初日だ、少々手間だが、クリニックに行って消してもらおう、それが一番だ。
「はい、ではこれにて施術は終了です。しばらくの間は触らずに安静にしておいてくださいね」
「はい、ありがとうござます...」
もう最悪だ、なかなかいい値段しやがる。
せっかく新しいゲームでも買おうと思っていたのに、それもオジャンだ。
「全く、全てはこのホクロのせいだ」
だいぶイラついたが、もう消してもらった。
これで万事解決だ、明日は学校だし、帰ってさっさと寝るとしよう...。
朝起きた俺は絶望した。
「なんでだよ...なんでまたできてんだよ!!」
怒りのあまり叫ぶ。
消したはずのホクロがまた出来ていた、しかも前よりも大きい。
「これじゃ学校いけねぇよぉ...」
ジクッ
「ヴッ」
痛い、ホクロが痛い。
よく見ると透明でドロドロの液が滲み出てきている。
臭いはとても臭く、洗っても洗っても滲み出てくる。
「どうなってんだよ!!あぁ!イライラする!」
ガリガリガリガリ
怒りに任せてホクロを掻きむしる。
皮膚が裂け血が流れ、それが透明の液体と混じる。
洗面台は臭く赤グロい血で染まり、顔までもが血まみれになった。
鏡を見て驚いた、血まみれの自分に驚いた訳では無い。
ホクロが更に大きくなっていた。
いや、それはもうホクロとは呼べなかった。
「顔だ、赤ん坊の顔だ...」
自分の眉間に親指程の赤ん坊の顔が生えている。
状況を飲み込めず、じっと自分の顔から生えている赤ん坊の顔を眺める。
「おぎゃー」
喋った、いや、泣いた。
産声を上げた、こいつは俺の顔の上で産声を上げた。
「ああああああああああああ!!!!!!」
叫びながらカミソリで赤ん坊を削ぐ。
いたいたいたいたいたいたいたい。
辺りは血で染まり、痛みのあまり気絶しそうになる。
自分の声と赤ん坊の叫び声が混じり、共鳴する。
眉間ごと削ぎ落とし、俺はそのまま気絶した。
「よぉ、起きろよお前さん」
そんな声で目が覚めた。
鏡を見ると、眉間に年齢も性別もわからない、くしゃくしゃの顔が生えていた。
「無駄だよ、無駄、諦めなさい」
「俺たちはずっと一緒に生きていく運命なんだよ」
友達に言われ鏡を見てみると、眉間に大きいホクロができていた。
「ん?、うわ、マジだ、最悪じゃん、なんでこんな目立つところにホクロができんだよ」
「ははは、ニキビならまだしも、そんなところにホクロって。ははは」
「笑い事じゃねぇよぉ...」
くそ、せっかく彼女もできて大学生活が楽しくなってきたところなのに。
こんなバカでかいホクロがあったら確実に大学での俺のあだ名はホクロになるだろう。
彼女にも笑われるに違いない。
「あぁめんどくせぇ」
できる所が眉間というところもウザったい、どうせなら涙ボクロとかにしてくれれば良かったのに。
幸い今は連休の初日だ、少々手間だが、クリニックに行って消してもらおう、それが一番だ。
「はい、ではこれにて施術は終了です。しばらくの間は触らずに安静にしておいてくださいね」
「はい、ありがとうござます...」
もう最悪だ、なかなかいい値段しやがる。
せっかく新しいゲームでも買おうと思っていたのに、それもオジャンだ。
「全く、全てはこのホクロのせいだ」
だいぶイラついたが、もう消してもらった。
これで万事解決だ、明日は学校だし、帰ってさっさと寝るとしよう...。
朝起きた俺は絶望した。
「なんでだよ...なんでまたできてんだよ!!」
怒りのあまり叫ぶ。
消したはずのホクロがまた出来ていた、しかも前よりも大きい。
「これじゃ学校いけねぇよぉ...」
ジクッ
「ヴッ」
痛い、ホクロが痛い。
よく見ると透明でドロドロの液が滲み出てきている。
臭いはとても臭く、洗っても洗っても滲み出てくる。
「どうなってんだよ!!あぁ!イライラする!」
ガリガリガリガリ
怒りに任せてホクロを掻きむしる。
皮膚が裂け血が流れ、それが透明の液体と混じる。
洗面台は臭く赤グロい血で染まり、顔までもが血まみれになった。
鏡を見て驚いた、血まみれの自分に驚いた訳では無い。
ホクロが更に大きくなっていた。
いや、それはもうホクロとは呼べなかった。
「顔だ、赤ん坊の顔だ...」
自分の眉間に親指程の赤ん坊の顔が生えている。
状況を飲み込めず、じっと自分の顔から生えている赤ん坊の顔を眺める。
「おぎゃー」
喋った、いや、泣いた。
産声を上げた、こいつは俺の顔の上で産声を上げた。
「ああああああああああああ!!!!!!」
叫びながらカミソリで赤ん坊を削ぐ。
いたいたいたいたいたいたいたい。
辺りは血で染まり、痛みのあまり気絶しそうになる。
自分の声と赤ん坊の叫び声が混じり、共鳴する。
眉間ごと削ぎ落とし、俺はそのまま気絶した。
「よぉ、起きろよお前さん」
そんな声で目が覚めた。
鏡を見ると、眉間に年齢も性別もわからない、くしゃくしゃの顔が生えていた。
「無駄だよ、無駄、諦めなさい」
「俺たちはずっと一緒に生きていく運命なんだよ」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる