三分で読める一話完結型ショートホラー小説

肉肉しいＵＦＯ

ＵＦＯを見た、それも空を覆い尽くすほどのばかでかいやつをだ。
それだけじゃない、物凄く肉肉しく、グロテスクな見た目をしていた。作りはみんながよく想像するような円盤型のＵＦＯなのだが、その外装にツタのように血管のようなものが張り巡らせてあり、中をなにかの液体がドロドロと移動しているのが外から見てわかった。極めつけは目だ、よくＵＦＯが人をさらう時に光を出すところがあるだろ？そこがバカでかい目なんだよ、ギョロギョロと見ていて不安になる挙動をし、異常な程に充血していた。
俺は呆気に取られてそのＵＦＯを見ていたんだが、突然消えたんだよ、跡形もなく。
俺は相変わらず呆気にとられていたんだが、はっと我に返り、友人に電話をかけた、今見たものの情報と感情を共有したかったからだ。
しかし思いがけない返事が帰ってきた。
友人はそのＵＦＯを見ていないというのだ。
そんなはずは無い、あれは空を埋め尽くすほどの大きさだったし、あのビジュアルはトラウマものだ。
しかし友人は見ていないの一点張り、これ以上言っても俺の頭がおかしくなっただけだと思われそうなので電話を切った、本当にあれは俺の幻覚だったのだろうか、それとも俺以外の人が、既に洗脳されているのだろうか。