それぞれの幸せな時間

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図書館の気になる人

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私は図書館に通っている。
最初は「タダで本読めるとか最高じゃん!!」みたいな軽い気持ちで通っていたが、最近目的が変わってきた。
改めて言うのはなんだか照れくさいが、気になる人が出来たのである。
いや、気になるどころではない、もう一目惚れもいいとこだ。
まじぞっこんLoveである、まじぞっこんLove。
あの華奢な体と指、中性的な顔、本を読むピンと張った姿勢。もはや神秘的ですらある。
まさか私がここまでぞっこんLoveな恋に落ちるとわ。しかも図書室の男の子とか、まじロマンチック。
本を読むふりをして、彼のことをこっそりと見る。あぁ、幸せだァ。
あれ?もしかして今の私、結構変態的じゃね?ヤバいやつじゃね?
いやいや、これは好きな気持ちが抑えられない乙女心なのである。もう一度言おう、乙女心なのである。
家に帰っても彼のことばかりだ。
もし付き合えたらなんて呼ぼう?どこにデートに行こう?
彼の名前すら知らないのに、どんどん妄想が膨らむ。
「ふへへ、ふへへへへへ。じゅるりっ」
自然と笑みとヨダレが出てくる。
ごめん、やっぱ変態だわ。
でもやめられないのよねぇ、脳内麻薬どぱどぱですわ。

次の日、事件が起きた。
「いつもこの席にいるよね、どんな本をよんでいるの?」
なんと、彼から話しかけられたのである。
「へ?えっとぉ、最近話題の恋愛小説でぇ、そのぉぉ」
わぁぁぁ、ダメだダメだ、パニクってるパニクってる!!
「あ!僕も知ってるよそれ!面白そうだと思ってたんだ、今度貸してよ!」
「え!?もちろんいいよ!なんならもっと他のも貸したげる!!」
がっつきすぎ!がっつきすぎよ私!!
「わ~い!うれしいなぁ、君、本好きなんだね、僕のまわり本読んでる人少なくてさぁ、なんだかうれしいな!僕、佐神鏡(さがみきょう)よろしくね!」
「よ、よろ、よろよろ、よろしく!!」
こんなことがあっていいのかい?握手までしてしまった。
神様あなたは本当にいるのですね。
これから毎日お供え物とお祈りをささげよう。

これからの私達はどうなっていくのだろう。
まさか、付き合っちゃったりとか?
ぐへへっ、じゅるり
はっいかんいかん、変態モードに入ってた。
どうか神様、私を見守っていてください。



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