それぞれの幸せな時間

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おじさん、猫にまみれるの巻

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気づけば私もいい歳したおじさんになってしまった。
この歳になってからなにか新しくハマることはない、そう思っていたが、最近私の心を掴んではなさい存在がいる。
猫カフェの猫達だ、あの猫たちのモフモフさ加減といったらもはや犯罪的だ。
1度本当に死にかけたことがあった。
1匹の猫ちゃんと猫じゃらしでじゃれていたら、不覚にも囲まれてしまったのである。しまった!と思った時にはもう遅い、一気に飛びかかられ、私の体は猫まみれのモフモフまみれになってしまった。
もうほんと、あの時はキュン死するかと思った。
いかんいかん、キュン死などという若者言葉をおじさんが使うと、なんだか小っ恥ずかしいな。
とにかく、あの猫たちの魅力は計り知れないのだ。
「とかなんとか言いながら、また来てしまった...」
ガチャ
「いらっしゃいませ~」
いらっしゃってしまった。
「猫ちゃん達の餌をください、あっ、1番美味しいマグロのやつでお願いします」
1番美味しいやつを買ってしまった。
「はい!あとオマケにこのマタタビもどうぞ!いつも来てくださっているお礼です!」
顔を覚えられていたのか...。
しかもマタタビとは、これはまた狂気的な物を渡されたものだ。
にゃーん。  にゃんにゃん。 ごろにゃーん。
「うはは、さっそく集まってきたな、よしよしかわいい奴らめ、ほらっ食べな、今日のは美味いぞぉ」
にゃむにゃむ、にゃむにゃむ。
うむ、明らかに食いつきが違う、やっぱりマグロが好きなのは人間だけじゃなくて猫も同じなんだな。
そうだ、マタタビをあげてみよう。
「ほら、マタタビだよぉ、おいでぇ」
にゃんごろ、にゃんごろ、にゃんごろにゃーん。
うわぁぁぁ、ゴロゴロしてるぅぅぅぅ!
うわぁぁ、これは可愛すぎるぅぅぅぅ!
しぬぅぅぅぅ、かわいじぬぅぅぅぅ!
「はぁはぁ、これは私の為にももう使わないでおこう」
それからの時間はゆっくりと猫たちをモフりながら過ごした。
ゆったりと流れる時間の中で、まったりと猫たちを撫でるのも、乙なものだ。
「あぁ、こんな時間が一生続けばいいのに。」
「それなら、ここで私達と働きませんか?」
「え?いいの?」

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