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死者の魂
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私は幽霊、だと思う...。
確証はない、だがこの世で死んだことは確かだ。
空だって飛べるし、壁もすり抜けられる。
だが幽霊だとしたら未練があるはずだ、私にはそんなものは無い。
若くして人生に飽きていたし、いつ死んでもいいと思ってた。
そんな時、私は偶然信号無視してきた車に轢かれ、死んだ。
私はどうして私が成仏できないのか分からない。
時間が経てば成仏できるものなのかと思ったが、5日経ってもまだ成仏できていないあたり、そういう訳でも無さそうだ。
ふわふわ空を飛んだり、人の家をかってに覗くのは、最初は楽しかったがもう飽きてしまった。
「さっさと成仏すればいいのに...」
そんなことをぼやいている時、楽しそうに散歩をする親子が目に入った。
なんとなしに、ぼんやりと親子を見つめていると、突然家の壁をすり抜け家の向こうへと行ってしまった。
「え?何?おばけ?」
いやいや、私人身きっと幽霊なので、この反応はおかしいが、自分以外の幽霊を見たことがなかったので正直驚いてしまった。
唖然としていると、周りの人間全員が当たり前のように壁をすり抜けて移動していることに気づいた。
「え?なになになに?何この状況?わからんわからん」
周りの状況を飲み込めずオロオロしていると、壁からヌッと出てきたおばぁさんに話しかけられた。
「おや?あんたこの世界に来たばかりだね?」
ん?この世界とは?
「まぁあんたらの世界で言うところの、あの世みたいな物さ。死んだら死んだ人達がこの世界で過ごす。それだけさ。」
詳しく話を聞くと、死んだ最初は少しの間だけ現世で魂がさまようらしい。
それがだんだんこっちの世界に馴染んできて、この世界と繋がって、私と同じ死者が見えるようになる。死者は生きてる人達の作った今は使われていない空き家や廃墟で暮らすらしい。まぁ死んでるから気温も関係ないし、寝ないでいいので家に住む必要はないのだが、生前のなごりなのか、室内は落ち着くらしい。
心霊スポットとして有名だったところはこっちの世界では人気物件だ。
私は2年前に死んだおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に、生きている人の居ない空き家で暮らすことになった。
死んだら天国があったり地獄があったり、生きてる頃は色々考えたりしたが、実際死んでみたらこんなものだ、一緒に暮らす人が変わるだけでそんなに生活は変わらない。まぁ移動は楽かな。
「はぁ、つまんないの...」
今日も今日とて、人の家を覗くことにあけくれる。
確証はない、だがこの世で死んだことは確かだ。
空だって飛べるし、壁もすり抜けられる。
だが幽霊だとしたら未練があるはずだ、私にはそんなものは無い。
若くして人生に飽きていたし、いつ死んでもいいと思ってた。
そんな時、私は偶然信号無視してきた車に轢かれ、死んだ。
私はどうして私が成仏できないのか分からない。
時間が経てば成仏できるものなのかと思ったが、5日経ってもまだ成仏できていないあたり、そういう訳でも無さそうだ。
ふわふわ空を飛んだり、人の家をかってに覗くのは、最初は楽しかったがもう飽きてしまった。
「さっさと成仏すればいいのに...」
そんなことをぼやいている時、楽しそうに散歩をする親子が目に入った。
なんとなしに、ぼんやりと親子を見つめていると、突然家の壁をすり抜け家の向こうへと行ってしまった。
「え?何?おばけ?」
いやいや、私人身きっと幽霊なので、この反応はおかしいが、自分以外の幽霊を見たことがなかったので正直驚いてしまった。
唖然としていると、周りの人間全員が当たり前のように壁をすり抜けて移動していることに気づいた。
「え?なになになに?何この状況?わからんわからん」
周りの状況を飲み込めずオロオロしていると、壁からヌッと出てきたおばぁさんに話しかけられた。
「おや?あんたこの世界に来たばかりだね?」
ん?この世界とは?
「まぁあんたらの世界で言うところの、あの世みたいな物さ。死んだら死んだ人達がこの世界で過ごす。それだけさ。」
詳しく話を聞くと、死んだ最初は少しの間だけ現世で魂がさまようらしい。
それがだんだんこっちの世界に馴染んできて、この世界と繋がって、私と同じ死者が見えるようになる。死者は生きてる人達の作った今は使われていない空き家や廃墟で暮らすらしい。まぁ死んでるから気温も関係ないし、寝ないでいいので家に住む必要はないのだが、生前のなごりなのか、室内は落ち着くらしい。
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私は2年前に死んだおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に、生きている人の居ない空き家で暮らすことになった。
死んだら天国があったり地獄があったり、生きてる頃は色々考えたりしたが、実際死んでみたらこんなものだ、一緒に暮らす人が変わるだけでそんなに生活は変わらない。まぁ移動は楽かな。
「はぁ、つまんないの...」
今日も今日とて、人の家を覗くことにあけくれる。
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