三分で読める一話完結型ショートホラー小説

黒い神

皆さんもご存知の通り、人間には3大欲求がある、食欲、性欲、睡眠欲だ。うん、食欲と睡眠欲はまだ分かるが、性欲だけ異質かつ複雑すぎね？性欲だけは食欲と睡眠欲とはまとめていい代物ではなくね？そうおもうのだが、自分がおかしいのだろうか？
かの有名なピエール・ド・マンディアルグも自分の書いた小説の中でこう書いている
「エロスは黒い神なのです」
そうなんだよ、神クラスの扱いを受けるべきなんだよ性欲は。
かくゆう俺も、性欲という神なのか怪物なのかよく分からない物に飲み込まれそうになっている。正直に言おう、俺はネクロフィリアだ。日本語で言うと死体性愛。簡単に言うと死体に興奮するのだ。なんで興奮するのか自分でも分からない、ただ幼い頃から漫画やテレビの中で死体が出てくると、異常に興奮した、性的に。
自分でもおかしいことくらい分かっている、でもわかっているからと言って興奮することを辞めることは出来ない。なぜなら性欲は神だからだ。俺は自分がネクロフィリアであることを自覚してからかなり自分と戦い葛藤した、しかし無駄だった。ダメだダメだと思えば思うほど自分がネクロフィリアであることを思い知らされるだけだった。もういっそ楽しんでやろうと思った。それからというもの俺のオナニーはネットでリョナ画像やグロ画像を見てハアハア言いながらシコるというものになった。傍から見たらかなりヤバいやつだろう。しかし予想外のことが起こった、想像や画像では満足できなくなったのである。それはコンビニに昼飯を買いに行った時だった。目の前で事故がおこった。轢かれたのは20代の女で、車の速度の割にはとても綺麗に原型をとどめて死んでいた、美しかった、俺は車に轢かれた彼女の死体にとても惹かれた。勃起した、異常な程に。あれからというものもうネットの画像や動画では満足出来ない、出来るはずがない。ここでまた俺は神と戦うことになった。

結果ボロ負けした、俺は決意してしまったのだ、人を殺すことを。

世間は許してはくれないだろう。しかし俺も被害者なのだと伝えたい。そう、性欲という「黒い神」の被害者なのだと...。