26 / 106
クッキー缶
しおりを挟む
くそ、彼女と喧嘩して別れて欲しいと言われた。
「なんなんだよあの女、浮気してたのはお前だろ?逆ギレとか意味わかんねぇし」
イライラしながら道を歩く。
相当怖い顔をしているのか、道行く人が全員俺を避けて歩く。
それが更に俺をイラつかせる。
「なんなんだよ、こいつらまで俺を拒絶するのか、どいつもこいつも嫌になるぜ」
愛してると言っている間にも、あの女は他の男と関係を持っていた。
「本当に愛してる、ずっと一緒にいようね」
そう笑顔で言っているアイツの顔が脳裏に浮かぶ。
怒りは頂点に達し、ちょうど道に捨てられていたクッキーの缶を思いっきり蹴飛ばした。
缶は勢いおく飛んでいき、壁にぶつかり中身をぶちまけた。
「フゥゥ、爽快、多少はスッキリしたぜ」
そう思っていたが、缶からぶちまけられた【何か】を見て、俺は息を飲んだ。
心臓だ、明らかに心臓だ。
ドクドクと脈打ち、活発に動いている。
「な、なんだよ、これ...?」
ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ。
心臓は地面に血管のような根を貼り、そこで活動を続けている。確かにこの心臓は生きている。
俺が動くことも出来ずにその心臓を見ていると、真ん中の辺りがぱっくり割れ、目がでてきた。
目は俺をじっとみている。なにかを俺に訴えている。
「な、なんなん、だよ...、こ、こっち見んなよ...」
震えて声が出ない。
心臓はもごもごとうごめき、脈打つ。
俺は逃げ出した。全速力で家に帰った。
「なんだアレなんだアレなんだアレなんだアレ」
布団にくるまり、ひたすら震える。
俺はなにかとんでもないものをこの世に解き放ってしまったのではないか?
あの心臓は成長していた。
放っておけば、きっと恐ろしいことになる。
ガダガダガタガタ。
俺はただ、震えることしか出来なかった。
「なんなんだよあの女、浮気してたのはお前だろ?逆ギレとか意味わかんねぇし」
イライラしながら道を歩く。
相当怖い顔をしているのか、道行く人が全員俺を避けて歩く。
それが更に俺をイラつかせる。
「なんなんだよ、こいつらまで俺を拒絶するのか、どいつもこいつも嫌になるぜ」
愛してると言っている間にも、あの女は他の男と関係を持っていた。
「本当に愛してる、ずっと一緒にいようね」
そう笑顔で言っているアイツの顔が脳裏に浮かぶ。
怒りは頂点に達し、ちょうど道に捨てられていたクッキーの缶を思いっきり蹴飛ばした。
缶は勢いおく飛んでいき、壁にぶつかり中身をぶちまけた。
「フゥゥ、爽快、多少はスッキリしたぜ」
そう思っていたが、缶からぶちまけられた【何か】を見て、俺は息を飲んだ。
心臓だ、明らかに心臓だ。
ドクドクと脈打ち、活発に動いている。
「な、なんだよ、これ...?」
ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ。
心臓は地面に血管のような根を貼り、そこで活動を続けている。確かにこの心臓は生きている。
俺が動くことも出来ずにその心臓を見ていると、真ん中の辺りがぱっくり割れ、目がでてきた。
目は俺をじっとみている。なにかを俺に訴えている。
「な、なんなん、だよ...、こ、こっち見んなよ...」
震えて声が出ない。
心臓はもごもごとうごめき、脈打つ。
俺は逃げ出した。全速力で家に帰った。
「なんだアレなんだアレなんだアレなんだアレ」
布団にくるまり、ひたすら震える。
俺はなにかとんでもないものをこの世に解き放ってしまったのではないか?
あの心臓は成長していた。
放っておけば、きっと恐ろしいことになる。
ガダガダガタガタ。
俺はただ、震えることしか出来なかった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる