三分で読める一話完結型ショートホラー小説

幽霊は存在します。

あなたが見ていないお風呂場。
あなたが見ていない押し入れの中。
そこには必ず幽霊がいます。
確認しに行っても無駄ですよ、あなたがみていない所に幽霊がいるのですから。
何を言ってるかわからないって？
では説明致しましょう。
死んだら幽霊になるという説に反論するもののひとつとして、｢じぁ、原始人の幽霊が居ないのはどうしてさ？｣というものがありますが。
これは原始人の幽霊はいる。という事実があるので否定できます。
そう、今まで死んできた人達の幽霊はちゃんといるのです。私たちの視界の外に。
それは決して見えることは無いのです。
視界の外に、車に轢かれて頭をぐちゃぐちゃに潰された人の幽霊や、腹をさかれて殺された人の幽霊もいます。
今まで死んできた人達の幽霊なのですから、その量はとても多いです。
幽霊がいた所に視界を当てても、幽霊は視界の外に移動してしまいます。
視界の外にギチギチになって存在しています。
カラダから内臓が出ている幽霊同士の、お互いの内臓が絡まり合うこともよくあります。
こちらからは幽霊を見ることは出来ませんが、幽霊はこちらを常に見ています。
まだ生きている私たちのことを、恨めしそうにじっと見ています。
あなたの周りの何十人という幽霊は、あなたのことを常に見続けています。

ほら、あなたのうしろの幽霊も...